シロギス浅場で好調の気配

5月9日(日)、久比里の巳之助丸からシロギスに行ってきた。
昨日、佐島のイサキ釣りで見事な撃沈劇を演じてしまった。これで今年に入ってコマセ釣りはことごとく全敗。ビシアジ3回で6→6→7。マダイ2回で”ボ”×2。そして釣行前日は大爆釣だったイサキまで行ってみれば”ボ”だった。そんな暗〜い気持ちを払拭する意味で、精神衛生上、ここは体に鞭打ってでもシロギスで連荘なのだ。前夜、会社の後輩PARK君からTEL有り。一緒に行きたいとの連絡で急遽2人での釣行となった。今日はコマセを使わない釣り物だから、どう転んでも昨日みたいなことにはならないだろう。このところ久比里のシロギスは条件次第で束台の釣果が見られるようになり、盛期突入の兆しが出てきたようである。たまには快調な釣りをしてみたい、でも目標は謙虚に前回より上ということで出撃である。

横浜駅で偶然PARK君と合流し、いつもの時間に船宿に到着である。今日は意外と先客が多く、すでに両艫と左舷ミヨシは埋まっている。我々は迷わずいつもの右舷ミヨシに陣取った。早速受付を済まし、いつもなら暇を持て余すところだが、今日はシロギス釣り2回目のPARK君に基本からレクチャーである。出船前、N名人が声を掛けてくださった。カワハギ船はガラガラだよ!とのことである。予報が良くないせいだろう。やはりカサゴ船も空いている。アジ船はさすが片舷7〜8名、我々シロギス船は片舷4人づつの8名が集まった。20号船は珍しく、今日はシロギスの仕立で出船のようである。

さて7時55分、ようやく出船である。予報によると夜には雨。しかし、予報に反して早朝から降った雨は今のところ落ち着いており、どんよりした厚い曇り空で湿度が高い。港を出ると南東風が思いの外ソヨソヨしており、東電防波堤を回る頃には波がシワ寄せてチャプチャプした海である。低速で久里浜を回り、徐々にエンジンの回転数を上げると、20号船と平行して下浦沖へと進む。8時20分、ポイントに到着だ。ここは何と呼べばよいのだろう。陸で言うと三浦海岸の北、長沢あたりになろうか。前回乗船したときよりもずいぶん陸が近くに見えるので、投入前から水深が浅いことが分かる。早速合図が出て第1投。南東の弱風、曇り。海上は凪、水色はやや澄み、水深はやはり4〜5mと前回よりだいぶ浅い。今日は中潮だが一日ダラダラと下げ潮の予定である。現在、気持ち程度の潮で幾分右舷ミヨシ流しの感がある。


PARK君、朝飯食べながら片手に小峰竿。手前祭り地獄から脱出して2尾目をゲット。

水深が浅いので魚の活性が高いかも・・・と見て、最初からちょっと派手目の誘いを繰り返すと、早くも2投目で初物がヒット。叩きからの誘い上げに飛びついてきた。その後も順調にアタリが続いてあっという間にツ抜け。パターンは空中戦がメインで、叩き後の停止で走っていくのもあった。今のところ掛かりも悪くない。これはいいかも!一瞬「束」が頭をよぎる。PARK君は仕掛けを入れる度に手前祭りの連発で、まだほとんど釣りをしていない。見かねて私の自作テンビンを渡すとこれがビックリ、あれ程の手前祭りがいきなり解消だ。違うもんだね〜。そしてPARK君も早速1尾を上げてホッとしたようだ。

9時30分、朝一の2流しで23尾。型はピン〜20cmといったところ。今日は高めのタナの方が型が小さいような気もするが、1尾は1尾、積極的な誘いで小型も取りに行くのだ。3流し目あたりから喰いが落ちてきて急激なペースダウンとなった。潮が全然動かない。10時、見切りを付けた船長は少し北に走らせ、野比沖の10m立ちに移動。ここは1投目で中型が出たが、後がまったく続かない。たまに当たるのはベラとメゴチのみ。野比沖恒例のトラギスの姿はまったく無い。10時30分、状況振るわず、また南に走って元のポイントに戻る。しかし、こちらも潮が動かずアタリもポツンポツンと勢いが無い。雨がシトシト降り出し、早めにカッパを着込む。11時でちょうど30尾。

