城ヶ島沖のカワハギ水温低下で渋々

5月14日(土)、三崎港の角田丸からカワハギに行ってきた。
先週、角田丸からシロギスの仕立船で出たとき、16〜20mの浅場でカワハギが活発に当たったのが印象的で、シロギス仕掛けに良い人で3、4枚、ほぼ全員にヒットする好感触。これは専門に狙わないわわけには行かないと、本日はカワハギ狙いで出撃と相成った。今年のカワハギ釣りは1月下旬にお約束通りの撃沈。そのまま封印すること早3ヶ月半。その間、毎年恒例の激渋期とあって、久比里の釣果情報などをウォッチしていても、トップがツ抜けできない厳しい日々が続いている。昨年は3月頃に良い潮が入り、早い時期にひと盛り上がりあったのだが、今年は水温上昇も鈍く、なかなか厳しい状況を脱することができない模様だ。今日は先週の好感触とこの時期やった経験が無い城ヶ島周りの釣りとあって久し振りに期待のカワハギ釣行である。

963さんに迎えに来て頂き、現場には6時20分頃到着。既に皆さんご到着で、これで全員集合。予約乗合だが、お客は我々5名のみ。ジャンケンで釣り座を決定することにした。右舷ミヨシにOKAZUさん、艫に963さん、左舷ミヨシにKOBIさん、胴の間にバイオボーズさん、ジャンケンで一番負けた私が左舷の艫に入ることになった。今日はアサリを剥いてきたのだが、小売店でちょうど良いサイズが手に入らず、釣りに使うにはいささか大きめの物ばかり。困ったな〜と思っていたら、KOBIさんがちょうど良いアサリを私の分まで剥いてきて下さり感謝なのであった。KOBIさんありがとうございます!これで助かった、このアサリならアタリが出れば釣りになりそうで一安心である。アサリは今が旬のようで、殻の大きさの割りに身入りがパンパン。剥いてみるとデカくて食用には最高なのだが、餌にするには少しやせ気味の水っぽい身を塩で締めた方が使い勝手が良いのだ。


6時45分、期待の出船。毘沙門〜剣崎を臨む。

メンバーは我々グループだけなので、少しでも釣りをする時間を長く取ろうとの船長のご厚意で、6時45分に出船となった。今日は小潮の初日で満潮がちょうど今頃、干潮が14時30分頃と一日下げ潮の予報だ。先週、好感触だった島の東側の青ブイ周りは東からの潮が効き始めたらやってみようとのことで、航程15分、まずは島の南東沖、水深35m前後から開始となった。東北東の微風で晴れ、海上はベタ凪、潮色は薄濁りだが色は明るく比較的透明度もある。カワハギ釣りには悪くない色だ。1投目、1mタナを切ってから誘いに入る。穂先をゆっくり上下させて誘い、前アタリのモタレが出るのを待つ。海底は1m前後の起伏があるので、常に底を取りながらタナを切り直す。しばらくすると穂先が一瞬クッとおじぎをした。これは居るぞ!間違いない。早くも現れたカワハギの気配にワクワクである。餌を離してしまったようなので、少し空中で仕掛けを揺さぶってからゆっくり落とし込みに入ると、再びク〜ク〜と来てゴゴゴゴンとヒットだ。

初っ端から会心の釣りで取り込んだのは20cmのカワハギ。ところが、引きが弱々しく巻き上げ中の突っ込みも殆ど無かった。その後、2投目、3投目とやはりタナでそれらしきアタリが出たが、食い込みが浅く、上手くヒットに持ち込めない。う〜ん魚が居るのは間違い無いんだけど、このアタリを食い込ませるのは至難の技である。2枚目を取り込んだのは30分以上経過してからのことであった。皆さん思い思いの戦法で底からタナまで探っているようだが、963さんが1枚上げた後、なかなか次が上がらない。潮は東から西にトロトロと速過ぎず緩過ぎず釣り易い流れがあり、左舷突っ込みの流し。途中、中層で気配が出るときがあるが、場を通り過ぎると気配も無くなりパッタリ沈黙。地底の釣りも織り交ぜながら、どこでアタリが出るか手探り状態となった。OKAZUさんが良型を上げ、バイオボーズさんもボーズ脱出。KOBIさんはベラだったり、折角掛けたカワハギが外れてしまったりと苦戦模様だ。


KOBIさん、苦労して手にした初物。バイオボーズさん・・・渋いですね〜!

