湘南のカワハギに初挑戦

12月9日(木)、腰越の多希志丸(たけしまる)からカワハギに行ってきた。
これまで相模湾でのカワハギ釣りは城ヶ島〜佐島沖までは経験があるが、湘南方面ではやったことが無かったので、チャンスがあれば一度挑戦してみたいと以前から考えていた。東京湾からみると、このところは相模湾の方が模様が良かったのもあって、ずっと気になっていた。ところが、悪いことに先週末は台風並みの低気圧に見舞われ大シケ。底荒れも相当酷かったようで、その後、釣果情報などを見ても東京湾・相模湾ともなかなか元気が出ない模様。今週も前半は天気が不安定で、各船宿とも出船回数が少なく、出ても厳しい状況となっているようだ。それでも前日にはやっと20枚台の釣果が出始めたようだし、久し振りの平日釣行ということで、ちょっと一人で様子を見に行ってみようと決心した。

始発電車に乗り、横浜から東海道線で藤沢、そこから江ノ電に乗り換えれば船宿に6時15分頃には到着するから、7時の出船には十分間に合いそうだ。(余談ですが、藤沢で乗り換え時間が12分あるので、江ノ電のホームの前の方にトイレがあるから、心配ならそこで用を足しておくのがお勧めかも。)腰越漁港といえば、15年ほど前だろうか、ビシアジで2回(手ビシの100m超で辛かったので記憶に鮮明)、シロギスで1回(この時は竿が無くてヘチ竿持って行ったけど釣れなかったので記憶が鮮明)、確か飯岡丸だったと思うが乗船した記憶がある。随分昔の話ですっかり様子を忘れてしまったので、念のためHPの地図を印刷してから出発した。予定通り順調に江ノ電腰越駅に到着し、駅から程近い腰越漁港に向かうが、随分と日の出が遅くなったもので、空はまだ真っ暗。漁港に入ると右の奥に今日お世話になる多希志丸の受付所がある。元気のいい女将さんと船長と思われる人が明るく迎えてくれ、気持ち良く挨拶を交わした。


まだ暗い船上、左舷は私一人で寂し〜っ!

乗船料は餌別で7,000円だが、HPの割引券を印刷してきたので、6,500円で乗船できるから久比里と同じで有難い。餌の剥き身は別売で購入できるらしいが、今日は自前で準備してきたので船宿の餌は確認できなかった。受付を済ますと船長がクーラーに氷を入れてくださり、早速、堤防の先に横着けされた船に乗り込んだ。船は2隻あるが、カワハギは8号船で43名乗りの大型船である。右の艫に先客が1名いらして、私と同じ電車で到着されたもう1名が右のミヨシに入られたので、私は左の艫に釣り座を構えることにした。空がだいぶ白んで来る中、そそくさと準備に入るが、北風がピューピューと冷たく、今年一番の冷え込みにまずは防寒用のカッパを着込むところから始めた。

後から到着した釣り客3、4名は皆さんアマダイ船のようで、カワハギ船は結局3名のみ。今日は大型船での大名釣りである。左舷は私だけで何とも寂しい限りだが、混雑しているよりは100倍マシだ。やっぱり釣りは平日に限るよな〜とつくづく思うが、こればっかりは・・・。これで少し当ってくれれば割り当ては良さそうだが、状況からして余り大きな期待は持たないようにしようと自らを抑えるのであった。道具はいつもの和竿とミリオネア。餌は前回の残りの塩漬けが優に1回分はあるのと、今日は試しにM社の『特上アサリ』(420g入りの冷凍物)を購入してみた。準備が整い、定刻の7時少し前、堤防に縦列着船しているところをサイドスラスターで船首を外に向け出船。沖に出るとすぐ西側に江ノ島が見えるが、本船は海岸線と平行しながらしばらく東方向に進んだ。

中速で10分ほど走って、鎌倉の手前は稲村ヶ崎の沖でスローダウン。7時10分、「はいどうぞ〜水深9m」と早速開始のアナウンス。予想以上に北北東の風が強く、天気は曇りで雲の切れ間からたまに陽が差す。風は強いがさすが湘南、海上は凪だ。潮色は澄んでいるが、曇っているので暗い感じがする。今日は大潮前の中潮最終日、干潮が8時30分頃、その後はずっと上げ潮の予報。最初は10mを切る随分浅場の根の厳しいポイントからスタートとなった。1投目は細かい外道に突付かれ空で回収。2投目、いきなり酷い根掛かりで道糸からプッツン。こりゃ参ったな〜、前回の漁礁で傷が付いていたかな?一から仕掛けをセットし直して投入するが本命らしきアタリは無い。2流し約10分で見切りを付けた船長は船を大きく西に走らせ江ノ島沖に移動である。


左:出港して鎌倉方面に走る。右:江ノ島の真沖。

ここは水深25m前後、先程より地は平らで根もそれほど険しくない。しばらく外道と戯れていたが、8時10分、本日初めてカワハギのアタリを察知して、めでたく湘南カワハギを初ゲットである。しかも一荷!地底での弛ませからの誘いに反応したのは15、6cm級の小型であった。いきなりの一荷にこれは行けるかと思ったのだが、アタリが続かない。潮がけっこう効いていて船長はまめに潮回りしてくれるが、カワハギは散らばっているようで、なかなかモードに入れるまでの連続したアタリが無い。外道はベラとキタマクラが8割、たまにトラギスやその他といった割合。タナを探ってみても外道の反応ばかりでカワハギからのシグナルは捉えることができない。9時になったところで移動のアナウンス。この時点で小型ばかりが6枚と伸び悩みだ。