次第に雨は本降りとなり、PARK君にそろそろカッパを着るように勧める。先程から当たるのは全部ベタ底、朝一の喰いはどこに行ってしまったのか。なるべく遠くに投げて、ゆっくり手前にジワリジワリ、そして待ちを長めに取るとアタリが出る。ベタ底の誘いと言っても速めに動かしたり叩いたりは効果が無いようだ。あくまでもゆっくりと引っ張ったり止めたりである。朝一の高活性にイメージが引きずられて対応が遅れた感があるが、今のところはこんなパターンでポツポツ稼いで行くしかない。手前まで誘い切って船下のベタ底で当たる場合もあったが、水深が浅いので、20cm級のシロギスでも竿をひったくるような凄いアタリが出る。思わず空振りしてPARK君に向けて悔しがる場面も数回あった。


雨が降ったり止んだり、でも真剣に誘い続ける。後半の野比沖。

今日はこんな誘い方だからメゴチ率が高い。速め&高めに誘えないためメゴチを避けられないのである。唐揚げにしようと思って、最初は全部キープしていたが、さすがに後が大変と思い、途中からは放流だ。もう30尾くらいは溜まったかもしれない。一方シロギスは12時ちょっと過ぎてやっと40尾。雨が強まると風が止み、雨が弱まると風が吹くような感じだが、大荒れの気配も無く、釣りにはまったく支障が無い。今日は最後まで下げ潮のはずだが、気持ち上げ方向の潮が入ってきたようだ。これに伴って少し濁りが出てきたようにも感じる。舳先は南東を向いているが、我々右舷ミヨシは潮尻の払い出しである。少し流れ出してきたが、特に喰い方に変化は現れない。

1時10分、また少し北に走って野比沖に移動。ここは午前中の場所より海岸に近く、水深も5〜7mと浅い。先程までのポイントより駆け上がりがキツイようで、投げる方向によって水深が違うのが分かる。ここも同じく払い出しの潮だが、アタリはポツポツだ。仕掛けを回収すると、認識できないまま餌がきれいに取られている場面がけっこう多い。正体は何だろう?シロギスじゃなさそうだが、もしかしてカワハギが居るのか?ここも誘いのパターンは同じ。試しに速めに動かしたり、高めのタナを誘ったりもしてみるが反応は無い。2流し目はヒイラギの連釣、一気に5枚である。長男がヒイラギの唐揚げを食べたいと言っていたような気がしたので一応キープした。

流しによって多少のむらがあるが、低目安定でポツリポツリと稼ぐ。14時で64尾。そしてまた雨が強くなり始めた15時ジャスト、納竿の合図となった。結果73尾で終了だ。納竿間際に25cm級のショウサイフグを上げ一旦バケツに入れたものの、やっぱり料理する自信が無いので最後に放流した。いつももったいないと思うが仕方が無い、KOBIさんが居ればな〜。PARK君は徐々に慣れてきて、隣の迷人の口煩いアドバイスが効いたか?雨にも負けず23尾と健闘である。また、仕立ての20号船はトップが64尾とのことであった。

今日は朝一だけ活性が良く、こちらも一瞬その気になったが、その後はベタ底スローの誘いでポツリポツリという喰いに終始した。とても快心の釣りとは言い難いが、何とか遅れながらも状況に合わせつつ、そこそこ釣果に繋げられたのではないかと思う。だいぶ浅場になったので、足元で良型のアタリが来ると、ダイレクトに竿に響いて興奮ものだ!掛けてからも20cmくらいになるとよく走り、スリリングで引き味も楽しかった。潮が効けばもうちょっとバリバリ喰いそうな感じはあったが、今日の潮で私の腕ではこんなもんかな!ピンのアタリもけっこう多かったが、だいぶ掛け損ねてしまった。これから後発隊がどんどん浅場に突っ込んできて群れが大きくなり、さらに水温が上昇すれば、浅場でバリバリも間近かも知れない。今日は久しぶりの浅場での釣り、喰いは渋目だったがアタリはけっこうあったので、最盛期突入の兆しが実感できる釣行となった。


本日の釣果、シロギス 10cm〜20.5cm 73尾。その他メゴチ多数とヒイラギ。

【船宿HPコメント】
白ぎす・・下浦沖、潮:澄み、水温:16度
今日は朝から曇り陽気で海の中も暗いかと思いましたが、白ギスの活性のほうが高く食いは良かったです。型も良型混じりで、とても面白いですよ。今日のトップは横浜市の小峰さんで73匹でした。(美佐男)

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