ヒラメ集中力切れずに2枚ゲット

2月8日(日)、長井漆山港は昇丸からヒラメ狙いで出船である。
今日は幸運にもヒラメ仕立船のお誘いを受け喜んで参加。前日は南西強風が吹き荒れ、軒並み出船中止や早上がりが続出する荒れ模様。今日も風が危ぶまれたが、願い通じたか夜半から風向きは北に変わり風速も低下。早朝5時、T澤さんのお迎えにより満を持して長井に向けて快走である。6時、ようやく白んできた漆山港に到着。駐車場で道具の準備をしながら雑談すること6時30分、活きイワシを積み込んだ船が接岸された。メンバー全員が乗り込み釣座に着くや否や間髪を入れずいざ出船である。今日のメンバーは5人、右舷ミヨシが私、艫にS野さん、左舷ミヨシにT澤さん、胴の間に店員M君、艫に佐Tさんという布陣。今日はアオリ道具も一式持参したが、どっち付かずで集中できなくなるのを懸念して車に置いて行くことにした。


左:船が接岸する前に駐車場で準備を開始、右:実釣開始とともに日の出が美しい。

港を出ると低速で真沖に進み、約5分で最初のポイントに到着。6時35分、朝焼けを見ながら第1投である。北東の微風、晴れ。海上はベタ凪、昨日のシケの名残は全く感じられない。最初は水深24m程の平場から開始だが、水色はシケ後のせいか塵が混ざったような薄濁り。大潮後の中潮初日だが、潮はほとんど動いていないようである。今日は人数が少ないのでオモリは50号を使用することにした。一日手持ちなので少しでも軽い方が楽である。仕掛けは幹糸7号1.5m、捨て糸5号50cm、ハリス5号1mの1本針。針はカットヒラメの16号で様子を見ることにする。予備に伊勢尼11・12号、マダイ針10号も用意してきた。開始早々にT澤さんに何やらアタリがあるも針掛かりせず。そのまま船中音沙汰が無いまま時が過ぎて行く。船は15分くらいのインターバルで細かい移動を繰り返していく。水深は20m〜35m程度の幅で、底は比較的平坦な場所が多いようだが、カケ上がりや地の硬い場所、多少の起伏を伴う根回りも攻めて行くのである。

私の釣り方はタナ1mが標準、オモリを着底させて穂先を水面下まで巻き込み、1m程度竿を起こして水平の状態にしてタナを切る。タナ取りは10〜20秒に1回、オモリを着底させる際はゆっくり、タナを取るときもゆっくりと、魚に餌を見せるイメージが重要と考えている。このタナ取りが誘いになったり聞き合わせになるときがあるので、常に魚が餌を銜えている前提で慎重に行わなければ痛い目に会うのである。イメージ的にはマゴチ釣りと似ていると言ってもよいだろう。


左:手持ちヒラメV295&カルカッタ小船1000、右:餌の活きイワシは2〜3匹づつバケツへ、今日はブクも持参で酸素供給。

9時10分、40m強のポイント。移動後1投目でタナを1m程切った状態でムズッとした前アタリの感触。ウン!と慎重にタナをキープすること約5秒、トン!と20cm程度穂先が入ったかと思うと、続けてズン、ズンと段を付けた引き込み。テンションをキープしたまま付いていくと、穂先は既に海面スレスレ。オモリが底に着かないように少し聞き気味にテンションを掛けると引き続きゴンゴンゴンと強いアタリで、竿が胴まで曲がり込んだ。そのままゆっくり竿を起こすと、緩めに設定してあったドラグが滑るほどの強烈な引き込みを見せる。これは本物ぽいぞ〜。最初の強い引きを竿の弾力とドラグでかわし、暴れさせないようにゆっくり巻き上げる。S野さんが横で玉網を持ってスタンバイ。後10m!途中あんまり暴れないので限りなくヒラメっぽい。だましだまし巻き上げ、ようやく海面に浮上した楕円形の茶色い影。「もうちょっと寄せて!」とS野さん。そのまま竿を手前に起こし、無事玉網に収まったのは、本人もビックリ、53cmのヒラメである。やってしまった、こんな早く本命に出会えるとは今日はラッキーの一言である。


左:早々に1枚ゲットで本人ニンマリ、右:佐島沖の生簀周りを狙うも・・・。

10時、しばらく北向きに走ること到着したのは佐島沖のワカメ養殖場。風が吹き出すと船外機で来れなくなるかもしれないとのことで、お土産用のワカメを採りに来た船長。何十列にも張り巡らされたロープには巨大なワカメがゴッソリ付着。リモコンで船を操舵しながらロープを鍵棒に引っ掛けて持ち上げ、船に固定する。大き目の株を選んでは包丁でロープから切り離し取り込む。手際の良い作業であっという間に船べりはワカメでいっぱいになった。15分程で大型ポリバケツ山盛り2杯分を収穫。このワカメが旨いんだよな〜。洗ってサッと茹でれば青緑も鮮やかで、どんな食べ方でも一味、いや二味違うのである。昇丸にお世話になった日はいつもお土産に頂くが、これがホントに旨いのである。


