イサキ昨日の爆釣は何処へ

5月8日(土)、佐島の海楽園からイサキに行ってきた。
今日はKOBIさん、963さんからの有り難いお誘いに二つ返事で、念願のイサキに初挑戦と相成った。イサキを始め、いわゆるコマセシャクリやウィリーシャクリという種目は以前からやってみたい釣りだった。本日使用するリーディングXネライ210Mという竿は元々イサキを想定して購入したものだが、ワラサやヒラメで使用したものの、実はイサキで使用するのは今回が初めてである。このところのコマセ釣りはと言うと、先週のGWは4月29日にマダイで撃沈、5月1日にアジで撃沈と連敗街道驀進中なのだ。ところが低迷していた佐島のイサキが昨日大爆発。トップで91尾、5人で平均30〜40尾という驚異的な釣果を上げた。急な状況変化に一抹の不安があるものの、何とか型程度、あわよくばツ抜けくらいはできるだろうと期待を膨らませ、前日はなかなか寝付かれない夜を過ごした。

午前3時30分にかけた目覚まし時計より早く3時10分には床を離れ、準備すること3時50分、963さんが車で迎に来てくれた。963さんにはいつもお世話になりっぱなしだ。この時間は渋滞など無く、行程順調に4時35分には海楽園に到着した。一足先にKOBIさんが到着されており、3人並んだ釣り座をキープして下さっている。KOBIさんにもいつもお世話になりっぱなしなのだ。みなさんいつもありがとうございます。受付を済ましKOBIさんからショートレクチャーを受ける。前からやりたい釣りだったので、ある程度のイメージはできていたが、ここで改めて出船直前のイメージトレーニングである。


到着時には既に先客がチラホラ。小田和湾に停泊する本船。

サニービシはL(赤)またはFL(黄)の60号。アミコマセを使用するが、ここでのイサキ釣りはコマセを最小限に絞り、誘いで喰わせるのがセオリー。コマセを出し過ぎるとコマセで腹一杯になってしまい、仕掛けを追わなくなるようだ。コマセはあくまでも囮餌として考え、アジ釣りなどのようにコマセの煙幕に群れを突っ込ませて付け餌を喰わせるという手法とはコマセの使い方がだいぶ異なるのである。従ってビシは下が全閉、上が1/3程度とコマセの出具合を絞り気味に調整する。例えば指示ダナの幅が10m程度の場合、FLのビシであれば下から上までの誘いを2セットでコマセがほぼ無くなる程度に調整する。


船宿推奨仕掛け。上が競技チヌの空針仕掛け、下がウィリー仕掛け。

仕掛けはチヌ針1〜2号のウィリーまたは空針の4本針でハリス1.5〜1.7号、枝長13cm前後、全長3mが標準仕様。私は事前にKOBIさんから頂いた情報を元に、ウィリー仕掛け2本、空針仕掛け5本の仕掛けを作成。その他、市販のウィリー仕掛け4セット(8本)購入。これで足りるかとも思ったが、参考と保険の意味もあり、船宿推奨仕掛けをそれぞれ1セット(2本)づつ購入した。自作ウィリー仕掛けはトーナメントチヌ(白のトップレスコート)の1号で、配色は下から濃緑、白、ピンク、黄緑とし、それぞれ極小の金ビーズを装着してオリジナリティを出してみた。空針仕掛けは競技チヌ2号(オキアミカラー)に0号の夜光玉(すべてピンクとピンクと緑を交互に配したもの)を装着した。空針仕掛けは文字通り餌無しの空針で喰うようだが、状況により餌付けも試してみたい。付け餌は受付時にイカタン(各自で好みの大きさに切って使用)が支給されるのでそれを使っても良いし、オキアミなどを持参する人も居るようだ。


左:浜から艀(はしけ)で本船に移動。右:いざ出船、やっぱり凄い人数。

5時30分、店長のアナウンスでいよいよ艀で本船に乗り込む。昨日の爆釣情報のせいか、今日は案の定人数が多い。我々は右舷のミヨシ2番からKOBIさん、私、963さんの順で釣り座を構えるが、中型船に右舷11名、左舷9名と満船状態である。隣同士の間隔が1mほどしか取れず、道具をセッティングするにもかなり窮屈である。先週のビシアジも混雑して惨敗だったように、今日ものっけから苦戦の予感が頭をよぎるが、昨日の爆釣はそれでも尚、期待を持続させるだけのインパクトがあったのである。何とか道具やコマセ桶のセッティングも終了し、5時55分、第18海洋丸は出船となった。


リーディングXネライM210とカルカッタ小船1000のコンビ。ビシはサニービシFL60号(L60号でも可)。

小田和湾を出ると船は左方向に南下し、到着したのは小網代の北側、三戸浜沖の定置網周りで、数々の魚拓サイズが上がっているポイントだ。6時20分、早速開始の合図である。北東の風やや強く薄曇り、海上は凪。水色は薄濁り。今日は中潮で実釣時間はほぼ下げ潮だが、今のところ流れという流れは感じない。指示ダナは海面から25〜20mというように、誘いを行う範囲が海面からの水深で指示される。25mであれば、指示ダナより仕掛け分の約3m余分に28m程度沈めて、コマセワークを開始する。誘いは海面付近まで下ろした竿先をシュッと軽快に水平の位置までシャクって止める。このシャクリ幅や速さ、待ち時間といった誘い方、そして使用する仕掛け(ウィリーの配色など)や付け餌のバリエーションで、その日の喰いパターンをいち早く探さなければならない。コマセと喰わせ針が常に海中でどのような動きをしているか想像しながらの釣りである。使用する竿の調子によっても仕掛けに伝わるアクションが変化しそうだ。

