ヒラメご機嫌ななめで船中1枚

5月30日(日)、小網代の丸十丸からヒラメに行ってきた。
2週間前に行く予定が仲間の都合が合わなくて行かなかったら、S野さんと船長の2人で3kg級を頭に2kgオーバー主体で6枚くらい出たらしく好調との噂。良い日を逃したな〜と思っていたが、先週は私がキャンセル。この日はkim君が一人で出撃したが、台風後で状況悪く底物はアタリ無し、大サバ5本だけとのこと。今週は海も比較的落ち着いてるし、2週間前と潮周りが似てるから、風さえ吹かなきゃ面白い釣りができるかもしれない。一方、ここ数日、天気予報は大外れ。前線が南下して曇りや雨になるはずが、停滞してしまったお陰で昨日は南西風が強くなり、相模湾側では早上がりや出船中止が多かったようだ。今日も引き続き予報が悪いが、何てことは無い、朝起きれば昨日の風は収まり晴天無風である。後は海況の回復に期待だ。

今日は仲間7人で仕立船となった。8時出船だから朝は楽である。5時30分にkim君が迎に来てくれ、7時前には余裕で到着。既に店員M君、佐Tさん、S野さんは駐車場で道具を繋いで準備中。そしてkim君と私、しばらくして岡Bさん、TAKIさんとメンバー7人集合だ。一般のお客さんが1名急遽乗船とのことで、総勢8名、私は左舷大艫を割り当てられた。しかしヒラメ船では得てして艫側は不利なことが多い。船の生簀は前にあるし、潮が効かないと船長は船を引っ張ってポイントをトレースするから、ミヨシ流しになるケースが多いのだ。今日は朝から蒸し暑く、短パン、サンダル日和となったが、長靴、長ズボンで来てしまいちょっと後悔、今日は暑くなりそうだ。



出船前の光景。絶好調マルイカ船も大勢のお客さんで賑わう。

7時40分、出船である。湾内の生簀で餌のシコイワシを積み込む。今日の仕掛けは幹糸7号1.3m、捨糸5号50cm、ハリス5号1m、伊勢尼12号(金)の1本針、オモリは60号が標準だが、釣座は大艫だしお祭りの心配はあまり無いので、最初は50号で始めることにする。今日のイワシはちょっと大きめだから、孫針仕掛けも考えたが、ここはやっぱりいつもの1本針で行くことにする。孫針仕掛けは餌が弱り易いし餌の動きも悪くなるので、イマイチ好きになれないのである。


湾内の生簀で餌のイワシを積み込む船長。

7時48分、まずはいつものように湾内のイケス周りから開始だ。水深は約7m。仕掛けを投入し、ふと横を見ると早くもS野さんの竿にアタリ。そのまま段を付けて竿が胴まで絞り込まれ、いきなりのヒット。一部始終を目撃した私の目は点。そして船長の差し出す玉網に収まったのは46cm、1kg級のヒラメ。船長はハイテンションで本人より喜んでいるように見えたが、朝一ここで型が出ると外で喰わないことが多いので、後を考えるとちょっと不安になる。その後、何回か潮回りして攻めてみたが型出ず。私は1度弱いアタリを捉えたが喰い込まず、イワシに歯型が付いていたが、何物の仕業か分からない。もしかしたら小型のヒラメかもしれないが、勢いのあるアタリではなかった。それにしてもS野さん、1投目でゲットはお見事である。


最初のポイントは湾内の生簀周り。S野さん1投目で46cm1kg級のヒラメをゲット。

次は港の外に出て、小網代沖の生簀周りに移動。ここは水深17m前後。沖は南西の微風で晴れ。海上はベタ凪、水色は澄み気味だ。流れがほとんど無いので、船長は前進で船を引っ張っての流しである。今日は若潮後の中潮初日で、ちょうどこの時間干潮だから、これから上げに入り、14時過ぎに満潮の予報だ。ここは何にもアタリ無しで、船長は早々に城ヶ島への移動を告げた。15分くらい走って城ヶ島の西側から再開。諸磯〜城ヶ島にかけてマルイカ船団ができている。陸に近いだいぶ浅場を攻めているようだ。それにしても潮がやたら澄んでいる。先日までの濁りは全く無く、青くきれいな潮が入ってきたようだ。この潮ならカワハギは上向くに違いない。


城ヶ島沖の西側から移動を繰り返す。餌は大き目のシコイワシ。

こちらも潮が動かないので、船を根の上まで流せないらしい。船長はピンポイントで根の真上に付けるよう操船し、頻繁に小移動を繰り返していく。水深は平均30m程度。いつものように海底は荒い根で、1〜2mの起伏が頻繁にある中、ストンと5m落ちて、また上がったり、階段状に10m上って10m下ったりと凄まじい上下を繰り返すから、気を抜くと根掛かり必至である。船長は流しの度に海底の様子を伝えてくれるので、イメージし易く非常に助かる。ここは上級者コースだからしょっちゅう底を取って、高めにタナを切るような指示である。9時20分、ゴツゴツっとしたアタリが出たがヒラメではない。特に引き込みは無いので、ゆっくり聞き上げるとゴゴゴンと何やらヒット。今日の初物は24cmのメバル、季節外れのイワシメバルとなった。この(澄み)潮でよく喰ったね〜と船長と顔を見合わせる。もしかしたら底潮はまだ濁っているのかもしれない。

