竹採ったはいいが後が大変(前編)

年末年始と何回か竹取りに行ったのはいいのですが、その後の処理を怠り、ほとんどそのまんまの状態。平日はなかなかできないし、気になって仕方がない。昨日ちょっと奮起してやり始めたのですが、雪で極冷えの中2時間が限界。今日はお天気回復しそうだったし、アジ食いたさでビシアジの道具出したのですが、ちょっと待った。やっぱり竹何とかしておこうということで今週は釣りはお休み。竹取りは好きなのですが、後が億劫で・・・そんなことじゃいけませんよね。

最初は丸節竹の芽取りをやります。ナタで粗方枝の生え跡を落とした後で、切り出し刀でさらに削っていきます。実際に竿を作る段階で厳密に削りますので、この時点では束ねるときや火を入れるときに邪魔にならない程度まで削っておきます。今回は20本くらい採って来ましたが、再度よ〜く見ると先の方が「おかめ」になっていたり、思ったほど良くなかったり色々です。問題がある竹や竿にする気がしない竹は厳選して廃棄します。結局3分の1程は二次審査で落選、切り刻んで処分です。


左:ナタで丸節竹の芽取り、右:粗方削ったら切り出し刀でさらに整形。


左:切ってきた日の状態、右:二次審査を通過して芽取りを行った竹、だいぶ減っちゃいました。

次に矢竹です。汚れが酷い場合は洗ってから乾燥させますが、大したこと無ければ、面倒なのでそのまま縛って乾燥させちゃいます。すべての竹に言えることですが、汚れがこびり付いたまま乾燥させると、その部分が斑模様になってしまいます。今回は大丈夫そうなのでそのまま束にして終わりにします。


左:矢竹の束、下の白い方は去年採った竹、右:若過ぎてシワシワにしおれてしまった孟宗竹。

次に孟宗竹の根っこを落とします。実はこれが一番辛い作業、切り出し刀で根っこを少しずつ落として行きますが、硬くて歯が立たなかったり、土や石で切り出し刀の刃がこぼれたりでなかなか進みません。孟宗竹も今一度よ〜く見て、ダメそうなのは廃棄です。中には若過ぎてしおれてしまった竹もあります。掘っている時は夢中なのですが、家で冷静に見ると、何でこんなの持って来たんだろうなんてこともよくあります。


左:掘ってきた日の状態、右:更に厳選して根っこを粗方落とされた孟宗竹、上物が5〜6本あります。

今日は9時過ぎから作業を開始して丸節竹の芽取りと孟宗竹の根落としで2時半を過ぎてしまいました。この後、クレンザーとたわしで竹洗い、そして火を入れて油抜きと粗矯めを行い、陰干しさせなきゃいけませんが、もう疲れたので本日のお仕事はこの辺で終了。


二次審査で落選した竹の残骸。去年の分も合わせて要らない竹はまとめて廃棄。

竹取りは本人も楽しいので、事ある毎にご紹介して来ましたが、竹取りから竿作り開始に至るいわば空白の作業もちょっとご紹介したい気持ちがありまして、このような話を取り上げてみた次第です。たぶん本職の竿師の方の書物やHPでも、この辺りに触れたものはあまり無いのではないかと思います。和竿の素材店で何気に販売されている大したことない竹でも、その状態にするまでに大変な手が掛かっているということです。我々が持って帰らないような竹でも1本3千円〜、ちょっと良いもので1万円くらいはしますが、自分で実際に採るところからやってみると、良い竹はなかなか少ないですし、掛かる手作業と利益を考えたらそれくらいしてもおかしくないだろうな〜と改めて実感させられます。今回は「竹採ったはいいが後が大変(前編)」と題しましたが、できればこの後の工程も後編としてご紹介できればと考えています。

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