渋くて当然の落ちギスやっぱり難易度A

2月11日(水)、金沢八景の荒川屋からシロギス狙いで出船である。
今日は長男の誕生日だったので、お祝い代わりに釣りに連れて行く約束だったが、風邪で熱を出してしまい自宅で静養。H頭さんから尺ギスのレプリカが完成した旨1月に連絡を受けて以来、そのままになっていたこともあり、この辺りで一発渋い落ちギスの醍醐味でも堪能してやろうかと考え、長男を置き去りにしていざ出撃と相成った。シロギスは2月の後半から3月になると再び移動期を迎え、冷水低活性と相まって激渋り期に突入してしまうのが例年のパターンである。いわゆる落ちギス釣りを楽しめるのは、私としては今期今日がラストチャンスになるかもしれない。

朝6時過ぎに船宿に到着すると、店内は既に10名を超える釣り人で賑わっている。今日はどうしちゃったの?実は月曜日にマコガレイの52cmという記録魚が上がった。また、大型カレイの実績が高い時期であることからも、カレイファンが俄然盛り上がりを見せているのである。今日は荒川屋主要メンバー勢揃いといった様相で、シロギスの神様までカレイ船に乗船である。そんな訳でカレイ乗合は2杯出しの大盛況。一方我がシロギス船は広々余裕をかましていたら、出船10分前に若者集団がどっと押し寄せ、結局左舷7名、右舷10名と、そこそこの人数になったのである。私は左舷の艫2番、常連Y田氏は反対側の右舷艫2番。定刻8時、2杯のカレイ船に続き出船となった。


左:2月9日(月)に上がった52cm1.7kgのマコガレイ、右:一足先にカレイ船の第一陣。

船長にどこでやるのか尋ねると、まだ決めてない、無線で他船の状況を確認してみるとのことである。一般的に落ちギスと言えば、小柴、猿島など神奈川県側の30m以深に良型の群れが固まるのが恒例である。ところが今年は原因は定かではないが深場に落ち切らず、中の瀬辺りの水深20〜25m周辺の春〜夏に攻めるような比較的浅場で好釣果が上がっているのが特徴である。真正落ちギスファンとしては小柴沖の深場で渋いシロギスとじっくり対峙するのが望むところであるのだが、さすがの中の瀬も下降線に入ったこの時期、果たして船長はどちらに船を向けるか微妙な選択である。

八景島の前でスパンカーを上げると船は東に一直線。10分程走ると船長のアナウンス、こりゃ中の瀬だろうな。到着したのはやはり中の瀬の航路手前側の25m立ち。私の釣座からはブイの位置がよく確認できなかった。8時30分、合図とともに第1投。いきなり誘い上げに反応したのは16cm級、まずは幸先良く1尾ゲット。北東の弱風、晴れ、海上は凪、水色は薄濁り。今日は中潮、朝から落としで底リが14時過ぎのため、一日概ね下げ潮の釣りとなる。早朝雪がちらついたが、今朝の冷え込みはさすがに厳しく、手がかじかんでしまい餌付けも思うように行かない状況である。

既に下げ潮はトロトロと右舷艫方向への斜め流しである。この時間は割と高めのタナで誘い上げに反応があるが、アタリの割りに針掛かり率がかなり低い。魚のサイズはピン絡みが多く小さめ主体のようである。クツ!クククン!で離してしまい食い込みまで持って行けないアタリが多過ぎる。色々試すと確かに餌を小さくすると針掛かりは良いが、アタリが減る。餌を大きめにするとアタリは多いが針に掛からないという傾向である。こんな調子でペースに嵌れないまま時が過ぎ、しかも潮回りの度に段々アタリが遠のいていくのである。10時30分でまだ8尾。


