船上極寒もクーラー賑やかアマダイ釣り

1月23日(日)、久比里の巳之助丸からアマダイに行ってきた。
先週末は土日とも冷たい雨が降り続き、風も強く釣りは断念。今日は2週間ぶりの出撃である。このところアオリイカが好調のようで、7、8割がキロオーバー、大型は2Kgを超えるというから、この機会を逃す手は無いと思い、同行して頂けそうな釣り仲間を当たってみたがアタリゼロ。(笑)手返しも要らずシャクリ続ける釣り故、乗らない展開に嵌った場合を想像すると、今日は寒そうだし、話し相手も居ない単独釣行は精神的に自信が無いのであった。ということで、今日は連日大型続出に沸いているアマダイ釣りを選んでみた。今季3度目のアマダイだが、2本、2本といずれもアブレ無しで、昨シーズンから引き続き何故だか確変モード続行中。もしも本命がダメでも何かしらお土産は釣れそうだから、この厳冬期には非常に有り難い釣り物なのである。

いつもの時間に船宿に到着すると、アマダイ乗合の17号船は対岸の店側に着けられている。早速乗り込むと先客のお2人連れが左右の大艫に入っていた。今日は北東風の上げ潮だから、単純に私は左舷ミヨシに釣り座を構えた。例によって出船までの退屈な時間、店で女将さんと雑談したりで時間を潰すが、こういう時はなんて時間が経つのが遅いことか、準備が終わって時計を見てもまだ7時。オキアミの尻尾を一尾づつ丁寧に切り落としても10分掛からないから、大した暇潰しにもならない。今朝は京急の暖房が何故か入っていなかったので、ポケットに手を突っ込みブルブルしていたが、船上に居てもやっぱり冷え込みが厳しい。天気予報は曇りで最高気温6度の予報だから、今日は沖に出ても寒そうだ。7時40分、船のエンジンが掛けられ、電動リールのモニターが点灯した。電動リールは予備を持ってきていないので、いつも電源が入るまで不安なのである。


底冷えのする朝、開国橋からがまかつのカワハギ釣り大会の船が出船。

本船はポツリポツリとお客さんが見えて、左右5名づつの10名。比較的余裕のある間隔である。今日は延期になっていた「がまかつのカワハギ大会」らしく3隻使うそうだが、カワハギ乗合のもう1隻は片舷5、6名とガラガラ。さすがこのシーズンともなるとお客さんは少ないようで、店で雑談していても平日のようにまったりムードなのであった。さて7時52分、カワハギ船に続き、我がアマダイ船も友康船長の操舵でようやく出船となった。久里浜港でスパンカを上げ、沖に出ると早くも飛沫を被り始めた。意外と風が強いようだ。急いで荷物を纏め、キャビンに非難した。ドタバタした海を中速で進むが、キャビンの窓がバケツの水を浴びせたように洗われる。今日も海良くないな〜。このところの傾向からして富浦沖と予想したが、やはり船は南南東方向に一直線だ。40分程走って大房岬を少し越えた辺りでスローダウン、早速釣り座に戻るとタオルで周辺を拭き、用を足したら臨戦態勢OKだ。

8時48分、開始の合図である。北東の風やや強く曇り、海上は1〜1.5mの波でコンディションはあまりよろしくない。水深は約95m、水色は澄みだが、天気が悪いので暗く見える。今日は大潮で干潮が10時過ぎの予報だから、朝のうちは下げ潮、その後上げ潮が予想される。GPSによると船は北西に向かって適度な速さで流れているのが分かる。左舷潮先の横流しだ。1投目からいきなり外道の猛攻が始まり、着底後10秒以内に必ず何かにやられる。ちょっとアタリが無いと思えば必ず餌が無い。忙しさは盛期のカワハギ釣りといい勝負か、この時期のカワハギよりよっぽど忙しいかもしれない。掛かる魚は大半がヒメとトラギス、定番外道の筆頭株主である。ちょっと鋭い引きをするのは大体がキダイ。カイワリだともっと嬉しいのだが。一流し約30分の後、2流し目に入るが、同じポイントから今度は北寄りに向かってゆっくりした流しになった。下げ潮のはずだがまったく読めない潮である。

