年末はヒラメも宝くじ

12月12日(日)、小網代の丸十丸からヒラメに行ってきた。
現在、東京湾は中の瀬にてシロギスが爆釣中。シロギス釣りをやっていながら今やらないのはアホじゃないかというくらいの釣れっぷりに沸いている。にも関わらず、天邪鬼な私の頭中はカワハギ一色なのであった。決して釣況の良くない中、渋い程に嵌るカワハギ釣りにずいぶん投資してしまったようだが、この経験が将来血となり肉となるのだ!(笑)とあくまでも前向きに捉えている私である。そして本日、この期に及んで何を考えているのか、宝くじのような三浦のヒラメ釣りに参戦である。なにも釣れない釣りを好き好んで選んでいるわけではないが、なかなか釣れないだけに1枚釣れた時の喜びはシロギスを束釣りした時、もしくはカワハギを50枚釣った時とは比べることができない異質な感動があるのは間違い無い。なのでたまにはこういう一発物系の釣りも楽しいのである。まあ年末ジャンボよりは確率は高いと思うが、これも通い詰めて何ぼの釣りだから、たまに出掛けても運がよければ・・・という域を脱することができないのも事実である。

朝、5時30分にkim君が迎えに来てくれた。昨日とは打って変わって今日は最高気温が1桁の予報。もしかしたら雨もあるかもしれないとの予報に防寒対策を十分整えての出発である。行程順調に6時30分過ぎには今日お世話になる小網代の丸十丸に到着。先着のS野さん、佐Tさんらと合流し、先に確保してくださった座席札を受け取り受付を済ます。早速お兄さん船長の15号船に乗り込み準備を始める。今日のメンバーは右舷ミヨシからkim君、私、右舷大艫からTAKIさん岡Bさん、左舷ミヨシからS野さんのお連れさんとS野さん、左舷大艫に佐Tさんの7名。そして我々以外にも予約のお客さんが8名ほどいらして左右の胴の間に4名づつ入り、総勢15名といつものヒラメ船からすると大混雑。船長も「今日は混んじゃったから分け前少なくなっちゃうな〜」と出船前から渋い顔だ。この時点でもう確率的に宝くじなのは決定。ここのヒラメはそう易々と釣れる代物じゃない。あとは外道でお土産でも稼げれば・・・と既に胸中はおかずゲットに期待を向けつつあった。


左:今日はワラサ船が出ないためかヒラメ船が珍しく混雑。右:S野さんは探検丸持参。

ポツリポツリと冷たい雨が落ち始めた7時45分、定刻より少し早い出船となった。例によって途中湾内の生簀で餌のシコイワシを積み込んでから沖に出る。船長によると昨日は朝方小網代沖で2枚型を見て、その後城ヶ島に行ったがエソばかりで本命不発、帰り際にまた小網代沖で1枚拾って船中3枚とのこと。昨日は人数は少なかったらしいが、今日も同じ戦略で昨日型を出したポイントから探っていくようだ。8時5分、真沖から少し北に向かった場所でスローダウン。最初は水深20m前後から開始となった。北東の風やや強く曇りで、時折雨が落ちるような天気で気温は低い。海上は多少の風波程度で十分な凪である。水色は澄みだが天気が暗いので明るい感じはない。風で上っ川が下げているので艫流し。いつものように船長の実況中継に合わせて海底をトレースしていく。


左:餌のイワシを積み込む船長、「これじゃ来年まで持たないな〜!」右:餌の積み込みが終わり沖へ繰り出す。

船中ダンマリの中、徐々に沖目に向かって流す筋を変えていく。9時、私の真後ろに居らしたS野さんの竿が曲がった。慎重に巻き上げて船長の差し出す玉網に収まったのは本日の1枚目。1Kg強の肉厚なヒラメである。潮尻の条件にも関わらず流石の1枚。これで俄然やる気上昇もやはり後が続かない。船長は砂地から根に掛けて丹念に潮回りを繰り返す。昨日も根に掛かる際で型が出たようなので、根に入る直前に必ずアナウンスをしてくれ注意を喚起する。9時30分、水深48m付近で怪しいアタリを捉えた。穂先を30cmくらいドン!と持ち込まれ、そのままテンションをキープし、次のズンズンと段を付けた重い持ち込みに着いて行く。そのまま胴まで絞り込む本アタリに備え緊張が走ったが、次の瞬間ガクン!と餌を放してしまった。残念!私の少ない経験から考えても、今のアタリは限りなく本命ぽかった。この人数でこのシビアな状況の中、この掛け損ないは後に響きそうでならない。


左:S野さん流石の1枚。右:後半戦、城ヶ島東は毘沙門の手前にて。

こういう掛け損ないをやらかすと、孫針を着けていたらもしかして・・・などと後悔しない訳でも無いが、食い気があれば一発で持ち込んでくれるし、孫針を着けたら着けたで、餌が弱りやすかったり餌の動きを阻害するような気がして、逆にアタリ自体が少なくなるリスクを考えると、やはり1本針で通した方が良いのではないかというのが私の基本方針である。もうひとつ1本針を使用する理由として、この海域は外道のエソが多い。エソが掛かると必ずと言っていいほど針のチモトに傷が付くので、必然的に次の投入で針の結び直しを行わなければならない。この時いちいち孫針仕掛けなんて結んでいる暇など無いし、その度に仕掛けを交換するのも非効率だからである。ここいら辺の事情を含め、船の流し方や攻めるポイントなど、もしかしたら本場茨城・外房のヒラメ釣りとは違う感覚なのかもしれない。・・・その後、気を取り直して次のアタリに集中するが、イカなどにかじられるだけで、本命らしきアタリは一向に訪れない。

