城ヶ島沖のヒラメ最盛期のはずが

3月27日(日)、小網代の丸十丸からヒラメに行ってきた。
丸十丸のヒラメ釣りは予約乗合で一年中出船しているが、どうやら3月から5月の春が最盛期らしい。今までそんなことも知らずにやっていたが、そう言われてみれば数、型ともにこの時期に盛り上がっていたような気がしないでもない。先週の日曜日はマルイカの仕立船に参加したが、同日のヒラメ船では5.9Kg、4.9Kgを始め良型続出にフィーバーしたそうである。本日ご一緒させて頂く佐Tさんも先々週に出撃し、2.5Kgと2Kgの2枚を仕留めた。これはイイぞ!と昨日の土曜日、満を持して佐Tさんと2人で出撃するも三浦半島は前日からの西風が予想以上に強く出船中止。スライドで予約を入れ直し、本日再出撃となった。2日連続で佐Tさんに4時45分に迎えに来て頂き、一路小網代に向かう。5時30分には現場に到着し、岡Bさん、TAKIさんと合流。釣り座は先着順に札を取る形だが、左舷ミヨシに先客が居たので、佐Tさんと私が右舷ミヨシから並び、右舷大艫にTAKIさん、左舷大艫に岡Bさんと三隅に分かれて入ることになった。

しばらく車中で雑談も出船時刻まで余すところ1時間半、暇が潰れず着替えて船に乗り込むことにした。7時には船長が現れ、「今日は一杯になりそうなんだよ、悪いな〜」と気を遣い、お客が乗船する度に釣り座の間隔調整をしている。最終的には右舷8名、左舷9名の都合17名まで膨れ上がり、ベスト人数の3倍近い乗客となった。どうも私が来ると混雑日にかち合ってしまい運が悪いが、先週の好釣果と昨日のシケ休みが重なったから仕方無かろう。今日も宝くじ状態になること必至である。全員揃ったところで定刻より早い7時40分に出船、いつものように湾内の生簀に立ち寄り、餌のシコイワシを積み込む。昨日は出船できなかったが船長にお会いできたので、最近の状況など詳しい話を伺うことができた。餌のシコイワシは体長が18〜20cm、太さは3cmくらいある大型なので、船長は孫針仕掛けを勧めていた。私は普段孫針は着けないが、何本か結んできたし、やっぱりイワシがデカイので試しに使ってみることにした。


船長も朝からテンション高し。湾内の生簀でシコイワシを積み込む。

今日の道具はいつもと同じ「手持ちヒラメV−295」と「カルカッタ小船1000」のコンビ。道糸はPE3号。胴付き1本針で幹糸7号1.4m、捨て糸4号50cm、ハリス5号1.2m。親針は伊勢尼12号、孫針は改良チヌ5号で親と孫の間隔はイワシの大きさをイメージし約8cmとした。幹糸の長さは軽視されがちだが、あまり長いと大物が掛かった時に竿が曲がるため、魚を完全に寄せ切れず、バラシの原因に繋がるので要注意だ。私の場合は仕掛け落下中に針がPEに絡むのを避けたいので、幹糸長はハリス長+20cm程度に調整している。規定のオモリは60号だが、普段なら空いているので50号でも40号でも構わない。但し、今日は人数が多いので、船長から60号統一と指示が出た。湾の生簀から船にシコイワシを移している途中、あるお客が自分の餌を救おうとしたら、少し馴染むまで待てと船長。佐Tさんに聞くところ、シコイワシは危険を感じると自ら鱗を落とす習性があるらしいので、落ち着かせてから救った方が痛みが少ないそうだ。