8時、下げ潮が効き始めたのを見計らって本命場所の青ブイ周辺、20m立ちに移動。適度な流れがあるが、期待に反してアタリが出ない。OKAZUさんとバイオボーズさんが1枚づつ上げたが、私には掛けようの無い微かなアタリが1、2回。浅場なので遠投して広範囲に探ったり、仕掛けを寝かせて一発大型を企んだりとあの手この手も通用せず仕舞い。その後1時間ほど攻めるも型が出ず、また沖のポイントに移動となった。連日の北東風で水温が冷えてしまったのだろうか。どうやら先週は17度台半ばまで上がった水温が今日は15.7度、1.5〜2度ほど低下したしまったらしい。秋から冬、落ちの魚が数釣りできる水温がだいたい20度〜17度で、カワハギが口を使うボーダーラインが15度と仮定すると、この急激な水温低下はかなり痛い。まあこれは海面水温なのであくまでも目安で、まったくその通りでは無いと思うが、浅場ほど影響が出やすいだろうし、当たり方、魚の引き具合、どう見ても水温低下が影響しているのは間違い無さそうだ。


OKAZUさん、「やっと来ましたよ〜」とニンマリ・・・・・「バレちゃったよ〜!」残念。

こういう日はちょっとした状況変化で短時間だけ食いが立つことがよくあるから、少しはアタリが続いて掛けたり掛け損なったり興奮モノの時間帯が欲しいものだ。10時でやっと4枚。ヒットさせたのは全部中層。底上1mを基準にした誘い釣りである。魚の活性が高い低いに関わらず1m程度上までは日常の遊泳範囲であり、こんなに渋い日でも魚が浮くことがあるのは証明できる。魚の活性が低い時はベタ底、高い時に浮くような錯覚に陥りがちだが、こうやって丹念に中層を誘うと地底の釣りに遜色なくアタリが出るから、場所や潮などの条件はあるにせよ、必ずしもそのような固定概念は当てはまらないことが確信できる。逆に、浮いているからと言って活性が高いわけでは無いので、アタリが出るのと針に掛かるかどうかは別の問題である。お昼で6枚、なかなかアタリが続く場面は訪れず、相変らず状況は厳しい。風は南東から南南西に回るも微風のまま。予報より雲は少なく、海上はベタ凪で最高の釣り日和なのだが・・・。

13時で7枚。依然、中層の誘い釣りだけで得た釣果だ。中には食い上げて道糸が弛んでしまい、リールで糸をかなり巻き込んでから乗せたケースもあったが、KOBIさんはテンションを掛けない釣りをされているように見えるし、963さんも殆どが這わせ釣りで仕留めたらしい。どこをどう泳いでいるのかまったく謎である。要は決まっていないのである。13時頃、悔しいからもう一度(青ブイ周りに)様子を見に行こうと船長。青ブイから島に向けて先週カワハギが活発に当たった筋と同じ流しを試みる。水深16〜20mを3、4回流し変えたがノーアタリ、流石にこのポイントは諦めて再び沖に戻ることになった。う〜ん、ブイ周りで食ってくれないと思惑裏目で厳しいのだ。潮向きが変り、沖から島にぶつけて東に抜けているようで、我が左舷は払い出し気味。悪いことに沖からの潮で濁りが入ってしまい、タナ狙いの誘いがまったくかすりもしなくなった。これじゃ完全にタナは諦め、地底での叩きと誘い一本に絞ることにした。


よくお世話になる丸十丸のヒラメ船。963さんも淡々と渋いカワハギを攻略。

14時近くになると、また潮が下げてきて、水温が0.5度ばかりとほんの僅かではあるが上昇した模様。それに合わせるように地底から食い上げて、針まで飲み込むアタリで1枚追釣。これが本日自己最大の24cm。その後、叩いていたらそのまま持って行くような活性のあるアタリで9枚目。一瞬、時合到来かと期待したが、後はトラギスとベラのアタリが幾分増加したかどうかという程度に留まり、カワハギらしきアタリはここまで。14時30分、「あと10分、2時40分になったら上がって行きます!」と船長のアナウンス。何とか1枚、ツ抜けを目標に頑張るが、最後の最後、ようやく引っ掛けたと思ったらササノハベラのお出ましでガックリ〜!また騙されてる私であった。そのまま道具を畳み本日の釣りは終了となった。船長も「もうちょっと条件が良ければな〜」と言うように、今日は厳しい釣りとなってしまった。この時期はまだ水温も安定せず、カワハギの食いもちょっとした状況変化で様変わり、非常に食いがデリケートである。

先週、好感触だった青ブイ周辺で今日はまともなアタリが無かったが、先週聞いた情報では釣れたカワハギのオスは肝がパンパン、メスは卵がパンパン、どう考えても乗っ込み本番の魚だと思われる。ちなみに今日35m前後のポイントで釣れたカワハギはオスは肝が小さく、メスは卵がまだ成熟していない乗っ込み予備軍だった。先週釣れたカワハギとは明らかに成熟度が異なることが分かる。浅場の先行部隊は水温の低下でたぶん居ても口を使わなかったのではないだろうか?と勝手に予想した次第である。とにかく本命場所が不発では納得が行かないので、是非次回、もう少し水温が上昇し安定傾向に入ったら再出撃して浅場でガツンガツンをやってやるぞ!と次回への期待に胸を膨らませている私である。城ヶ島周りはこの時期専門に狙っている船は仕立船くらいのものだし、三崎の船しかできない場所もある。それだけに大物のポテンシャルも高いはずだし魅力的だ。リベンジ釣行の節は是非みなさんよろしくお願いします。また挑戦してみましょうね!・・・マズイ!今日の釣行でまたカワハギ病に冒されたかもしれない。(笑)


本日の釣果、カワハギ 18〜24cm 9枚(内7枚が20cmオーバーと中型揃いでした。)、その他、カサゴ 20cm。

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