9時40分を回ると潮はさらに緩まり、外道の猛攻も徐々に落ち着きを見せ始めた。ここはチャンスである。今まで一回の誘いで外道のアタリが出てしまい、アマダイ釣りをさせてもらえなかったが、こうなれば少し誘い続けることができる。波が少々高いので、タナはいくらか低目を基準にして、時折大きく下針を完全に浮かせてからオモリが着かないギリギリまでゆっくりと落とし込む。そしてまた1m程度の誘いを入れる。すると9時50分、ドンという紛れも無いアタリの到来。船の上下動で引っ張らないよう竿の角度を調整しながら同じテンションをキープ。そのまま聞き合わせるとドンドンドン!と胴に乗った。中速で巻き上げると、時折穂先を叩く鋭角な引き込みは限りなく本命に近い。オモリを回収し、仕掛けを手繰ると先針に青白い影が見える。ヨッシャ!本命だ。抜き上げたのは26cmとちょっと小振りだが、一応アマダイ。今日は早い時間に型を見ることができたから気持ちに余裕が生まれる。ヨシ!また釣るぞ〜!


ポイントを徐々に北に移動させる。少し凪かけたが・・・。

10時5分、依然潮はトロトロと動きが緩い。タナを切ったまま同じ位置で5回仕掛けを煽ってから落とし込む。何か違和感を感じたので、慎重に聞き上げて行くと、先針が浮くくらいの高さでドドドン!と引き込まれ、そのまま胴に乗った。これは間違いない。ちょっと引きが重たく良型の予感。しかし、水面に現れるまでは信用できない。以前のイラの件(2004年11月3日の釣行記参照)があるので、オレンジ色でもショックを受けないように心の準備をしておかなきゃ。(笑)と言いつつもこれは99%アマダイと確信。ロッドをキーパーに掛けて仕掛けを引き寄せると青白いから当たり!ヨッシャ!早くも2本目となる41cmの良型を抜き上げた。この型が1本出ればノルマ達成といったところ、後は余裕の釣りである。その後、10時30分に外道が掛かったまま誘っていたら、それらしきアタリが混ざったので、半信半疑で巻き上げると何と可愛い22cmのチビアマちゃんとオキメバルの一荷である。水圧の変化にやられ放流できないからキープ、美味しく食べてあげよう。

微妙に上げ潮が効いているが、物足りない流れである。流しによってキダイの連発やカナガシラ、カナドなどが顔を出し、順調にお土産が溜まる。船は徐々に北にポイントを移動して行く。11時前、不覚にもにGPSのバッテリー切れだ。充電式の電池を用意してあったのに持ってくるのを忘れてしまった。残念。風は強まったり、少し和らいだりを繰り返すが、なかなか海面が平になってくれない。それどころか予報に反してお昼前から雨が降り出した。みぞれ混じりの冷たい雨、気温が一気に下がったようにも感じる。手が真っ赤にかじかみ、指の関節が思い通りに動かない。さぶいよ〜!ふと今日出撃しているKOBIさんやシロギスさんのことを思い出し、頑張ってるかな〜と思いを馳せる。一方、こちらアマダイ船のお客さんたちはさすが予報承知で来ているのか釣りを止める人は誰も居ないから心強い。置き竿にする人は増えたけど、みんなしっかり釣っている。頑張るんだ!(笑)バケツで海水を汲むとぬるま湯のように暖かいから水温は意外に高いのかもしれない。


後半は岩井沖〜勝山沖辺りまで北上。初めて釣りましたが何でしょう?「ずぼら釣魚図鑑」さんで教えていただいたところ、スミツキハナダイ(雌)らしいです。この種は写真自体珍しいようですね。

冷たい雨の中、誘いの手を休めることは無い。その報いか久し振りに良いアタリに穂先が叩かれ何かが掛かった。巻き上げると、途中の引きが違うのでオニカサゴかカンコか?と思ったら、何とビックリ、良型のアヤメカサゴのお出ましだ。後で測ったら34cm。同じ流しで30cm、26cmとアヤメカサゴ3本ゲットでクーラーは一気にボリュームアップ。潮先の特権か?これは嬉しい!アヤメカサゴは美味しいからどうやって食べようかな〜と、早くも頭の中は食べる方に向いている私であった。これぞアマダイ釣りのもうひとつの楽しみなのである。13時、中層にサバの群れが寄ってしまったようで、35m付近で仕掛けが止められる。小刻みな引きを高速で巻上げると、これは何とも細くて中途半端なサバ、サイズは23cmくらいかな。う〜ん、今日は他にお土産が沢山あるので放流することにしよう。周りの皆さんもしばしサバサバサバである。

