カワハギ海悪もアタリ活発

4月6日(火)、久比里の巳之助丸からカワハギである。
今日は火曜日、会社の仲間に後ろめたい気持ちもあるが、今年初めての平日釣行だから勘弁してもらおう・・・と勝手に決め付けて、気持ちはカワハギ一直線。餌のアサリは日曜日に剥いてあるし、気合十分で出撃である。ところが、良くないことに昨夜から南西風が強くなり、海悪が予想されるのである。もう休みは取ってしまったので後には引き下がれない。南西荒れ気味の日にはカワハギの活性が上がることもよくあるから、ともかく一日釣りができることを祈るのみ。早上がりは嫌なのだ〜。

いつもの時間に到着すると、21号船はミヨシ寄りに3名の先客がいらっしゃるも、左右大艫が空いていた。一足先に乗り込んだお客さんが左舷大艫に入られた。必然的に私は右舷大艫に荷物を下ろす。やっぱり平日はいいな〜。今日はN名人も乗船で、左舷ミヨシに釣り座を構えられたが、ちょうど死角で釣技を拝見できないのが残念だ。今日はA名人もお目見えで、ビシアジに乗船である。道具の準備も早々に整い、アサリを剥くこともなく暇である。釣り座で転寝をしたり暇を潰していると、ポツポツ左舷は4名、右舷は7名と平日にも関わらず11名のカワハギファンが集まった。

来週の日曜日に烏賊飯さんとマルイカに行こうと、何だかんだと言ってたら、Lジャケットさんが交渉してくれるとのこと。有り難いお話である。私は今日、現場に居るので、20号船の貴則船長に日曜日の話をしたら、A名人からも同日の出船を頼まれているとのこと、期待大である。帰りに女将さんに確認してみよう。当の20号船は本日お客さん見えずお休みの模様。その他、ビシアジ船はA名人ともう1名、シロギス船は1名、カサゴ船はポツリポツリといった状況。のどかな平日の朝である。


ピンクの幹糸に黒のハリス、なんじゃこりゃ。平日にも関わらず11名のお客を乗せて出港。

7時55分、出港である。いつものように平作川を下り、久里浜港でスパンカーを立てる。ここから沖を見るといつも凪に見えるが、怪しい南西風が吹きつけ、アサリを海水で洗いながらも、今日は凪でのんびりなんて想像する余地も無いのであった。久里浜港を出ると案の定海はメラメラだった。荷物をさっさと纏めてキャビンに非難である。船はウネリなんかものともせず、横波を喰らいながらかっ飛ばす。キャビンの窓から外を覗くと船縁より高いウネリが見え隠れし、船上は滝のように海水で洗われている。久し振りの平日釣行、最高の日に来たもんだ。(笑)

8時25分、金谷沖に到着するとエンジンはスローダウン、キャビンから釣り座に戻り、タオルで椅子を吹いて臨戦態勢を整える。山立てを終えた船は舳先を南西に向けて停止。さあ開始の合図である。南西の風約10m、晴れ。波高は1.5〜2.5m、水色は薄濁り。水深21mとのアナウンスである。第1投でいきなり魚信を捉えるが、船の上下動でうまくタイミングが取れない。今日は大潮で干潮が11時過ぎだから、前半下げ潮、後半上げ潮である。現在、下げ潮がほどほどに流れ、船は左舷ミヨシ流しで私が座る右舷大艫は潮のどん尻。ウネリがあるので船が振られて抱え込んだり払い出したりと動きは安定しない。


分かってたけど、やっぱり海悪いぞ〜!

魚はけっこう居るようで、ほぼ入れ当たり状態だが、アタリが小さくよく餌を取られる。喰いは渋いようだ。3投目でようやく18cm級を1枚上げるが、その後が掛けられない。アタリ分からず丸裸もあるので、50cmくらい浮かして中層を狙うと、案の定浮いている魚も多いようで、ちょくちょくアタリがある。しかし、船の上下動が大きいので、微妙なモタレなどほとんど分からず、不意に持ち上がったときなどにゴゴン!と離してしまい、上手く合わせられないのである。中層に居るが掛けられないので、叩いて餌をアピールして、浮いている魚も地底で食わせるようにする。喰い上げのアタリも多く、糸を張っていないとほとんどアタリは取れないが、糸を同じテンションで張ることすら今日は難しい。

9時30分で3枚、10時30分で5枚とアタリの割りにヒット率は上がらず、イライラモード全開だ。しかも同じ舷で釣りをしているカワハギ初挑戦の女性客も同じくらい釣っているではないか。何とかうまく掛ける方法はないかな〜。針を4号に落として小さめの餌を選んだり、塩漬けアサリを使ってみたり、釣り方工夫してみたり、色々試行錯誤するも特に改善することは無いまま時は過ぎる。10時30分を回ると潮が淀んで、明らかにアタリが遠くなってきた。餌がそのまま残ってくることが多い。この時間まで掛けられないアタリが何十回あったことか、そしてバラシも多数。いやはや今日は掛けられない。こういうときはどうすれば良いのだろう?魚が居なくて掛からないのは当たり前だが、沢山居るのが分かってて掛けられないのは精神的ダメージが大きい。


