念願のマルイカに初挑戦

4月11日(日)、久比里の巳之助丸からマルイカに行ってきた。
ここ数週間、カワハギがトップで20枚前後、良い日には30枚超と好調を維持している。週末ともなれば沢山の釣り客で賑わい、カワハギ船は2杯出しになる日が多い。目下、巳之助丸ではマルイカも看板として掲げているが、そんな関係もあって週末は休船になることが多いのだ。2週間ほど前から烏賊飯さんとマルイカに乗る画策をしていたが、電車釣行で気軽に乗れる船宿が意外と少ない。

BBS上で何やかんやと言っていたら、Lジャケットさんが出船の交渉をしてくださるとのこと。偶然同日にA名人グループも出船を希望していらしたとのことで、Lジャケットさんグループ3名、A名人グループ3名、そして我々2名が集まることになり、日曜日にも関わらず特別にマルイカ船を出してくださることになった。こんな成り行きで念願のマルイカ釣り、慣れた船宿から顔なじみの方々と一緒に初体験できる運びとなったのである。さすが巳之助丸、船宿さんに感謝である。

マルイカは美味しいだけではなく、その釣趣もカワハギに通じるような面白さがあると聞いていたので、去年からスッテなどを買い集めて、来たる初挑戦の日に備えていたのだが、なかなか釣行の機会に恵まれず今日に至った。今日は2年越しの願いが叶うとあってワクワク・ドキドキなのである。しかも苦手の長仕掛け、スッテを使った釣りも、投入器なるものを使うのも初めてだ。今日は初めてのことがたくさんあって、日頃イメージトレーニングをしていても、やっぱり釣りは実践、ワクワク・ドキドキなのだ。

仕掛けはよく分からないので、標準的な5本スッテのブランコ式。幹糸は4号で、下から80cm、1m、1m、1m、1m、50cmの間隔で作成。枝素の接続部は寄りチチワとした。ハリスは3号20cmで、スッテに結んだら端を3cm程のチチワにして、幹糸の寄りチチワに接続、着脱可能にしてみた。この季節、まだ深場をやるようなので、オモリは80号。道具は使い慣れたアマダイ用を転用、ファイアバロン30−240と電動丸1000Hの組み合わせだ。仕掛けの消費具合が分からないので、様子見に以下の3パターンの仕掛けを各2組づつ合計6組準備した。状況によってスッテを交換したり色々やってみたいと思う。


今日用意した仕掛け。適当に混ぜたパターンA、濁り潮を意識したパターンB。


澄み潮を意識したパターンC。
各種ウイリー巻き、ガス糸巻き、儀兵衛セブン、最新のエロチカ7やマルイカ7などのスッテも織り交ぜてみた。

横浜5時40分の特急三崎口行きに乗ると、烏賊飯さんが私の乗車位置を覚えていてくれて、難なく合流。早朝からハイテンションで会話が弾むと、あっという間に京急久里浜に到着だ。船宿に到着すると、Lジャケットさんが橋の上から声を掛けてくれた。どうやら我々の釣り座も確保してくださっている。有り難い心遣いに感謝である。艫寄りは先客がいらしたようで、右舷ミヨシからLジャケットさんとお仲間の方々2名。左舷ミヨシ2番に烏賊飯さん、私は3番に入らせて頂いた。

受付を済まし、早速準備に取り掛かる。投入器は船宿からお借りすることができるが、Lジャケットさんは直結仕掛けで始めるようで、持参のアルミ製投入器が不要とのこと。お言葉に甘えて、私がお借りすることになった。烏賊飯さん自作のスッテ掛けは私がテスター役とのことで、これまたお借りしてセッティング完了である。7時には右舷5名、左舷6名と11名のマルイカファンが集まり、定刻の7時30分、第20巳之助丸は貴則船長の操舵により出船となった。久里浜港を出ると30分程走るとのアナウンスである。どうやら今日は勝山沖に向けるようだ。


