繊細で豪快、食味も抜群!浅場の夏タチウオ

8月25日(土)、久比里の巳之助丸からタチウオに行ってきた。
この夏、各地で色々な釣り物が好調なのは嬉しい限り、東京湾のタチウオも今年は絶好調のようで、連日安定した食いを見せている。去る8月5日、台風5号が通過直後の日曜日にS大さんと釣行予定だったが、自ら体調不良でドタキャン。(S大さん、ゴメンナサイでした!)その後、ヒラメ、アジ、スルメと相変わらず気が多い私だったが、今週はグッドタイミングでOKAZUさんからお誘い頂き、二つ返事で釣行決定。6時頃、船宿に到着すると早くも船上は賑わいを見せている。今日は船宿が夏休み明けだし天気予報も良いので、お客さんの出足はけっこう早いようだ。23号船は場所取りの竿がズラッと立てられていたが、運よく左舷ミヨシが空いていたので、OKAZUさんと並んで釣り座を確保した。右舷にはLジャケットさんやN田さんもお見えになり、左舷トモでは以前にもタチウオでご一緒になったお客さんが手を振ってくれた。今日はなかなか面子が濃いめのタチウオ船なのであった。(笑)受付や買い物を済まして戻ると片舷10名程度まで増えてきて、この後、2番の特急で電車のお客さんが来られたらけっこう厳しくなるなと思っていたら、流石は巳之助丸!17号船が配船されてタチウオ乗合は急遽2杯出しに。最初、お客さんがどう動くか様子を見ていたが、誰も移動しないので、OKAZUさんと相談して我々は別船の右舷トモに移動することにした。結局、23号船は17名程度に落ち着き、7時23分、我が17号船は左右3名づつの6名で極楽出船となった。


人気のタチウオ乗合は人数増えて2杯出し。我々は別船に移動。

港を出ると船は意外にも北東方向に進む。金谷か竹岡だと思っていたが、到着したのは更に北寄りの大貫沖。既に50隻前後の大船団が形成される中、徐行しながら反応探しに入った。8時ジャスト、ブレーキが掛かり開始の合図。北北東の弱風で晴れ、海上は最高の凪、潮色は緑系の濁りで、もうちょっと茶色味が欲しい感じだが悪くは無さそう。基本的にライトタックルなのだが、オモリの指定が30〜60号と幅がある。潮が澄んでしまうと急に反応が深くなってしまうことも多いそうで、状況によって使い分けるのだが、30号と60号とではだいぶ感覚が変わるし、同じ道具で対応できるかどうか分からない。今日は念のため3本の竿を持参したが、オモリ30号で開始するので、LTアジやイサキで使っている『ライトゲーム64U』を使用する。仕掛けは片テンビンからハリス5号約2m、針はワームフック1号の1本針で、チモトの10cmくらいをタチウオ用の夜光ワイヤーで補強している。タナは15mから上とのことで、1投目、道糸のマーカーで15mまで沈め、ゆっくり誘い上げては止め、深場のタチウオと基本的に同じ誘い方で始めると早くも生体反応。水深が浅いので、ゴツゴツした細かいアタリや微妙なモタレも明確に手元に伝わる。食い込みを待ちつつアワセのタイミングを計っていると、グイッと竿の胴まで絞り込まれるがスッポ抜け。なかなか難しいぞ〜!2投目、3投目も水深15〜10mの間でアタリが出るが、餌だけ食い逃げされて早くも熱い戦い。右舷ミヨシと左舷トモで1本、2本と型が出て、少々煽られ気味のスタートとなった。


ライトゲーム64−190U&ミリオネア100/支給餌はサバタン、お代わりも貰えます。

殆ど入れアタリなのだが、開始20分経ってようやくヒット。その後、ちょっとコツを掴んで、ポンポンと2本釣れたところで、アタリが遠くなって最初の流し替え。今日の潮周りは大潮前の中潮最終日、干潮が9時頃の予報である。この時間、下げ潮のはずだが、潮はトロトロ上げ方向でミヨシ突っ込み。二流し目、船は反応の真上に着けているはずだが、しばらく生体反応が得られなくても我慢してやっているうちに皆さん同時にアタリが出始めたりといった状況で、流しの途中で気配が濃い時間と薄い時間がはっきりしているのが今日の傾向。今週は夏休みだった船宿が多いと思われ、ここ数日間、ここまで大規模な船団はできなかったと思われるが、久し振りに多くの船から攻められタチウオもプレッシャーを受けるのかどうなのか、連日の好調から考えるとアタリも間が空くし、たまに当たっても渋いアタリが多く容易ではない。食い逃げされることが多いので、試しに孫針仕掛けに換えてみると多少ヒット率が上がったが、何尾か釣っているうちに孫針接続のワイヤーが縮れたり傷が付いたりで、ワイヤーがアワセ切れしちゃったり、効率が良いとは言えない。だいたい一流し1、2本ペースで低調なまま時間は経過。10時頃になると潮が淀んで更にアタリが渋くなる。タナは上ずり気味で13〜8m。OKAZUさんはタナの下限からショートピッチで速めのシャクリでガツン!とヒットさせる場面を多く見るが、自分的には今日の状況からすると、同じ場所でアタリが出るレンジは狭い感じなので、例えば13mで当たったら、しばらくは13m決め打ちで、必要以上に動かさないで粘った方がアタリが出易い感じがする。


