ビシアジ再々リベンジ成功か?

5月23日(日)、久比里の巳之助丸からビシアジに行ってきた。
今年のビシアジ釣行は今日で4回目。週末の混雑船の中、なかなか良い思いができずにイライラが募る一方だが、去年も釣れないカワハギに嵌り、この時期一桁釣果の連続行進で自己最低記録を2回も続けたことを思い出す。それを考えれば今年はちょっとやり過ぎの感もあるが、色々な釣り物に挑戦できて充実した釣りライフなのかもしれない。激渋カワハギに嵌った昨年は今考えれば良い修行の機会だったと前向きに捉えると、今年のビシアジ、いやコマセ釣り全般の連続撃沈記録は今後を考えれば良い経験なのかもしれない。たかがビシアジされどビシアジで、コマセ釣りの基本技術を舐めてはいけないし、季節の移り変わりによる水深の変化、魚の活性に合わせた釣法、コマセワークなどを追求すれば、やっぱり釣りはどれを取っても底が浅いものなど無いのである。

今週は何だか色々疲れが抜けず、週後半の台風2号も手伝って、週末になってもイマイチ気分が盛り上がらない。土曜日はヒラメ釣りに参加する予定だったが海況が悪そうなのもあってキャンセルしてしまった。本日、日曜日もどうしようか迷ったが、仕掛け作りなど準備無しで出撃できる釣り物はアジだけだったし、前夜飲み過ぎの感もあったが、一応アジの道具を纏めて床に着いた。朝、少し早めに目が覚めたがスッキリ起きられない。独り釣行だし布団の中で一瞬どうしようか迷いが出たが、こういう日は逆に「アジ食いたいパワー」の殺気が伝わらず、良い結果が出るかもしれないかな〜なんて考えつつ、ボーッとした頭でとりあえずは家を出たのであった。いつもの巳之助丸は相変らず混むかな〜、だったら新山下の黒川本家のマコちゃん船長に会いに行こうかなんて考えたが、今日はサンスポのシロギス大会で黒川本家は乗合船お休み。すぐに思い出して良かった。こうなったら混雑覚悟で巳之助丸に決定である。


出船前の風景、大艫にK谷さん、艫2番にH木さん。

いつもの時間に船宿に到着すると、やはり四隅は埋まっており、艫側には2、3名の先客が居る。右の艫のお二方は席を外していたが、荷物からして大艫がアマダイなどで何度もご一緒したK谷さん、艫2番はH木さんと分かったので、どうせ混むなら顔馴染みの方々と並んでやらせてもらおうということで、右舷の艫3番に席を陣取った。6時半を回ると乗船者数はほぼFIXして左舷7名、右舷6名の13名となった。私は右舷の操舵室のちょっと後に位置して、思ったより余裕のスペース、これだけでも何だか釣れそうな気がしてくるのであった。ヨッシャ!今日はあんまりやる気を出さないつもりだったが、出船間近になると否応無しにも気合が入るのは釣り人として健全な証拠であろう。(笑)前置きが少々長くなったが、7時21分、少し早めに第17巳之助丸は親父船長の操舵により出船となった。

今日の仕掛けはいつもの「アジ船頭」(がまかつ)で、針10号・ハリス2号の3本針と針11号・ハリス2.5号の3本針を前半・後半で使い分けたい。餌は青イソ中心にやってみて、周りの状況を見ながら赤タンも使ってみる予定だ。青イソは移動中に1.5cm程度に切り刻んでおき、針に完全に通してタラシは出ないように付けるのが基本である。赤タンも5mm程度の小豆粒程度に切って準備しておくが、最初に全部切ってしまうと乾燥してしまうので、潮回りや移動の時に補充する程度が良い。


