奥が深いぞ、ウィリーシャクリのイシダイ五目

1月8日(土)、腰越港の池田丸からイシダイ五目に行ってきた。
遅ればせながら本日が2011年の初釣り。何に行こうか色々候補はあったけど、年末ご一緒出来なかったIさんのお誘いもあって、腰越港出船のイシダイ五目に初挑戦と相成った。当地のイシダイ五目は基本的にアミコマセにウィリー仕掛けのいわゆるコマセシャクリの一種目である。初挑戦と書いたが、実は昨年1月、保田港の村井丸からイシダイ五目に出船もイシダイは低調、朝イチだけやってアタリ2回で2枚だけ。2月には当港の政実丸から出船したものの、シケ後の大ウネリでお魚激渋状態、おまけに昼から突風に見舞われ、まさかのクーラー空っぽ早上がり。イシダイは船中数枚上がったが、私はそれらしきチップが1回あったのみで訳の分からないまま終了。これまでイシダイのコマセシャクリがどんな釣りなのか手応えすら掴めておらず、今回が実質上の初挑戦という訳である。模様としては、今季はあまり良型が上がらない反面、日並によって小型の数釣りが楽しめるとの情報。今回は是非ともアタリ多く、この釣りのエッセンスを少しでも実感して帰りたいというのがひとつの目標、そしてあわよくば幻の石鯛鍋よもう一度!これが最大の目標だが、果たして結果はどうなるか・・・。始発から東海道線に乗り換えて、藤沢駅でIさんと合流。これだけお客さん降りて釣り人我々2名だけ。江ノ電に乗り継いで6時20分、まだ薄暗い港に到着すると、先に船に荷物を置いて場所取ってから受付へ。3杯着けの一番外側、第11池田丸に乗り込むと左右トモから2名づつのグループらしき先客。オモテっ側ガラ空きなので、Iさんに譲って頂き、右舷ミヨシから私、Iさんと並んだ。受付を済ませて準備に取り掛かると程無く数名のお客さん。よく見たら、テレビや雑誌でお馴染みの永井さんとお連れのお嬢さん。おはようございます!よろしくお願いします!左舷ミヨシに入られ、総勢8名で確定。全員揃ったし天候がいいからすぐ出るよ!ってことで、定刻より早めの6時40分に出船。


6時40分、いざ出船。

港を出ると船は取り舵。鎌倉沖辺りでスローダウンすると7時ジャスト、位置取りが決まって早速スタート。北の微風で快晴、ちょうど日の出の時刻と重なり朝焼けが眩しい。反対側には富士山がクッキリと澄みきった真冬の空模様。海上ベタ凪で水色は極澄み。水深は27m前後。上に上にシャクリ上げて魚を追わせるようにとマイクでレクチャーがあったけど殆ど聞こえず。まずは自分の定番のシャクリとこの釣りのベテランお隣Iさんのシャクリを参考にやってみましょう。第一投、何度目かのシャクリで早くもIさんにアタリ。流石!仕事が早いな、少々小振りだが難なく本命イシダイをゲット。居ますね〜、私も頑張ろっと。ところが、何度入れ替えても食うのはマルアジばかりでイシダイらしきアタリが出ない。Iさんには2枚目がヒット。船中、あちらこちらでポツポツ取り込まれるイシダイは20cm前後主体で、情報通りやや小振りが多い。ただこの海域、同じ場所で2、3キロ級の大物も出るから気が抜けない。今日は少々道具に迷ったが、FL60号使用なので、イサキのシャクリのイメージで、竿は『フラフラ180ML』、リールは『トライオン100』にPE1.5号。ところが船中、手巻き道具は私と左舷にもう1名だけ。他、Iさん始め皆さん電動リール。永井さん御一行さまも流石、『電動丸400C』を使用。この水深だと問題ないのだが、昨年の政実丸の時もそうだったように、途中でハナダイ狙ったりアマダイ狙ったりと水深80mくらいまでを視野に入れると、やはり電動が欲しくなる。なかなか手が出なかったけど今年は新調しますかね。問題は何号のPE巻くか?この手の釣りならば1.5号か2号?マルイカを想定しちゃうと1号以下?迷うなぁ・・・。それはさて置き、7時30分、ようやくマルアジとは異質のアタリを察知。シャクリ上げた竿にガカカッ!と硬質な手応え。巻き上げると途中で重さが変わったり突っ込んだりとそれらしき動き。澄み渡った海面に浮上したのは念願のシマシマ模様。ようやく初物ゲットは本日のアベレージサイズ。水深26mでビシダナ15m付近。