ざっと50隻から成る大船団。夏休みも終盤となり、お子さん連れも目立ちました。

10時45分頃、場所か時合か私がポンポンと連釣する場面があったかと思えば、お昼前、OKAZUさんの手が合い、4、5本まとめ釣りする場面があって、お昼の時点で我々は同数の12本。食材的にはツ抜けすれば十分のタチウオだが、釣り的には20〜30本は釣りたいところ。今日はご機嫌イマイチなのは間違いないようで、僚船の釣れ具合を見ても、たまに誰かが抜き上げるのを目撃する程度で好調ではないのが見ていて分かる。たまに40cm級のマサバが共食いで掛かってくるが、私は2本掛けて2本とも水面ですっぽ抜け。OKAZUさんは数本取り込んだようだが、興味があるのは今の時期の脂の乗り具合。そういう意味では1本は取っていれば良かったが、OKAZUさんから後で教えて頂くことにしよう。午後に入ってしばらく低調な釣りを続けていると、OKAZUさんから水面で食ったとの情報。少し下からシャクリ上げて来ると、水面間際まで追ってくるそうだ。私もこれまでより上まで探ってみると、早速5mのタナでヒット。本船はタナの指示が出ないが、僚船から聞こえてくるアナウンスからしても、反応は上ずってきているようだ。午後から若干濁りが強くなったような気がするけど関係あるのだろうか。底まで落として水深を計ると17mと浅い。その後、10mから水面までを徹底的に探ってみると3m付近で1本ヒット。最浅はテンビンが見えている状態(タナ約1m)でいきなり絞り込まれた。面食らってビックリアワセをしたらオモリが海面から飛び出してしまった。残念ながらこの魚は仕掛けを手繰りに入ったところですっぽ抜けてしまった。10月になれば水深100m以上に潜る魚がこの時期は水面で餌を獲るのだからタチウオの生態は謎が多い。


「小峰丸」、初めて遭遇しましたが、頑張ってください!/後半、風が止んで暑さ厳しく、アタリは遠い。

13時を回ると風が南に回り、微風で厳しい暑さ。午後からは空振りの流しも増え始め、輪を掛けて厳しい展開。ところが14時前後、タナ7m決め打ちでプチ入れ食いの後、5mでアタリ活発。20本台まで持って行けるか頑張ってみるが、タナが上ずっている=食いが良いという訳でも無く、針に掛ける難しさは増すばかり。これだけ凪で水深が浅いと、微妙なモタレやカツッと言った前アタリまで、かなり細かいシグナルをキャッチできる分、駆け引きは神経戦となる。オモリ100号、電動リールで釣る晩秋のタチウオ釣りも釣り味があるが、この浅場の釣りも食わせるまでの繊細さと掛けてからの豪快さという意味では、面白さが増幅されて堪えられない釣り味がある。特に無条件で入れ食い絶好調!の日より、今日のような渋めの日の方が釣りを考えさせられるし、難しさを堪能でき、釣り的な面白さとちょっと少ないくらいの釣果は実際はバランスが良いと言えるのかもしれない。その後は食い気のある群れに当たらずのまま、14時35分に納竿となった。私は17本、OKAZUさんは午後から苦戦して14本とのことだった。トップは23号船で24本釣られたお客さんが居られたそうだ。下船時に功一船長に聞いたら、やはり後半タナが浅くなってから難しくなってしまい、23号船も苦戦したそうだ。今日はバケツの水もすぐにお湯になり、クーラーの氷も完全に溶けてしまうほどの猛暑だったが、タチウオとの駆け引きも熱く、釣果はやや少なめながら釣趣は十分堪能できた一日であった。さて、今晩は定番のお刺身と塩焼きで飲み過ぎ注意報発令である。


本日の釣果、タチウオ 17本(約70〜90cm)。

【船宿HPコメント】
太刀魚(25日)・・竹岡沖、潮;薄濁り、水温;26度
今日の太刀魚は朝から反応もポツポツあり移動する度反応に乗せることが出来たのですが、潮が気に入らなかったのかかなり食い渋めで難しかったです。しかし反応も多数あるのでこれからも期待できそうです。今日のトップは日野市の○○さんが24本でした!(功一)

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