準備中の烏賊飯さん、Lジャケットさん、そしてお仲間の方。


私はアマダイの道具そのまま。Lジャケットさんにお借りした立派な投入器。

ベタ凪の海を快走すること8時15分、エンジンはスローダウン。いよいよポイントに到着したようだ。魚探で反応を探しているのか、”TOMIURAOKI”と表示された黄色いブイの近辺を数回旋回し、船はビシッと停止、すかさず投入の合図だ。予め投入器に仕込んで置いたパターンAの仕掛けを投入。オモリを軽く投げるとシュポポポポン!と音を立てて無事仕掛けが海中に消え去った。なるほど、これは便利だな〜。北の微風、晴れ。水色は澄み、第1投目の水深は約55m。今日は小潮で満潮が約7時20分、干潮が15時過ぎだから、一日概ね下げ潮になりそうだ。

最初は半信半疑で、仕掛けが着底したら、少し底を切ってゆっくりした誘いから始めてみる。そして、竿先を海面に向けて1m前後のタナを切り、その位置から竿が水平になるまでジワッと誘い上げて少し待ってみたり、ストンと落としてから仕掛けをユラユラさせてまた誘い上げ、その位置からさらに上へ誘ってみたり、色々と試してみる。すると水平に停止した竿先にグングンと引っ張るアタリの到来だ。1投目で出たアタリに戸惑いながら聞き合わせに入ると、違和感を与えてしまったらしく、フッと軽くなってしまった。なるほど、こんな明確にアタリが分かるのか〜。第一段階、何とかアタリを出すところまではできたようだ。


ベタ凪の勝山沖。烏賊飯さんはスッテの交換中。

2流し目、やはり1投目と同じように、誘い上げの後、数秒待つとまたアタリが出た。今度は少し速めに掛けるように合わせるとグングングンとヒットだ!どうやら乗ったらしい。電動速度6で引き込みにハラハラしながら竿で対応し、慎重に巻き上げる。竿の曲がりはバランス良く快適だ。電動リールの表示が8〜6mくらいまでカウントダウンしたら、緩めないようにキーパーに竿を掛ける。巻上げが停止したらそのまま竿をゆっくり起こして、仕掛けが緩まないように手繰る。澄んだ海中にイカらしき影が白く見えた。そのまま抜き上げ船内に取り込む。ヤッタ!初物ゲットだぜ!スッテを逆さにして一振りでイカは床にボタンと落ちた。そのまま仕掛けを逆に手繰って、またスルスルと沈める。初物は上から2本目の赤帽ピンク(ウィリー)に乗っていた。思ったより高めのタナでも乗るようだ。こんな早く本命に出会えるとは・・・感動のご対面、ついついバケツに見とれてしまうのであった。


バケツの中で美しく透き通るマルイカ。烏賊飯さん自作のスッテ掛け、重宝しました。

3投目はタナを2m切った状態からの誘い上げ&停止、これも高めのタナでアタリが出た。無事に取り込んだ獲物はムギイカだった。先程と同じスッテだ。そして9時30分までにポツリポツリとマルイカ3杯、ムギイカ1杯と初体験にしては順調な滑り出しができたようだ。反応が移動してしまうのか、普通の釣りと比較すると潮回りが頻繁だ。早いときは着底して30秒ほどで回収の合図が出る。走り回るだけに皆さんと会話する余裕もあり、これまた楽しい時間なのである。

アタリはたまにあるが乗り方が芳しくない。穂先にモンモンとアタリが出るが、掛かる前に居なくなってしまう。これを掛けるのはなかなか難しいぞ!思いつく誘い方を色々試すが、あまり速い誘いには反応が無い。カワハギ釣りの応用で、仕掛けを小突いて(中層で叩いてもこの水深ではスッテが動かないと思うので揺らす感じで)数秒停止、そしてジュワ〜ッと誘い上げて停止。アタリのほとんどは仕掛けを停止しているときに出るようだ。動かした後の停止はスッテが浮き上がるとか漂うとか、海中で何かアピールするものがあるのかもしれないが、動かして見せたら止めで乗せる。そんなイメージが湧いてくる。


Lジャケットさんマルイカゲット。お仲間の方は船上干し、ウマソ〜。

潮回りの度に若干の水深の変化があるが、だいたい40mを中心に35m〜50mの間を攻めている。流しによっては海底の起伏や駆け上がりで1〜2mの水深の変化があるようだ。10時30分までに2杯追加で5杯になるが、なかなかアタリが遠くなってきた。しかし乗る人には乗ってるようなので、釣れた人の誘い方や乗せたスッテを観察してみる。これまではパターンAの黄色系以外の3色に乗ったので、私もここでスッテのチェンジだ。上の黄土色はピンク&紫(ガス糸)にチェンジ。しかしこの時間、簡単にアタリは出ないのであった。


