カワハギ落ちの集団を直撃

9月20日(月)、横浜新山下の渡辺釣船店からカワハギに行ってきた。
今日は久比里からタチウオに行く予定で準備していたのだが、前夜船宿HPをチェックしていると、渡辺釣船店でカワハギが絶好調。富津沖で2〜51枚との情報。9月18日(土)、マゴチに代わり例年より早めに同宿ではカワハギが開幕し、その状況が気になってはいたのだが、いつもは竹岡沖のはずが富津沖というのがどうも気にかかる。そこで夜になって急遽予定変更、渡辺釣船店からカワハギの様子を見に行くことにした。最初からそのつもりだったら事前にアサリを剥いておくのだが、塩漬けも沢山あるし、心配なら船宿で剥けばいい。ちなみに船宿の殻付きアサリは600円/1Kgで購入できるが、私には小さ過ぎて使いにくいのである。

前夜、12時を回って床に就くが、漆かぶれがチクチクと痒くて眠れない。和竿作りの工程で、ちょうど摺り漆(素手で摺り込む工程)をやっている関係上、手は大丈夫なのだがその手で体を触るものだから、首の後と鼻の下、右目の周りが少々かぶれている。薬で痒みを落ち着かせ、何とか2時間ほどの睡眠を確保した。予定通り始発電車に乗り、みなとみらい線で元町・中華街駅下車、5時35分には船宿に到着した。既にアサリ剥きに精を出す常連さんに挨拶し、船に乗り込むと四隅は左舷ミヨシが空席、迷わず荷物を下ろした。先客は6名ほど居るが皆常連さんで、マゴチ船と顔ぶれは大きく変わらない。

宮地船長に早速状況をお伺いすると、初日は竹岡沖で大型連発。取れないのが多かったが、30cmオーバーも出て好調とのこと。昨日は強風高波のため場所まで行けなかったので、途中第二海堡の風裏に隠れて竿を出したところ、これが大当たり。常連O氏が51枚、慣れないお客さんが2枚だったそうだが、乗客7名で160枚近く上がったとのこと。水深も10m前後、浅いところで5mだそうで、小型も多いが中型中心に25cm程度までは顔を出すらしい。私はカワハギ船では鴨居より北ではやったことがないし、水深も浅いのでかなり期待が膨らむ話である。今日も最初に昨日のポイントをやって、ダメなら竹岡沖に移動する作戦のようだ。

乗客は左右7名づつの14名で予想したほどの混雑も無く、7時25分出船となった。今日も南西風で、今のところは弱まっているようだが、被りそうなので操舵室にお邪魔し、雑談しながら航程30分強で現場に到着した。これくらいの時間だとだいぶ楽である。8時35分、早速開始のアナウンス。第二海堡北東側の水深約10m、半信半疑で仕掛けを投入。最初は様子見で底中心に少しのタナまでをゆっくり上下に誘ってみる。開始1分くらい何も当らず、そろそろ入れ替えようかと思った途端、威勢の良いアタリでいきなりヒット。浅いので豪快なアタリで竿が叩かれた。巻き上げるといきなり19cm級と16cm級の一荷でビックリ。すぐに投入し今度は叩いてみるとすぐアタリが出て20cm級。次投でまた一荷、そして1枚と開始約10分、4投で6枚の空振り無しで夢のようなスタートを切った。



南西の弱風、薄曇り。海上は凪で潮色は済み。ここはタコのポイントでもあり、近くを吉久のタコ船が流している。今日は小潮で満潮が9時、干潮が14時頃の予報。現在上げ一杯で流れはほとんど無いが魚の活性は高い。船長曰く群れが濃く魚探に反応が出てきたらしい。船から餌が落ちてくるのでカワハギが船下に固まってきたのか、何だか凄い状況になってきた。先週の久比里で余ったアサリから使用しているが、困ったことにこちらの活性が上がり過ぎてスムーズに餌が着けられない。

仕掛けが着底してアタリが出るまでの間隔も短くなってきたようだ。叩いても、タナでも当たるし、何もしなくてもアタリが出る。しかしアタリは出るのだが、そこはカワハギ、上手く掛けられないのも居るから余計に興奮させられる。狭い場所を流し換えているせいか徐々に当り方がスレてきた感もあり、空振りの回数が増える。早くもアタリの割に数が伸びない状態に陥り、夢のような話はそうそう長続きしないのであった。何回当ったか分からないが、開始40分でやっとツ抜けである。いつもなら上出来のペースだが、これだけ当たってこの調子だから、まだまだ修行が足りないことを実感するのであった。