今日は濁り潮を想定して青イソも準備。いつもの使い慣れたビシアジ道具を淡々とセッティング。

久里浜港でスパンカを上げる最中、K谷さんが船長に(北側に)指をさして、「あっちは喰わないの?」との話に「喰うけど型が小さいよ」と船長。そして相談の結果、船長がマイクでアナウンス「今日はお客さんの希望があったので最初は観音崎で幅広の中アジを狙って、後半剣崎で大アジを狙うからそのつもりでいて下さい!」船は取り舵、一路観音崎に向けてエンジンの回転数を上げるのであった。20分程走ると観音崎の北側にパラパラと船団ができている。本船も船団の近所で反応を探るが、今日は意外にあっさりと停止。潮が速いとのことで、船長はいきなりアンカーを打った。さて7時55分、開始の合図で第1投である。北東の弱風、曇り、いつ雨が降ってもおかしくない程のどんよりした曇天。海上は凪だが、潮色は真水っぽい濁りで池の水に泥を混ぜたようで色が悪い。やはり下げ潮が速く、投入した仕掛けは艫方向に勢い良くぶっ飛んで行く。水深は35m程度とだいぶ浅くなった。タナは3mの指示である。


観音崎沖に向かう。キツイ濁り潮、表面は真水っぽい濁り。

開始して間もなく船中パラパラとアジが取り込まれるが、型がエッ!と言うほど小さい。私にも間も無くピピッという細かいアタリが出て、そのまま竿に乗せるが重みが無い。巻き上げると20cmに満たない小アジが付いている。でもこのサイズ、味は良いので、それはそれで真剣に狙ってみる。このサイズなら入れ食いと行きたいところだが、周りを見てもそれほど連続してアタリが出るほどの勢いは無いようだ。9時、さらに北上して、今度はエンジン流し。こちらはさらに潮が速く、2、3回の切り替えしでは仕掛けが立たない。逆に船の前進によりどんどん糸が出てしまう状況だ。仕掛けは流れで真横に行くか吹き上がってしまうと想像して、2mでチョンチョンと振りながら、そのタナをキープすると単発でアタリが出る。観音崎沖で10時30分までやったが、結局ここでは入れ食いタイムが訪れること無く、14.5〜22cmの小型10尾の釣果。「型も数も良くないので、これから剣崎に行きます。25分くらい走るからそのつもりでいて下さい!」と船長は早めに見切りを付け移動を告げた。


観音崎沖のアジ船団。さすが観音崎、潮が速くて道糸が立たない。写真は手持ちの状態です

11時、剣崎沖に到着し、早速再開となる。水深35m程度で周りに船は少ない。水色は同じく濁り。10分程やって船中外道の反応のみで本命はノーヒット、すかさず移動だ。今度は松輪瀬のマダイ船団に合流しての再開だ。よく見るとマダイ船の間にビシアジ船が混在し、同じポイントを攻めている。東京、川崎からの船もあり大きい船団となっている。水深は20〜30mとさらに浅い。海底は1〜2mの激しい岩礁帯で投入すると船中賑やかにオキメバル、カサゴ、ネンブツダイが顔を見せる。タナは4mの指示で、根の上だから頻繁にタナを取り直すように指示が出る。根がきつく底を取ると仕掛けが根掛かりしてしまうこともある。11時20分、電動のカウンターで19mと浅場で、いきなり竿をひったくるようなアタリが出た。他人のビシかも?と一瞬疑ったが、竿を立てると魚がグイグイ引いている。強い引きを楽しみながら慎重にやりとりし、無事玉網に収まったのは30cmオーバーの良型だ。水深が浅いからこの型になると引き味も強烈で楽しい。


剣崎沖のマダイ船団にビシアジ船も混在。

12時、だんだん船中賑やかになってきた。流れが速いので3mで2回振って、そのまま少し持ち上げる程度のタナ取りの後、3つ数える間にアタリが出る。30cm前後の良型が入れ食いだ。全部同じパターンで約束したかのようにアタリが出る。完全に喰いが立っている。久し振りのこの興奮に懐かしささえ覚える。とにかく入れ食いだから手返し速攻で同じことを繰り返す。途中一段と強い引きに竿を立ててやりとりする。竿先を海面まで持って行かれる程の突っ込みに40cmオーバーを想像したが、これは30cmオーバーの一荷。エイヤッと抜き上げ成功。間髪を入れず即投入だ。そして無心で入れ替えること12時30分、気が付くとアタリが遠くなってしまった。周りも上がっていない。20分程の短いフィーバータイムであったが、11本掛けて8本。お祭りやらで3本ロストしたが、魚が走るし潮も速いので仕方ない。しばし余韻に浸りながら休憩だ。一服しながらバケツに溜まったアジを1本1本締めて血抜きを施す。

