カワハギ濁潮で大苦戦

6月13日(日)、久比里の巳之助丸からカワハギに行ってきた。
今日は正直マルイカにしようかカワハギにしようか迷ったけど、マルイカは好調だけに混雑しそうな予感。一方、愛用のカワハギ竿を改造したのでちょっと試してみたいし、7月になるとカワハギは例年通り休船になるかもしれない。ということで、今日はカワハギに決定だ。情報によると、また潮が濁ってしまったようで状況が懸念されるところではあるが、この時期、浅場でのゴン!ズゴゴゴゴ〜ン!のアタリとあの巻く手が止まる強い引き味を想像するとワクワクするのである。外の凄い雨音でちょっと早めの4時に目が覚める。今日の天気予報は雨のち晴れ。朝だけ凌げれば一日降られることは無さそうだが、この雨量にはちょっとめげる。予備の上着とタオルを1枚多めに詰め込み、長袖・長ズボンだと行くまでに濡れそうなので、半袖・半ズボン&サンダル履き、そして傘を差していざ出発である。

いつもの時間に到着すると、左右大艫と左のミヨシに先客がいらしたので、迷わず右のミヨシに荷物を下ろした。傘をたたみ、軒下でカッパを着込む。今日は塩漬けアサリも持参したが、今日のアサリは小粒揃いで上等だったので殻付きを桶に1杯剥くことにした。アタリが多い日にこのアサリなら最高なんだけどな〜。雨は未だ本降りだが、適当な場所が無いので船上でアサリ剥きを開始する。現場で剥くのは久し振りだが、何個か剥くといつものペースを取り戻し快調に手が進む。無の境地で剥いていると、マルイカに乗船のLジャケットさんやN田さんがいらして雑談タイムとなった。無論私はアサリ剥きの手を休めることは無い。両名人からはマルイカ釣りやタチウオ釣りなど、色々興味深いお話をお伺いできた。大変参考になったし今まで以上にイメージも膨み、これも出船前の楽しさのひとつである。


マルイカ船。今日はカワハギよりお客さん多いです。

マルイカ船はやはり日曜日とあって、この天気でも14、5名が集まり好調振りを反映している。今日は貴則船長がお休み、臨時の船長が舵を握ることになったようだ。到着が遅れたお客さんを待ち、マルイカ船は定刻7時30分を大きく回って出船した。我々カワハギ船は右舷6名、左舷5名の11名と、この天気だから乗客は少なめで、今日は余裕のスペースで釣りができそうだ。左舷ミヨシには顔なじみのY本さん、月2回ペースで熱心に通い続けるカワハギファンである。そして私のお隣は遠路はるばる静岡県は清水からやってきた3人組。道具立てからして、かなりやり込んでいるように見受けられる。そうこうするうちに我が21号船も7時55分、ようやく出船となった。


平作川の河口。低い雲がどんより雨模様。

久里浜港を出ると低い雲がどんより、そして強烈に濁った潮色に目を奪われる。やはり厳しい釣りになりそうな予感である。「今日は近場からやって行きます」と船長のアナウンス。8時15分、港の目の前、アシカ島と久里浜堤防の間で船はスローダウン、早速開始の合図である。北東の風やや強く雨。海上は多少風波がある程度でほぼ凪。潮色は抹茶と番茶を混ぜたような凄い濁りで水深は14m。先週は透けスケだったのにこの変わり様は酷いものである。今日は若潮、実釣の最初と終盤が潮止まりで、ほぼ一日上げ潮になりそうだ。流れは今のところほとんど無く、気持ち右舷が払い出しの感があるが、風に押される船の動きの方が大きい。初っ端から外道のアタリが出るが掛からず。シロギスや小さいベラのような感じだが掛からない。

