イワシメバルでのんびりイヤシメバル

2月5日(土)、長井漆山港の昇丸からイワシメバルに行ってきた。
今年も春の風物詩イワシメバルの季節がやってきた。この釣り、もともと私にはまったく縁の無い釣りだったのだが、昨年、KOBIさんに同行させて頂いたのをきっかけに、初めてその楽しさを知った次第。あれは去年の2月14日、葉山は五エム丸からの出船だったが、このときの釣果はカサゴばかりでメバルは1尾と振るわず、昼から春一番に見舞われ泣く泣く早上がりとなった。OKAZUさん(当時はOKAZUさん)とお会いしたのもこの時が初めてで、強く思い出に残る釣行である。今日はKOBIさん企画の仕立船で、参加メンバーは総勢11名。私は先週の撃沈カワハギの傷を癒すべく(笑)、皆さんとのんびり楽しく、あの美しいメバルに会えればそれで良い、そんな気持ちでいよいよ待ちに待った当日がやってきた。

前日の予報では西の風やや強くのち北の風、波は1.5mとのこと。西風に弱い相模湾、凪を釣りたいイワシメバルだけに海況を懸念したが、朝インターネットで風の状況を確認すると、うっそ〜!というくらい風が無い。これはイイかも!相変らず当てにならない天気予報、良い方に外れてくれる分には大歓迎である。5時前に963さんが迎えにきてくださり現場に急行。いつもお世話になり恐縮です。漆黒の漆山港に5時45分頃に到着すると、既にOKAZUさん、烏賊飯さんの姿が、そして順次皆さんもご到着で、6時過ぎにはメンバー全員が無事揃った。出船時間まで駐車場で談笑すること徐々に夜が明けてきた。KOBIさんお手製の釣り座抽選くじを引けば右のミヨシ1番。何と特等席を引いてしまったではないか。このところのくじ運の良さは本人もビックリである。餌の生きイワシを積んだ船が堤防に着けられると、女将さんの誘導でやおら乗船。各自仕掛けや餌の準備をしつつ、6時30分を回った頃、親父船長の操舵で出船となった。


左:メンバー無事集合、期待でテンションが高まる。右:いざ出船。

今日のメンバーは右舷ミヨシから私、烏賊飯さん、KOBIさんの会社の方、OKAZUさん、ITAMASAさん、シロギスさんの6名、左舷はミヨシからKOBIさんの会社の方2名、TAKEさん、KOBIさん、963さんの5名である。船は港を出て5分足らずの消波ブロックの沖で旋回、「仕度ができたらやってみてください!」と船長のアナウンスで早速始まった。北東の弱風、晴れ。海上はベタ凪、水色は澄み。最初は水深8m程度のポイントからスタートである。まだ日が昇りきっておらず、海中は暗く見える。いわゆる朝マズメのチャンスタイムだ。1投目から何やらアタリがあるも掛からず。そして2投目、先にお隣の烏賊飯さんが20cm級の初物を上げた。すると私にもゴツゴツっときて、そのままテンションを抜かずにモタレをキープしていると、ゴゴゴ〜ンと竿が胴まで入り込んだ。私も早速1尾目をゲット。背中が茶色くお腹がオレンジ色に光る美しいメバル。1年振りのご対面に笑顔である。

海中がまだ暗いせいかタナはオモリの位置で底から2m程度上で当たることもあり、活性は良さそうだ。その後、入れアタリなのだが、針掛かりする率は半分以下と低い。ゴンゴ〜ンと胴まで持ち込んでから竿を上げるとすっぽ抜けてしまい熱くさせられる。今日は餌のシコイワシがちょっと大きめで、中にはヒラメ釣りで使うくらいのサイズも混じっている。イワシメバルには煙草1本分のサイズが理想と言われているようで、昨年、五エム丸、海楽園と2回釣行した時に7、8cmの小さいイワシだったのに比べると、今日は平均10cm以上ありそうだ。メバルは自分の体長ほどある大きい餌にもアタックしてくるが、餌が大きいと全部飲み込む前に竿を絞り込んでしまうのか、なかなか針が口まで届かない。当たる確立の高い下針になるべく小さい餌を着けて、上針は目立たせるように大き目の餌を着けてみることにした。

