シケ後でシロギス渋々トラギス入れ食い

3月7日(日)、久比里の巳之助丸からシロギスに行ってきた。
金曜日の後半から南西の大風が吹き続け、土曜日は一時20m近い風速を記録した。今週の釣りは諦めかけていたところ、土曜日の夜半から風向きは北東に、伊豆大島辺りでも南っ気が取れて西風となった。これは凪るパターンかもしれない。こうなったら最近気になっていた久比里のシロギスにGOである。巳之助丸のシロギスは例年より早い3月1日に出船開始となり、3月3日に初出して以来、今日が2回目の出船である。

いつもの時間に船宿に到着すると、シロギス船は右舷大艫に先客1名。左舷の大艫が空いていたが、お客さん少なそうだし、慣れている右のミヨシに荷物を下ろした。アサリを剥くわけでも無く、出船までの時間がやたらと長く時間を持て余す。店で女将さんと話し込んだり、カワハギ船のI東さんとしばし談笑して暇を潰す。I東さんは金谷でアオリの予定だったそうだが、昨日の大風で出船中止とのこと。急遽予定変更で激渋のカワハギに挑戦とのことである。シロギス船はもう1名釣り人が見えて左舷大艫に入った。今日はちょっと寂しく乗客3名だけだが、お祭りの心配もなくこれで海が凪なら一日のんびり楽しめそうである。


左:久し振りに乗る16号船、右:この看板ツロギスに見えて泣けるんだよな〜。

定刻8時に一斉に出船である。久里浜港で一時停泊しスパンカーを上げる。沖に目をやるとどうやら凪のようで一安心。船は東電を右に見ながらしばらく進むと野比沖でスローダウン。8時20分、船首を北東に向けたと同時に開始の合図が出た。北東の弱風で晴、海上は凪、水色は深緑系の薄濁りで、シロギスには悪くない潮色である。水深は20m前後だろうか。

前回やったのは昨年8月の終わり。その時はKOBIさんと初めてご一緒させて頂き、二人で束釣りした記憶が鮮明に残っている。更に記憶を遡ると昨年3月下旬、かなり厳しい状況ながら良型主体で30尾超えの釣果が得られたことを思い出す。今日はシロギス船開始早々で水温もまだ低く、そう甘くは行かないだろうと目標を30尾に置いてみた。今日の仕掛けはオモリ15号、自作固定テンビンからハリス0.8号70cm、30cmのところから5cmの枝素を出した2本針と私の定番である。針は袖針6号とちょっと流線針に似た新ハゼ8号の2種類を用意し、最初は袖針仕掛けを使用することにした。

今日は大潮で干潮が11時半頃だから、前半下げ潮、後半上げ潮となるはずだが、乗客が少ないので潮の先も尻も釣り易さを除けばあまり関係ないだろう。1投目、下げ潮がそこそこ効いていて艫流しになっている。3投目でアタリがあるも針掛かりせず。しかし間違えなく本命のシグナルである。ちょっとこのアタリ方は・・・今日は手強いかもしれないぞ!次の4投目で同じような渋めのアタリが出た。かなり待ち気味の乗せ方で何とか18cm級の初物をゲットした。喰いは渋いがタナは高いかもしれない。

ポツポツとアタリがあるが、針掛かりまで持ち込めないアタリが多い。餌の先は喰われて返ってくるのだが。餌のジャリメは1匹掛けにすると今日は食い込まない。頭の1cmくらいと尻尾は切り落として、長さが3cmくらいの短めに付けてやると掛かりがだいぶ改善された。仕掛けを投げて叩きを入れた程度では全くアタリが出ない。誘いは縦に大きめに入れ、誘い上げの頂点で仕掛けを漂わせるようにフォールさせると、途中でフッともたれ、そのまま聞き合せでブルブルブルっと持ち込むような喰いが多い。従って自然と船下でのヒット率が高くなる。正に落ちギスモードである。