二流しして、私はメバルとシロギスを1尾ずつキープした。次は久里浜堤防の外側の約10mのポイントに移動。9時を回り堤防の中央から先端に向け、沖に抜ける潮が効き始め、右舷は潮先となる。すぐさまお隣のグループの方が25cm級の良型を上げ、期待するも私はアタリ無しのままである。魚居るの?って感じでまったく生体反応が無い私。(汗)潮回りを繰り返し堤防の先端付近まで流し換えて行く。場所によってカサゴの根を通過し、左ミヨシのY本さんは良型カサゴの一荷だ。羨ましいがここは我慢、頭の中をカワハギに戻す。今のところ本命のアタリが出ないのでパターンも分からない。叩いてみたり、待ってみたり、とにかく様子を見るしかない。


久里浜堤防の南側で潮回り。

再び久里浜堤防とアシカ島の間あたりの根に戻り、9時40分、ようやく本命らしきアタリが到来。上手いこと針掛かりして、本日の初物をゲット。20cm級の中型である。速攻で再投入すると続いてアタリ、17cm級を取り込み2枚連続ゲット。どうやら今日もあまり誘わない方が有効か?動かし方ゆっくりめの待ち時間は長めのベタ底。前回に続いてこれは濁り潮の定石なのかもしれない。少なくとも居る場所に入れば当たるようだから間違ってはいないようだ。昔を振り返ると、私もこんな釣り方ができるようになっただけでも進歩なのかな。最近どんな釣りも好まずとも渋い日を選んでやってる感があるが、経験値は着実に上がっているはずだ。これは言い方を変えれば修行なのである。今日もこんなに渋くてありがとう!(笑)

徐々に鴨居方面に向けて根をずらしながら探っていく。流しの途中、半信半疑で引っ掛けて途中で本命と確信したが、遭えなく水面でボチャン。16cm級の小型であったが、今日みたいな日はその1枚のバラシがズッシリ重たい。お隣の方が「あ〜もったいない!」喰い込みが悪いとか、乗せ方が早いとか色々あるけど、どれも結果論。その時のアタリに対する自分なりの体の反応で生じた結果だから、反省もあるけど、それより次の1枚に集中したい。私は大会には滅多に参加しないが、もしこれが大会だとしたら精神的ダメージはさぞ大きいことだろう・・・なんてことを考えていたが、そんなことより今日は雨がなかなかしつこい。手が濡れてアサリが滑って着け難いことこの上ない。


アシカ島周辺を攻めるが・・・。カサゴ船と並行して流す。

引き続きアシカ島周辺を丹念に攻めていく。潮は順当に上げ潮が効いている。北東風のミヨシ流しとなり、よく動いている。途中、カサゴ乗合の23号船と並行して流す場面もしばらく続くが、いくらやっても本命のアタリは皆無である。外道はポツポツで、この濁りでもベラがけっこう当たるから相当数居るのだろう。アタリがあって掛かるのはだいたいキュウセン、ササノハベラ、カサゴ、シロギスといったところ。カサゴとシロギスは釣れる数は少ないし、型も小さいが、本命が釣れないのでお土産として大事にキープする。苦戦続きの前半戦、10時30分頃、単発のアタリで1枚追加して3枚だけ。そろそろお昼となり、飯の時間にする。雨は完全に上がったようだが、雲が取れずに空模様も釣り人の心も依然スッキリしない。

アタリが無いまま13時、船長は久里浜沖に見切りを付け下浦沖に移動である。こちらも潮は濁っているが、幾分マシな感じもする。潮は東向きに右舷ミヨシ流しである。水深は若干深く20m弱。ここは昨年の5月27日、N西さんと2人で乗船し、良い思いをした場所と思われる。釣れる魚種も前回と同じく、シロギス、メゴチ、ウミタナゴ、ショウサイフグなどバラエティに富んでいる。13時15分、船がよく動き、抱え込みが激しいので、左前方に遠投してから船下に入る弛ませ釣りで明確なアタリが出て4枚目。お隣の方が「久し振りカワハギ見ました!カワハギ釣りに来たのに・・・」そして続けてアタリが出るが、なんと20cmオーバーを水面で落とす。ア痛タタタ〜!またやっちゃった。この釣れない日に水面落下率33.3%である。こりゃ参ったな〜。

