どこ行ったんだよ〜カワハギ

11月28日(日)、久比里の巳之助丸から懲りずにまたカワハギである。
早いもので今年も残すところあと一ヶ月。この時期まともな条件でできれば、活発なアタリと餌取りに翻弄されながらエキサイティングなカワハギ釣りができると期待しつつも、11月に入ってから釣果の方は低迷の一途。現実は厳しいのであった。ここに来て5回連続のカワハギ釣りはまったくの予定外。どうやら私の場合、カワハギは釣れない方が嵌ってしまうようである。今日お邪魔したのは久比里の巳之助丸、年中カワハギ釣りに出船している我がメイン船宿。殻付きアサリは剥き放題だし、新鮮な剥き身も購入できる。餌の心配が要らない点と一年中カワハギを追いかけている船長の操船は、さすがカワハギを看板としている老舗だけに他店とは安心感が違う。ここ久比里に限った話ではないが、この時期のカワハギ釣り、週末ともなれば混雑とお祭り騒ぎで二の足を踏んでしまう一面もある。しかしここはひとつカワハギの聖地で気分一新という期待も無いわけではない。


今日も大盛況。

京急でいつものおじさんに「あんたも好きだね〜」と声を掛けられ、「そういうあんたも好きだね〜」と返すまでの勢いも無く、いつもの時間に到着した。今日は21号船、23号船がカワハギ乗合、16号船はアマダイに出船するようだ。アマダイ船はまだ右の艫、ミヨシが空いていて、やっぱりこっちにしておくべきだったか!とちょっと後悔しながらカワハギ船に乗り込んだ。2隻とも四隅に2〜4名の先客。私は21号船の左ミヨシ寄り4番目に荷物を降ろした。受付をすると札番号は早くも15番。両隣は寡黙な釣り人、何だか今日は話し相手も居なくて寂しく、桶に1杯半のアサリを剥くことにした。1杯半といってもアタリが多ければ簡単に消費してしまう量である。このところの食いの渋さを知ってか知らずか、さすがトップシーズンだけに片舷15〜17名の乗客。出船ギリギリに現れた乗客は入る隙間があるはずもなく、辛うじて突き出しに乗っけて、定刻の8時に出船となった。

本船はいつも通り浩喜船長の操船。久里浜港を出ると「剣崎は潮が速いので竹岡沖に行きます。10分くらいで着きますから。」とアナウンス。最近カワハギが絶滅したと思われる剣崎沖でなく胸を撫で下ろしたが、23号船は面舵を切ってどうやら剣崎沖に向かったようだ。航程10分強、船は航路を越えて少し走ったところでスローダウン。舳先を北に回して8時23分、最初は少し深めの水深30mからスタートとなった。北北東の風やや強く晴れ。風波は1m前後、潮色は薄濁りだが明るく悪い色ではない。今日は大潮で干潮が11時30分頃なので、前半下げ潮、後半上げ潮の見込み。午後に上げが流れてくれればミヨシ寄りも多少望みがあるかもしれない。乗客が多いので、周りの人の糸の角度を確認し、タイミングをずらして投入。釣りを始めると少し速めの下げ潮で、船は艫流し。底潮が行ってないようで、開始早々お祭り連発でウンザリ。船の動きが速いので、慣れない人は浮き上がるオモリにどんどん糸を送り込んでオモリを底に着けようとしてしまうので、ずいぶん艫寄りの釣り人とお祭りをしてしまう。絡まるのはだいたい決まった人だから不思議だ。

周りの仕掛けを釣らないように気を使うばかりでさっぱり釣りに集中できない。開始約50分経過、9時15分に初めてのアタリを取って17cm級を取り込んだ。この1枚はまぐれか、それから先、餌も取られないままどんどん時間が過ぎる。金曜日〜土曜日に大風が吹いたので、何らかの状況変化を期待したが、底荒れしてしまったか、今日も苦戦の真っ只中に立たされ、また修行のような釣りになってしまったようだ。11時で2枚。最近このペースがすっかり定着してしまったように思える。左二人隣のお客さんが朝一番からポツポツ上げて、この時間で8、9枚くらい釣られているようだ。その釣り人だけ突出した釣果だが、特に変わった仕掛けでも釣り方でもなく、何故釣れるのか見ているだけではまったく分からない。よくあることだが、カワハギ釣りの謎でもある。今日も叩いたり大きなアクションはNG、小さくゆっくりの上下の誘いと、待ち時間長めの濁り潮の時と同じような釣り方の方がいくらかマシなようだ。


