未だ好調中の瀬のシロギス

12月26日(日)、磯子の根岸丸からシロギスに行ってきた。
先週は八景の荒川屋で年末シロギス釣り大会に参加し、運良く3位入賞。賞品に無料乗船券を頂いたことだし、たまには荒川屋でじっくりシロギス釣りを楽しむか!と思ったのだが、HPによると今週末は半日船のみの出船らしい。(実は一日船も出ていたのが後で分かったのだが・・・)半日船の午前・午後の通しも何となくかったるくて気が進まなかったので、今日は目先を変えて6月に初めてお邪魔して以来の根岸丸に足を運んでみることにした。最近の落ちギス事情としては、去年も厳冬期に中の瀬の20mあたりで食ってたりでおかしいな〜と思っていたが、今年も何故だか深場に落ちない様子で、去年より早い11月から中の瀬で爆釣が始まり、いまだにその好調が続いている。一方この私、シロギス爆釣を横目で見つつ、釣れないカワハギに嵌っているうちに好機を逃してしまうかと心配したが、連日の釣果を見ている限り、まだまだ衰え知らずだから、遅ればせながら何とか間に合ったようだ。

始発に乗ってJR根岸駅に5時44分に到着。国道16号をてくてく歩くこと八幡橋を左に曲がり、16、7分かかって船宿に辿り着いた。まだ真っ暗な船上に先客はおらず、とりあえず右の艫に荷物を下ろしてから店に入った。店内ではビシアジ船の常連さん2、3名と社長が雑談で盛り上がっていた。私もお茶を入れて頂き、話に参加させてもらう。スミイカ船でモンゴウの1.6Kgが上がった時の話、餌のシャコの入手に大変ご苦労されている話、シロギスが爆釣になった訳?など、早い時間に到着してこんな貴重なお話が聞けるのも楽しみのひとつである。7時近くになり、やっと明るくなってきたので船で準備を開始する。せっかく早く来たのにシロギス船はまだ私だけ、あまり混んでるのも遠慮したいが、逆にあまり少ないのも心細い。しばらくするとようやく1名の釣り人が左の艫に入られ、とりあえずは一人じゃなくなりホッとした。


左:まだ暗い船上に独り寂しく。右:7時30分、ビシアジ船の出船。

シロギス船は息子船長かと思ったのだが、今日はいつもは仕立船を担当しているという年配の船長が舵を握るようだ。待機していると船長がおもむろにこちらに歩み寄ってきて、最低でも1束、できれば130以上釣ってくれと言うではないか。いきなり何だと思ったが、話を聞くと連日並み、できれば昨日以上の数字を出したいらしいのだ。話をしているとここでは書けない事情が色々あるらしい。古くからやっている船長の面子もあるのだろう。で、シロギス釣りに慣れてるかどうか聞かれたり、竿1本しか出さないのか・・・など色々聞かれもしたが、どうやら悪い船長でもなさそうなので、出船間際になって「今日はよろしくお願いします!」と言うと、船長から「こちらこそよろしく!」という声が返ってきた。ヨッシャ!少々プレッシャーもあるが、課題が明確な方が燃えるタイプ?なので、この状況を逆手に取って一日楽しんじゃおうと思う。この時、何故かネガティブな気持ちにはならず、モチベーションがアップする自分が居た。やがて準備も整い、釣り客2名で定刻8時少し前に出船となった。

「中の瀬まで行くから30分くらい走ります!私も頑張ってやりますので、頑張って釣ってください。餌は足りなくなったら後ろに置いてありますから・・・」とアナウンス。20分程、ベタ凪の海を快走し、Aブイの下を回って少し東に進んだところで停止。船長が降りてきてスパンカを上げようとするが、帆を束ねてある紐ががんじがらめになって一向に解けない。私がアイスピックをお貸しするがらちが明かない。「あのヤロ〜!」と頭に血が上る船長。しばらくやっても解ける気配がないので、「面倒くせー切っちまえ!」ということで、ハサミでジョキン。「遅くなってゴメンネ〜」と船長。8時40分、ようやくスパンカが立てられて、Aブイと緑1番ブイの間を少し南側に下った辺りで船を北に向けると、「はいどうぞ〜やってみてください!水深26m。あまり深いところはやらないから・・・」と開始のアナウンスが出た。北の微風で晴れ、海上はベタ凪だが、航路が近いので大型船の往来で時たま大きくローリングする。今日は大潮で11時前に干潮とのことだから前半下げ潮、後半上げ潮と予想されるが、人数が少なく角度が使えるので、少し速めの潮を期待したい。

乗客は二人なので艫流しでもミヨシ流しでもどっちでもいいが、下げ潮がけっこう効いていて、どちらかと言うと右舷突っ込みの艫流しとなっている。開始1投目から難なく型が出る。今日も魚居るぞ〜!一荷もありで開始9投空振り無しでツ抜け。その後、流しの途中でちょっと空で回収することが多く首を傾げたりもしたが、朝の一流し、約50分で19尾だからまあまあ順調と言えるだろう。魚のサイズは先週の荒川屋の大会と同じような感じで、アベレージ18cmで大きくて22cmといった感じ。たまにピンも混ざるがこれは仕方ない。今日も高めの誘いは反応が薄い。先週と同じく低め&ゆっくり目の方がアタリが出るようで、叩いてからゆっくり聞き誘い、小突いてから停止、オモリを少し浮かして手前にスライドさせるような誘い方が有効と見た。底潮があまり効いていないのかオモリ着低直後に仕掛けが潮に馴染んだ途端、そのまま引っ張って行くような楽勝パターンは少ない。しっかり誘わないとアタリの間が空いてしまうが、やりようがある分、釣り的にはこちらの方が面白い。