今日の道具は3mのメバル竿にミリオネアのコンビ。仕掛けは幹糸(ピンク)1.5号の胴付き2本針、間隔はオモリから45cm、110cm。極小の接続金具(ヨリトリックSS)でハリス交換を可能にしている。ハリス(ピンク)は0.8号55cm、針はヤマメ針9号。PE1.5号の先糸にフロロカーボン(黒)を3m直結、先端に小さめのスナップサルカンを取り付け、このスナップを上針のエダス接続金具(ヨリトリックSSの道糸側)に止める形を採っている。オモリはイワシメバル用に販売されているもので、根掛かり防止のために細長い形状をしたこげ茶でカジメ色の15号オモリを使用。去年、佐島で起伏が激しく海草の多いポイントをやったので、幹糸5本にハリスを約30本結んできたが、今日は多少の根があるものの、引っ掛かるのは海草が多く、オモリを取られるような酷い根掛かりは無い。ただ、イワシのサイズが大きいので10号か11号の針を結んできた方が魚の掛かりが良かったかもしれない。


左:次第に日が昇りマズメのチャンスタイムは終了か。右:長井沖から南側に移動。

朝一から30分くらいはけっこうアタリがあって、掛からないのが多いとは言え4尾ほど釣れた。時間が経つに連れてアタリが遠くなると、船長は荒崎の南面に船を進めた。こちらに移動してからもなかなかアタリが出ず、早くも辛抱の時間帯に突入。潮は特に流れておらず、船は前進しながらポイントを探るので、ミヨシ突っ込みが基本形のようだ。たまに風に任せて艫流しにしたりもあり、全員に満遍なく釣らせようという船長の配慮なのかもしれない。たまにグ〜とモタレて、竿を上げると軽くなる。餌のイワシがきれいに真二つにされていたり、背中がえぐられたようになっている。たぶんイカの仕業であろう。水深が浅いので、しばらくアタリが無いときは餌のチェックをマメに行った方が良い。メバルのアタリが出ないと船長は細かい移動を繰り返し、水深4、5mから深いところで10m強までを点々と探り続けていく。長井真沖は少し赤味掛かったこげ茶色のメバルが多かったが、一転してこちらのメバルは金色系だから面白い。一説によると赤味掛かっているメバルが一番高級と聞いたことがあるが、実際はどうなんだろう。食べ比べてみようかな。

お隣の某烏賊飯さんが「カサゴが全然釣れないよ!」と大声でクレームを叫ぶと、それを聞いた船長、「ここはカサゴ居ないよ!カサゴはもっと深いところ行かないとね〜。お客さんメバル狙いに来たんでしょ!」と、もしかして釣り物間違ったと思ったのだろうか目が点だ。内心、カサゴのポイントに移動されたら嫌だな〜とちょっとヒヤヒヤだった。(笑)カサゴ釣りだったら今度、専門の船にでも乗りましょうよ!でも、噂によるとここ昇丸でカサゴ狙うと面白いらしい。船長秘蔵の根があって、40cmオーバーを全員に行き渡るほど釣らせてくれるという話を聞いたことがある。以前、友人が釣果の写真を見せてくれたけど本当に凄かった。場荒れするので、そこは短時間しかやらないらしいし、いつもそんなに上手く行くかどうか分からないけど、こちら相模湾側はカサゴ専門の乗合も無いし、ヒラメ釣りなどしていても良型のカサゴが混じるから、狙い目としてはいいかもしれない。今度カサゴ専門に仕立ててみるのもマジで面白いと思いますよ。

9時10分、久し振りにメバルのアタリ。グォ〜ンと豪快に胴まで絞り込んでくれたのは23cm級の良型だった。1時間以上アタリが無かったが、この流しに入ってから周りの皆さんもアタリが戻り始め、そこいら中で竿が曲がっている。潮が少し流れ出したようで船が横に移動する。左舷ミヨシで一荷やダブルヒット、右舷艫のシロギスさんも一荷。うらやましいな〜!ちょっとこれまで以上に強い引き込みに私もついに一荷かな?と期待したが、一荷は一荷でも下針はスズメダイで苦笑。こんな小さい魚なのにちゃんと口に針掛かりしているから不思議だ。完全に日が昇ると餌取りのアタリが活発になる。ガツガツと良いアタリが出てグ〜と勢い良く引っ張っていくが掛からない。上げてみると餌が真二つ。これはメバルのアタリじゃないな〜。何度もこんなアタリにやられたが、ようやく正体を突き止めた。案の定オハグロベラの仕業である。そして束の間のゴールデンタイムも10時頃になるとまたアタリが落ち着いてしまった。この時点で私12尾。