まずは鎌倉沖の26m前後、イシダイ狙いでスタート。

船は流し釣りで、場所が外れると潮回り。中潮の3日目で満潮が7時半頃、干潮が13時頃の予報だが、この時間流れは殆ど無く湖のよう。その後、アタリはなかなか続いてくれないのだが、粘り強くシャクリを続けているとそれらしきチップや掛かり損ない。仕掛けは全長2.8mのウィリー4本針仕掛け。ハリス2号に針はグレ6号。ウィリーの配色は先から白、緑(383)、白、緑(383)の2色構成。それにしてもさっきから明らかにイシダイなのに掛からないのは何故だ。確かに魚が小さめなので、このサイズをターゲットにするならグレ針6号はデカ過ぎるかも知れず。一方のIさん、アタリの数は私の2倍以上出しているにも関わらず、やはり掛かり損ないや途中でのバレが多いようで足踏み状態。2人で首を傾げながらの前半戦となった。掛かり損ないはまだしも、完全に乗せたつもりで巻き始め、最初の一伸しめで間単にハズレるのが悔しくて堪らない。9時半頃、ようやくヒットに持ち込んで回収するとナント!これが一荷で一気に釣果2倍。ヒット位置は2番と4番(先)なのでいすれも白、ただし2番はエラ蓋辺りのスレだった。その後、アタリも殆ど出なくなってしまって10時、船長は移動を告げた。沖のポイントでハナダイを狙うそうなので、イシダイはとりあえずの終了。私が4枚、Iさんは5枚とアタリの半分も取れず。ただ、これまでやったイシダイ五目の中ではアタリが多い方だったので、半信半疑ながら何となく分かってきた部分もあり、それは最後に。10時15分、沖のポイントはマダイ船と同じ場所、投入すると55mで着底。7、80mを覚悟したけど、これなら城ヶ島沖のカワハギと同じ水深、そう考えればまだマシな方。ちなみに前日はイシダイがダメだった分、ハナダイがよく当たったそうだが本日は?シャクリを開始すると招かざる16、7cmの小マルアジの猛攻、底から4、5mシャクる間に必ずまとわり着いて来てダブル、トリプル。かと言って小マルアジが食えないくらい速めにシャクると他の魚も食わず如何とも・・・。南蛮漬け用に一応キープ。


テレビや雑誌でお馴染みの永井さん、今日は取材でしょうか。

船を流して根に差し掛かると今度はサクラダイの猛攻。何枚か着いちゃうと巻き上げ中、お互いに回転するため、仕掛けがパーマしてしまって復旧に手こずる。放流してもどうせカモメの餌だし、ハタ科のお魚で刺身でも揚げ物でも美味しいので持ち帰り。しばらくやっているうちに誰か彼かがハナダイらしき強いアタリに見舞われるが、いずれも船上に上がらず。Iさんも今日イチの強いアタリに針掛かりせず地団駄。私も一発間違い無さそうな良いアタリが出たがモノにできず、巻き始めでハズレるところが余計に本物っぽい、クッソ〜!11時半、ハナダイの食いは単発で針掛かりも悪く、結局、船中型見れないまま再びイシダイポイントへ戻ることに。ヨッシャ!移動の間におにぎりを頬張り、新しい仕掛けに交換してイシダイに備えよう。前半と同じ辺りの水深26m前後で再開すると、お隣Iさん、1投目でイシダイ。すると私にも!今度は掛かったよ!ちょっといいかも!徐々に巻き上げて、途中、竿が突っ込みドラグが滑る場面もあって玉網を要請。ところがビシを回収するとシマシマが2つ!?玉網を使うまでもなく、素手で抜き上げると掛かってたのは3番と4番(先)。3番は本日初の緑、4番は今日イチの24cmがスレで背掛かり。道理でよく引いた訳である。これで釣果6枚となったが、内、一荷が2回だもん喜べない。その間にもIさんはすっかりツボを掴んだようで半入れ掛かり状態。次投、先程と同じビシダナ20mで少し待ちを入れたらアタリだけで針掛かりせず。なんで掛かんないのよ〜!そうこうしているうちに、こちらイシダイのアタリまったく出せなくなってドツボ状態。逆にIさん絶好調、バラシも相変わらず挟みながらもお昼頃にはツ抜け。シャクリのスピードとか間の取り方とか、いくら真似してもアタリが出るのはIさんだけ。ホント、毎度のことだけど釣りって不思議。魚から見て何かが違うのだろうけど、やってる本人にはソレが分からない。この釣りは餌を使わないので、道具と仕掛けとシャクリの3要素。これはこれで少しやり込まないとキモの部分が掴めないかもしれない。


