アマダイで年末おかずゲット大作戦

12月28日(火)、久比里の巳之助丸からアマダイに行ってきた。
今日は今季2回目、11月3日以来のアマダイに挑戦。巳之助丸のアマダイは、カワハギ最盛期の間は平日出船なので、乗る機会になかなか恵まれなかったが、今年は12月中旬から毎日出船となったので有り難い。(あっ今日は平日でしたね。笑)またあの美しい魚に会えるかどうか、最近は大釣りこそ無いものの安定して型は出ているようだし、何とか1本は期待したいところである。そして美味しい外道もこの釣りの大きな楽しみなのだ。今日は何が釣れるかな?いつもの時間に船宿に到着すると、16号船がアマダイ、21、23号船がカワハギ、20号船がタチウオに出船するようだ。年末とは言っても今日は平日なのもあり、お客さんの出足は少ないようで、アマダイ船は両艫に先客が居るものの前はガラガラだ。カワハギ船もミヨシは空いている状況である。潮先絶対有利のアマダイ釣り、今日は風向きからして艫に入りたかったが、右舷ミヨシに荷物を下ろした。


左:アマダイ船は夏のシロギスでお世話になった16号船。右:カワハギ船2杯出しも乗客は少ない。

出船まで1時間40分もあるので、アサリを剥くでもなく暇である。なるべくゆっくり行動するが、こういう時はなかなか時間が経たないものだ。店に受付に行ったついでにお茶を入れて頂き、女将さんや駐車場のおばちゃんとしばし雑談。今日はお客が少ないので店も何だかのんびりムードである。おばちゃんに「最近カワハギに上手い人が乗ってくれないから釣れないよ!誰かはアマダイとか言ってるし!」とからかわれる。ふと壁に目をやると、先日出た大物カワハギの魚拓が貼ってある。38.5cm、1.1Kg。良く見ると本当にデカイ座布団級カワハギだ。何でも久比里三店でも記録だそうだ。こんなの掛けたらどんな引きするのかな〜。意外と超大物ってあまり引かないで上がってきたりするのかな〜なんて想像が膨らむが、釣られたご本人と面識が無いので聞くこともできない。どんなカワハギ師も夢見る超大型、本当に羨ましい限りである。もしこんなの私が上げたら、すぐH頭さんにお願いしてレプリカ作成間違い無しだ。(笑)釣られた方、本当におめでとうございます。

何だよ、まだ30分も経っていないぜ。(笑)とにかく暇なのである。あまり店の邪魔してても悪いので、仕方なく船に戻り準備を始めることにした。どんなにスローモーションで動いても1時間前には準備が完了してしまうから悲しい。(笑)今日はマルキューの丸特オキアミを用意するのを忘れてしまい、予備に前回乗船時の残りのオキアミを持参したが、とりあえず尻尾を全部切り落としておく。その後、2名のお客さんが見え、左右3名づつで都合6名で出船になりそうだ。これだけ間隔が取れればお祭りもしないだろうし、割り当ても多そうだ。時々親父さんが様子を見に来て、割り当てが減るから、つめないで広く間を取るように促す。これを考えると混んでいるときには24名くらい乗るわけだから、やっぱり釣りは平日に限るのだ。艫のお二人連れのお客さんも同じことを会話しているのが聞こえてきて、思わず顔がほころんでしまった。そりゃ誰だってそうだよね。