江ノ島を後にして西に20分ほど走ると、ここは茅ヶ崎沖。先には烏帽子群礁がはっきり目視できる場所である。近くには地元茅ヶ崎のカワハギ船も操業中だ。まずは水深25m前後。1投目、オモリが着底すると同時に外道の猛攻で、あっという間に餌が取られる。こちらも根がキツく、ところどころカジメの林になっているようで、針に引っ掛かってくる。外道が凄いので、一か八か道糸のマーカーでタナを計り、底まで下ろさない釣り方を試みる。底上2m程度でも今日は(いつもかもしれないが)外道のアタリが多い。特にキタマクラにブツブツハリスを切られるのには閉口である。『海面からタナ取り作戦』を開始して間もなく、外道のアタリをかわしながら、そこに混ざって怪しいアタリを捉えた。注意深くモタレについて行きながら竿先を徐々に下げていくと、一瞬道糸が弛んで穂先が戻る。そして直後、ズドドド〜ンと乗った〜!

作戦は一応成功か?23cm級の良型が強い抵抗を見せながら上がってきた。風向きの関係か沖に出る流れで船は艫流し。しばらく流し切ると外道のアタリも少なくなる。そして筋を変えてまた岸寄りから潮回りという形の中、時折カワハギのアタリが多く出る場所を通過する。水深は18m〜30mの間で起伏は激しい。海底は外道の絨毯で、ところどころカジメの林や大きい根がある。潮回りの後や船が大きく動いた時などには底を取り直すが、ほとんど上からのタナ取りで、およそ海底から1.5〜2mでストップとかなりアバウトなタナ取り。それ以上はなるべく仕掛けを下ろさない。そんな釣り方で、途中3連釣もあり12時までに17枚。タナでのアタリの出方も注意を払っていれば外道と本命はほぼ区別が付くが、唯一コッパが啄ばんだ時のアタリの判断が難しい。12時30分、「戻るので少し走ります!」と船長のアナウンス。


左:茅ヶ崎沖、向うに烏帽子群礁が見える。右:右艫のベテランさんはアオイソで良型カサゴもゲット。

15分ほど走って江ノ島東の腰越沖で再開。しばらく本命のアタリが出なかったが、水深9mのポイントではやはり海草が多いと見てタナ狙い。上手いこと嵌って15cm級の小型だが2連釣できて19枚。またアタリが途絶えてしばらくは外道との戦い。13時30分を回った頃、少し沖に移動して水深約27m。ここは比較的平らで、感じは竹岡沖に似ている。トラギスがたまに食うくらいで外道がほとんど当らなかったので、弛ませたり張ったりのゆっくりした誘いで様子を見ているといきなりドン!と良型を思わせる重たいアタリ。食い込み良くガッチリ針掛かりしたのは23cm級。そして続けて一回り小さい22cm級を上げて21枚。その後、同じ場所でそれらしき触りが数回あったが、叩いて送り込んでも追い食いは無く、針掛かりまで持ち込むことはできなかった。


左:オハグロベラ、色んな色が居るもんですね。右:ゲンロクダイ、可愛らしくて水槽で飼いたいです。

その後も餌だけ取られたりで気配は続き、ここはまだ当たるかも・・・と思ったが、残念ながら次の潮回りで気配は無くなってしまった。そしてそのまま追加できずに定刻14時をちょっと回った頃、納竿のアナウンスとなった。バケツの中でコッパがまだ元気に泳いでいたので、15cm無さそうな3枚は放流してあげた。帰りは港まで約5分、ポイントが近いっていうのはいいな〜。依然北風は強いままで気温も低い。受付所に戻ると、カッパを脱いで荷物を整理。熱いお茶を頂きながら女将さんと少々雑談。漁港を出ようとした時、「あそこ(駐車場の途中)から出て、道を渡ってそのまま前の路地を入れば、駅の前に出るから近いですよ!」と女将さんに親切に教えて頂き、お礼を言いながら笑顔で帰路に着いたのであった。今日は終日特に良い食いは無かったけど、初めての船宿で湘南カワハギ、何気に楽しめた一日でありました。


帰り道、江ノ電て何だか風情があっていいですね。江ノ島駅と腰越駅の間は路面走行です。

余談ですが、茅ヶ崎沖でアタリが多い時間に『特上アサリ』を試しに使ってみたんですが、結論から言って所詮冷凍ものでしたね。塩で締めると小さくはなるんですが、なぜか締まらない。柔らかいまま粒だけ小さくなり過ぎちゃって使えるのほとんど無くなっちゃった。柔軟材でも入ってるのか?(笑)最初のモタレや本アタリで餌だけ取られること連発。本文には書きませんでしたが、あの時けっこうそれらしいアタリを逃したので、4、5枚は損したかも。(笑)納竿の時に惜し気もなく全部廃棄して来ました。それと、D社の『パワーフック』、茅ヶ崎沖でこれ見事に潰されました。黒鯛釣りでチヌ針やカイズ針を潰されたことはあるけど、カワハギ釣りでハゲ針5号思い切り潰されたのは初めてでした。フトコロ閉じちゃったもんね。魚デカかったのかな?それとも外道か?この針、けっこう折れたり曲がったりが多いですね、針先はいいのにね〜。残念!


本日の釣果 カワハギ 14〜23cm 21枚。15cm未満の3枚は放流してきました。

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