カワハギ新作和竿でまずまずの釣果

10月23日(土)、久比里の巳之助丸からカワハギに行ってきた。
この秋はスミイカ、アオリイカ、イイダコといった軟体系が例年に無く当たり年。我がベーシック3種目のひとつカワハギも、昨年の不調を思えば夏場から好調で、そろそろ水温が20度前後に落ちてきたこの時期、いたるところで好釣果のニュースが飛び込んでくるようになってきた。カワハギはここ3回新山下から出撃して、第二海堡周りで少しばかり良い思いをさせてもらったが、今日は久しぶりに久比里は巳之助丸からの出撃である。巳之助丸は約1ヶ月前のタチウオ乗船以来ご無沙汰していることもあり、また本格シーズン突入とあって相当な釣り客の数が予想されるので、であれば久比里出船がキャパシティも多く無難ではなかろうかとの算段もある。そして今日の楽しみは、完成したばかりの新作和竿の使い心地が果たして如何なるものか、その釣り味を想像してワクワクするのであった。


左:夫婦橋から日が昇る。右:今日は新作和竿です。

いつもと同じ6時20分に到着すると、21号船と23号船にカワハギの看板。乗り込むと2船とも艫からは数名の先客、ミヨシはまだ空きがあったので、21号船の左のミヨシに荷物を下ろした。受付をすると札番号は9番。今日は先週剥いたアサリを持参したので、出船まで暇を持て余す。新作の竿に初めて糸を通し、ゆっくり準備してゆっくり朝飯を食べるが、まだ6時50分である。予想通り徐々にお客さんは増えて、片舷15名を超えてきた。今日は混雑を避けてか、いつもの常連さんの顔はあまり見ないが、逆に親子やご夫婦、若い友人同士のお客さんが多く見受けられる。一方16、17、20号船はカワハギの仕立船のようで、今日は5杯全船がカワハギに出船のようだ。ということは巳之助丸だけで100名を超えるカワハギ客、この人数とお客さんの層から見てもいよいよ本格シーズン突入である。今日は久々の秋晴れの週末となり気持ちの良い朝、少々窮屈だけど、皆さんそれぞれのスタンスでカワハギ釣りを楽しめればと思う。


左:7時。右:7時50分。

定刻少し前の7時55分、いよいよ出船だ。平作川を下り久里浜港でスパンカーを上げる。山下丸、やまてん丸もカワハギ船を2、3杯出しての大盛況。これだけ揃うと見ていても壮観である。最初は近場からやるので5〜10分走りますと船長のアナウンス。船は進路を北に向けて鴨居沖を目指す。8時17分、まだ数杯の船団にピタリと着けて開始の合図が出た。北東の風やや強く晴れ、海上は少し白波が立つ程度のまあまあの凪。水色はやや澄みで比較的良い色、水深は27mである。今日は長潮で朝から上げ潮で終了時刻には満潮となる予報。早速第一投、ちょっと上っ面が速くて二枚潮気味。左二人隣の貸し竿のお客さんとしょっちゅうお祭り。25号で対応できるが、底を取り直しているともう餌が無い。早くもカワハギの気配濃厚である。海中で道糸がカーブするのでアタリがきれいに出にくいが、開始2投目で17cm級をゲット。まずは地底中心の叩きと誘いでアタリが出る。

しばらくして周囲を見回すと、巳之助丸は5杯全船が集結、山下丸、やまてん丸も数杯づつ、鴨居港の一郎丸、五郎丸、久里浜のムツ六(仕立て?)、その他数隻のカワハギ船で立派な船団となり、ポイントが狭いのか、よそ見しているとぶつかるのではと思うほど、お互いに接近しての操業である。真横に居た一郎丸で何やら歓声が上がった。ふと見ると胴の間のお客さんがカワハギのトリプルである。どうやら底潮はあまり動いていないようなので、空中戦をやってみると1〜1.5mですぐにアタリが出て1枚取り込んだ。しかし船が動き過ぎてタナをキープできないので、底中心にたまにタナを探るような釣りで、数を伸ばしていく。周りの皆さんも順調に当たっており、そこいら中のバケツから威勢のいい音がバシャバシャと聞こえてくる。今日は朝一から食いが立っているようだ。私は相変らず掛け損ないやバラシが多いが、開始1時間でツ抜けを達成。とりあえずいつもの第一目標はあっさりクリアできた。


左:鴨居沖でカワハギ船団。右:いつもビシアジの17号船も今日はカワハギ仕立船。

新作の和竿は初使用で傷を付けるとショックなので、大事に取り扱う。本漆は完成して間が無いと傷が付き易いのだ。肝心の調子の方は、穂先から竹に入る部分の調子の繋がりを意識した結果、イメージ通り柔らかめで自然に胴に乗る。手前は比較的強いので取り回しも良い感じである。使用前は重さがどうかと思ったが、竿尻の長さも自分にピッタリで(自分で作ったのだから当たり前ですが)、持ち重りはしない。市販竿にあるような穂先が直角に曲がって、胴が曲がらない竿と比べると、魚を掛けて横から見ていると、きれいなカーブを描いて我ながら満足である。お隣の釣り人も和竿愛好者のようで、私の竿を見てお褒めを頂き恐縮である。これをきっかけに竿作りや竹取りの話、竿師の話などをさせて頂き、楽しい時間を過ごさせて頂いた。

