マルイカ苦戦、昨日の群れは何処へ?

5月18日(日)、久比里の巳之助丸からマルイカに行ってきた。
このところモヤモヤ続きのマルイカ釣り。昨年は多少分かってきた部分があって、自分なりに進歩を実感できるシーズンではあったが、今年はこの釣りの難しさに改めて直面しているというのが正直なところ。あまり良い日に当たっていないから余計にそう感じるのかもしれないが、少なくとも以前より一歩進んだ次元で悩みや課題は尽きず、これはそれなりのレベルに達するために乗り越えなければならないハードルなのかどうなのか?さて、先週は風雨荒天の中、大津小川丸から出撃し、アタリ多くも相次ぐバラシで自滅。名人束釣り、2番手その半分、私はそのまた半分と冴えない結果に凹んで帰って来た。この釣りもシロギスやカワハギと同様、小物釣り共通に言えるのは回数通ってナンボ、じっくりイカと対峙しながら経験値を上げ、釣技を高めていくしか道は無い。それなりの数が釣れてリベンジと言うなら一回良い日に当たればいいだけだが、内容的に満足することを目指すのなら、それはなかなか簡単な話ではない。とは言え、たまにはイカ様やる気全開、道具下ろせば入れ乗り〜!ってな日に当たってみたいのが本音だが、やはり毎回異なる海の状況やイカの活性をどうやって攻略するか、色々悩みながら試行錯誤することに面白さがある。そういう意味では、日頃の仕掛け作りやイメージトレーニングからすでに釣りは始まっていて、実際に釣りに出かけては現実に直面して一喜一憂、そして釣れた魚の命を頂き食味を満喫するまでが釣りのひとつのサイクル、永遠にこの繰り返しであり終点はないのだろう。話が逸れてしまったが、昨日は束釣りの船もあり、模様が良かっただけに混みそうな予感。最初は大津に行くつもりで電車に乗ったが、最近ご無沙汰の久比里巳之助丸がマルイカ再開とのことで、どうしようか電車の中で迷う。久比里の方が乗船料安いってのはあるけど、それより再開したばかりで情報が行き届いてないから、もしかして空いてるかも?という読みがあって、堀の内で降りずにそのまま京急久里浜に向かってみた。到着すると、随分と賑やかで受付は行列。アジが2杯出し、カワハギが片舷12、3名、他、仕立が1杯とフル稼働。で、我がマルイカ船はと言えば、私が右舷ミヨシ2番に入り右舷は4名、左舷は5名で計9名と予想通りガラガラ状態。ヤッホー!これでイカが乗ってくれれば最高なんだけどね〜。


お隣カワハギ船は盛況/最近お世話になっている小川丸も今日は移動が多い様子。

定刻7時20分に出船。いざ沖に出ると、アシカ島の南側には先発の船が数隻で反応探し。どれとして釣りをしている船は無く、のっけから厳しそうな予感。本船は久里浜堤防を南に下った野比沖まで進んだところで探索開始。やっぱりすぐには止まれない。約15分旋回して7時50分、第一投するも空振り即回収。続いて第二投、初アタリが出たが掛からず。触り出る?と船長に聞かれ、けっこう触るけど難しくて掛けらんないっス!(笑)と私。水深は28m、何度か巻き落としてから叩き&停止で微妙なアタリにビシッと強めのアワセ。乗ったよ〜!今のは完璧(自己満足)、穂先が2、3mm?不自然に動いた気がしたらやっぱり乗ってた。回収すると上から2番目の意外なスッテに初マルちゃん。アワセのタイミングは間違っていなかったようで、口元のバレ難い所に掛かっていた。ヨッシャ!このスッテ(下田漁具の『Rakkyo5ムラムラモザイク』)はウィリー巻きで何色かあるけど、先日からこの色が好感触。天気は北東の弱風で薄曇り、海上は申し分のない凪。水色は茶緑がかった濁りで今年初めて見る茶系の潮、この色マルイカには良さそうなんだけどな〜。三投目は2杯ゲットして3杯となったところ、反応が見つからなくなったようで、しばらくの間クルージング。ちなみに今乗ったのは『チビイカ5』の定番緑(K3)と『直ブラST50』のピンク(KP/KP/P)だったと思う。水色の関係か今年は黄土色・焦げ茶系より緑・ピンク系がよく乗りませんか?9時30分、急ブレーキが掛かって投入。水深22mで着低と同時に何杯か乗ってきたが、着乗りの多点掛けはバレるのが多く、案の定、途中で数が減って取り込んだのはシングル。良い反応に乗ったようで、その後も入れれば当たっての文字通り入れアタリ。真ん中に着けてる『直ブラST50』の蛍光(PH/KG/W)が絶好調。何故かこういう時合は型も良くなる傾向にある。巻き落としからの聞き合わせや叩いて停止&聞き上げでほぼ毎回アタリが出るが、時間が経つに連れてヒット率は低下。イカがスレてきたのかな?船長も回り直す気配が無いから、まだ反応は出ているようだ。タナを変えてみたり、下から2、3番をまったく違う色に交換してみても思わしくない。約30分の大流しもついに反応抜けちゃったようで回収の合図。この流しは7杯追加し、10時でちょうどツ抜け。