実釣開始と共に船中いたるところで竿が絞り込まれている。こりゃ〜凄いぞ!さすが昨日の爆釣は嘘ではなかったようだ・・・と続けたいところであるが、現実は厳しかったのである。誘えども誘えども反応は無い。周りからも景気の良い声はまったく響かない。船中を見回すと、片舷で誰かしら2〜3名の人が無言でお祭りを解いている姿が目に映るのみである。この時点でまたヤッテシマッタ感が濃厚に頭をよぎる。少し二枚潮掛っているのかもしれないが、お祭りを避けるのも困難な状況。どう考えても人数が多過ぎる。1m間隔の釣り人がクッションとテンビン含めて3.5mの仕掛けをみんなで数十m沈めたら海中ではどうなるだろう?どなたでも想像できることだろう。また、仕掛けが中途半端に長いから、この人数では吹き流すことができず、手前祭りも多発する。戦意喪失しようと思えばいくらでもできる状況だが、初挑戦のイサキ、そしてコマセ釣り連敗街道驀進中の身としては、この程度でへこたれているわけには行かないのである。週末釣り師の意地だ。絶対に型を見てやる!


誘っても誘ってもアタリが無いよ〜。小さいアタリでネンブツダイの一荷、トホホ〜。

7時20分、船中第1号が左舷で上がったようだ。船長のアナウンスで知ったが、確認はできない。指示ダナは25〜15m、私は少し高めまで誘い、マメに手返して応戦する。7時30分、KOBIさんに何やらヒットした模様。上がったのは今日の本命イサキである。ところがサイズが・・・でも1尾は1尾、生きているイサキを水族館と寿司屋の水槽以外で見たのは始めてである。いいな〜。タナはな、なんと30mとのこと。指示ダナの5m下である。こりゃやられました。先日のイシダイといい流石の一言だ。続いてもう1尾、これも小型である。そして963さんにもヒット、こちらは20cmのイサキ。そして私は・・・である。

結論から申し上げてこれが我々3名(いや2名でしたね)の唯一の見せ場。本命が上がったのは後にも先にもこれでお終いだ。今日は船も多く、乗客も多い。各自がコマセを絞っても海中はコマセだらけかも知れない。アタリが無いとコマセを出し気味にするのが人情というもの、もしかしたらそんな悪循環も影響しているのかも知れない。それよりも1m四方に1個、ビシが次から次へとドカドカ振ってきたら、いくら反応が出てても群れが散ってしまうのは想像に難くない。KOBIさんが指示ダナよりだいぶ下で喰わせたのも、そんな影響の裏付けではなかろうかと想像するのである。

船はまめに潮回りや移動を繰り返し、三戸浜沖と諸磯沖の間を攻め、指示ダナはその都度上は10m、下は47mまで変化した。40m後半ではアジがポツポツ当たり、少々のお土産を確保できた。しかしこれも2本くらいお祭りでバラしてしまった。序盤戦はシコイワシが活発でこれもキープした。先程述べた事情により、意識して指示ダナの下を攻めたり、底からビシアジの要領でタナを取ったり(これは通常反則だと思いますが、あまりに喰わないので何でもやりました)、色々試すもネンブツダイ、ちびメバル、スズメダイなどの反応のみ。苦労が一向に報われない釣りを繰り返す。昨日の爆釣は人数5名とやっぱり少なめで、周りに船が居なかったらしい。それを考えたら今日は・・・バカバカしくなって止めたくもなるが、一発大どんでん返しを狙ってシャクリの手を休めることは無いのであった。


KOBIさん、963さんも戦意喪失気味。

963さんは終了30分前に自ら納竿、KOBIさんもほとんど戦意喪失。終了間際になると皆さん次々と竿をたたみ始めたので、逆にチャンスかもと思ってひたすらシャクる。でもいくら頑張ってもダメな日はダメだった。定刻13時、そのまま何事も起きないまま納竿のアナウンスとなったのである。あ〜あ、またやっちゃった、ボ!しかし今日ほど朝から釣れる気がしない釣りも珍しい。厳しいぞ〜週末の釣り。コマセ釣り連敗街道驀進中の件は置いといても、今日はマジで泣きが入る釣りでした。でも一日平和にKOBIさん、963さんと一緒に竿を振らせて頂くことができたし、半信半疑の自作仕掛けでシコイワシやアジなどの魚が反応してくれたことや、本命は当たらなかったけど、一日中シャクって実際の感覚をだいぶ体で覚えたことはそれなりに収穫だったかも知れない。しかし結果は見事に完敗だ。今日は6月の剣崎イサキ解禁に向けてのトレーニング、そして次に待っている感動への伏線ということで片付けたい。KOBIさん、963さん、本当にお疲れ様でした。6月になったら是非リベンジに行きましょう。またよろしくお願いします。


本日の釣果、アジ16〜27cm8本、他シコイワシ(カタクチイワシ)。シコイワシは963さんから頂いた分も含みます。

【船宿HPコメント】
5/8 土曜日 16〜26cm 0〜6尾 外道 アジ1〜12尾・メジナ。昨日の大釣りでか?たまたまか?今日はお客様も多く大賑わいでの出船に・・・。昨日はたまたまにしても少し釣り過ぎ感もあり、他に船が居なかったのと潮が気に入ったのといろんな要素があったのでしょう。ただ昨日の釣果はチョット例外的に考えて下さい。(本格シーズンには同じ以上な事も有ると思いますが)やはり今日は他にも船が居てジックリと出来ず、船の下にもコマセが多くなりすぎるのかな?昨日のようには行かず0〜6尾。外道にアジが16〜24cmが1〜12尾。メジナも3尾交じりました。

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