カワハギ濁潮で喰い渋りも良型多数

5月15日(土)、久比里の巳之助丸からカワハギに行ってきた。
最近は色々な釣り物に手を出しすぎて、私の定番二種目のカワハギ釣行が減り気味。もうひとつであるシロギスは先週6回目の釣行を果たしたが、カワハギは4月初旬以来1ヶ月超振りで、今年4回目の釣行になる。カワハギは初釣り以来、好天に恵まれず苦戦続きだが、今日は高気圧に覆われ久々に晴天ベタ凪が期待できるかもしれない。最近の釣況は水温が17〜18度台に上昇しカワハギには適水温、15〜20mの浅場を中心にトップが20〜30枚と比較的好調で安定している。私も初夏の強い引き味とそこそこの数釣りを楽しめればと期待して出撃だ。

いつもの時間に船宿に到着すると、21号船には既に10名近いカワハギファンが集まっている。艫寄りと左舷ミヨシは先客が居たので、私は必然的に右舷ミヨシの定位置に荷物を下ろした。道具のセッティングはすぐに終わり、アサリを剥くこともなく暇なので、ゴロゴロしたり、周りの様子を伺ったりして暇を潰す。昨日アサリを購入して自宅で剥いたのだが、殻の大きさの割りに身入りが良過ぎて、半分以上食用に廻ってしまった。このため、去年から蓄積した塩漬けアサリも持ち込み、生アサリと半々で使い分けてみたい。

今日は珍しく20号船がシロギス乗合で、貴則船長に聞くとお客さんが沢山来るとのことで船を換えたらしい。電話予約でもあったのだろう。そしていつもシロギスの16号船はカサゴの仕立船。17号船はアジで、こちらは片舷7、8名と安定した人気。そして23号船はここへ来て急上昇のカサゴでほぼ満船。我がカワハギ船も出船1時間前には片舷10名づつの約20名が乗り込み、ほぼ満船状態となった。水深が浅ければあまりお祭りの心配も無いだろう。


今日は20号船がシロギス乗合で盛況。こちらカワハギ船も盛況。

定刻8時、ようやく出船だ。お隣の方と会話しながら、久々の剣崎沖に期待を膨らます。久里浜港の出口は少しチャプチャプした海だったが、東電を回ると徐々に海は平になる。20分程南下することスローダウン。ここは剣崎間口港の目の前、しかも陸がだいぶ近くに見えるので水深は浅そうだ。8時30分、合図とともに第1投。北北東の弱風、晴れ、海上は凪、水深は12mとやはり浅い。しかし第一印象、潮色が悪い。予想よりだいぶ濁ってしまったようだ。そして今のところ潮流も全く無い。1投、2投と私の普通の誘い方(叩きを入れてから弛ませ、そして聞き上げ)を試してみるが、やはり何の生態反応も無い。こりゃちょっと苦戦するかもしれないな〜。


剣崎間口沖から灯台沖の10〜20mが今日のメインポイント。

開始10分後の8時40分、最初のアタリで17cm級を取り込む。船中第1号かもしれない。叩いた後、弛ませたまましばらく待っていたら明確なアタリが出た。そして10分後、やはり弛ませの待ち状態から19cm級を釣り上げた。少しペースが上がるかと思ったが、その後しばらくアタリは遠くなってしまう。お隣の方はオモリを着底させたり少し聞き上げたりと静かな誘いで25cm級を2枚上げた。そんな様子からも今日はあまり派手な誘いはマッチしないようだ。

9時30分頃から潮が動き出したが、これが明らかに逆潮。今日は若潮後の中潮初日、最初と最後が潮止まりで一日中上げ潮のはずだが、潮方向が下げ潮である。金田湾の方から外に払い出してくる潮向きだから、概ね右舷艫流しになっている。ミヨシが右に流されるので抱え込みが激しく、船長は舳先を左に振って戻しながらの操船で流している。潮回りの度に筋を変えて深いところでは20m程度まで探ったがアタリが芳しくない。海底は硬く、1m前後の起伏を伴う岩礁帯である。

10時15分、久し振りのアタリだ。うまく針掛かりして23cm級を取り込む。そして続けて4枚目。これは場所か時合いか、すぐ潮回りになってしまい、また当たらなくなる。やっぱり場所かな〜と思った途端、アタリが出て5枚目。抱え込みなので左前方に仕掛けを投げ、手前に入ってくるまでオモリを底に着けたまま、ゆっくり弛ませたり聞いたりの繰り返しだ。今日はオモリが20cm浮くともうアタリは望めない。叩きはまったく効果無し、叩いた直後にまずアタリが出ないので、もしかしたら逆効果なのかもしれない。