10時、何だかリールの巻き心地に違和感を感じながら3、4投していたのだが、良く見るとベールの付け根のローラーが破損し、回転部のパーツがズレてラインが隙間に食い込んでいた。ガビ〜ん!ステラ5回目の入院決定。壊れやすいね〜やっぱり、ここって前に部品交換した所なのにね〜。いくら使用感抜群でもあんまり壊れるともう使ってやらね〜ぞ!(笑)コンクエストと言いステラと言い、何しろ故障が多いのが困る。リールもそのうち全部D社に乗り換えちゃおうかな。予備のリールはツインパワーだからこれもS社だった。(笑)リールを交換し、先糸から仕掛けまで再利用して釣り再開。少し北風がそよそよしてきて、暑いくらいの陽気だったのが少し肌寒くなってきた。釣っていると、入れればすぐ当たるって感じの食いじゃないけれど、かと言って空で上げる回数も少なく、同じようなペースでポツポツ釣れ続く。ペース配分的には急に食いが落ちなければノルマの1束は固そうである。

11時で61尾。何だか嫌な風になってきたと思う間もなく、いきなり北から突風が吹き始めてしまった。北風が強くなる予報だったが、こんなに急に吹かなくてもいいのに。体感風速は13〜15mくらいか、みるみる海は真っ白、波も高くなってしまい、ベタ凪から一変してドッタンバッタンの釣り難い世界。艫でも立って釣るのが怖いくらいで、仕掛けを投げる時だけ立って、それ以外は座りながらの釣りにした。船長も「揺れるから注意してやってね〜!」とアナウンス。こんな海況だと普通は食いが落ちても良さそうなものだが、今年のシロギスはコレ式ではへこたれないほど居るようで、きちんと誘えば何事も無いかのようにアタリは出る。船下から近めは船の上下で動きすぎるので、今までよりも遠投して揺れの影響が少ないように意識して釣る。それでもやっぱり微妙な部分が上手くコントロールできず、掛け損ないやすっぽ抜けが何発もあったが、お昼で83尾。ようやく束が見えかけてきた。船長に1束まであと何匹か聞かれたので、1束行ったら早上がりするつもりなのだろうとピンと来た。

お昼を回ると上げ潮が効き始めてきたのが分かる。船長は東寄りに船を進め、緑1番ブイの南西沖に移動。ここは一段水深が浅いようで、上げ潮が効いた方がデカイのが食うらしい。潮は午前中と違い若干払い出しの艫流しとなった。12時40分、1束達成。船長に報告するが、一時より風が落ち着いてきたようなので、頑張ればこのままできるだろうとのこと。「こうなったら130まで釣っちゃって!」と言われる。海上はだいぶ白波が収まったが、少し東っ気が入ってきた分依然ウネリは高い。14時、「まだ130いかないか?」と船長。「あと5、6匹です!」と私。少し底荒れしてきたか、やたらと仕掛けに海草が絡まり釣り難いが、魚が上ずってきたようで、けっこう空中戦でアタリが出るようになってきたのが嬉しい。叩いて少し馴染ませて、そのまま大きく頭上まで仕掛けを持ち上げると、途中でクッとモタレが出て、そのまま穂先に重みが乗る。そこから竿を起こして乗せるか、それ以上起こせないときはそのままリールで巻き合わせである。今年は盛期の久比里でもこれが無かったから、このパターンで食わせるのはずいぶん久しぶりである。


左:突風が吹き始めて海上荒れ模様。右:良型多く、終わってみればクーラー一杯。

あっと言う間に130尾を達成して135尾になったが、言うと早上がりされちゃいそうなので黙っておく。(笑)14時20分、船長に数を聞かれ答えると、「よし!じゃああと1匹づつ釣ったら上がりましょう!」と最後の1投。同じく空中戦で20cm級のダブル。137尾となったところ、今日はこれにて撤収となった。40分短縮がちょっと悔やまれるが、この海況では仕方ないだろうし、やっていても自己記録までは無理である。さっさと片付けてキャビンに非難した。結果、私が上記の通りで、もうお一人が96尾とのこと。(後で数えたので、先に分かっていれば束行くまでやらしてくれたと思う。)今日は船長も昨日を越えるノルマ達成で鼻高々といったところかな?船宿に到着すると、「お疲れ様!また一緒にやりましょう!」と声を掛けてくださった。荷物を上げて宿で一服していると、女将さんに暖かいおでんをご馳走して頂き、空きっ腹にすっと納まって満足指数120%。そして帰りは電車だと言うと、車でJR磯子駅まで送ってくれて助かりました。

今年最後のシロギス釣り、束釣りで締めくくることができて個人的にはメデタシメデタシ。夏場の下浦沖で一回も届かなかったのにね〜。このところの中の瀬は数も多いが平均サイズが良く、アベレージは18cmくらいだろうか。ピンも居るけど中良型が多いし、それも一荷で来ることがけっこうあるから、釣り応えはなかなかのものである。お陰で今日は12リットルクーラー9分目まで埋まる凄いボリュームとなった。出船前、初対面の客にノルマを言い渡す船長も如何なものかと思ったが、その反面すごく一生懸命やってくれて、こちらの釣れ具合を見ながらマメに流し換えてくださり、何だか意気に感じるところがあったので、それに応えるべく飯も食わずに頑張って釣った。こちらも無事にノルマを果たすことができ、それなりの達成感もありで、何だかスッキリ充実した気分で帰宅することができた。しかし、数釣るのは良いのだが、これだけ持って帰ると後が大変なのだ!帰ったらすぐ飲みたいけど、全部処理が終わるまでは缶ビール1本で自粛か?(笑)嬉しい悲鳴なのであった。


本日の釣果 シロギス 12〜22.5cm 137尾。

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