14時に近づくと流れはトロトロおとなしくなり、抱え込みも落ち着いてきた。そろそろ止まり加減かもしれない。14時の潮回りでは投入の合図が出るか出ないかの速攻で船下に落とすとビンゴ。派手に30回くらい叩いてゆっくり弛ませると待ってました、100%カワハギと分かる明確な反応だ。今度はガッチリ針掛かりして20cm級を取り込む。14時を回ってやっと5枚目。もしかしたら続きそうな予感がして、また同じ戦法を繰り返すと、案の定のアタリで6枚目。そして7枚目と続く。8枚目はちょっと早すぎて掛け損ない。マズイ!気を落ち着かせ、餌を丁寧に付けて再投入するとまたまたアタリ。約20分の間に7回連続で当たって5枚ゲットのほぼ入れアタリ。ようやく9枚まで辿り着いた時点で潮回りとなった。これが一日続いたと仮定すると何と90枚ペースである。(笑)

次の流しも同じ釣り方で攻めてみるが、場所か時合か反応が無い。よくあることだ。船長もアタリが出ないと見ると細かくポイントをずらして流し換えていく。残り時間があと10分を切ってしまった。マズイ!何とかツ抜けは死守したいが、期待とは裏腹に反応が出てくれない。潮が止まってしまった。こうなったらまた遠投して広く探る作戦に変更だ。14時55分、狙い的中か遠目で明確なアタリが出た。これがラストチャンスになりそうだから、緊張しながらもゆっくり目の乗せで針掛かり。17cm級の小型だが、ギリギリセーフでようやくツ抜け達成だ。ホッと胸を撫で下ろし達成感に浸ると、15時ジャスト、「今日は潮が濁ってカワハギには厳しい潮になりましたがこれで上がって行きま〜す」と船長のアナウンスで納竿の時間を迎えたのであった。

いや〜楽しかった、最後の1時間。13時の下浦沖への移動が当たってくれたお陰で、ようやくツ抜けできたし、エキサイティングな1時間を過ごすことができた。今日はこれだけでも十分価値のある一日だ。これでカワハギは2回連続濁り潮の喰い渋りに遭遇したが、このような潮ではどうやらベタ底ゆっくりの誘い、そして待ち時間を長めに取った方がアタリを呼びやすいのかもしれない。ちなみにタナも試したが、今日はまったくの不発であった。食いが渋い日はアタリが極めて短時間に集中したり、場所もピンポイントに集中する傾向があるかもしれない。この時合を捉えることと、手返しよくチャンスを逃さないことも重要である。アタリが出なくても手を変え品を変え、どんな釣りも同じかもしれないが、集中して釣り続けることが良い結果に結び付くのかもしれない。とにかく今日は食いが悪いとき、アタリが出ないときの1回のアタリの重みを痛感したし、10枚が40枚に相当するくらい嬉しく感じる一日であった。


本日の釣果、カワハギ 16.5〜21.5cm 10枚(竿頭)。その他、メバル、カサゴ、シロギスのお持ち帰り。今日釣った魚種は・・・カワハギ、シロギス、トラギス、クラカケトラギス、カサゴ、オニカサゴ、メバル、メゴチ、臭メゴチ(ヤリヌメリ)、ササノハベラ、キュウセン、ウミタナゴ、ニシキハゼ、ハオコゼと14目でした。

【船宿HPコメント】
皮はぎ・・久里浜沖⇒下浦沖、潮:濁り、水温:20度
今日も潮が濁っていてかなり厳しかったです。アシカ島周りから下浦にかけて拾って行きました。良型中心に型が出るので転々と根を移動しながら何とかツ抜けが出来ました。外道が沢山で、今一番の五目釣りですよ。例えばジャンボ白ぎす、カサゴ、めばる、あなご、まだこ等です。トップは横浜市の小峰さんでした。♪(浩喜)

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