同じ誘い方で11時までに8枚。アタリ少なく今ひとつペースに乗れない時間を過ごすが、丹念に地味な誘いをしていると、たまに単発でアタリが出るような喰いである。完全に針を銜えたアタリを掛け損なったりが数回、11時台は難しさに首を捻りながら1枚だけ追加で午前中は9枚。下げ潮が速くなってきて、濁りもさらに増してきたようだ。胴の間で良型のアナゴが上がった。私は珍しくアカメフグだ。そして船中ではカサゴやチビオニの姿が頻繁に見られるので、濁り潮のせいで海底が暗いのだろう。カワハギもアタリの数が少ないし、カスっても二度喰いは無い。そして餌が取られない時間帯はまったく取られず、きれいに残ってくることがしばらく続くような状況だ。


珍しくアカメフグ(たぶんヒガンフグではないと思います)。僚船も同じ筋を行ったり来たり。

海上は晴天微風のベタ凪、Tシャツ1枚で十分、まさに初夏の陽気である。短パンとサンダルの季節までもう少しといったところだ。12時、さらに灘よりの水深10mに移動。気が付くと風が南を向き、右舷ミヨシ流しに変る。船の移動が速く、左に振った仕掛けがすぐに右隣の釣り人側に被さってしまうので少々釣り難いが、ミヨシが潮先なので入れ替えを早くして対応する。仕掛けが斜め後の角度に入るとアタリが出るようで、同じパターンで2枚追加。12時10分で11枚である。

その後、またしばらくアタリが遠ざかったが、13時頃、弛ませからの誘いでドン!と待ってましたこの重量感!慎重に喰い込ませて竿の胴に重みを乗せて完全に針掛かりだ。水深が浅いので引きがダイレクトで実にスリリングである。リールを巻く手を何度も止めながら、やっと海面に浮いたのは本日最大の27.5cm。そのまま慎重に抜き上げ成功。お腹が肝と卵の両方でパンパンにはちきれそう、長さの割りに重量がありそうな1枚である。その後、良いアタリが出たにも関わらず掛け損なったのがいくつかあったが、ポツンポツンと2枚追加して14枚。

14時、灯台の南東面に移動、ここも水深は10m強と浅い。ここは流れが西側に向けて回っていて、私の釣り座は完全な抱え込みとなる。前方に仕掛けを投げ入れても、すぐに船下に入り込んでしまう。ここも入れ替えの回数を増やすしかない。なるべく遠くに投げて手前に入り込むまでの短い時間、糸を素早く巻き取りながら弛ませと誘いを繰り返し行く。これが奏功して23cm級がすぐにヒットした。同じ釣り方で続いて19cm級。その後、明確なアタリの掛け損ない、そして胴に乗っけて外れた悔しいバラシを挟み、14時50分、24cm級を取り込み17枚。最後、ちょっとパターンに嵌りかけた感があったが、定刻15時、「今日は潮が濁っちゃって難しい釣りになったけど、これで上がりま〜す。」と船長のアナウンスで納竿となった。

今日は難しい一日だった。しかし、水温や流れはあったし水深が浅かったので、魚の引きは強烈で、活性そのものが低いという印象は無かった。得意の誘い方がぜんぜん通用しなかったので、序盤戦はどうしようかと思ったが、多少は状況に適応できたようで、終わってみれば竿頭とのことだった。20名乗船して大艫より釣果が上だと正直言って嬉しい。今日の竿頭は素直に喜びたいと思う。今日は午前9枚、午後8枚と低目安定で数はそれほど伸びなかったが、27.5cm、24cmが2枚、23cmが3枚と良型が高い確立で混ざった。どの魚も浅場で強い引き味を楽しませてくれ、気分はほとんど夏カワハギの一日であった。


本日の釣果、カワハギ 16cm〜27.5cm 17枚(竿頭)。23cm以上が6枚と良型が多数入りました。

【船宿HPコメント】
皮はぎ・・剣崎沖、潮:濁り、水温:18度
今日は潮が濁っていたので出来る限り浅場を中心に流しました。外道に穴子や多数のカサゴが混じり海中の暗さを象徴していました。終日ポツポツと型は安定して見られましたが、中々連続ゲットには結びつかず、その代わり33cmの超大型を筆頭に大型が沢山釣れ、夜の食卓の主役はしっかりキープできました。トップは港北区の小峰さんが17枚でした。(浩喜)

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