カワハギ最盛期のはずがまた苦戦

11月20(土)、久比里の巳之助丸からカワハギに行ってきた。
今日はいつも釣行記を下さるK山さんと久し振りにご一緒のカワハギ釣りである。今年製作した和竿はわずか3本。そのうち1本はK山さんのワンピースカワハギ竿。2本ご依頼頂いているのに1本しか作れずにすみません。今日は釣行がてら新竿をお渡しするので、その場できっと使って頂けることと思う。気に入って頂けるかどうかちょっぴり心配である。予報は変わって朝起きるとまだ小雨が降っている模様。窓を開けると外はまだ真っ暗、家の前を走る車の音がシュワーと道路が濡れているのが分かる。準備をして外に出ると傘を差すほどでも無さそうで一安心。曇っているせいか冷え込みもさほどではなく、風もあまり吹いていない様子。このところのカワハギ釣りは苦戦続きで、とても最盛期とは思えないほど渋い釣りの連続である。今日はどうかな〜、剣崎沖も最近は様子が芳しくないので、また修行のような釣りになってしまうのかな〜。とりあえず目標は10枚にしておこうかな。(笑)

今日は上州屋の大会が久比里三店共同で開催されるとのこと。実は前夜にそのことを知ったのだが、もうその気になっていたので混雑の心配も他所に強行出撃。案の定、21号船、23号船の大型船2隻は大会に回ってしまい、乗合は17号船と20号船の2隻のようだ。天気の割りにお客さんの出足は良く、私が到着する頃には2隻とも艫、ミヨシから数名づつの先客が居らしたので、20号船の右のミヨシ寄りにK山さんの分と2席を確保した。依然しつこく降り続く雨、カッパを着込んでから受付を済まし、今日はアサリを桶に1杯半剥くことにした。2番の特急が到着する6時40分を回り、K山さんがご到着。早速、竿をお渡ししてご覧頂く。K山さんは今日は前回の残りのアサリを使用されるとのこと。一方私は手を休めることなくアサリを剥き続け、7時過ぎにようやく完了。乗客はどんどん増え続け、座る場所が無く、荷物を背負ったまま途方に暮れる人々の姿も出始めた。友康船長が交通整理に入り、いよいよ両船とも突き出しに4名づつ入るほどの混雑となった。


出船前。今日は予想を超える混雑。この後、デジカメのバッテリー切れで写真撮れませんでした。

定刻8時、今日は17号船に友康船長、我が20号船は親父船長と、いつもとは船長が入れ替わっての出船となった。いきなり読みが外れたようだ。(笑)個人的希望では久里浜〜鴨居沖で様子を見たかったが、船は久里浜堤防を回り剣崎沖に向かった。う〜ん、剣崎沖は食ってないし、この人数じゃね〜。開始前から相当の苦戦が予想されるのであった。そして8時23分、剣崎の東方沖にて開始の合図となった。北北東の風やや強く曇り、海上は少々の風波。この時間には雨は上がってくれて助かった。潮色は薄濁りだが、割と明るめで悪くない潮色。第1投は20m弱の比較的浅場からスタート。今日は小潮の最終日で満潮が13時前の予報。現在、トロトロの上げ潮でミヨシ流しとなった。1流し目約10分はアタリなし。2流し目に入り早々に本命のアタリを捉え、まずは1枚目をゲット。やはりミヨシ潮先であろう、私の前に入っている4名のお客さんも型を見始めたようだ。

2枚目がなかなか来ない。アタリが続かないのはこのところの状況から分かっていたが、実際にやってみると現実問題全然アタリが無い。餌もあんまり取られないし、気配もない。魚と釣り人どっちが多いのか?真面目にそう思いたくなるほど魚が薄い。3週間前の平日に剣崎沖で963さんの爆釣ニュースがあった。その週末に瀬戸丸からKOBIさんたちと出船したが、濁り潮に遭い大苦戦。で、それ以来、剣崎沖で好釣の情報を聞くことが無くなってしまった。剣崎出船の船はもっぱら剣崎沖が食わないと城ヶ島に回って数を出しているという話である。もうひとつの大場所、竹岡沖も10月前半くらいまでは好釣に沸いていたが、最近になってさっぱり。私も先週竹岡沖で苦戦してきたばかりだ。秋口の状況から今年は当り年との声もあって、実際、よく釣れていたのも事実。ここにきていったいどうしてしまったのだろう。水温の関係か、何の関係か分からないが、最盛期突入のはずも、このところの釣行は出鼻を挫かれてばかりだ。

K山さんもなかなか初物にお目にかかれず苦戦気味。とその時!K山さんの竿が凄い曲がりでのされている。何だ!これはデカイぞ。必至に溜めていると、フッとテンションが無くなってしまった。残念!ハリスのチモトからいってしまったようだ。「今の何ですかね〜?」、ご本人によると、引き方からしてイシダイではないかとのこと。それにしても横で見ていて凄い引き込みだった。カワハギの外道で1kgオーバーのイシダイが出たのを聞いたこともあるし、剣崎沖のイサキやマダイ船でも良型のイシダイが釣れるのは珍しいことではないから、もしかしたら相当良型のイシダイだったかもしれない。後になって余計悔しさが込み上げてくる。気が付くともう11時じゃん。ヤッベ〜、カワハギまだ2枚だし。(笑)今日はマジでツ抜け危うし。K山さんも似たような釣果。出船前からお隣の3人連れの方々と親しくお話をさせてもらっているが、皆さんも似たり寄ったり。皆で当らない、気配も無いと同じ口調で釣りを続けている船上であった。

