カワハギ今度は速潮・外道で大苦戦

7月16日(金)、久比里の巳之助丸からカワハギに行ってきた。
気が付くと、前回の釣行から1ヶ月以上空いてしまったので、そろそろ一回行っとかなきゃ!ということで休暇も後半に入った金曜日、シロギスと並んで私の基本2種目であるカワハギに出撃と相成った。最近の釣況はどう考えても好調とは言えないが、上手く嵌れば良型中心に20枚以上もありえる季節。そして夏場のダイナミックな釣り味が楽しめるのもまた魅力である。ここ数年、久比里三店は7月の1ヶ月間、カワハギを休船していたが、今年は無休で出船している。従って、7月にカワハギ釣りをするのは私自身も数年ぶりとなる。8月1日の剣崎解禁までは下浦、久里浜、竹岡、金谷と状況によって攻め分けるのが通例で、目下のメインポイントは竹岡沖のようである。

カワハギ船は右舷大艫に先客1名で、私は左舷大艫に荷物を下ろす。早々に受付を済まし、今日は桶一杯のアサリを剥くことにした。カワハギ船に横付けされているマルイカ船にはA・N両名人が乗船。右舷大艫のN名人と出船までの間、座席が向かい合わせなこともあり、雑談をしながら手は休めることなくアサリを剥き続ける。桶一杯と言っても、今日のアサリは小粒揃いだからなかなか捗らない。マルイカ、ビシアジ船が出船した後、7時40分頃にようやく剥き終り、道具の準備に入る。いつも釣行記を頂くK山さんも昨日から休暇とのことで、偶然ご一緒させて頂くことになった。右舷ミヨシには文京区のS水さんが入り、マルイカ狙いの模様。カワハギ船は総勢4名と週末では考えられない贅沢なスペースで、定刻8時に出船となった。


左:7時30分、マルイカ、ビシアジ船の出船。右:K山さん日焼け対策バッチリ。

船は久里浜港を出ると直進し、一路竹岡沖を目指す。船長のお話では最近竹岡沖でカマスみたいなジャンボシロギスが混ざるらしく、これが目当てのお客さんも居ると言う。カワハギを狙っていてシロギスの方が多かったら喜んで良いのか分からないが、これもこの時期のカワハギ釣りのひとつの楽しみと言えるかもしれない。ベタ凪の海を快走すること8時23分、船首を南西に向けて停止すると早速開始の合図が出た。南西微風で晴れ。水深は22m、潮色は薄濁り。このところの濃い濁りから見ると、少し回復したように見える。風が無い上、日差しが容赦なく照りつけ、黙っていても汗がダラダラと滴り落ちる。この天気じゃ少し風が吹いてくれないと厳しい。

今日は大潮の初日で干潮が10時30分頃の予定。現在下げ潮で、若干左舷抱え込みの流れがあるが、落ち着いた潮である。今日は何となく最初から空中戦を試みるが、10分程やってアタリ無し。底中心の誘いに切り替えてみる。ヒットパターンを探るため色々やってみるが、投入の度に外道が活発で、ベラやらトラギスが掛かってしまうから煩わしい。抱え込みで仕掛けが船下に入るので、少し前方に投げ入れ、弛ませたり張ったり、聞き上げたりの誘いで、8時45分、ようやく明確に本命と分かるアタリが出た。上手いこと針掛かりしたのは19cmのカワハギ。そして約10分後、船下に入り込んだ仕掛けを我慢して、竿をスパンカの方に回し誘いを入れると、ドン!と重たいアタリ。20cm強を上げて2枚目。その直後、まったく同じパターンで良いアタリが出たが、掛けて底を離すときにバレてしまった。

徐々に下げ潮が速くなり、抱え込みが厳しい状況になってしまった。前方に遠投しても仕掛けが船の後方向に抜けて行ってしまい、満足な誘いができない。もっぱらオモリを底に着けた状態で張ったり緩めたり程度の誘いしかできず、外道が連発してしまう。小型のキュウセン、ササノハベラ、トラギス、クラカケトラギスの定番4種の他に、ブルブルッとしたアタリで噂通りシロギスも顔を出す。シロギスのアタリは大抵判別できるが、仕掛けがカワハギ用なので、掛からないのも多い。もし専門に狙えれば面白い釣りができるかもしれない。1時間以上の間、明確にカワハギと分かるアタリは1回も無い。外道と一緒に13cmくらいのカワハギが2枚釣れたが、あまりにも可愛いので、いずれも放流した。

幾らか潮がおとなしくなった10時30分、足元での縦の誘いにいきなり掛かってきたのがやはり20cm級。これでやっと3枚目だが、今日も後が続かないのだ。これまで放流が2枚あったが、それ以外、型は20cm前後と比較的揃っており、何れも掛かれば良い引きを見せてくれる。しかし、夏カワハギというと25cmオーバーがドカンドカンというイメージが捨てきれず、サイズにも今ひとつ物足りなさを感じてしまう。K山さんから缶ビールの差し入れを頂く。このとき聞くと、K山さんは既に7枚上げていると言うから、今日はどうやら私の方が状況に合わせ切れていないのだろう。だがこれと言った打開策は見出せない。潮は止まってしまい、今度は淀みの時間に突入である。煩かった外道の反応も鈍くなり、餌がそのまま帰ってくる回数が増える。


左:朝一番、竹岡沖へ向かう。右:K山さんも苦戦気味?