左:竹岡沖のカワハギ船団を遠くに臨む。右:金谷手前沖の漁礁の上。

11時、竹岡沖に見切りを付けた船長。金谷方面にしばらく南下し再開。「ここは根が硬いから根掛かりに気を付けてください。」とアナウンス。仕掛け投入前からここが漁礁であることはピンと来ていた。水深25m前後だが、案の定、高さ2mジャストの壁が連続しており、そこいら中で根掛かり多発である。私は最初から2m強のタナを切って漁礁の上に着いている魚を狙う。たまにオモリが漁礁のてっぺんに当ったり擦ったりを確認しながら、その上をゆっくり誘う。答えは1投目で出た。漁礁にオモリが擦っているのかと間違えるくらいのザラザラした糸擦れのようなモタレだが、これは明らかに生体反応。次の瞬間、根掛かりのように穂先に重みが乗った。半信半疑だったが、そのままアワセを入れるとやっぱりカワハギのアタリであった。同じ戦法で3枚連続ヒット。少し勢いに乗れるのかと思ったが、その後パッタリ、上では何のアタリも出なくなった。気が付けばもうお昼で、まだ5枚。最近お決まりのペースである。

根掛かり覚悟で、漁礁の谷間で我慢していると、たま〜に出るカワハギのアタリ。アタリが出れば食い込み自体は悪くないから、掛け損ないは少ない。オモリは何個失くしたか数えていない。仕掛けは節約モード、切れた仕掛けを繋いで再生してみたりする。12時半頃、ようやく上げ潮に変わりミヨシ流しとなったのが分かる。なるべく根掛かりしないように気を付けながら、潮先に期待して谷間とてっぺんをトレースして行く。久しぶりにてっぺん付近でモタレが出たかと思ったら急に食い上げて、会心のヒット・・・かと思ったらウマズラでガックリ。どうも変だったよな〜でも美味しいからキープ。漁礁の谷間では小型のベラやネンブツダイに混ざって、たま〜にドン!と紛れもないアタリが出るから気が抜けない。根掛かりが多く仕掛けのコントロールが雑になりがちだが、たまに出るこのアタリを逃すと、また次に何時当るか分からない、そんな状況である。

午後に入ってポツンポツンと2枚釣って7枚。そして13時45分、そろそろツ抜けは厳しいかな〜と思い始めたところ、潮回り後の1投目で、叩き後の弛ませから良いアタリ。一瞬の入れ食いタイムとなり約5分で4枚ゲット。これで一気にツ抜けて11枚。やったぜ万歳!(笑)全部叩き弛ませから即アタリである。居れば食うんだよね〜。ようやくモードにスイッチが入ったかと思ったが、その後、再び船が漁礁に突っ込むとアタリは無くなった。どうやら一瞬漁礁を外れたようで、ピンポイントに魚が固まっていたように思える。同じ時間、周りの釣り人も私が掛けたのを見るや、叩きを入れ始めて1、2枚づつ拾ったようだ。14時を回って漁礁のてっぺんで久々にそれらしきモタレを捉えたが、合わせた瞬間に根掛かりして地団太。すぐさま入れ替えたら幸運にもすぐアタリ。同じ釣り方で掛けてようやく12枚とした。その後、納竿の15時まで本命らしきアタリを捉えることができず、仕掛けだけ消費して今日の釣りは終了。

いや〜今日も厳しい釣りだった。でもまあ、釣果は前回の5割増だから良しとしよう。(笑)我が21号船では朝から手が合っていた胴の間のお客さんがブッチギリの20枚でお見事竿頭。裾で2、3枚、見た感じ7割方の乗客が一桁という結果。23号船は剣崎沖でトップ14枚とのことだった。後で他店の釣果情報を確認すると、竹岡沖を攻めていた東京・横浜方面の船は0〜8枚、1〜9枚など殆どがトップで一桁の釣果。やっぱり今日はどこも厳しかったようだ。それにしても漁礁の釣りはアタリが多ければ多いで、魚掛けてから根掛かりしたりで悔しいの連発。アタリが無ければ無いで、魚釣れないのに根掛かりばかりで虚しく辛い釣りである。片付けながらよく見たら、PEラインの1.5mくらい上が漁礁の角に擦れてザラザラにささくれていた。漁礁の時は先糸を付けた方が良いかもしれない。週末にかけて風邪を引いてしまい、今日は治りかけでの釣行だったが、終わってみれば風邪引いてるのを忘れていた。やっぱり釣りは私にとってどんな薬よりも特効薬なのかもしれない。


本日の釣果 カワハギ 15.5〜22cm 12枚。他にウマズラ、カサゴ。

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