8時、久里浜港をいよいよ出港。

7時30分にタチウオ船が出船し、ようやく8時近くになると、おばちゃんが現れ札と交換にオキアミを配ってくれる。さて待ちに待った出船である。私がミヨシの舫いを解いて、柱を強く押して船首を外に向ける。潮位が高いので橋をギリギリに潜る。それも2本目の橋が一番際どい。久里浜港でスパンカを上げ沖に出るが、予想以上に北東風が強い。この風向きの日は東電の青い壁の前を通過する際、波がしわ寄せてバッコンバッコン低速航行である。沖に出ると一層風が強く、思いのほか海が悪くてビックリだ。追い風なので飛沫は浴びないが、海上真っ白で相当風波とウネリがある。アマダイ釣りでこれはマズイな〜と早くも苦戦が予想されるのであった。20分程走ってここは一応剣崎沖。千葉県との中間くらいだろうか、マダイ・ワラサ船団が遥か陸よりに見える。船を風上に向けた途端ビュービューと風が吹きつけ、ドッタンバッタンと上下動。しかし、ここで戦意喪失していては負けである。こういう日はどうやって釣れば良いのだろう。このところアマダイは毎回凪続きだったので、状況への対応という課題をいきなり突きつけられた感じだ。


北東風ビュービューで海悪い中のスタート。

8時35分、開始の合図が出て1投目。北東の風強く晴れ。海上は1.5m前後の波で水色は澄み。今日は大潮で干潮が12時前の予報だから、現在のところ下げ潮。水深は電動のカウンターで約85mである。最初はアタリ無しですぐ移動。そして一段深い95m前後。早々に何やら細かいアタリ。上がってきたのはクラカケトラギスである。コイツ不思議と同じサイズが浅いところから深いところまでどこでも居るんだよな〜。波で上下動があるので、タナは低目を基準にして、仕掛けが不意に動くことを計算してゆっくり目の誘い方を試す。トラギスを5尾くらい釣った後、ちょっと良いアタリが出て針掛かり、引き方からしてキダイかなと思ったら20cm級のカイワリ、嬉しい外道のお出ましだ。その後もう1回、同級のカイワリらしき魚を後10mくらいのところまで巻き上げてすっぽ抜け。途中でバレたからやはりカイワリっぽい。もったいないことをしたもんだ。潮はほとんど動いていない。大潮なのにな〜。この潮じゃアマダイの顔を見るのは厳しい。とにかくアマダイ釣りは凪・澄み潮・潮の動きが三大条件である。特に潮の変りっ端に突然当たることが経験上は多く、微妙な条件の変化が食いを敏感に左右する種目なのだ。

10時頃、少し風が落ち着き始めたかと思ったのも束の間、また吹き始めてきた。今日は凪ないまま終わりかな、鼻水が垂れてくるし厳しいぞ〜!11時、胴の間のお客さんが置き竿に何やらヒット。上がってきたのは30cm級のアマダイ。本命の姿を見せられるとこちらも気合が入るが、気合は空回りの一途。当たるのはトラギスとヒメばっか、しかも一荷でバリバリ食ってくる。誘いがマッチしてしまっているのかな〜。11時30分、何だか重たい持ち込みに竿を立てると凄い重量感だ。動いているから根掛かりでは無い。電動中速で上げるが、ドラグが滑ってなかなか上がってこない。途中、断続的に激しい叩き込みで抵抗を見せるが、本命ぽく無くも無いから慎重に対応する。やりとりしながら、こんなに重たいアマダイは居ね〜よな〜。アマダイだったら70cm級か?(笑)と薄々正体に気付き始めていたのだが、上がってきたのは案の定、3Kg以上ありそうなサメだった。ガックシ。


左:たまに見かける魚、調べたらアズマハナダイ。右:最後には風が止んでベタ凪。

12時、少し風が収まり、それに伴って海が少しは平になってきたように感じる。潮回り後、全然動いていなかった潮がトロっと動き出した。上げ潮が入ってきたかな?と誘いを続けていると、ちょっとこれまでの小魚とは明らかに違うアタリが穂先を叩いた。タナを低めに誘っていたせいか、それ以上の引き込みが無いが、何やらモゾモゾした感じが残っていたので、リールを2、3回巻き込んでから様子を伺うように竿を立てると、ドンドンドン!と胴まで入る重みが伝わる。間違いない、これはアマダイだ。ようやく本命ヒットだ!と思いながら、前回のイラの件があるので、オレンジ色のが浮いてきても動じないよう精神状態を整えながらドキドキして巻き上げる。(笑)途中のハラハラする引きを竿でかわしつつ巻上げが完了し、テンビンを掴むと海中に青白い影。ヨッシャ!間違いなく本命だ。ハリスを手繰り寄せると中型のアマダイが針を2つとも飲み込んでいたので、躊躇無くそのまま抜き上げる。ヤッタ〜!これで今日も坊主逃れたぞ〜。