程好い南西の風が吹き始めて、だいぶ楽になってきた。風があると無いでは大違いで、風があれば水分の摂取量も大幅に軽減できるし、体力も奪われずに済む。12時ちょうどの潮回りあたりから上げ潮らしき動きが出始めた。先程までとは逆に若干の払い出しである。場所か時合かシロギスが頻繁に当り始める。何回かの掛け損ないを挟んで、8尾連続シロギスである。最大は23cmで、この大きさになるとカワハギタックルでもかなり引きが強く面白い。シロギスファンとしては一度でいいからこの場所で専門に狙ってみたいという欲求にかられてしまうのである。私はスッテを着けていないが、一度イカと思われる乗りがあった。多分中オモリに乗ったものと思われるが、針が付いて無いので掛かるわけも無く、すっぽ抜けてしまった。これだけカワハギが当たらないならスッテでも着けておけば良かったかなとちょっと後悔。

12時30分、2時間ぶりに本命と分かる当りで、また20cm強のカワハギを1枚上げるが、これも単発で後が無い。徐々に上げ潮が加速し、コントロールが非常に難しい状況となる。船下に仕掛けを投入すると、着底するまでに5m以上前方に出てしまう。そしてオモリを底に着けたままリールのクラッチをフリーにしてサミングしていると、ダーッと止まることなく糸が出て行くほど船の動きが速い。クラッチを入れるとあっと言う間に仕掛けが吹き上がり釣りにならない。毎年、夏場の大潮では速潮、二枚潮に悩まされるが、まさしくかっ飛び状態。K山さんも速潮になってからアタリが出ず、苦戦しているようだ。どうにもならないので、糸を出しっ放しにして、たまに聞き上げるくらいの釣り方で応戦するが、掛かるのはトラギスばかりである。

少し流れが穏やかになってきた14時、多少前方に出た状態でそれと分かるアタリが到来。テンションを変えずに喰い込みを待つと、そのまま穂先を叩き込んで豪快に針掛かり。強い引きに対応しながら本日最大となる23cmを取り込む。そして同じパターンで20cm級を上げ、やっと6枚目。徐々に潮流が減速、シロギスが何回か当たり1尾だけ追加するも、カワハギのアタリはなかなか出ない。振り向くとK山さんのスッテにマルイカが乗ったようだ。シロギスとマルイカの一荷であるが、そのマルイカがとにかくデカイ。胴長30cm程のヤリイカと間違えるようなマルイカである。その後、目撃しなかったがもう1杯大型のマルイカを乗せたようだ。マルイカ船で釣れている大きさとは比べ物にならないサイズで、これなら1、2杯釣れれば十分だ。

14時30分、潮が随分落ち着き、船下で仕掛けを操作できる状態になってきた。これまで通りの底中心の釣りではやはり外道が煩く、カワハギのアタリが出せない。もしや?と思い、朝一で不発だった空中戦を試みる。まずはオモリを50cmくらい浮かした状態で、ゆっくり上下に誘ってみる。次の瞬間、静止した穂先が僅かにモタレた。間違いなくカワハギのアタリである。動きが無いので少し聞き気味にテンションを掛けるとガガン!と外れてしまった。やっぱり喰っていた。ヨシ!中オモリを外し、餌を着け直し、速攻で投入して底を切る。すぐにモタレのアタリが出る。穂先が3cmくらい深めに曲がったところでアワセを入れると、ゴンゴンゴン!針掛かりである。強い引きで20cm強が上がった。

残り時間がほとんど無いが、タナを切った誘いでほぼ入れ当りとなる。すぐにアタリが出ない場合は空中で叩くのも効果がある。この釣り方でアタリが出始めたら、外道はほとんど当たらないし数が稼げる。最後の最後にようやく釣り方が嵌ったところで、残念ながらタイムアップ。納竿の15時までに6発当たって4枚追釣。いずれも20cm前後の中型であった。結果、今日もぎりぎりツ抜け死守の10枚で終了。危なかった〜!最後のタナが無ければ一桁で終わるところだった。これで連続ツ抜け記録17回を達成。どうでもいい記録なんですが、個人的には昨年の春、連続2回2枚で自己最低記録達成など不調を経験し、いかなる状況でも安定して2桁釣ることの難しさを痛感した。カワハギ釣りで2桁確保は自分としては拘るラインなのである。

今日は速潮と外道の猛攻で、まともなカワハギ釣りをさせてもらえず、そういう難しい状況に上手く手を合わせることができないまま14時半で6枚と、今回こそ一桁釣果を覚悟したが、諦めずに粘って良かった。今日はアタリ自体が少なかったけど、当たれば比較的喰い込みは良く、20cm級の中型が強い引きを楽しませてくれた。条件が良い日並に当たれば25cmオーバーがガッツンガッツン、尺超えも全然夢ではない。夏場のダイナミックなカワハギ釣り、また近いうちに挑戦してみたいと思う。でも、たまには楽に釣らせて欲しいというのが本音ですけどね。(笑)あ〜今日も厳しかった。


本日の釣果、カワハギ 19〜23cm 10枚。シロギス 17〜23cm 11尾。他にメゴチ(最大26cm)とカサゴ。
トラギス、ベラは入れ喰いでしたがすべて放流。13cmくらいのカワハギが間違って2枚釣れましたがこれも放流。但し、船宿の釣果情報には放流分も含めた12枚で報告しています。

【船宿HPコメント】
皮はぎ・・竹岡沖、潮:薄濁り、水温:25度
今日も竹岡沖15〜25mを流しました。朝から潮が程好く流れ良型の白ぎすと丸いかが多く混じるポイントを終日流しました。もちろん皮はぎも良型が中心に型を出すので、終わって見るとクーラーの中は一杯でした。今日は4名様で12〜13枚と平均に釣れました。トップは地元のH田さんと大和市のK山さんが13枚でした。(浩喜)

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