美しい房総の山並み。(写真提供Lジャケットさん)

烏賊飯さんが紫(ウィリー)でポツポツ乗せているようだ。それを参考に11時過ぎ、思い切ってパターンCに全取替えしてみる。そして次の11時30分の流しに入ると、着底した仕掛けにテンションを掛けただけで、いきなりグングングンと久し振りに重みのあるアタリだ。ゆっくり溜めて少しキープしているとさらに重みが増す。明らかに2杯乗ったのが分かる。これはいい引きだ。ところが取り込みで下の1杯がボチャン。あ〜もったいない!次の流しでも、やはり着底してすぐにアタリ、7杯目を取り込むが、これももう1杯乗っていて途中で外れたようだ。乗り方に活性があるぞ、今がチャンス!

12時、これも着底直後すぐアタリが出る。ゴワンゴワンと引っ張り合いで少しキープしていると重みが増すのが分かる。多点掛けに間違いない。ゆっくり引きをかわしながら低速で巻き上げる。巻上げが止まり、仕掛けを手繰ると、海中にはぼんやり3つのイカの陰が見える。やった!3杯掛けだ!慎重に抜き上げて3杯とも取り込み成功。ヨシ!これで一気にツ抜けだ!投入の合図が出たら、直後に乗る確立が高い。取り込んだ後の投入では極端に確立が下がる。群れの移動が激しいのか、船が動いてしまうのかは定かでは無いが、即投入で着底直後の一発勝負といった形だ。

11時30分からの30分間は多点掛けもあり、乗り方も比較的強く、活性があったようだ。結局パターンCの5本全てのスッテにヒットした。ピンク、紫、ブルー系がこの時間のヒットカラーだったのかもしれない。しかし、時間とともに傾向が変化するようで、同じパターンでの乗りは長時間続かなかった。一度引っ掛けてからバレると、スッテに墨が着いていることが多いので、回収すると、どのスッテに乗ったのかを確認することができる。また、スッテに墨が着いていたら歯ブラシを使ってきれいに掃除してから投入する。イカにとって墨は警戒信号らしい。


潮回り。(写真提供Lジャケットさん)

その後、派手な乗りは無いが、たまにポツリポツリと誰かが上げるといった展開だ。午後になると淡色系から黄色などの暖色系にも乗るようになってきた。パターンCの下から2本目のブルー系から赤帽黄色(ウィリー)に換えて、また少しアタリが戻る。烏賊飯さんも同じ赤帽黄色(ウィリー)で乗せたようだ。気が付くと気持ちよい南風がそよそよ、脱いでいた上着を着直す。お触り程度のアタリは数回感じたが、なかなか乗せまで至らない。14時過ぎにピンク(ウィリー)でやっと15杯目を上げるも、そのまま後が続かず、定刻過ぎの15時5分、納竿のアナウンスとなった。

今日は一日良い凪で、初めてのマルイカ釣行としては最高の釣り日和になった。長仕掛けにもすんなり慣れることができたし、大したトラブルも無く(と言っても墨噴射で服を汚したり、オモリの重みでスッテを指に刺して流血騒動はあったけど(笑))、皆さんと和気あいあい楽しむことができた。そして投入から誘い、乗せ、取り込み、スッテ選びと初体験ながらもマルイカ釣りの楽しさを堪能し、同時に深さを垣間見ることができた。楽しくて美味しいマルイカ釣り、是非また挑戦してみたい。次回のマルイカ釣行は浅場になるかもしれない、今からもう楽しみである。そしてもしかしたら来シーズンはヤリイカに進出も・・・あるかな〜。(笑)Lジャケットさん、烏賊飯さん、今日はありがとうございました。またよろしくお願いしま〜す。


本日の釣果、マルイカ 14〜21cm(胴長)15杯。ムギイカ3杯。

【船宿HPコメント】
丸いか・・勝山沖、潮:薄濁り、水温:16度
勝山沖50mラインを中心にやった。午前中はトロリ下げ潮で、イカの反応も良く出て乗りも良かったです。午後は上げ潮が速くなり、乗りは落ちましたが何とか皆さんゲットしてくれました。トップ25杯、次いで18杯が2名でした。(貴則)

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