潮の流れは物足りないが、幾分の動きは残っているので今がチャンスと誘いに集中するが、外道の活性が絶好調。しかも仕掛け落下中にサバに捕まることもしばしば。何とも中途半端なサバだが、一応血抜きして持ち帰る。海上は徐々に凪いできて、やっとアマダイ釣りらしくなってきたのはいいのだが、外道の猛攻をかわすことができない。水深100m超で着底後、1回誘うとすぐアタリが出てしまう。それもカイワリやアカボラなら歓迎なのだが、ヒメやトラギスが一荷で上がってくる。トラギスも美味しい外道なのは間違い無いけど、この魚はどうも好きになれない。何故ならシロギス釣りでもカワハギ釣りでもいつも邪魔物。シロギス釣りでコイツに針飲まれると仕掛けパーだし、普段散々やられているので、こんな水深で釣りしててコイツが上がってくると、腹は立つけど持って帰る気がしないのだ。幸い水圧には強そうなので、針を飲んでいなければ生き長らえるかも知れない。

14時、水深105m。船が払い出しに動いた。道糸が沖に斜めに出るが、これもチャンス。この時にオモリを50cmくらい浮かして、シロギス釣りで言うカーブフォール(言わないか?)の状態を作ってやると比較的当たることが多いのだ。外道にやられたので餌を付け直して再投入。すると読みバッチリ。穂先がドン!これは間違いなく本命のアタリだ。最初のアタリの後、そのままモタレて重みが消えなかったので、テンションを掛けてやると、ダンダンダン!と針掛かりだ。これは最初のヤツより一回り大きいかもしれない。中速でゆっくり巻き上げると、水圧の変化に弱いアマダイもけっこう浅いところまで抵抗を見せるから気が抜けない。水面で確認するとガッチリ針が掛かっていたので、これも躊躇無くスポンと抜き上げた。やっぱりさっきの魚より一回り大きい。この条件で2本、これなら今日は合格点だよね〜と自分で自分を褒める、いわゆる自画自賛というやつである。(笑)

話し相手も居ないので、最後まで釣りに集中するしかないのだが、とにかくヒメが煩い。海上はすっかり凪になったが、ヒメの入れ食い。タナ関係なく当たるほど群れているようだ。たまにこれに混ざってキダイが顔を出す程度で、アマダイ釣りをさせてもらえない状況が続く。納竿の15時、最後もヒメの一荷で今日は終了である。ということで、今日は本命のアマダイは2本。不思議とここ2年以上アマダイでアブレが無いというのは我ながら奇跡的?と思えるほど好調なのである。あまり回数やらないからかも知れないが、今日もアマダイの他、幾らか外道も持ち帰ることができ、年末おかずゲット大作戦は一応の成功を見たのであった。毎度のことだが、帰り道、どの魚をどう食べようか・・・美味しい料理に思いを馳せながら、海の恵みに感謝である。今年の大晦日は鰺刺しで飲もうかと思い、30日にもう1回、最後のアジ釣りに行くかもしれないが、何だかこれで終わってもいいかな?と思えるほど今日は気分的に充実した釣行であった。


本日の釣果、アマダイ 35〜37cm 2本。外道にレンコダイ(キダイ)、カイワリ、アカボラ(ヒメコダイ)、アズマハナダイ、カナド、ヒメジ、ゴマサバ、ウルメイワシ。その他、ヒメやトラギスの類が合わせて5、60尾釣れましたが、すべて放流しました。

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