少し上げ潮が速くなって、しかも上っ面がフラフラし始めて、抱え込んだかと思えば、急にガンガン払い出したり、訳の分からない潮でメチャクチャ釣り難くなってしまった。これも二枚潮なだろうか?それでも流しの途中で魚が固まっている場所を通過すると、周辺でもパタパタと型が出るから、こんな潮の方が活性でも上がるのだろうか?このタイミングで掛け損なったり、アタリを出せないと次の流しまでお預け。もっぱらそんな状況の繰り返し。私は一流しで3枚上げることがあって、お昼でやっと6枚。それにしても低調。何だかみんな似たり寄ったりの釣果だし、少ない魚を多人数で取り合っている状況なのは間違いない。午後に入って潮は止まり加減。合間に様子見で織り込む空中戦も今のところベラ1匹だけ。ついに来たかと一瞬ドキッとしたが、ベラもあまりに良い仕事をされると腹が立つ。だいたい何であんなに高いタナでベラが食うんだよ!底潮は澄んでるのか?

少なくとも今日のカワハギの誘いパターンは誘わないこと。(笑)これに尽きるようだ。叩くとダメ、誘い上げるとダメである。弛ませたりしても全然無駄。根がキツイ場所を流してるので、オモリが根掛かりしないように、底を取るだけ。それ以上は何もしないのが一番結果が出るようだ。つまんね〜!13時を回っても潮はトロいまま。ある流しで今日初めてタナでアタリが出た。やっと来たか?限りなく本命ぽいアタリである。タナは底から約1.5m。もう一度入れるとすかさず「来てます来てます」と穂先にモタレが出始め、様子を伺ってテンションをキープしていると、次の瞬間「グォーンゴゴゴゴン!」と乗った〜!和竿の胴がきれいに曲がった。コレをやりに来たんだよコレを!その気になってタナを攻め続けてみるが、結局この1枚だけ。あっけない一瞬の興奮に終わった。たまたま浮いてるのが居たのかね〜、何か海底の状態と関係あるのかな?

その後、諦めて底釣りでポツポツとようやく9枚まで辿り着いた。相変らず誘っても反応するのはトラベラマクラくらいのもの。根の深みに入るとネンブツダイ、コスジイシモチ?、スズメダイあたりが顔を出す。ツ抜けへの道は長くて遠かった。そして14時、風が東寄りに変る頃、いきなり単発のアタリが出てあっけなくヒット。やっとのことで目標達成である。あと一時間あるから、ずっと空中戦でもやってようかな。(笑)一方のK山さんは目標まであと3枚、いよいよお尻に火が点いてきた。(失礼)潮は下げに入り明らかに艫流し。14時30分、本日空中戦での2枚目を掛けて11枚目。お隣のグループは這わせた方が当たるらしく這わせ釣り、その隣で2mくらい底を切って掛けてるから不思議な光景だ。この流しは他にもタナで気配があったので、K山さんに「タナで当たってますよ!」と惑わすようなことをつい口走ってしまった。ところがK山さん、流石の集中力で2m切って1枚ゲット。そして14時50分、目標達成の10枚目はまたまたタナでの良型。それにしても終盤の集中力は流石のもの。お互いに最低目標達成!とりあえずホッとしましたね。

そして定刻15時ジャスト、納竿である。風はすっかり収まり飛沫を浴びることもなく、ゆっくり片付けながらの帰航。いや〜疲れますね、こういう釣り。魚少ない、乗客多い、もちろんお祭りだって何回したか数え切れないもん。挙句の果てに反対の舷の人に道糸切られちゃうし。(笑)これで大潮だったら、海悪かったら・・・想像したくありません。(笑)K山さん、新竿の使い心地は如何でしたでしょうか?こんな状況じゃ分かんない?でも気に入って頂けたようにお見受けしましたので、ホッとしてます。これに懲りずにまたカワハギ釣りに行きましょうね。こういう日をこなさないと、年中いい釣りなんてできませんもの。そういえば、本文に書き忘れましたが、後半にゴン!といいアタリが来て、40cm近いウマヅラを水面でバラシたのが痛かった!実際は遠めに浮いてしまったので、カワハギかウマズラか一瞬判別できず、カワハギだったら途轍もない大きさなので玉網頼もうかと見ていたら外れました。(笑)お恥ずかしい話ですみません。それと、納竿直前にやはりタナを攻めていたとき、良いアタりが出て取り込んだのが、何とも旨そうなマアジ。タナがバッチリ?(笑)そろそろアジ禁断症状が出始めていたので、良いお土産になりました。


本日の釣果 カワハギ 17〜25cm 11枚。数は少ないですが、型は中型中心でまあまあでした。外道にカサゴと何とビックリ29.5cmのマアジ。カワハギの外道では初めて釣りました。これも空中戦の賜物でしょうか?(笑)

【船宿HPコメント】
皮はぎ・・剣崎沖、潮:澄み、水温:20度
今日は全船剣崎沖を流しました。20mラインの根がらみを中心にやったので数はいまいちでしたが、型は良、大型主体に良かったです。潮も落ちついてきたので、これからが楽しみですね。尚今日は上州屋の皮はぎ釣り大会で、見事21号みのすけ丸のお客さんが3匹の重量1330gで優勝しました。トップは山梨の○○さんで17枚でした。(親父、美佐男、浩喜、功一、友康)

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