13時50分、外道のアタリが少し遠のいたので、餌が着底している時間を少し長めに取りつつ、1m程度の誘いをしていると、何だかモゾッとした感触に本命の予感。低めでやっていたのでアタリがはっきり出ない。一呼吸置いてからゆっくり聞き合わせすると、心地よい引き込みに穂先が叩かれる。たぶんアマダイだろう。でもあまり大きくないようだ。中型でも巻き上げ中の叩き込みは健在。一瞬ハラハラさせられるこの引き味こそアマダイの真骨頂だ。と言いつつまんまとイラに騙される私。(まだ言ってるし、笑)躊躇無く抜き上げたのは32cmの中型。これで本日4本目と絶好調!14時30分を回り、いよいよ最終ラウンド。周りでアカボラが出始めたのでチャンスだ。お隣さんがアカボラをよく釣るのだが、釣れる度に何の迷いも無く放流している。ウッソ〜知らないのかな〜。よっぽど「捨てるなら私に頂けませんか?」と言いかけたが遠慮しておいた。でも、もったいないな〜。

ちょっとフグが寄ってしまったようで、しばらくアタリが無いと思うとハリスが切られている。この水深でこれは厄介だ。しかしアカボラが出始めたので、これまでより高めのタナで誘いを入れるようにしてみると、14時50分、ゴン!と穂先が入り、緊張するまもなく胴まで持ち込まれる。間違いない!引きを楽しみながら上がってきたのは先程より一回り大きい34cm。チョー嬉しい!最後の最後で5本目達成。やっぱり高めのタナで食わせた方がアタリがいいな〜。そして最後にもう1投するが、あっという間に外道にやられジ・エンド。14時55分、沖上がりのアナウンスとなった。帰りは向かい風で被りそうなので、急いで片付けキャビンに非難である。波に向かって突き進む船の上下動が何とも心地よく、うとうとしながらの帰航。このまましばらく走ってて欲しいな〜と思ったが、30分足らずで久里浜港に辿り着いてしまった。船宿で女将さんに状況報告、甘酒をご馳走になり、体を暖めてから帰路に着いた。横浜に戻ると何時しか雨は雪に変り、今夜もうんと冷え込みそうだ。

さて、またまた大成功のおかずゲット大作戦。今日は半数以上の方がゼロの中、小型も入ってしまったが5本と大満足の釣果。そして外道も多彩で、寒い中頑張った甲斐があった。しかし、不思議とアマダイはあぶれない。もう2年以上ボーズが無いなんて出来すぎである。そのうちドツボもありそうだが、今日も運が良かったということで、めでたしめでたし。とりあえず今晩はアマダイのお刺身と小魚を煮付けにでもしてもらおうかな。後の処理が大変だけど、今日は2週間振りの釣りで、我が家は釣り魚欠乏症だから、きっと喜んで食べてくれることだろう。とにかく今日は寒かったが、こんな日に耐えてしまえば、もうどんなに寒くても大丈夫と妙な自信が付いてくる。アタリがあれば寒さなんて何のその、船上は極寒だけど海中は活性高く、今日もクーラーの中は赤や黄色で大賑わい、お陰さまで大満足の一日となった。アマダイ釣り、止められませんね〜!


本日の釣果、アマダイ5本(41cm、34cm、32cm、26cm、22cm)。今日は小さいのも入っちゃいましたが、水深が深く放流できないのでご勘弁の程。


その他、嬉しい外道でアヤメカサゴ3尾(34cm、30cm、26cm)、カナガシラ、カナド、キダイ、オキメバル(トゴットメバル)、アカボラ(ヒメコダイ)など。トラギスとヒメが合わせて40〜50尾釣れましたが放流してきました。

【船宿HPコメント】
甘だい・・富浦沖、潮;薄濁り、水温:16度
今日も富浦沖80〜90m前後を流しました。こちらはあまり水温も下がらず、上げ潮が適当に流れて32cm〜48cmがポツポツと釣れました、トップは港北区の小峰さんが5匹で、ボーズのお客さんもいましたが、外道にあやめカサゴの大物も釣れてお土産になりました。(友康)外道はまとうだい、れんこだい、他

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