とりあえずバケツに10杯/満船の山天丸、あれだけ乗っちゃうと厳しい。

その後は反応消えてしまいすっかり走り丸。他の船も似たり寄ったりと見えて、小川丸が鴨居沖方面に走っていくのが見えたが、しばらくすると帰ってきた。あっちもダメか。本船は野比沖〜アシカ島下の間を探索するが、45分走りっ放しで、やっと入れても空振り、また40分走ってといった状態。旋回中、エンジンが止まると反応出たか!と思いオモリを握るがまた前進、まるで拷問のようだ。しかし一郎丸や山天丸はお客さんてんこ盛り、山天丸は2杯出しでどちらも満船、先っちょまでビッシリ乗ってるし、小川丸も片舷9名の18名かな?案の定、今日はどの船も乗客多し。空いてる読みは大当たりだったが、イカが乗らないのは大誤算。なかなか上手いこと行きません。野比沖の浅場はシロギス船の少し沖目、20m立ちもイカの触りは出たが、あんなの乗せるのは至難の技。潮周りは大潮の初日、干潮が8時40分頃の予報で、午前中は下げ潮が少し速めに流れていたが、この時間は風も無ければ潮も無い。旋回中、海水循環が止まっちゃうので、バケツのマルイカは瀕死の状態。死ぬ前にクーラーへ移動願う。しかし暇だぜ、反応が無いイカ釣りほど退屈なものは無い。最後に釣ったのが10時だから、かれこれ3時間30分が経過。風は東から南に回って安定。するとアシカ島から南に下がった30m立ちで久し振りにやる気のある反応に遭遇。AM一回良い流しがあったが、同じような密度と活性で急にヒートアップ。けっこう掛けられないアタリも多く、釣り上げるのは簡単じゃない。同時に上げ潮がぶっ飛んで糸が立たなくなる。すかさずオモリを50号から60号に交換。竿の負荷が変わってしまいちょっと戸惑ったが、アタリは出てくれポツポツヒット。取り込みはイカが潮の抵抗を受けて真横から滑ってくる。潮が速くて釣り難かったが、AMと同じく一流し約30分で7杯追加。状況良ければ一旦回収しても船を少しズラすとすぐに反応に乗ったりするが、どっか消えちゃったみたい。定刻15時を回って、少し深目の40m弱で2回ほど止まってくれて、両方ともアタリは出たが拾えず、15時15分、辛うじてムギ1杯追加したところで終了。昨日の群れは何処へ?結局、まともな流しは2回だけ、オモリ握ったまま釣りできず拷問の一日だった。

