2年振りに実現!激ウマ塩辛作り

「我が家の釣り魚料理」の中で、以前から「するめ烏賊の塩辛」をご紹介していますが、釣ったスルメで作るこの自家製の塩辛、一回食べちゃうと市販の塩辛なんて一切受け付けなくなるほど、ある種、中毒症状を発症すると言っても過言ではないクセになる旨さ。これまでお裾分けで、お味を知っていらっしゃる方は、たぶんこの表現に納得して頂けると思いますが。(笑)2010年は初夏のムギイカが不漁で仕込めなかったのですが、2011年GW、近場の浅場で好乗りという幸運に恵まれ、釣果も申し分の無い内容。翌日が休日なのも仕込みには持ってこい!ってことで、2年振りに激ウマ塩辛作りに着手です。さぁ!飯と酒がいくらあっても足りませんよ〜!

【材料】
@ムギイカ(スルメイカ)の肝(中小型40杯分)、Aムギイカ(スルメイカ)の身(中型15杯分)、B塩(適量)、C日本酒(ほんの少し)

【道具】
@アルミバット(できればスノコ付き)、Aリードクッキングペーパー(1、2枚)、Bラップ(30cm分くらい)、C干物用の網、D扇風機、E保存用蓋付きボール(タッパーウェアなど)、F漉し用ザル、G木ベラ、Hまな板、Iアルミボール、J小出刃、K菜箸、Lクッキングペーパー(またはウェス)、M除菌用アルコール(無ければ焼酎など代用)

【作り方】

1.肝を塩漬けにします

まず、写真のようにバットにスノコを敷き(あればでいいです)、その上にリードクッキングペーパー(これは必須)を1、2枚敷いておきます。ムギイカの肝を破かないように袋ごと切り離し、クッキングペーパーの上に並べていきます。全部並べたら、上から表面が真っ白になるほど塩をまぶします。量は適当でいいです。このままラップして冷蔵庫で一晩寝かせて肝を塩漬けにします。塩の効果でだんだん余計な水分が出てくるので、滲み出した水分で肝が水浸しにならないようにしておくことが重要です。

イカが同じサイズだと仮定すると、肝と身の割合はだいたい2:1が目安なんですが、今回はイカのサイズが小振り主体でバラツキがありましたので、肝は約40杯分、身は大きい方から選んで15杯分用意しました。



2.身を素干しにします

さて、肝の仕込みが終わったら身を素干しにします。写真のように開いて部屋で扇風機干し、コレで十分。部屋の中がイカ臭くなることはありません。(って言うかイカは臭くないです!)写真は皮側が上になってますが、最初、身の内側から干し始めて、ベト付かない程度に乾いたら、裏表ひっくり返して、表側を上にして干し上げます。身を真水で洗う必要はありませんし、今まで一度も洗ったことはありません。船上干しを使ってもいいですが、乾きが甘い場合は持ち帰って追い干しした方が良い場合もあります。面倒でも干す前にキッチンペーパーで水分やヌルヌルを拭き取っておくと汚れも取れて乾きも早くなります。



下の写真のように表面がスベスベして、ベト付きが完全に無くなるまで干します。余計な水分をしっかり飛ばしてしまうことが、後々、仕上がりを良くするためには重要なのです。くれぐれも生のまま使うことは避けてください。生で使うくらいなら干し過ぎた方がぜんぜんマシです。干し時間はその時の天気や気温でかなり差が出ますので、たまに様子を見ながら時間を加減してください。干し過ぎと思うくらいの方が結果は良好となります。今回は外が雨模様だったせいもあり、乾きが遅く、朝から4、5時間、扇風機回しっ放しでした。



3.肝を裏漉しします

今回仕込むすべての量を入れても少し余裕がありそうなサイズのボール(できれば蓋のできるタッパーウェアタイプのもの)を用意し、内側をアルコール除菌しておきます。除菌用アルコールがなければ焼酎などで代用可。これからの作業において、雑菌の混入を如何に抑えるかが、味落ちがし難く、日持ちを良くするためのポイントになりますので、少し注意して作業してみてください。

さて、上記のボールに加え、写真のようなザルか網(網目1.5mm程度のやや粗め)、木ベラを用意し、肝を裏漉しするわけですが、ザルに肝を適量出しては漉してを全部終わるまで繰り返します。肝を袋から出す際は、素手でやってもいいですし、薄手のビニール手袋を装着してもOK。指で薄皮を破いて中身を直接しごき出してもいいですし、箸で挟んでしごいても方法はどうでもいいです。素手でやる場合は、手をよく石鹸で洗いアルコール除菌してから着手します。塩漬けの塩は混入してもOK、この時点では無視してください。



約40個、全部、漉し終わりました。見た目、こんな感じでOKです。残った肝袋は何か料理に使えそうですが、未だ試したことがありません。裏漉しで使ったザルとヘラ、コレ舐めるだけで1杯飲めちゃいそうです。この時点で早くもバカうま!



