カワハギ濁り速潮で苦戦

9月12日(日)、久比里の巳之助丸からカワハギに行ってきた。
今年の夏カワハギは空中戦に拘り過ぎたせいか?全般としては大物ゲットもならず、かと言って極端な貧果もなく無難に過ごした感じだ。前回カワハギに釣行してから早一ヶ月が過ぎ、朝晩はだいぶ涼しく陸もそろそろ秋の気配。いわゆる本格シーズンを控えて実はこの時期、非常に難しい時期でもある。シロギスも春秋の異動期には数がまとまらず、拾い釣りの厳しい展開となるが、カワハギもこの時期はよほど条件に恵まれない限り、アタリがバンバン続いて好釣果なんてことは経験上ほとんど無い。とりあえずの目標はツ抜け。条件良くて20枚という目標になろう。

いつもの時間に船宿に到着すると、21号船は既に10名を越えるお客さんでビックリだ。とりあえず空いてる右舷胴の間に荷物を降ろし、アサリを桶に1杯用意する。受付を済まし、船上でアサリ剥きを始めるが、左舷艫にはH谷さん、A葉さんコンビ、ミヨシにはY本さん、その他見慣れた常連さんが数人。今月下旬に開催されるダイワ・カワハギオープンを控えてのプラクティスなのか、その会話からも何となく大会を意識した雰囲気が伝わってくるのであった。

2番の特急が到着する6時45分を回る頃には乗客は20名を超え、どうやらシロギスを閉幕したばかりの16号船がカワハギ船として出船することになったようだ。16号船も左右の艫はすぐに埋まったが、少し経っても右舷のミヨシが空いていたので、私はいちかばちか移動することに決めた。結果はどうなるか分からないが、片舷10名の胴の間よりはいくらか釣り易そうだし、オマツリを防げるだけでも精神的にも物理的にも助かる。結局、21号船は18名前後、我が16号船は左右5名づつの10名となり、今日の船長は少々気が早く、7時45分に出船となった。



いつものように久里浜港でスパンカを上げると、久里浜堤防を回って南下。竹岡沖の線もあるかと思ったが、どうやら剣崎沖に向かうようだ。途中タチウオ船団を横目に見ながら、ゆっくりめの航行で到着したのは剣崎灯台の南東面である。8時25分、比較的陸に近い水深15m程度の浅場からスタートとなった。早朝まで北東風が強かったようだが、この時間には弱まり空は薄曇り。水色は濁り。暑くも寒くもなく非常に快適な気候である。今日は中潮で干潮が約9時50分の予報だから、朝一は下げ潮、その後上げ潮となる見込みだ。剣崎沖は潮方向が全然読めないが、傾向としては上げ潮に入っても下げ潮と同じ方向に流れるパターンが多いかもしれない。



海底はかなり起伏があり、時折1〜2mの根を超える。船は剣崎の南岸に沿って西に流され、江奈湾の前まで来たら潮回り。右舷は厳しい払い出しとなるが、どうやら二枚潮掛かっていて底潮が動いていないため、根掛かりが多くなる。外道のアタリがポツンポツンと煩い程でもないが、肝心のカワハギのアタリも無い。濁り潮と二枚潮では今日も忍耐の釣りになりそうだ。あまり派手な誘いはせずに、底をトレースしながら20cm程度の上げ下げで静かに誘い続けてみる。初めて本命と分かるアタリが出たのが8時50分、上手いこと掛かって23cm級を取り込んだ。バケツでカワハギが暴れる音をまだ聞いていないので、もしかしたら船中第1号かもしれない。

その後1時間ほど、それらしき掛け損ないはあったが本命のアタリを捉えることができない。10時を回ってやっと2枚目がヒット、10時30分頃、続けて2枚釣り上げて4枚。12時前に5枚目と予想通りの苦戦。掛け損ないはあるにはあるが、その回数は少ない。完璧なバラシも1回あったが、そもそもアタリ自体が少ない。潮は相変わらず速めで、クラッチを切ってスプールをサミングしていると、払い出しにより毎秒2、30cmくらいのスピードで道糸が出て行くから、仕掛けを安定させることが難しく、食い込ませる間が取れない非常に釣り難い状況だ。同じ速潮なら抱え込みの方が前方に遠投して、手前に来る分当たってから間が取りやすいので断然有利である。多少の強弱や左右の振れはあるものの干潮の潮止まりも特に無く、朝からほとんど同じ方向に流れ続けている。前半戦で5枚と少々ヤバイペース、頑張らないとツ抜け危うしだ。