さて、本日の釣行は自作の新しい直ブラ仕掛けを試すのが目的の半分で、最悪、自分だけ釣れないことがあっても覚悟の釣りだった。私自身、仕掛けはシンプルイズベスト、普段は光り物や余計な部品はできるだけ着けず、最低限の糸と針とサルカンしか使わないのだが、正直マルイカの仕掛けは悩みます。昔からイカ釣りに金具類はご法度のようなことが言われてきて、枝素や角は直結びが一番いいという人も居られますが、ことマルイカ釣りに関しては、D社のイカフックを使用してもまったく乗りに影響しているとは思えないし、途中でスッテを交換したい人にとって交換が容易にできるという利便性は捨て難い。必要以上に大きな金具を使って動きや重さのバランスが崩れたり、イカに違和感を与えたりして乗りに影響することはあるかもしれないが、あんなトゲトゲして自分が釣られてしまうカンナという物体が光っていても平気で乗ってくるのだから、金属=NGではないことは間違いなさそう。それとマルイカの直ブラの場合、もうひとつ重要なのは、マルイカは掛かると逃がれようとスクリュー回転するので、その回転に追随できる仕掛けがベターであるという点。普通のクロスビーズだとマルイカの回転に付いて行けず枝素が拠れたりはしょっちゅうで、拠りが酷くなると3号程度のハリスでは合わせた瞬間スッテが取れてしてしまうこともしばしば。スクリュー回転するのは他のイカも同じなのかマルイカ固有の習性なのかは知りませんが、マルイカの直ブラ仕掛けに関しては、拠りが取れない直結びがベストとはどうしても考えられず、なるべくシンプルでイカの乗りを妨げず、スッテの交換が簡単で、しかも乗せてからの回転をかわせる=ハリス切れでスッテをロストすることが無い、また、イカが回転することによるバラシが軽減する仕掛けがあったらいいな!というのが以前からの課題だった。で、今回、思い立って試作してみたのが下の写真2種類。他にも使用する金具の種類や細部の仕様が異なる仕掛けは思い付いたが、一日でそんなに実験できないと思い、とりあえずこの2種類を持参した。


左:パターンA(小型クイックスナップ+極小サルカン、ハリス1cmを介してクロスビーズ止め)
右:パターンB(小型クイックスナップ+極小サルカン、サルカンの片側の輪を直接幹糸に通して極小ガラスビーズ止め)


パターンBにスッテを装着したところ

パターンAはルアー用の小型クイックスナップ(もしくはD社『イカフック』)に極小サルカンを通し、ハリス4号1cmを介してクロスビーズ止め。パターンBはルアー用の小型クイックスナップに極小サルカンを通し、サルカンの片側の輪を直接幹糸に通して極小ガラスビーズ止めという仕様です。構造的には両者とも縦回転、横回転に対応。スナップにサルカンの輪を通している点も共通で、もしかしたら首が振れるので、ハリスを結ぶよりスッテの動きが良いかもしれません。クイックスナップはスッテの穴に通せるよう、止め金部分を少し開いてあります。クロスビーズはD社『快適Dビーズ』で枝素が下向きになるよう装着してます。パターンAはスナップとハリスの間に極小サルカンをかましてますが、パターンBは枝素(ハリス)を使わない形で、これでも乗って来るかどうかの実験です。AMはパターンA、PMはパターンBを使用しましたが、どちらもアタリの出方は良好だったと思います。やる気のある反応に当たると順調に乗ってきました。アタリ自体は多く出ますが、ヒット率が低いのは仕掛けのせいじゃなく腕?の問題が大きいと考えられ(笑)、むしろアタリがよく出るということは仕掛けとして優秀なのかもしれません。パターンBは枝素を使用していない分、もっと細かいアタリも明確に伝わるような気がしましたが、気がしただけかもしれません。どちらも回転にまつわるトラブルはゼロでしたが、今回はあまり釣れなかったので、もっと数釣って仕掛けを酷使する日にやってみないと評価は難しいところです。一度、叩いた拍子に幹糸がスッテに回ったようで結び目になってしまいましたが、これはこの仕掛け固有の欠点という訳ではありませんので無視できると思います。潮が速い時間帯にイカが遠くに浮いてしまい、例によって海面でスクリュー回転してましたが、取り込んでみるとまったく撚れは生じていませんでした。一日使ってみて、特に仕掛けのせいで乗りが悪いという印象は無く、もしかしたらけっこう行けるかもしれません。今日一回じゃ分からないので、何度か試してみようと思います。結果が良好なら今後も積極的に使って行くことになるでしょう。


本日の釣果、マルイカ 17杯(胴長9.5〜16cm)、ムギイカ 1杯で計18杯。

【船宿HPコメント】
丸いか(18日)・・久里浜沖、潮;濁り、水温;17度
16日(金)から毎日出船!! 今日の丸いかは久里浜沖を中心に流しましたが、反応少なめ、小さめで苦戦でした。今日は直ブラの方が良かったです。今日のトップは南区の○○さんが23杯でした。 (功一)

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