2006年 修理・改造4本

腰痛悪化により昨年(2005年)は1本も作れず仕舞い、今年も何だか完治には至らず調子が思わしくないのですが、まずは修理や改造から何本か手を付けてみましたので簡単にご紹介します。新しい竿ではありませんのでご了承ください。


 2006年6、7月修理・改造4本

東京湾フグ竿(2004年製作)

KOBIさんから穂先折れの修理依頼で預かり。ヘチ竿のような細い穂先だったので、釣行一回目で折ってしまったとのこと。グラスを継ぎ足したり色々な修理方法をトライしましたが結局はダメで、穂先のガイド7個を外して漆も剥がし、グラスを削って調子を出し直して再度ガイドを取り付けました。調子が変わってしまいましたので使用に耐えるかどうか・・・。穂先の修理を胴体が接着された状態で行うのは大変困難な仕事であり、かなりの時間を要しました。やっとできたと思ったら、別件で手元の竹に不具合が発覚。ちょうどリールシートを着けてあった部分の内部が虫(タケトラカミキリの幼虫)に食われてしまい、中部の組織はスカスカのお麩状、力を入れて曲げたら簡単に折れちゃいました。ダメだコリャ!ということで、手元を外して別の竹で作り直し。タケトラカミキリは竹材に被害を与える害虫として有名ですが、ひょんなことで私も感染。その後、手持ちの竹材すべての見直しを強いられるはめに。被害は孟宗竹、丸節竹、矢竹など数十本に及び、良質の根掘りなどもやられてしまいダメージ大。1ヶ月以上掛かって全竹に火を入れ直し様子見。2007年は成虫を1尾確認したのみで、これで終われば、ようやく根絶できたかどうかという状況です。原因は手持ちの火入れ済みの在庫と新しく切って来た火入れ前の竹を一時期同じ部屋に保管してしまったことによる感染と思われます。(参考:「森林総合研究所関西支所研究情報 No.20 (May 1991)[研究紹介2]」


穂先を削って調子を出し直し、穂先から7個のガイドを付け直しました。


こんな感じで完成。今回は総綿巻きにしてみました。

カワハギ竿 3本



【写真上】
この竿はかなり前に製作し、実釣でも相当使い込んだ竿ですが、穂先のガイドをLSGからLDBSGに交換すると同時に個数を1個増やし、塗りもひびが入っていたため、磨いて呂色漆を塗り直しました。



【写真中】
元々は鯨穂先で製作したのですが、使っているうちにどうも穂先が気に入らなくなってしまい、思い切って穂持ちを一節詰めて(切断して)グラス穂先に交換。使ってみると、こんなに変わるものかと思うほどアタリの出が良くなり、お気に入りの竿になってしまいました。修理のついでに下のカワハギ竿と同じように握りを綿巻きにしてみました。綿巻きは細手の木綿糸(タコ糸)を巻いて生漆で固めた状態で、滑り止め効果があります。





【写真下】
当初バッドジョイント式の1本半継ぎで製作したのですが、もう1本ペアで持ち歩いているカワハギ竿(写真中の竿)が印籠継ぎのため、ロッドベルトで纏めると、どうにも長さが違って電車釣行では持ち運び難いので、思い切って印籠継ぎに改造しました。切り組み上、どんな場合もこのような改造が可能な訳ではありませんが、たまたまちょうど良い位置に手元側一番のガイドがダブルラッピングで取り付けてあったので、その一節上での繋ぎが可能で、寸法もちょうど良くラッキーでした。




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