4.身を刻みます

身が干せたら刻みに入ります。最初にエンペラを手で引き千切ります。すべるのでウェスやキッチンペーパーでやると簡単に出来ます。内側に余計な水分が残ってますので、これもキッチンペーパーなどで拭き取ります。とにかく余計な水分、コレが最高に仕上げるためには大敵なんです。エンペラも歯応えコリコリと食感が良いのでもちろん使いますよ。ボールをアルコール除菌したくらいですから、念のためまな板も除菌しておいた方が良いでしょう。



写真のように身を上から3等分に切り分けます。



身の部分は横方向の繊維を断ち切るよう、縦に包丁を使って、幅7mm程度の短冊に切ります。縮んでいますので、横に引っ張って長方形に近い状態に広げると切り易いです。個人的にはやや細目が好みなんです。



剣先の部分やエンペラは写真のように切ればいいでしょう。



やっと半分くらい終わりました。退屈な作業なので、音楽やラジオを聴いて楽しみながらやれば苦になりません。



あと少しだ、ガンバレ〜!



やっと全部刻み終わりました。こうやって見ると肝に対してちょっと身が多過ぎたかもしれませんが、割合は後で調整できますので問題ありません。



5.肝と身を和えます

ボールに保存してある裏漉しされた肝の中に、刻んだ身をまずは一掴み、二掴み投入し、菜箸で混ぜて和えて行きます。



しつこいくらいによく混ぜます。



刻んだ身を徐々に追加しながら、ひたすら混ぜ続けます。肝と身の割合は前述したように2:1が目安ですが、身が多過ぎるより肝が多過ぎる方が出来上がりは美味しく仕上がります。割合はそれぞれお好みで構いませんが、これ以上、身を入れたら多過ぎるかな?と思ったら、その時点で迷わずストップしてください。余った身はお好み焼きか焼きそばの具に使ってください。実は今回、思ったとおりで、身が2杯分くらい余ったので、急遽、肝を追加で塩漬けにし、バランスを調整しました。

6.塩分を調整します

肝と身の量が確定したら日本酒を2垂らしほど加えます。これは味を良くする効果というより、雑菌の繁殖を少しでも抑制して日持ちさせるのが目的です。いくらお酒が好きでも(笑)、あまり入れると味が変わってしまいますし、肝がゆるくなってしまいますので、あくまでも分からない程度でいいです。

さらによく掻き混ぜたら、ここで味見をしてみてください。たぶん、ほどほどに塩分が効いていて、このままでも美味しいと感じるはずですが、塩加減のキモは、「しょっぱ過ぎない範囲での最大の塩分量」です。(高血圧には良くないですね、汗)結果的にこの分量に対して3つまみ程度の塩を追加してますが、あくまでも加減を見ながら少量の塩を加えては掻き混ぜ味見をし、を繰り返して味を確定させます。

過去に最後の1つまみが効き過ぎてしまって後悔したこともあります。ただ、熟成させるうちに塩の効果(浸透圧でしたっけ?)でイカの身から旨みと水分が外に滲み出し、肝と一体となって塩分もまろやかにコクと旨みが醸成されますので、やはり「しょっぱ過ぎない範囲での最大の塩分量」コレがキモなんです。何度かやってると勘が掴めるんですが・・・。



7.寝かせて熟成させます

蓋をして冷蔵庫で寝かせます。下は仕込んだ翌日の写真。まだちょっと早いですね。空気が表面に浮いて泡が立っています。2、3日寝かせて熟成が適当に進んだ頃が食べ頃となります。食べ頃を迎えるまでは一日一回、冷蔵庫から出しては掻き混ぜて、ついでに味見、コレが楽しみ!?

作業方法や塩分量、保存方法によって変わるので一概には言えませんが、我が家では2、3日目くらいから長くて2週間くらいまで。雑菌の繁殖などによって食べ頃を過ぎると急激に味が落ちてしまいますので、1、2週間のうちに食べきれない場合、または、お楽しみを数ヶ月先まで取っておきたい場合には、小分けにして冷凍保存すれば1年は持ちます。ですが、あるとすぐに食べてしまうので1年も持った例はありません。(笑)小分け冷凍にはジップロックコンテナがオススメですが、100円ショップなどで見かける密閉型プラスティック容器でも十分です。冷凍保存する際、塩辛を容器一杯ギリギリに詰めて、蓋をした時に空気の隙間ができないようにした方が、酸化を防げる分、多少は味の持ちが良くなると思います。



8.完成です!

小出しにしてお酒のお供にご飯のお供に!やめられない止まらない、飯と酒がいくらあっても足りませんよ〜!高血圧と糖尿病には大敵(笑)、激ウマ塩辛の完成です!

これも手前味噌な話でして、塩辛作りに一家言お持ちのイカ釣り師も沢山いらっしゃることと思いますが、やってみたいけど詳しい作り方が分からない!今回はそんな方に少しでもご参考になればと思い記事にしてみました。

最後におさらいで成功の秘訣三か条・・・@肝も身も余計な水分を徹底的に飛ばすこと。A肝と身の割合の目安は2:1。B塩加減は「しょっぱ過ぎない範囲での最大の塩分量」。






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