9時30分、ようやくツ抜け。最初の一流しは約1時間と長かったが、その後アタリが疎らとなり、頻繁な流し換えになった。少しずつ北寄りにポイントをずらしながら、ほぼ同じ水深での移動だ。10時頃になって潮がトロリとしてくるとクラカケトラギスの爆釣モードに突入してしまった。シロギスに比べてトラギスの元気が良いこと、底荒れも水温も関係ないのか?誘いが決まれば一気にガツガツンと、何ともいいタイミングで喰ってくるから悔しい。こうなると釣り方で避けるなんて芸当はできるのだろうか。色々やってみるが効き目は無い。もちろん仕掛けに蛍光ビーズなどは付けていない。諦めてトラギス10に対して混ざるシロギス1を拾うしかないのだろう。今日のトラギスは全般に型が良く、20cmオーバーの特大サイズが竿を曲げるが、あまり釣ると後が大変なので中小型はすべてリリースである。


左:自作リン青銅固定テンビン、右:野比沖から下浦に移動。

11時、少し南に走って下浦沖の定置網周りに移動。水深は15m前後と先程より一段浅めである。ここはトラギスが全然居ないのが幸い、当たればシロギスだが、肝心のアタリが滅多に出ないのである。12時で16尾、相変らずタナは高め、これまでオモリを底に着けた状態でシロギスのアタリは一度も出ていない。喰いは渋いがタナは高めという傾向に違いない。

12時30分で20尾。流れは感じないが、そろそろ上げ潮が入り出したのかもしれない。喰い方に急激な変化が現れ、遠めの低目でアタリが連続するようになってきた。潮が良いときの典型的な喰い方である。幾分払い出しの潮で、良いアタリが出てそのまま乗せると、殆どが上唇に針掛かりし引きも強い。この喰いが続けば数が伸びるのだが、群れも小さいのだろう、なかなか連釣モードへは持っていけないのであった。

13時、海上は風が無くなりベタ凪である。ポカポカと穏やかな海、気持ちいいな〜。しかし、上げ潮に伴って剣崎の方から黒く不吉な濁り潮が入ってきてしまった。これが魚の活性に影響をもたらしたのか、たまに当たっても触るだけで一向に掛からなくなり、急激なペースダウンとなった。何が気に入らないのか船上から判断することはできない。

13時30分で30尾。とりあえずの目標クリアであるが、掛けられないアタリやバラシが多数あったので、何となく納得行かない心境である。終わりまでに一時盛り上がりたいものだが、14時、少し北風が吹き始めて元の野比沖に戻る。ここは案の定、待ってましたとばかりにトラギスの猛攻だ。トラギスの口に深めに掛かると、袖針はすぐ開いたり伸びたりしてしまい、いくら仕掛けがあっても足りない。ここで丈夫な新ハゼ針の仕掛けに交換した。釣っても釣ってもトラギス。誘いを遅くしてもトラギス、速くしてもシロギスより先にトラギス。高めでも低めでもガツガツンと喰ってくる活性の高さで、下手すれば一荷一荷である。いくら美味しいとは言っても、外道故ここまで掛かるとさすがに閉口である。

結局、このまま好転せず定刻の15時を迎えたが、最後の1時間30分はトラギスの入れ食い。シロギスはたったの3尾と振るわず終い。全般に型は20cm前後と良かったが、当たった回数の割りに数が伸ばせなかったのと、トラギスの邪魔が凄くて今日は不完全燃焼である。トラギスは数えていないが30尾くらい放流したと思われるので、50尾前後は釣ったかもしれない。

今日のシロギスはシケ後のせいか群れも疎らで低活性、それに対して底荒れ低水温にもめげないトラギスに軍配、それを避ける術が無いままの釣りとなった。ちなみに左右大艫の方はともに2本竿で7尾と25尾とのことであった。皆さんトラギスは大漁である。久比里のシロギスは始まったばかり、今後状況が上向くことは確実だ。これから水温が上昇してくれば例年通りの活発なアタリを楽しむことができるであろう。是非次回に期待したい。今度はシロギス釣りを・・・。


本日の釣果、シロギス 16cm〜22.5cm 33尾。(竿頭)
後でもう1尾クーラーの底に残っていたので、写真は1尾足りません。トラギスは多数釣れたので大型だけ持ち帰りました。その他カナガシラ。


【船宿HPコメント】
白ぎす・・下浦沖、潮:薄濁り、水温:12度
今日は下浦沖20m前後の根に近い砂地を流しました。が、今日は前日の大風の影響を受けてしまい、白ギスの食いはあまり良くなかったですね。アタリは有っても、餌の先をちょっとかじる程度で、なかなか針掛りせず苦戦の1日でした。それでも釣り上げた白ぎすは、良型揃いでしたよ。トップは横浜市の小峰さんで33匹でした。(美佐男)

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