今日は金谷沖20m。女性のお客さんも船酔いせず大健闘。

11時20分の潮回りでいきなり艫流しに変った。いよいよ上げ潮に入ったか状況の変化に期待だ。すると直後、船下に入った仕掛けにズドンと重たい魚信が到来、そのまま慎重に乗せるとヒット。24cm級の良型だ。この型になると引きが強く巻き上げ中もハラハラさせられる。楽しいぞ!針を元の5号に戻す。その後縦糸の釣りで船下中心に攻めるもなかなか当たらない。もう1枚上げて、12時の時点で7枚だ。ここで思い切って作戦変更、艫流しになっているので、大艫の利点を生かして斜め後方に仕掛けを投げて、手前に入ってくるまでテンションを抜いて弛ませたり這わせたりしてみる。なんとこれがビンゴだ!

船の動きが激しいので、前アタリが取れなくて上手く合わせられないアタリも多いが、これは税金として諦める。弛ませたり這わしたりでアタリ連発だ。しかも掛かるのはほとんど20cmオーバーである。腹が減ったが飯なんか後である。ここで一気に取り返すぞ!そして丁寧な聞き合わせを繰り返し順調に数が伸びる。モゾッとした感触に糸を張って聞いていくと、ガツン!と重量感のある針掛かりだ。凄い引きだ!リールを巻く手が止まり、竿が激しく叩き込まれる。慎重に抜き上げたのは本日最大の27cm。活性が上がってきたのか大きさの割りに引きが強烈だ。その後順調にヒットが続いたが、大型のバラシを2回やらかしたのが悔やまれる。どちらも巻き上げ直後で外れてしまった。

13時で17枚。この1時間で10枚上がった。一日このペースで釣れれば60枚か〜。手が合えばそれくらい釣れてもおかしくない程魚は居るようだ。13時15分、難なく20枚目。潮回りの際に船長が様子を見に来た。「凄いね〜」、私は子供のように素直に喜ぶのであった。まだ2時間弱時間があるので、もう少し続けば30枚は余裕でクリアできるかと甘い考えを起こしたのが災いしたか、直後、潮が速まりアタリが遠くなってしまった。また難しい釣りに逆戻りだ。

縦糸の釣りも試してみるが、どうも速潮とウネリによって船の動きが激しく仕掛けが自分のイメージより動きすぎてしまう。魚が付いてこられないのか、なかなかアタリが出ない。やっぱりテンション抜いてオモリの位置を安定させた釣り方の方がアタリが多いので、当たらないよりマシと続けてみる。潮はさらに加速して、もはやぶっ飛び状態だ。潮回りも必然的に頻繁になる。風も一段と強くなってきたが、何とか最後までできそうなので、集中して釣りを続ける。

14時15分、21枚目。マズイ!1時間も空いてしまったではないか。ちょっと状況が変化するとこの調子だ。恐ろしいものである。この状況じゃ30枚なんて無理、とにかくアタリが出たら掛けることに集中する。しかし、食い込み悪く、タイミングが合わせ切れず、空振りとバラシの連発だ。終了間際までに何とか2枚だけ追加して23枚。15時、ちょっと良いアタリがあって喰わせそこなった瞬間、納竿の合図が出てしまった。何とも悔しい終わり方である。帰りも釣り座は滝のように被りそうなので、さっさと道具を片付けてキャビンに非難したのであった。

今日はだいたい100回当たって40回掛けて、23回やっと取り込んだという感じ、ヒット率の悪さに気分はボロボロである。数だけ見れば決して悪くないが、これだけ当たると単純に喜べない複雑な気持ちだ。朝の下げ潮、11時20分からの上げっぱな、そして13時30分からの速潮と、今日は大きく3つの状況変化があり、上手く手が合ったのは上げっぱなだけという結果に終わった。下げ潮の渋い喰い方と速潮での喰わせは何回やっても難しい。魚はかなり居るので、一日を通して条件が良ければ50枚、60枚という釣果が出そうな雰囲気は濃厚だ。今日の竿頭はN名人でさすが31枚(10枚くらいのリリース込み)とのことであった。ともあれ今日は仕事サボった甲斐あって、エキサイティングで悔しい本来の?カワハギ釣りを楽しめたことは確かである。


本日の釣果、カワハギ 15〜27cm 23枚。20cmオーバーが9枚入り型はまあまあ良かったです。

【船宿HPコメント】
皮はぎ・・金谷沖、潮:薄濁り、水温:15度
今日は朝から南西の風が強い日で波も結構高く、悪いコンディションでした。しかし皮はぎのアタリは相変わらず絶好調で、餌も良く取られていました。下げ潮の午前中はまあまあの食いでしたが、潮の淀みから上げ潮にかけて良くアタリ、入れ食いのお客さんもいました。悪条件の中トップ31枚、次いで23枚、21枚、20枚と良かったです。皮はぎ初挑戦のA美さんも6枚と船酔いもせず、頑張りました。(浩喜)

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