カワハギ興奮の空中戦

7月24日(土)、久比里の巳之助丸からカワハギに行ってきた。
色々な釣り物が好調の中、シロギスは毎回束釣り達成できないし、アジも食いたいし、マルイカはそろそろ終わっちゃうし、マゴチは今年一回も行ってないしと迷うところだが、前回のカワハギ釣行で最後の30分に味わった空中戦の余韻が抜けず、何はともあれ「あの興奮をもう一度」ということで、カワハギ釣りに出かけた。来週の日曜日、8月1日はカワハギファンの待ちわびる剣崎沖の解禁だが、来週末は潮周りが大きい。今日は小潮の中日、空中戦を試すには緩やかな潮が条件だから、来週を待たずに敢えて本日出撃するにはそのような理由もある。

やはり来週に釣行を計画しているファンが多いのか、カワハギ船の乗客は5名と土曜日では考えられないほど空いている。右舷大艫に常連Y本さん、胴の間にお一人入って、私がミヨシで右舷3名。左舷は大艫に常連T山さん、そしてミヨシに1名と余裕の釣り座である。猛暑のせいか、他船も釣り客は少ないようだ。今日は出がけに塩漬けアサリを忘れてしまったので、桶に軽く2杯のアサリを剥くことにした。山盛り1杯剥けば大抵足りるのだが、餌の心配があると気持ちに余裕がなくなるので、多めに剥いて余ったらまた塩漬けにしようと思う。


左:右舷大艫にY本さん。右:1時間ちょっとで桶に軽く2杯剥きました。

仕掛けはいつもと同じだが、今日は空中戦メインでやってみたいので中オモリは外し、底狙いの時は状況によって着けるよう切り替えてみたい。仕掛けをなるべく早く立てたいので、とりあえずオモリは30号を使用することにした。定刻8時に出船。船は真東に進路を取り竹岡沖に向かう。8時25分、スローダウンすると予想に反して船首を北向きに立てて開始の合図が出た。北の微風晴れ。ベタ凪で潮色は濁り。水深は25mである。1投目、着底すると同時に外道のアタリですぐに巻き上げる。いきなりトラギスの一荷だ。2投目、また着底と同時にベラのアタリ、空中戦が成立しない。


左:竹岡沖に向かう。右:竹岡沖、ブイを越えてすぐの25m立ちに到着。

最初の1流しは15分ほどで外道のアタリのみ。今日は小潮で満潮が9時頃、その後下げ潮の予報である。現在のところ潮は緩くタナをやるには良さそうだが、今のところは先に外道に捕まり釣りになっていない。2流し目、今度は船首を南に向け、風がほとんど無いので船長はスパンカをたたむ。着底後、すぐに1m程持ち上げて、少し待つと待望のアタリである。微妙に押さえるアタリだが、はっきりそれと分かるアタリだ。合わせ所を伺っていたら、ゴゴン!という針を振り払うような衝撃とともに放してしまった。回収すると餌が3つとも取られている。ヨシ!タナに居るぞ!上手く掛からなかったが、悔しさよりもタナに居ることが分かったのが嬉しい。

餌を着けてすぐ投入すると、待ってましたと言わんばかりにすぐアタリが出る。穂先がクーっとモタレたときに僅かに聞き上げ、穂先の曲がりが少し深くなったところで、キュッとアワセを入れるとゴンゴンゴン!と強い抵抗に竿が叩かれる。やりたかったのはこれである!ガッチリ口の横に針掛かりして20cm級を取り込んだ。またアタリが出るが、タイミングが合わず空振り。1m以上のタナでモタレるのは99%カワハギだ。空振りすればするほど自ら興奮して、餌を付けるのももどかしい。合わせるまでの微妙な駆け引きから上手くヒットに持ち込めた時には、静から動へとダイナミックなやりとりに一変する。応えられない釣り味だ。

空中戦と一言に言ってもアタリの出方が色々あって面白い。一番多いのは微妙にモタレるケース、そして食い上げ気味に穂先に変化が出るケース、ゴン!ゴン!と横から突っつくように重みが乗らないケース、いきなりギュ〜と絞り込むケースなど、変化に富んでいるので、どんな場合にも上手く対応して乗せることができれば、数が伸びそうだが、実際問題なかなかイメージ通りに掛かってくれないことも多く、私の腕前では掛け損ないは免れない。この辺は経験を積むしか無さそうだ。もしかしたら竿もバットパワーのあるアワセが利く竿の方がこの釣り方にはマッチしているのかもしれない。次回の竿作りのテーマにしよう。

