やっぱり厳しいこの時期のカワハギ

1月29日(土)、腰越の多希志丸からカワハギに行ってきた。
今日はいつも釣行記を寄せてくださるK山さんと二人で湘南のカワハギに挑戦である。年が明けて東京湾は急激に水温が低下し、竹岡、剣崎といったカワハギの大場所も15度を下回り、いよいよ激渋期に突入している。一方、湘南方面は今週の状況を見る限り、16、7度と比較的水温は高めで、それに伴い釣果の方もトップで15〜25枚と、この時期にしてはそこそこの状態を維持していた。また湘南のカワハギ乗合は1月一杯で終了なのもあり、1ヶ月超振りに重い腰を上げてカワハギの様子を見に行く気分になった次第。ただ、ちょっと気になるのは、海況図によると前日あたりからこちら湘南も水温が低下気味で、ボーダーの15度くらいまで落ち込んできている模様。微妙な水温変化が食いに大きな影響を与える時期だけに、今回の釣行、吉と凶どっちに出るか不安である。

多希志丸のカワハギは昨年12月9日以来、私は2回目である。始発電車に乗るも、途中横浜と藤沢で乗り換え時間が10分以上あるので、タイムロスが多く、船宿到着は6時20分近くになってしまう。受付を済まして船に向かうと先に到着されていたK山さんが出迎えてくれた。右舷は艫とミヨシに2名づつ、左舷も4名ほどの先客が居たので、K山さんが右舷の艫から3番目、私は少し離れて右舷胴の間の操舵室の横に釣り座を構えた。最終的には右舷6名、左舷5名の都合11名で余裕の釣り座である。隣のアマダイ船はこの時間、左舷はお客1名の状況。一度こちらでアマダイをやりたいと思っているだけに、こっちに乗れば良かったかな〜とかなりうらやましかったのが正直なところだが、もう手遅れ。(笑)今日は去年の塩漬けの残りと昨夜1.2Kg剥いてきたので、それを使う。K山さんも年末の残り物を使用するそうだ。さて準備も万端整い6時55分、出船となった。


左:いつもお世話になってるK山さん。右:第8多希志丸は40数名乗りの大型船、2月4日からは根魚五目で出船。深場の根魚も楽しそうですね。

船は江ノ島を回り西に進む。到着したのは茅ヶ崎沖。烏帽子岩がすぐ先に見えるポイントだ。7時13分、「それじゃやってみましょう!水深20m。」と船長のアナウンスでいよいよ開始である。北東の微風、薄曇り、海上ベタ凪、水色は極澄み。こんなに穏やかな海でやるのは久し振りだな〜。今日は中潮で満潮が7時30分頃、干潮が14時頃なので実釣時間はほぼ下げ潮の予報である。今のところ西に向かって緩やかな流れ。左舷横流し+風で艫に押される格好だ。開始して数投するも全くアタリなしで、餌も取られない。たまにクッと触る感触はあるが、餌は残ってくる。早くも厳しい予感がするが、7時30分頃、艫の方で良型が2、3枚続けて出たので魚は居るようだ。すると早速K山さんが23cm級の初物を上げた。おっかしいな〜こちらには本命の気配まったく無いんだけど・・・。徐々に下げ潮が効いてきて仕掛けは払い出しつつミヨシ寄りに引っ張られる。左舷は艫から4人入ってるので、右舷胴の間は条件的には有利ではない。8時頃、良いアタリが来たが引きが違うな〜と思ったら、これは26cmのカサゴ。お土産的には嬉しいが、早くカワハギの顔を見たいのが正直な気持ちである。


左:いざ出船、江ノ島を回り西に進み茅ヶ崎沖へ。右:現場に到着する頃、雲の切れ間から朝日が眩しい。

船が艫に押されるので、仕掛けがミヨシ寄りに斜めに入った。仕掛けをもう少しその場に止めていたかったので、道糸を送らず自分が釣り座から2、3歩左に移動した途端、ガゴゴン!と強烈で重量感のあるアタリが出た。と同時に船が艫に引っ張ってしまったので、食い込みを待てず空振り。いいアタリ逃しちゃったな〜。(涙)今のは完全にカワハギのアタリである。今日はのっけから本命が遠い展開に嵌ってしまったようだ。日が昇ると何となく魚っ気が出てきたが、私は外道のアタリばっかし。試しにタナもやってみるが、本命らしき反応は無い。たまにスズメダイやベラが食うくらい、この潮じゃタナはダメかな。艫の方でカワハギがポツポツ出ているけど、私からミヨシまではまだカワハギゼロ状態。するとK山さんからお酒とソーセージの差し入れ。いつもありがとうございます。でも酔っ払わせて調子狂わせる作戦でしょ?(笑)今朝は冷え込み厳しく、手がかじかむというより痛いくらいだ。お酒を頂いて少し体を温めよう。この時、K山さんは既に3枚を手中に収めていたから、「カワハギまだ釣ってない人がお酒飲んでる場合じゃないよね!」と呟きながら、目標ツ抜けは止めて早くも下方修正、「今日は5枚でいいです!」(笑)