お昼を過ぎて少し移動。風も止み、日差しが強くTシャツ1枚になる。今度は東面の間口港の沖を流すが、こちらも東から西へ陸に向かってぶつける潮で、流しの始めと終わりで水深は20m強〜15mといったところ。潮色は午前より茶色が入ってきたようで、さらに苦戦が予想される。21号船は朝から竹岡沖に向けたらしく姿が見えなかったが、午後になってこちらに移動してきた。たぶん大型狙いだろう、本船より浅場の根の中を攻めているのが見える。12時10分に弛ませた釣り方で6枚目。12時30分、ちょっと船の動きが緩くなったのを見計らって空中戦を試みると、運良く2枚連続ゲットで8枚。空中戦と言っても50cm以内の低目のタナである。しかしこれも続かず、船が動いてしまうと仕掛けがどんどん浮き上がり、やはり中層ではアタリが出ない。あと2枚で最低目標クリアだが、状況からして今日は甘くなさそうだ。

少し南下して剣崎南東面の午前中やった近辺に移動。地底を釣るとトラギスやベラが煩いので、50cmくらいタナを切った誘いで9枚目。13時30分、同じ釣り方でようやく10枚目を掛けた。ところが水面でボチャン!何やってんだよ〜!20cmくらいの中型だったが、やけに引きが強かったから唇の皮一枚だったのだろう。気を取り直して再投入。少し浮かせ気味の誘いでガツン!シテヤッタリ。ようやく10枚目。かと思いきや、イメージしたのと違う色が浮いてきたから、一瞬気を失いそうになった。(笑)でかいキュウセンである。水面近くで道糸が円を描かなかったから、一抹の疑念はあったがやっぱり騙された。

水面バラシをやらかし30分経過した14時、また少し浮かせた状態から今度はなかなか食い込まず、1mくらい誘い上げたところで、会心のアワセをくれると重量感のある引きこみで竿が胴まで曲がる。シテヤッタリ。なかなか良い引きだが、何となく変だ。さっきのショックがあるので姿を見るまでは信用しないことにしよう。途中の食い上げはそれっぽいが、突っ込み方がちょっと・・・ウン?・・・コノヤロ〜!今度はデカイ青ベラだ!しかもあんなに食い込まなかったクセに針が見えないほど飲み込んでやがる。そのままハリスを外してリリースしてやった。(笑)

残り時間は後1時間弱。こういう渋い日はちょっとアタリが出ないと平気で1時間くらい過ぎてしまうから油断できないのだ。14時10分、地底での誘いに乗ってきたのが、正真正銘待ちに待った18cmくらいのカワハギ、こうなったらサイズなんてどうでもいい。ようやく10枚目をゲットで胸を撫で下ろすのであった。その後、気が抜けたか、掛けてから景気よくぶっ外れたのが1枚、掛け損ないも何回かあって全然伸びないが、最後に1枚だけ追加して、11枚で今日は終了。最終ラウンドでお隣さんがいいペースになったので、けっこう魚は居たのかもしれない。15時ちょうどに納竿、さっさと片付けベンチに寝転んで帰港となった。

今日はのんびりのつもりがけっこう真剣で、終わってみればどっと疲れた。毎回ツ抜けを第一目標としているが、この最低ラインがけっこう危うい日が多く、自分なりには楽しめるラインなのかもしれない。おかげで一人でドキドキハラハラである。(笑)竿頭の方はもちろんもっと沢山の釣果を上げるわけだが、一年中、どんな状況下でもコンスタントにツ抜けするというのは、自分にとってはけっこう大変なことだと思っている。今後どうなるかはまるで分からないが、とりあえず連続21回ツ抜け記録更新を果たすことができただけで、今日は大いに自己満足。欲を言えば尺オーバーの大型記録更新とか枚数の自己記録更新もしてみたいが、それは今後のお楽しみ。続けていれば、きっと良いこともあるでしょう。しかし毎回毎回楽じゃないわ。


本日の釣果、カワハギ 17.5〜23.5cm 11枚。外道はキュウセン、ササノハベラ、トラギス、オニカサゴ、カサゴ、イラ、オキゴンベ、ネンブツダイといったところで、全部放流でした。カワハギは1ヶ月前と違い、卵は完全に無くなり、肝がだいぶ入ってきました。

【船宿HPコメント】
皮はぎ・・剣崎沖、潮:濁り、水温:25度
今日は剣崎沖と竹岡沖に分かれて出船しました。剣崎沖は今日も良型主体の大型混じりで平均に釣れました。トップは横浜市の○○さんが18枚でした。竹岡沖の方は2枚潮が速くて苦戦でしたが、小型の皮はぎが釣れ始めて来たので、条件が良ければ数が出そうです。後半に剣崎沖へ移動して大型を数枚づつ追加して、トップは港南区の○○さんが14枚でした。(浩喜、美佐男)

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