最初の1時間は入れ当たりまでは行かずとも、10回くらい当たって4枚。乗せてから外れたのが2枚あったが、内1枚はかなりの手応えだったから、上げていれば25cmオーバーだったかもしれない。このバラシはかなり悔しかったが、時間はまだ十分ある。今日はこれをやりに来たのだから、条件が許せば徹底的にタナを釣って行こうと思う。周りのお客さんは底中心に攻めている方がほとんどで、やはり外道が高い確率で掛かってしまうが、合間にカワハギのアタリも取って全般に型は出ている様子である。上げ一杯の潮止まりのはずが、9時を回ると徐々に上げ潮が速くなる予想外の展開。右舷艫流しとなり、気が付くと空中戦では何もアタリが出なくなっていた。


クラ、トラ、キュウセンのトリプル。仕掛けを弛ませると、こんなのがしょっちゅう。

速い抱え込みに対応するため、中オモリを着けて遠投。弛ませ主体の釣り方に切り替える。1時間程アタリに見放されるが、10時過ぎ、立て続けに2枚ゲットで6枚。どれも20cm前後の中型である。10時30分を回ると上げ潮が急に緩んできたのを察知。また空中戦に戻る。するとすぐにアタリが出て中型を取り込む。11時過ぎまでに5枚追加して11枚。全部タナである。今日は午前中に目標のツ抜けを達成し、気持ちにも余裕が生まれるのであった。南南西の風が少し吹き始めて凌ぎ易くなるが、下げ潮がだんだん速くなると、空中戦にはまったく反応無し。流れると途端にタナで当たらなくなるのは間違い無さそうだ。また底中心の釣りに切り替える。

船長が数を聞きに来たので、「11枚です。もう1時間以上釣ってません。(笑)」と答える。上手く行けば20枚を超えるかとも思ったが、11時過ぎに釣って以来、1時間半もの間、カワハギのアタリが出ない。12時40分、地底の弛ませ釣りでようやく待望のアタリが出て12枚目。船の動きが抱え込んだり払い出したり落ち着かず、速さもかっ飛んだり緩んだり、潮がフラフラと定まらない。13時、流れが一瞬緩んだ空きに1枚タナで食わせたが、空中戦はそれっきり。もっぱら底中心に14時で15枚。下げ潮と思われるが風が上回り何故か艫流しである。波が少し出てくるとカワハギのアタリは渋くなり、弛ませからの聞き上げでアッ!という掛け損ないを数回やらかす。14時30分を回り、何とか弛ませ&這わせで連続2枚上げ、17枚まで伸ばすが今日はこれまで。定刻15時、納竿のアナウンスとなった。

全体の釣果は右舷は私が17枚、胴の間の方が4枚、大艫のY本さんが18枚。左舷は大艫の方が釣果申告無し、ミヨシの方が16枚とのことであった。ちなみに途中で1回スッテを着けたが、気になるのですぐに外してしまった。どうも両狙いとか置き竿とかは性に合わないらしく、やってみようとは思うがダメである。

一日の内でも潮の流れなどの条件が刻々と変る中、釣り方を色々変化させ対応する。ひとつの釣り方に拘らず、戦略的且つ積極的にカワハギのアタリを出して行く。そして上手くヒットさせれば、ハラハラするほど夏場のダイナミックな引き味を楽しませてくれる。話し相手が居なくてもまったく飽きることが無いあっという間の一日。こんな夏カワハギ、私は楽しくて仕方が無い。今日は17枚と数はそれ程伸びなかったが、内10枚を課題のタナで食わせることができたのが収穫であった。バラシや掛け損ないも相変らず多かったが、それはそれで興奮させられ、楽しい一日を過ごすことができた。次回は剣崎沖で大型がガツンガツンかな?(笑)


本日の釣果、カワハギ 17.5〜22cm 17枚。カサゴ 3尾。他にトラギスやベラが入れ食いでしたがすべて放流。

【船宿HPコメント】
皮はぎ・・竹岡沖、潮:濁り、水温:26度
今日も竹岡沖20〜25mを流しました。上げ潮がトロリと流れてアタリも良く一流し目で4枚ゲットのお客様もいました。その後下げ潮になりましたが、速い潮もなく船中好調に数を伸ばせました。今日は16〜18枚で17枚が2名と平均に釣れました。型は良かったですよ。トップは港南区のY本さんが18枚でした。(浩喜)

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