左:期待満々で出船も・・・、右:釣り始めると???の難しさ。

一回の流しでも、徐々に水深が深くなっていくとアタリが減る傾向にあるようだ。やはり魚は浅場に付いているのだろうか、如何せん不思議である。小移動して今度は水深20mと先程より一段浅いポイントを流す。ここでもたまに当たるのは小型主体である。10時50分、やっとツ抜けてホッとするものの、11時を回った頃から急に潮が速くなってきた。船の動きも速いので仕掛けが落ち着かず、ますますアタリは遠い。流しは依然右舷艫流しである。潮が速くなってからは高めの誘いには一切反応がなくなった。仕掛けを落とし込み、しばらく待ってようやくアタリが出るか出ないかといった所だが、払い出しなので仕掛けを止めるのが難しい。朝方は自作固定テンビンを使用していたが、地底でアタリを出す釣り方に変更したので、自作半遊動テンビンにチェンジしてみた。アタリが少ないので効果の程は不明のままである。12時の時点でまだ13尾。

我が左舷は初心者と思われる釣り人が過半数を占めるが、潮が速くなってからはほとんど釣れていない。型が細かい上に渋さは一人前に落ちギスモード、そこに速潮と来れば初心者の皆さんには難易度AAAといったとこであろう。斯く言う私も同じである。水深が浅いだけが救いかもしれないが厳しい状況であることには変りは無い。午後に入ると風は微風、ポカポカと朝の厳しい冷え込みを忘れてしまう程いい陽気となった。13時の時点で18尾。

13時を回るとこれまで速かった潮も徐々に落ち着きを見せ始めてきた。船の動きも明らかに緩くなり仕掛けが不用意に動くことも少なく釣りやすくなってきた。細かい叩きを入れたら、仕掛けを止めたまま少し長めの間を取ってやるとアタリが出るようである。仕掛けのシャクリ上げは朝方と違って誘って食わせるためではなく、場所移動と仕掛けの落とし込み回数を増やすために多用する。しかし相変らず吸い込みが悪いので、これまでの袖針6号仕掛けから丸セイゴ7号仕掛けに変えてみる。この程度の当たり方では違いをはっきり認識できないが、吸い込みが良くなった分、すっぽ抜けが増えたような気がしないでもない。その分、少し強めのアワセを入れて対処することにした。14時の時点でポツポツ25尾。

14時を回ると潮はほとんど止まり加減ではあるが、魚の活性は幾分上向いて来たようである。もしかしたら既に上げ潮が入り始めているのかもしれない。今度はまた高めの誘いに反応が出始め、当たり方も少しは勢いが感じられるようになってきた。瞬間的に針掛かりするような活性を感じるアタリも少しは出てきて、今日一番の喰いである。終盤、少しペースを上げて36尾まで追い上げたが、アタリが出ている最中に潮回りとなってしまった。そして最後の流しが全く振るわず不発に終わり、そのまま15時の納竿を迎えたのであった。

この時期、渋いのは重々承知していたが、今日は魚のサイズが細かいのが誤算であった。ピン絡みのシロギスでも喰い方は完全な落ちギスモードで、一尾一尾を掛けるテクニックの難しさを改めて実感させられた。この時期にこの浅場であるが、魚はそこそこ居るようで、たぶん認識できたアタリの4分の1も取れていないのであろう。しかし、どうすればヒット率を上げられるか、終日分からず終いで自らの未熟さを痛感した次第である。尚、本日の竿頭はさすが右舷のY田氏で43尾とのことであった。

別船カレイ乗合は40cmオーバーの大型が47cmを筆頭に4枚、その他30cm台の良型が多数出た模様だが、乗客が多かった分、型を見られなかった方も多々いらしたとのことである。釣り上げられた大型カレイを間近に見ると、立派な肉厚で釣り味もさることながら食味にも興味が湧いてしまう。常連の方々からカレイ釣りへのいざないがあったが、これ以上釣り物増やしてどうするんだというこの状況下、来期改めて検討してみたい。(笑)


本日の釣果 シロギス12〜19.5cm36尾。今日は細かいのが多かったです。


12月21日に釣った30cmのシロギスのレプリカが完成しました。H頭さんありがとうございました。

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