今日は乗客多く満員御礼?最近大当たりの城ヶ島沖に直行。

目下絶好調の城ヶ島沖に直行し、8時15分頃に到着。山立て中に船長はブイの傾きを見て潮が速いとアナウンス。確かに潮に押されて傾いているのが分かる。「はいやってみて!」と投入の合図が出ると水深35m前後の根混じりの駆け上がりから開始となった。1投目からカサゴらしきアタリがあったが掛からず。やっぱりカサゴには餌がデカ過ぎる。回収するとイワシの3分の2くらいまで歯形が付いて上がってきた。南西の微風、晴れ。海上はベタ凪で潮色はやや濁っている。この時間、東から西へ潮が速めで、船はかなりのスピードで流されるが、底が動いていないのか、二枚潮気味でお祭りが多い。よく見ると近所の某釣り人がお祭りの目になっているのは間違いないようだ。見ているとタナを切らずにオモリを根に擦るような釣り方で、右舷は抱え込みなのにタナの切り直しが甘く、引っ張られるに任せて糸を送り込んで底を取ろうとする。仕掛けは親針、孫針、トレブルの3本針で、絡むと始末に負えない。隣同士はお互い様としても、反対側の左舷ともお祭り多発である。混雑船では周りへの迷惑も大きいので、グループ身内からのアドバイスが欲しいものである。

9時前にいつもの高根に移動。高さ10m以上のお椀をひっくり返したような根があるそうで、片側が絶壁になっているらしい。東から西への横流しなので、我が右舷が最初に絶壁に突入する。船長の実況中継に従って注意してタナを切り直す。潮が速いので一旦10m以上巻き上げてからタナを取るように指示が出る。根の周りにはヒラメ以外にカンパチやマダイなどが着いており、高級外道も期待できる一級ポイントである。「はい上がるよ〜!」と絶壁に差し掛かった瞬間、いきなり右舷艫2番の竿が絞られた。竿の動きからしてヒラメではなさそう。周りではたぶんカンパチだろうと予想するが、5分近いやり取りの末、玉網に収まったのはカンパチもカンパチ、優に4Kgを超える立派なカンパチであった。その後、何回か潮回りして船を絶壁に当てるもその後は30〜40cmの小型カンパチ(ショゴっていうのは聞いたことあるけど船長はシオッパチと呼んでいた。)が少し顔を出しただけ。根を降りたところで左舷ミヨシ3番のお客がキロ弱のヒラメを1枚上げたが単発で終了。しばらくポイントを休めてからまた攻めてみようと船長。次は少し離れた50m立ちに移動となった。

次のポイントは起伏はさほどでもないが、1m前後のツブ根が点在し、若干傾斜を伴った流しである。ここでは1度生体反応を捉えるも、また針掛かりに至らず。魚は特定できないが、ヒラメのような重みのある押さえ込みではなかった。たぶんカサゴかエソだろう。10時、先程ヒラメを上げたお隣、今度は左舷ミヨシ2番のお客が一回り小さいソゲ級を上げて、船中2枚目。右舷ミヨシは佐Tさん共々本命らしきアタリは今のところまったく無い。佐Tさん曰く、食いの悪い日は左舷でポツンポツン、食いの良い日は右舷でドカンドカンというジンクスがあるそうだ。まさに今日は前者のポツンポツンで終わってしまうのだろうか?船長の実況中継があるからテンションを維持していられるものの、緊張感の無い船長だったら、眠ってしまいそうなほど穏やかで刺激の無い海である。船長は相変わらずよくしゃべるが、丸十丸のヒラメ船はこの名物船長の船に乗ることだけでも楽しみなのである。筋を変えながら30mから50m強の水深をトレースしていくが、徐々に潮が行かなくなってきたようだ。今日は大潮後の中潮初日で干潮が11時30分頃の予報、次は上げ潮に期待するか!ヒラメがダメでも少しは底潮が好転してカサゴの3つか4つは持って帰りたいものである。