終日ベタ凪で最高の釣り日和。お隣Iさんは手馴れた釣りで竿頭。

13時を回る頃、俄かにマアジの群れが回ってきて、これは嬉しいゲスト。立て続けにアタリが出て、バラシを挟みながら短時間で7尾を確保。脂ありそうな幅広のマアジ。思わず船長もおかず釣りに竿を出したが、群れが抜けてしまうのが速かったようだ。ちなみにマアジの食いは緑に偏った。13時10分、マアジのアタリが無くなった直後、シャクった竿がガココン!油断しているとこれだよ!針掛かりして重みが乗ったと思ったが、最初の一伸しでまたハズレ。今日はコレが多過ぎる。入れ替えて再び同じタナでアタリが出たが、またしても最初の一伸し。なにやってんだよ、も〜!終盤に来ての2連続バラシに気分は消沈。一方のIさん、長年愛用のMISAKIメモリービシを根掛かりでロストしてしまって消沈。もう廃盤になってるので簡単には手に入らないでしょうね〜、何でも本日ご使用の『セイバーZ200』とのバランスが最高だったそうで心中お察しします。で、結局この後、半分意地で小振りのイシダイ1枚スレで追加して釣果7枚。お隣Iさん、十八番のこの釣りはイシダイ12枚にメジナ3枚でダントツ竿頭、まったく流石としか言いようがありません。で、今日の釣りで分かったこと・・・@アタリが出た瞬間、針に掛けようとしてアワセたり聞いたり竿動かすのはNG。A最初の一伸しで針がハズレるのは硬い口にちゃんと針が掛かっていないから。B良型に伸ばされるのがイヤでグレ針使っているから尚さら掛かりが悪い。@〜Bを同時に考慮すると、食い込みの良いしなやかな穂先は必要だが、アタリが出た瞬間、竿でアワセず魚の反転で確実に針掛かりさせるためには、FL60号とのバランスから胴の張りが強めの竿が好適。今日は道具の選定から失敗。あまりに万能な『フラフラ180ML』を過信した感もあり、結果はイサキには良くてもイシダイには柔らか過ぎ。他、シャクリひとつ取ってもそうだし、仕掛け面、特に枝素の長さや針のサイズなど研究の余地は大いにありそうだ。この釣果では敢えて石鯛鍋は封印、今回は刺身と塩焼きで再び出直すことにしよう。奥が深いぞコマセシャクリ!


本日の釣果、イシダイ 7枚(18〜24cm)、マアジ 7尾(20〜24cm)、ゴマサバ 2本(33〜34cm)、マルアジ 37尾(16〜28cm)、サクラダイ 17枚(Iさんの分も込み)、トゴットメバル 1尾。他、スズメダイ、ネンブツダイ、ナガハナダイなど放流。


翌朝はとりあえずマルアジの即席ヅケ丼。醤油、ミリン+島とうがらしが絶妙。マルアジは脂ありますよ。


翌晩はひとり1枚づつ塩焼きで賞味、小さいですが旨さ凝縮120%!どこからこんなに脂が出てくるのでしょうか?
アジ刺しは手前がマルアジ、奥がマアジです。両方脂乗ってますが、やはりお味そのものはマアジに軍配!

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