9時30分を回り、ガチャガチャした潮が落ち着いてくると、期待とは裏腹にアタリも落ち着いてしまい、入れれば当たるという感じは無くなってしまったが、それでもポツンポツンと誰かが食わせている状況。たまにタナでもアタリが出るが、針を掛けることがなかなかできない。タナでアタリを出したらそのまま追わせるように下げて行き、オモリを地底に着けて少し弛ませると食い込むというパターンが何回か成功した。これは自分としては初めての食わせ方である。下を向かせてテンションを抜いたところで食い込みが良くなるのだろう、空中戦の変化形として今後の引き出しの一つにしたいと思う。11時を回ると殆どアタリは無くなり、すっかり下降線の一途。餌も取られなくなったが、あれだけ当たっていた魚はどこに行ってしまったのだろう。居ても食わないのだろうか。この時間はご機嫌ななめのようでお手上げ状態。そのまま全然釣れずにお昼で19枚。また午後から少し食いが上向いてくれれば、簡単に30枚以上は行きそうだが、どうだか。

マズイ!12時台もめっきり食わない。たま〜にそれらしい触りがあるけど、とても針掛かりまで持ち込める感じではない。お隣のお客さんが叩きを入れずに弛ませと誘いでポツリポツリと3枚くらい上げたので、私も叩きを入れずに弛ませ誘い釣りをしてみるが、1回当たって掛けられず、後はアタリすら出ない。自分には合わないようだから止め。12時50分、逆に20秒くらい叩き続けてピタッと静止、ジワ〜と弛ませていくと、いきなり強いアタリで食い込んだ。これは焦らし作戦にでもなっているのだろうか?よく分からないけど効果はあるようで、いきなり一人連釣モード。30分間に8枚上げて27枚。25cm級の良型も2枚ほど混ざり和竿で強い引きをハラハラとかわしながらの取り込みであった。悔やまれるのは、上げていれば今日一の大物らしきを掛けたのだが、珍しく針が曲がってバラシ。針が90度に開いていた。ちなみに今日はダイワの新製品パワーフックという針を試しに使っている。

13時30分、今日初めての竿上げの合図。潮回りかと思ったら、竹岡沖に移動するようだ。10分くらい走った航路脇の35m立ちにて再開である。こちらは水深もあり、二枚潮掛かっており、お祭りが多い。たぶん船長は二枚潮なのを分かっていて、潮の淀み時間に大型を狙って移動したのではないかと推測するが、30号でも底が取り難い。それらしきアタリはあったが掛けられず。ここではトラギス、サバフグのみの釣果。右舷では歓声が上がった場面もあり、船中数枚型は見たようだが、14時25分、また鴨居沖にUターンとなった。戻ると潮が下げ潮っぽく変っていた。1投目で小型を追加し28枚としたが、後は餌を取られるだけ。餌の取られ方がカワハギっぽいのだが、上手く本アタリが出せない。もしやと思いタナもやってみたがまったく反応無し。そして周りのお客さんもほとんど揚がらないまま定刻の15時、納竿のアナウンスとなった。

今日は午後から1時間竹岡沖の深場でやった以外は終日鴨居沖での釣り。多少小型も入ったが、25cmが1枚、24cmが2枚・・・その他半分以上が20cm級と平均して型は良く、新作の和竿で強い引きを楽しむことができた。いつものことだが、終わってみればバラシやら掛け損ないやらが多くて、毎回毎回もうちょっと何とかできそうな気がするのだが、やってみると上手いこと行かずに課題ばかりが残ってしまう。でもこの感覚が次へのモチベーションになっていることは間違いないし、今日も初体験の食わせ方をひとつ発見できたから、まだまだ奥が深いカワハギ釣りに終わりなんて有り得ないのである。さて次はどうしようかな〜。K山さんに竿を届けなければならないし、次週も久比里のカワハギかな!


本日の釣果 カワハギ 14〜25cm 28枚。半分以上が20cmオーバーで12リットルクーラーほぼ満タンでした。

夜に刺身と肝合えで食してみましたが、身質は相当に良くなり、肝も真っ白で最高の状態でした。もちろん小型以外は全部締めて血抜きをしてます。(写真に写らない右側から締めてます。)今日の魚は先日第二海堡で釣ったカワハギより味的には数段上でした。これから水温が下がると身質はさらに良くなることでしょうから、食味の面でも楽しみですね。

【船宿HPコメント】
皮はぎ・・鴨居沖、潮:薄濁り、水温:21度
今日は全船(乗合、仕立)皮はぎのみの出船でした。長く続いた台風の影響もなく、久し振りの良い凪での釣りが出来ました。潮も程好く流れていて、魚の活性も良かったですね。どの船も朝からポツポツと船中で顔を見れました。今日は全体的に良型主体に型が良く、数的に飛びぬけて釣ったお客さんはいませんでしたが、平均に釣れたので、皆さん良いお土産になりました。台風のもたらした幸運か、皮ハぎの群れも大分固まって来たみたいです。これからが楽しみですね。トップは横浜市の○○さんが35枚でした。20枚前後のお客さんが多かったです。(親父、美佐男、浩喜、功一、友康)

ホーム目次前のページ次のページ