9時30分を回ると少しずつ流れが出てきたが、城ヶ島の南岸を東から西に向けて流れているので、右舷が潮先で我が左舷は払い出しの潮尻になってしまう。船中カサゴがポツポツ釣れ出したが、やはり右舷の方が好調だ。そしてミヨシ寄りの方が良型が上がっているように見える。私もポツンポツンとカサゴがヒット。この辺でお土産を稼いでおきたいところだが、なかなか連続した喰いは無い。全般にアタリは渋めである。そういえば定番外道のエソの姿を今日は一度も見ていない。船上でも今日はエソが喰わないね〜という話題が出始めた。船長曰くエソが喰わないようじゃ、ヒラメはダメらしい。エソが10回当たる中でヒラメが1回当たるような日が良いとの話しだ。エソが喰う日はやたら当たるのでバロメーターとしては分かり易いかもしれない。しかし、エソはハリスに傷が付くので厄介者だ。


お土産がポツリポツリ。イカの仕業で真っ二つ。

11時、城ヶ島の東側までトレースしたが本命のアタリ無し。ちょっと深場をやろうと水深60m前後に移動。ここでもたまに当たるのはカサゴのみ。徐々にずらしながら45m立ちまで探るが結果が出ない。私はたま〜にカサゴのアタリがあるが、お昼を過ぎるとカサゴの食い込みも悪くなり、全然掛からなくなってしまった。今日は厳しいな〜。先日まで外道で大サバが喰ったらしいが、今日はサバの姿も見ない。船長曰く、先日釣れたサバを〆鯖にして食べたら絶品とのことであった。私も久々に〆鯖を企んでいたが残念である。船長はサビキ仕掛けでおかず釣りを始めた。コマセ無しのサビキだが、小メバル、ウリンボ、シコイワシが次々と釣れ上がる。釣れるシコイワシは餌で使っているのと同じサイズで、サビキにパーフェクトもあるから、これが相当居るようだ。もしかしたら根魚はこれ食べてお腹一杯なのかもしれない。だとしたら針の付いた動きの悪い餌は喰ってくれないのかも。釣れたカサゴもバケツの中で未消化の小魚を何匹も吐き出していた。


城ヶ島の東側を探る。岡Bさんデカそうな魚を掛けて緊張のやりとり。

13時過ぎ、右舷で入った〜!との声に私も竿を置いて見物に。岡Bさんが竿を満月にしてやりとりしている。ヒラメっぽい引きで、その突っ込みから良型を予感させる。羨ましいぞ〜!船長はテンション最高潮で大騒ぎだ。周りに仕掛けを上げて協力するよう指示。これでバラシたら海に叩き落されるかもしれない。そんな緊張したやりとりの末、玉網に無事収まったのは1.6kgの良型のマハタであった。ヒラメよりこっちの方がいいよと周りからは羨望のまなざしだ。確かにヒラメより高値で、食べた人は皆口を揃えてヒラメよりこっちがいいと言う。私は釣ったことがないので分からないけど・・・。それにしてもこの渋い中、お見事な一発であった。


岡Bさん見事1.6kgのマハタをゲット!

13時30分、少し風が出てチャプチャプしてきた。少し西側に戻りつつ流し換えていく。朝方攻めて流れなかった根も再び攻めてみるが、潮止まりの時間帯に入ったか、潮が効かず船が動かない。船長はすかさず入れ替えて根の真上から直撃するもアタリは無い。14時、諸磯沖の35m、ここも潮が動かず根の真上から攻撃だ。船中良型のカサゴが数匹、私もカサゴのアタリがあったがすっぽ抜け。風は次第に強さを増し、ウネリが出始めてきた。最終ラウンドは港の前の生簀に戻ってやってみるかと船長。15時、朝攻めた小網代の生簀周りを数回流してみたが、生体反応はまったく無い。15時27分、今日はここまでか?と船長のアナウンスで残念ながら納竿の時刻になってしまった。

悪い予感が的中してしまった。朝一湾内で型が出ると、本当に外で喰わない。何しろ船中ヒラメらしきアタリはゼロだった。カサゴもポツリポツリ程度で物足りない喰いだったから、お土産不足で不完全燃焼だ。定番外道のエソが珍しく船中ゼロだから、ヒラメ様にも余程ご機嫌ななめな条件だったのだろう。しかし、澄み潮にも関わらずカサゴやメバルが顔を見せたから不思議だ。底潮は案外濁っていたのかもしれない。喰い渋りの原因は急な澄み潮で口を使わなかったとか、海中小魚だらけでお腹一杯とか、理由を考えればいくつか思い当たるところはあるが、実際の原因は定かでは無い。

自然相手のこと、なかなか思い通りに行かないのが釣りである。マダイなども同じだろうが、この手の釣りはしょっちゅう通わないと、そうそう簡単に良い思いはできないだろう。今日は雨70%の予報だったが、結果的には30度を超える真夏日となり、一日晴天。帰り際少し南西風が吹き出したけど、概ね凪の海で時間まで釣りができただけでも良かったと思う。船長も今日は99%大風だと思ったから、昨夜はベロベロに飲んでしまい、昼頃まで調子悪かったらしい。その割にはテンション高かったけど。今日は全般にパッとしない結果に終わったが、機会があればまたリベンジに参戦したいと思う。


本日の釣果、カサゴ 21〜26cm、メバル 24cm。

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