長い流しだったがようやく潮回りだ。潮がだいぶ緩んできて糸は難なく立つようになった。船中連続した喰いは無くなり、どこかでポツーンポツ−ンとまったりした時間が過ぎる。その後約1時間、私は1本だけ追加して13時30分までに20本。今年初めてクーラーの底が埋まった。食いが立てば周りに劣らず数取れる自信が蘇った感があるが、とにかく今年3回の釣行が悪すぎたのである。本当はそんなはずじゃ無いのだ、これが普通と思いたい。今日は過去2回に比べると片舷6、7名と比較的余裕があるが、潮が速いのでこれでもお祭りは避けられないし、それによるバラシも発生する。押しなべて週末は釣りをする環境自体が劣悪であり、腕で回避できない部分も大きい。しかしこれは皆お互い様で仕方が無いのである。改めてそんなことを考えていた。

13時30分、少し北側の55m立ちに移動するが、船中1〜2本と振るわず。14時、さらに北に10分程走った下浦沖の70m。今日一番の水深だが、潮はほとんど効いていないので糸は立てやすい。開始してすぐ右舷ミヨシでポツポツと30cm級が取り込まれる。もしかして上げ潮が少し入ってきたかミヨシ寄りにアタリが偏っている。タナの指示は特に無いが、地が先程と異なり柔らかい泥質なので、タナ3mと少し低目中心に攻めてみる。数度の入れ替えの後、微妙なアタリを捉えるが確信が無いので、大きく竿を持ち上げると強い引き込みに変った。今日は浅場中心だったので70mがやたら深く感じる。大事に玉網で取ったのはやはり30cm級。アタリの出方からしてタナが低過ぎるかとも思ったが、先針に喰っているし、上げ気味にしてもアタリは無い。その後も船中ポツンポツンで私も同級を2本追加。15時ちょうど、23本となったところで納竿の合図となった。

今日は朝の観音崎沖で小型中心に10本、剣崎沖で30cm級10本、下浦沖で同級3本と場所毎に平均した釣果を得ることができた。特に剣崎沖と下浦沖では大型は掛からなかったが29cm〜33cmと良型揃いで、浅場で強い引き味を楽しめたし、数の割りにボリュームを稼ぐことができた。今日は赤タンで釣れているのも目撃したが、私の釣果は全部青イソによるものである。途中赤タンも試したが、喰わない時間帯だったので判断できなかった。リベンジというには少々物足りない釣果ではあるが、今日は子供たちに心置きなくアジ丼でもアジ茶漬けでも食べさせてやることができそうだ。お昼過ぎの入れ食いタイムが続いてくれるか、一日の内にあのような時間帯が何回かあれば40本、50本という釣果が得られるが、今日はモチベーション低迷でキャリーを持って行かなかったから、帰りはそんなに苦労しないで良かったかもしれない。アジはやる気が無い日に行くに限るかな。


本日の釣果、アジ 14.5cm〜33cm 23本。中央と左の2列が剣崎沖の釣果、右の小型が観音崎沖の釣果です。オキメバル(トゴットメバル)は剣崎沖で釣れました。
釣果情報では20〜35本とのことですが、私が見た限りではトップで20本台後半、裾はぎりぎりツ抜けしたかどうかだと思います。いつものことですが、裾は釣果を正直に報告した人の中での最低釣果と考えてください。情報はなるべく正確に残したいのでご容赦ください。


【船宿HPコメント】
大あじ 久里浜沖 →剣崎沖、潮:濁り、水温:19度
今日の大、中アジは、午前中は観音崎沖を攻めたが中小型が多く数もイマイチの為、下浦から剣崎沖の大アジを狙ったところ、的中して33〜40cmがポツポツと釣れました。今後も大アジ狙いで行きます。(親父)

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