左:荒崎を臨む。右:餌取りの正体はオハグロベラ。

10時30分、荒崎から北に回って長井沖に移動。朝一でやった辺りから再び探索開始である。水深が5〜8m程度だと底は丸見えで、餌のイワシが横を向くと光に反射して確認できるほど澄んでいる。砂地の中に根と海草の林があり、船上から見ると海底の状況が白黒色分けされてはっきり分かる。しばらくアタリが出なかったが、11時30分頃からいきなり状況好転。気配濃厚である。仕掛けを海草の林に入れて、オモリは殆ど浮かさず、10秒くらい静止させた後、ゆっくり聞き合わせすると途中でモタレが出る。そのモタレが海草に引っ掛かっているのか生体反応なのかをよく見極めて、それがアタリと判断したら食い込みを見つつ、ゆっくり聞き合わせていくとゴンゴンゴ〜ンと針掛かりする。このパターンが嵌ってまたアタリが戻ってきた。相変らずベラも多いし、せっかくのメバルがすっぽ抜けてしまうこともあるが、お昼過ぎにようやく20尾に到達。

その後、また船中ポツ〜ンポツ〜ン状態に戻ってしまったが、13時前、良い場所に入ったか立て続けに3回当たったが全部バラシ。もったいないな〜。小さめのイワシが無くなってしまい、ちょっと大振りの餌だったので仕方ないかな。一応針を交換し、その後ようやく18cm級をゲットしたものの、いよいよ残り時間が少なくなってきた。13時15分、幹事役のKOBIさんが「後15分で上がりますんで!」と皆に声を掛けてくださる。その後、私は下針が切れてしまったので、残った上の1本針に大きいイワシを着け、ベタ底の弛ませ釣りで大型を狙ったが不発。そして13時30分を回り、皆さんボチボチ竿を畳み始め、概ね片付けが終わったところで帰港となった。終わってみれば一日ベタ凪、予報の西風なんてどこに行ったか、OKAZUさんの南西強風パワーは今日のところは封印、終日北東風の最高の釣り日和に恵まれた。釣果の方は小振りもキープしてしまったが、21尾とお土産的には満足の量だ。

KOBIさんは烏賊飯さんが様子見に来て以来絶不調に陥り、途中どうなることかと思ったらしいが、後半持ち直したようで何よりだ。烏賊飯さんが「KOBIさん釣るな、バラせ、外れろ」って念じていたらしい。(笑)烏賊飯さんて実はそういう人なんですよね〜。カワハギ釣れると誰にも気付かれないようにそ〜っと仕舞うし、スミイカ行ったときは釣り方絶対教えてくれないしね〜。(笑)たまたまKOBIさんがこちらに様子を見に来ていたとき、烏賊飯さんに待望のカサゴがヒット。ところがそのカサゴ10cm級のチビカサゴ。あれだけカサゴカサゴと言っていたのにちゃんとリリースしてたから大したもんです。後で何言われるか分かりませんからね〜。でもクーラーの中にもっと小さいカサゴが入っていたという噂も・・・。(笑)今日は余計な食いは無かったけど、皆さん釣果も平均していたことだし良い仕立船でしたね。帰りは宿でうどんとサヨリのフライをご馳走になり、採れ立てのワカメをお土産に頂いて三々五々帰路に着いた。イヤシメバル楽しかったですね〜。皆さんお疲れさまでした。そして幹事役のKOBIさんありがとうございました。またこんな感じでできれば楽しいですよね。次回も是非よろしくお願いいたします。


本日の釣果、メバル 15〜23cm 21尾、カサゴ 1尾。餌のシコイワシが大きめだったのもあり、掛からないアタリが多く、上がるのは20cm級のメバルが多かったです。外道のオハグロベラ、アナハゼ、スズメダイは放流しました。

今日は下の3パターンのメバルが釣れました。@は荒崎の南面、ABは長井港の真沖に多かったと思います。釣れる場所によって傾向が違うようで面白いですね。


@背中が黒く側面からお腹にかけて緑掛かった金色のメバル。


A黄銅色で模様があるメバル。B赤味を帯びたこげ茶色のメバル。

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