「下げ潮が速くならないうちがチャンスだよ!」と船長。確かに9時を回ると船の動きが徐々に速くなり、島の北東の角に向かって南に流れ、東面に払い出す潮向きとなる。10時、島の東側に抜ける流しで水深がどんどん深くなる。急降下で約20mまで落ち込んだ場所で微妙なアタリを捉え、上手いこと乗せたのが、本日船中最大となった27.5cm。これでやっと13枚。徐々に風は真南に回り強さを増してきた。下げ潮に入って若干潮に濁りが入ってきたように見える。上っ潮が速く二枚潮掛かって釣り難い。



我が左舷ミヨシは潮先だが、すぐに船下斜めに仕掛けが入り込む。少し舳先方向に投げ込んで、できるだけアタリを取る間を作るが、入れ替えが短サイクルで忙しい。弛ませ気味の誘いでたまにアタリが出るが、朝一とは一転、食い込みが渋く、二枚潮も手伝って乗せてからのバラシに何度も泣かされる。バラす度に船長に「バレちゃった?」と声を掛けられて気恥ずかしい。お昼までに16枚、この2時間はすっかり低迷タイムとなってしまった。魚は間違いなく居る。下げ潮のたるみが次の時合と読み、手を休めることなく釣りを続ける。予想通り、お昼を過ぎると徐々に潮が落ち着きを見せてきた。お隣の釣り人がカワハギを上げたので、私も船下の誘い釣りに戻すと、いきなりアタリが出て17枚目。久しぶりのカワハギだ。

これを機にアタリが徐々に戻ってペースアップ。朝一番の方が一回りサイズが良かったようだが、午後に入ってからは15〜18cm級主体に空中戦も交えながら13時で24枚、この1時間は8枚とまずまずのペースだ。朝のような威勢のいいアタリこそなかなか出ないが、アタリはポツポツあって、相変わらず掛け損ない、バラシを交えながらも落ち着いたペースである。会心のアワセでシテヤッタリ、船長と目が合ってニンマリ。慎重に巻き上げると青ベラでコノヤロー!毎回同じようなことをやっている私である。(笑)名人N氏は右のミヨシで好調。船下でアタリが出ないと舳先に仁王立ちで遠投叩き釣りの反則技(笑)で数を伸ばしている。

13時台も同様のペース、14時で32枚と久しぶりの30枚超えを達成。最終ラウンドは島の北面西側の堤防の沖に移動するが、下げ止まりのせいかほとんどアタリを捉えることができない。漁師が目の前で網を入れたのも影響しているかもしれない。そして14時50分、35枚となったところで本日の釣りは終了となった。ギリギリ15cmあるかないかのカワハギがまだ元気に泳いでいたのでこの1枚は放流。途中のバラシ連発を何とかできれば軽く40枚は超えていたと思うが、タラレバの話ならいくらでもできる。これが実力と認めて経験を次に生かしたい。竿頭は名人N氏で50枚。流石に数と勝負に拘るだけのことはあってよく釣るの一言である。左右大艫の常連さんは29枚づつ?とのことだ。

船長曰く、場所が狭いので何時まで続くか分からないとのことだが、今日も船中5〜50枚とマル秘ポイントは連日の好釣果で幕を閉じたのであった。この時期にこんな釣りができるなんて、タチウオからの予定変更が奏功した一日であった。第二海堡でのカワハギ釣りは初体験だったが、落ちの群れが一時的に固まっていたものなのか、年中周辺に居ついているのかは定かではない。厳冬季は水温が下がり過ぎるだろうし、時期によっては外道の猛攻で釣りにならないなんてことも考えられる。少なくとも良い時期に上手いこと船長の戦略が嵌ったおかげで、今日は久しぶりにアタリ多く、メリハリのあるカワハギ釣りをさせてもらって感謝である。今後、竹岡沖の漁礁で大型狙いも面白そうだし、船団を離れた船長の秘蔵ポイントも楽しみ。宮地船長のカワハギ船が今年も始まり、しばらくは目が離せそうにない。


本日の釣果 カワハギ 15〜27.5cm 35枚。(放流分1枚を含む釣果)

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