左:お土産用のワカメを収穫する船長、右:収穫したワカメ、乾燥しないように海水を満タンに注ぎます。

10時25分、佐島沖の生簀周り。ここは極浅の8m。生簀の隙間を巧みな操船で流していく。風も潮も無いので船の動きは遅い。しかし生簀の際は魚が付いていることが多くチャンス大、竿を持つ手にも自然と力が入る。竿一杯に持ち上げタナを3mくらいに上げて少し静止、その後ゆっくり落とし込み、また1mのタナを取り直す。魚が餌を見つければ必ずアタックがあると信じて積極的に誘い続ける。30分程、丹念に探るもここでは船中アタリ無しとなった。次に少し沖に出て佐島沖の20〜25mを攻めるが、こちらはエソの反応のみ。そして移動することいきなり上から25mと海面からタナの指示が出た。底に沈船でもあるのかな〜と思っていると周りは鳥山。どうやらイナダがイワシの群れを追ってナブラが立っているようである。鳥山を追っかけ移動しながら、しばし25mより上層の誘い釣りを試るが、この追っかけイナダは船中ノーヒット。


イナダを狙って舳先で完全フカセをやる店員M君、そしてカサゴの船上干しを作る。

11時20分頃、また長井の沖に戻る。こちらはカサゴが活発に反応し、入れれば当たるといった状況。25cmくらいの良型のカサゴで良いお土産である。お昼頃、店員M君がカサゴの船上干しを作り始めた。噂ではこれが相当旨いらしいが、今日は家族から刺身の要望が強かったので、私はそのまま持ち帰ることにした。次は水深50m前後のポイントで、海底には漁礁が入っているとのこと、まめに底を取るようアナウンスが出た。船中カサゴやらマトウダイが顔を見せている。私もカサゴのアタリがあったが、ちょっと食い込み悪く空振りしたり、根に持ち込まれたりで、なかなか釣果に結びつかない。艫のS野さんはこの水深からマダイ有りと見て、用意してきたコマセを使ってマダイを狙っている。仕掛けをウイリーに変えるとアジやらメバルやらが賑やかに釣れる。豊かな海である。一回喰い上げのアタリがあって3mくらい上で胴に乗ったが外れてしまった、マトウダイっぽかったな〜。


S野さん、水深と地の様子を見てコマセマダイ、そして餌木をシャクる。

13時、少し走って小網代沖の35mに移動。たぶんこの辺は前に丸十丸から乗ったときも攻めたとポイントではないかと思われる。ここでもやはり船中アタリ無し。この時間上潮と思われるが、今日は一日中潮が動かずラインは船下に一直線。13時半、また長井の沖に戻る。ここは朝本命の型を見たポイントに近いと思われる。13時50分、「これが最後の流しになるのですみません。」と船長のアナウンス。1投目、いつものように1m強タナを上げて少し待つと、イワシが上に泳いでいるようなフワフワした動きを感じた。そのまま集中していると、グングンと穂先を締め込む明確なアタリの到来である。これはヒラメっぽいぞ!しかし続けて強い引き込みが来ないので、しばらく一進一退でラインを張ったまま我慢である。動きが止まったので少し聞き合わせ気味に竿を起こしていくと、グググ〜と何かが乗った。途中それらしい引きが伝わって来るが、重さは軽くどんどん巻けてしまう。難なく浮いてきたのは33cmの小型であったが本命ヒラメ。念のため自ら玉網で取ろうとしたが、S野さんにアシストして頂き無事キャッチ。待ち過ぎて針を飲まれてしまったので、ちょっと早いが私はここで竿をたたむことにした。


左:左舷店員M君と艫には佐Tさん、右:海攻マダイ、手持ちで頑張るT澤さん。

午後から南西風に変わり心地よい程度に風は出てきたが、一日申し分無い凪で今日は最高の釣り日和となった。帰港後、船宿のお座敷で暖かいうどんやお料理が振舞われ、お腹一杯満足で家路に着いたのである。もちろん途中で収穫したワカメのお土産付きである。今日は結局、私が釣った2枚だけという個人的には嬉しいが、皆さんには大変申し訳ない結果となってしまった。今日は何を言われても仕方が無いだろう。もしかすると友達を数人失ったかもしれない。(笑)しかし、このところの貧果を脱出したいという気合が勝ったのか、旨い魚を食べたい食べさせたいという執念が勝ったのかは定かでないが、久々に魚運に恵まれ一人ヒラメとの駆け引きを楽しんでしまった釣行となったのである。皆さん今日はお疲れ様でした。今回はこんな結果になりましたが、また機会があればよろしくお願いしま〜す。


本日の釣果、ヒラメ 53cm 1.41kg & 33cm の2枚、カサゴ 22〜25cm 5尾。

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