8時55分、少し陸よりに移動した18m立ちの流しで、やっとまともなアタリが出た。これでようやくボーズ脱出。17cm級だろうか、せっかく釣れたけど、さっきまで艫の方で良型ばかり出ていたので、嬉しくとも何とも無い。調子が出ないので、もちろん思い付く釣り方を色々試したり、針や餌の大きさを選んでみたりするが特に効果は現れない。今日は叩いてもアタリなんか全然出やしないし、弛ませてもダメ、這わせてもダメ。海底はけっこう根があって起伏が激しいので、特に這わせは根掛かりするだけで、外道のアタリすら出ない。10時5分、1mくらい仕掛けを浮かせて宙で叩き、ゆっくり落としていくと途中で、ガッ、ガッとアタリが出て、地底にオモリが着く前に食い上げた。そのまま竿先を下げるともう掛かっている。元気な引き込みを見せて上がってきたのは22cmのカワハギ。こういう形でアタリが続くと少しは数も行きそうだけど、これはこの時の一回だけ、その後、タナはベラ以外に何も当たらず仕舞いであった。


左:今日も絶好調、K山さん。右:終盤戦は腰越沖にて。

10時30分頃、今度は地底での縦の誘いにアタリ、18cm級をゲットしたが、これも単発で偶然のようなもの。傾向もパターンも何にも無い。11時40分頃、「移動しますので、少し走ります!」と船長。K山さんはこのとき8枚。出船前、お互いに目標はツ抜けと言っていたが、K山さんは流石に余裕で達成できるペース。方や私は・・・。(泣)船は東に戻って、江ノ島を過ぎた辺りでスローダウン。地元腰越沖で再開である。水深は25m前後。こちらも西に流れるが、流しによって船の移動速度がコロコロ変る感じがする。よく流れた最初の流しでは、私を除き(笑)船中パラパラと型が出たようだが、船の動きが鈍くなるとアタリが続かないように見える。私自身は茅ヶ崎沖よりカワハギの気配を感じることができるようになった。ただ、非常に微妙なアタリで、外道と間違えるような小さいアタリ。上手く乗せるといきなり引くからビックリする。ところが現実は厳しかった。良型を2枚立て続けにバラシてしまったので、釣果に全然結び付かない。せっかく掛けてるのにね〜。みんなバラシちゃったらどうにもならない。特にアワセが早過ぎるわけでも無く、本人は完璧に乗せたつもりだが、きっと何かがズレているのでしょう。

12時30分頃、船が全然動かないので、少し沖目に投げて手前に探ってくる途中で本命のアタリ。18cm級をゲット。そしてこの後、またまた良型のバラシ。何故か今日は竿に乗せて巻き始めると良型に限って全部バレる。一方、K山さんは腰越沖に来てからさらにペースアップ。周りが全然釣れていない時間帯に連釣もあり、ポツポツと本命を拾い続ける。型は不満だと言うが、アタリが出るだけ100倍マシである。釣り方を見ても聞いても全く参考にならない。こっちも思い付くことは全部試してみてるわけで、同じようにやったとしても食わないものは食わない。仕掛けだって大して変らないし、竿に限っては私が作った竿、穂先の調子は私の竿と同じである。それでもこれだけ明確な差となって現れる。その差は一体何なんだろうか?それがカワハギの深いところでもあり、そんなこと今までの経験で百も承知のつもりだが、実際にそういう状況に陥る自分がここに居るから歯がゆいとしか言いようが無い。

如何せん乗せられるようなアタリが全然出せない。K山さん、お酒に何か入れたでしょ!(笑)13時50分頃、根掛かりで仕掛けが切れたのを期に私は一足お先に竿を畳むことにした。ゆっくり片付けをしながら皆さんの釣りを拝見。左舷も終日潮先だった割にはあまり数は伸びていない様子。ミヨシも大艫もツ抜けしてなさそう。後の情報によると水温15.1度、ギリギリといったところだが、下げ潮で低下したのではないだろうか、周りを見ている限り、朝一の方がアタリが良かったように思える。そして定刻を少し回った14時5分、納竿のアナウンス。結局、私は4枚で下方修正後の目標5枚にも届かず惨敗。K山さんは午後だけで12枚釣られ、20枚でブッチギリの竿頭。二人で裾と頭かと思ったが、1枚のお客さんが居たらしく、裾ではなかったようだが、そんなことはもうどうでもいい。今日ははっきり本命だと分かったアタリが10回くらいしかなかったと思う。(餌が取られたのはあったけど・・・)釣果4枚の他、乗せてからのバラシが3回、明確な掛け損ないが3回くらいかな。まったく持ってトホホな結果である。

これでリベンジだ!とか言ってしまうと、その先は泥沼に決まっているので、これで納得してしばらくカワハギはお休みにしよう。これが今までカワハギ釣りをやってきた中での最大の学習効果かもしれない。(笑)春になって少し水温が上がってきたら様子をみて出撃するか・・・でも春も濁り潮が多くて釣れないんだよね〜。下船後、アマダイ船の皆さんは釣果盛りだくさん、アマダイは中小型が多いけど、5〜7本とうらやましい限り。HP用に皆さん笑顔で写真撮影している。「私がアマダイ船に乗って、釣果半分こしたら良かったですね〜」なんて冗談を交わすも後の祭り。あ〜あ、冴えない釣りしちゃったな〜。釣りの内容より、むしろカワハギ船に乗ったことが後悔かな。お茶を頂いてからK山さんと二人で帰路に着いたが、K山さんは「1月一杯で終わりか〜残念だな〜」と私と正反対の好印象。私はカワハギの”カ”の字も聞きたくない、そんな心境だ。こういう日は釣行記書きたくないな〜!(ってもう書いちゃいましたが、笑)ということで、K山さん、今日はお疲れさまでした。またの機会に(お手柔らかに)よろしくお願いいたします。あ〜ここまで凹んだのは久し振りのことだ。


本日の釣果、カワハギ 17〜22cm 4枚、カサゴ 26cm。今日は私の釣果だけだと殺風景なので、K山さんに頂いたカワハギ君にもご協力を頂き、皆さんで記念撮影です。

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