10時、雨は本降り。横を見るとkim君の竿が曲がっている。一定速度で楽に巻き上げているので本命では無さそうだ。水面を割って現れたのは35cm前後のマハタ。これはラッキー、ハタにしては小さいが、お刺身一食分は十分に取れそうだ。次投でまた何やらヒット。これはマゴチ?かと思ったがワニゴチのお出ましだ。(後で調べたらイネゴチという種であった。)kim君、連続お土産確保でうらやましい限りだが、こちらときたらカサゴすら当たらないし、今日はおかずゲットもままならない。トイレに行きがてら後ろの様子を見てくると、艫の皆さんは何やらお土産を確保しているではないか。良型のカサゴやメバル、左舷の佐Tさんはアカヤガラ2本にカサゴ3尾。いいな〜胴の間から私までは何も当たらないのにね〜。やっぱ艫流しでこっちまでアタリが回ってこないのかな?その後、小網代沖では55m程度までの水深を探ってみたが、本命の顔は見ることができなかった。

11時、仕立でヒラメをやっている僚船も船中1枚がいいとこらしい。「昨日はエソしか食わなかったけど、ダメモトで城ヶ島に行ってみるか!」と船長。昨日は澄んで暖かいカワハギに良さそうな潮が入っていたけど、今日は天気が暗いから、状況が違うかもしれないと微かな期待を持っての移動である。10分ほど走って、城ヶ島の南西沖からトレース開始だ。城ヶ島は潮が速かったりよじれていることが多いが、今日はトロトロの艫流し。船長の卓越した操船技術もあり、しっかりタナを切れば必ず糸が立つ。人数の割りにお祭りなどは少なく釣りやすい。水深はだいたい25〜45mの範囲。相変わらず凄い根の中を攻めていくが、船長の実況中継があるので、気を付けていれば根掛かりはかなり回避できる。1、2mのアップダウンは当たり前、徐々に10m近く上ったり、下ったり。S野さんは探検丸持参だが、こういうところでは威力を発揮しそうだ。城ヶ島の南岸に沿って筋を変えながら幾度も流し換えていくが、船中なかなか反応は訪れず、依然厳しい展開のままである。

城ヶ島の南岸を流し終え、東側は毘沙門の手前まで移動。ここは砂地がメインで所々に円ら根が存在する場所。開始早々大艫のTAKIさんがマトウダイをヒットさせた。マトウが居ればヒラメも確立が高い。12時45分、船長が「根に入るから気を付けてやんなよ!」と言った途端、ゴツゴツしたアップダウンが始まり、次の瞬間ブルブルと久しぶりの生体反応。持ち込みが無いので聞き合わせで何やらヒット。上がってきたのは良型のメバルであった。やったぜ!今日初めて魚釣ったし。(笑)その直後、またTAKIさんの竿が曲がった。雑に巻き上げているようなので、エソかな〜と思って見ていると、何とヒラメじゃないの!少々小振りだがしっかり玉網でゲット。相変わらず後ろの方が賑やかだな〜。こちらも1尾釣れると何やら魚っ気が出てきて、次第にエソやらにちょっかいを出され始め、俄かに気の抜けない状況になってきた。ところが皮肉にもカサゴぽいアタリはスッポ抜け、エソは難なく針掛かりという悪循環でお土産は何にも増えないのであった。

雨は上がり空は急速に晴れ上がってきた。風は相変わらず強いがシケる風向きではない。14時30分、城ヶ島沖を撤退し、小網代沖に戻る。午前中やった30〜40m付近で、やはり砂地から流し始めて根に入り切ったら流し換えのパターンで攻める。15時を回って左舷の後ろの方で歓声が上がった。見えなかったが、どうやら佐Tさんがヒラメを上げたようだ。これも小型らしいが、この状況の中、リーオマスター・ヒラメを新調されての釣行だけに貴重な1枚である。残り時間は徐々に無くなり、諦めとも絶望とも言えぬ重たい空気が船上を包み始めてきたようだ。15時30分を回っても終わる気配無く、船長の流し換えは続く。こちらも最後の一発逆転劇を夢見て最後まで集中だ!しかし、期待に反して現れる生体反応はエソのアタリだけ。そして15時40分、「う〜ん、ここまでかな?(20秒空けて)それじゃこれで上がりましょう。お疲れ様!」という船長の声で敢えなく納竿となった。今日も大物の夢は叶わずジ・エンドである。

結局、ヒラメはソゲ〜1Kg強まで船中3枚の貧果に終わったが、3枚とも仲間内でゲットとなった。今日は終日艫流しなのもあって、お土産の外道も艫寄りの方が賑やかだったように思える。私の釣果はメバル1尾とエソ5、6尾と寂しい限り。ヒラメ釣りでカサゴが出なかったのはもしかして初めてかもしれない。潮が澄んでいたし、全体的にもカサゴの数はいつもより少なめだったようだ。kim君は第二子のご誕生で奥様は里帰り中。只今一時的に独身のため、マハタを除く(笑)カサゴとイネゴチを私にプレゼント。お蔭様で家族4人でお刺身一食分になりましたよ、どうもありがとう。(涙)いつもの空いている船では50号でやるのだが、今日は人数が多かったので規定に合わせて60号。しかもアタリが何も出ないから、ずっとタナを切って持ち上げているだけで重労働。肩や背中はパンパンに張ってしまいました。アタリが無いっていうのは本当に疲れますね。これで最後に一発ドカンと逆転ホームランでも打っていれば疲れも吹き飛ぶところなんですがね〜。また次回に期待です!皆様、今日は寒い中、本当にお疲れ様でした。


本日の釣果 メバル 26cm。寂しいのでkim君からの頂いたカサゴとイネゴチ(超マイウ〜でしたよ)も一緒に記念撮影。

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