餌のシコイワシは20cm級の良型。餌が足りなくなって一旦帰港。

再度、高根に戻り絶壁に当てる。一流し目に艫の方でシオッパチが何本か上がるも後が何も無い。根の上に止めたり壁に当てたりと船長も様々な戦法を繰り広げるが、相変わらず生体反応は鈍いまま。駆け上がりでタナを切ろうと大きく持ち上げると途中でモタレを感じ、そのままテンションをキープして様子を見ているとズン!と下に押さえ付けるような重みのあるアタリが出たが、それっきり食い込まず。これはヒラメっぽかった。回収するとイワシの半分くらいまで歯型が付いていたが、たぶんソゲじゃないかと思う。餌がデカいし魚の食い気が無いものだからどうしようもない。その後、イワシが暴れてうん?というのが数回あったがアタリは出ず、船中カサゴが2つ3つ出た程度か。13時50分、「悪いけど30分時間くれや!4時までやるから!」と船長、生簀のシコイワシが品切れ間近とのことで、一旦港に戻り餌を補給してから出直すことになった。南西風が徐々に吹き始め、移動する際に飛沫を被り始めたが、この時間まだ海は穏やかだった。湾の生簀に戻り、イワシを網で救うが、イワシがなかなか浮かず手こずる船長。普段マグロを餌にしているらしく、食べ慣れないアミコマセを撒いても反応しない。そこで、あるお客が持っていたオキアミを撒くとようやく水面に浮き始めてまんまとパニック状態。一網でごっそり捕獲となった。

14時15分、風がだいぶ吹いてきたので波立つ海上、小網代湾を出ると真沖の水深30m〜50mの根回りから様子見となった。何時しか体感風速は10mを超し、あっという間にぶっ壊れ始めた海。流石相模湾、南西強風の威力は凄まじい。船長はもう一度城ヶ島の高根に戻ろうとしたが、もはや三崎の堤防までが限界。「ここまでだな〜」と船長も諦めるほど。叩き付ける波飛沫でデッキは土砂降り、乗客はずぶ濡れ状態だ。今日は凪だし雨は無いと思ったから、防水性の弱いズボンを穿いてきてしまい、パンツまでビショビショの私であった。失敗したな〜!しかしここは最後の一発逆転を賭けて集中するしかない。ウネリで2m前後の上下動があるが、仕掛けが動き過ぎないように竿の角度で調整しながら応戦。すると、移動の合図と同時に右隣のお客に何やらヒット。水面で一瞬ヒラメかと思ったが、よく見るとガンゾウ。たぶんアタリが分からず合図で竿上げたら着いていたのだろう。これがせめてもの逆転劇か、その後も船中不発で15時50分、「これまでかな・・・お疲れ様でした!上がりましょう!」と納竿のアナウンスを迎えてしまったのである。

あ〜あ、今日は生体反応たったの3回。上げる度に20cmくらいのシコイワシが着いて来たけど・・・。(笑)外道も含めて魚ゼロなんて何時以来かな?記憶に無い。昨年1月の撃沈マダイ釣りでさえ持ち帰りは無かったが外道は釣れたからな〜。そういえばアオリで1回ゼロがあったかな?まあ今日は餌が大きいから仕方ないか・・・。しかし、恐るべし城ヶ島沖のヒラメ釣りである。最盛期のはずなのにね!今日の結果は船中ソゲ級のヒラメが2枚(左舷ミヨシ2、3番)、4Kg級のカンパチ1本(右舷艫2番)、シオッパチ(小型のカンパチ)が4、5本、カサゴ少々である。右舷ミヨシの佐Tさんと私、左舷大艫の岡Bさんは3人仲良く魚ゼロ、右舷大艫のTAKIさんがシオッパチ2本という成績であった。ヒラメ釣りはここ数回連続ボーズだが、当たった時のあの緊張感、乗ったときのドキドキ感、海面にぼんやり浮上する茶色い影、そして玉網に収まった瞬間の喜びは何事にも替え難い感動があるのだ。ちょっと大げさかな?(笑)週末の混雑船だと結果を出すのは難しいけど、何回かやっている内に良い日にも当たるだろう。次に釣り上げた一枚の感動が今からワクワク楽しみな私なのである。皆さん今日は大変お疲れ様でした。もちろん近いうちにリベンジですよね!

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