大人数に潮動かずで厳しいアマダイ

2月12日(土)、腰越港の多希志丸からアマダイに行ってきた。
アマダイは数年前から久比里出船で乗り始め、釣行回数は少ないが、私にとって冬の楽しみのひとつになっている。今日お世話になる多希志丸は昨年12月、カワハギ船に乗って以来、3度目の釣行になるが、行く度に同時に出船しているアマダイ船の釣果が良く、型こそ久比里に及ばないものの、数は良い時で2桁も多いから、湘南アマダイの魚影の濃さは折り紙付きである。また見る度に乗船人数が少ないのも大きな魅力だった。今週末は三連休のため、金曜日にアマダイ、日曜日にオニカサゴと電動赤物系2種目を企んだが、初日は前夜に仕掛け作りが間に合わず、両種目どちらも断念して休養。オニカサゴは行くとしたら初めての船宿だし様子分からず、持ち込み餌の準備などがあったのでまたの機会に、本日土曜日はアマダイに出撃することに決定した。

いつものように始発電車で船宿に到着すると、やけに駐車場の車の数が多いので嫌な予感がしつつ、受付を済まして船に乗り込むとビックリ、抵抗無く入れる釣り座は左舷胴の間のトイレの前しか空いていない。マジかよ〜いつもの週末は5、6人しか乗らないのに・・・恐るべし連休中日。出船ギリギリに到着されたお客さんは強引にどこかの隙間に入らざるを得ない状況。あっち行けオーラが飛び交いムードは良くない。こんなこと週末の乗合船ではよくあることだが、水深を考えてもまともな釣りが可能な人数を越えているのは間違いない。結局、人数を数えると左右10名づつのちょど20名。私は左舷の前から4番目、後から7番目。今日は出船前から苦戦決定、連続ボーズ無しのアマダイもついにドツボの日に嵌ってしまった感が既にムンムンなのであった。失敗した!日曜日にすれば良かった・・・と思っても後の祭りである。モチベーション既に低下、でもも〜やるしかない。


左:朝、到着したらもうこんな感じ、今日は何故か凄い人。右:いざ出船。

念のためバッテリーを持参したが、ちょうど足元に電源があったので、それを使うことにした。船のエンジンが掛かるとリールの液晶が点灯。仕掛けはいつも通り、片テン2本針仕掛けで、元素4号1m、クレン親子サルカンから先素3号1m、枝素3号30cm。針は丸カイズ13号。チモトには0号の極小の夜光玉。オモリはいつも久比里では80号を使用しているが、湘南方面では60号統一のようだ。剣崎、富浦と比べてこちらは攻める水深が若干浅く、潮流もさほど速くないため60号で釣りになるのだろう。最近アマダイ釣りでクッションゴムを着けている人をよく見かけるが、これは絶対に止めた方が良いと思う。理由は言うに及ばず。餌は船宿でオキアミが1パック支給されるが、私はいつも愛用のマルキュー丸特を2箱持ち込み、オキアミの尻尾は予め前夜に切り落としてきた。運良く両隣の釣り人が気さくな方で良かった。「よろしくお願いします!」とご挨拶を交わし、準備が整った6時55分、親父船長の操舵で第5多希志丸の出船である。

船は南南西方向に直進、江ノ島を真沖に進む。10分程走ってスローダウン、旋回して船首を北に向けて停止。7時13分、「はいどうぞ〜水深71m!」と船長のアナウンスで開始となった。北北東の風やや強く晴れ、海上は凪で水色は澄み。今日は中潮で満潮がちょうど今頃の7時過ぎ、干潮が13時過ぎの予報だから、終日ほぼ下げ潮の予報である。第1投、60号のオモリは難無く着底、道糸を立て仕掛けが馴染んでからいつものように誘いに入る。海底はズボッとした砂泥底みたいだ。何回か誘ったところでドドドン!と本命を匂わせるアタリが出た。そのまま竿を立てると一瞬引きが伝わったが、巻き始めると急に重たいだけになってしまい、どうやらお祭りした気配。せっかくアタリ出たのにな〜。やっぱりこの状況は厳しいな〜と思いつつ、オモリを置いて仕掛けを手繰ると、水面下に青白い影。あれ!アマダイ着いてるじゃん。そのまま抜き上げると34cm級の本命。ところが口から2本糸が出ていて、もう1本は右隣の常連さんの仕掛け。ちゃんとアタリ取って巻き上げたのに、開始早々参ったな〜!


朝焼けが美しい。

お隣さんが「両方飲み込んでるね〜!ジャンケンしようか?」、私が「じゃジャンケンしましょう!」と言うとその常連さんが「やっぱりいいや!入れちゃっていいよ!」と譲って下さった。私はお言葉に甘えさせて頂き、後味は少々よろしく無いけど、とりあえず1投目で初物ゲットと相成った。なんだかね〜。同時に食っちゃうくらい隣の仕掛けが接近してるってことだもん仕方ない。その常連さんは毎週アマダイに通っておられるそうで、先週も良型含みの9本でHPに写真が載っていた方である。今のところゆっくりした艫流しで外道のアカボラなども艫の方が好調、こちらはそれ以降、外道のアタリもなかなか出ない状況。船中たま〜に誰かがアマダイを上げるが、どれもサイズが20cm台半ばの小型ばかり。こういうのしか釣れない日は得てして潮が良くないのである。艫よりのお客さんが25cm級のアマダイを水面でバラしてしまい、玉網で救う間もなくカモメの餌食に。ずいぶん高価な餌をあげてしまったようだ。

8時45分、26cm級が上がる。アタリは紛れも無いアマダイのアタリだったが、このサイズでは釣り応えが無い。まあ1本は1本だからキープして、これでとりあえず2本目、冴えないな〜。この時間、下げ潮が少しあって、左舷突っ込み気味の艫流しが続く。右舷の私の真後ろで玉網が入った。何だろうと振り向くと35cm級の良型イトヨリ。これはうらやましい。こちらはお隣さんと「外道のアタリもありませんね〜」という会話。たまに場所に入るとアカボラが釣れるが、こんなのが煩いくらい食うような潮じゃないとね〜。でもトラギスとヒメが煩くて10秒持たないよりはまだマシかもしれない。隣の常連さんも20cm台の小型だが2本上げられ、朝一の件があるので、こちらも少し気が楽になった。そして潮は止まり気味で船が動かず、旋回の回数が増えてきた。この潮じゃ一発出会い頭以外には期待薄、どう考えてもアマダイが食う潮じゃない。潮が動かないので人数の割にはお祭りが少なくて楽だ。どちらが良いとも言えないけど、お祭りが多くても魚の食い気がある方がやっぱりいいかな。だって釣りに来たんだもんね。


終盤戦もゴールデンタイムは訪れず、溜まるのは釣果よりも疲ればかりか・・・。

お昼を過ぎると東っ気の微風となり、潮が変ったのが分かる。時間は早いけど上げ潮かもしれない。はっきり分からないが、左舷突っ込み気味の流し。正直なもので、潮が変った途端、左舷ミヨシで30cmオーバー、そして隣の常連さんが34cm級を上げ、中型の連続ヒットで気配が出てきた。左舷艫寄りのムーチング竿のお客さんにも30cmオーバー。しかし、こちらまでなかなか魚が回ってこない。これが大人数のアマダイ釣りというもの。私はアカボラがちょくちょく当るようになったので、誘いは合っているようだ。それにしても本命らしきアタリが出ない。ようやく時合が来たかと気合も入ったが、そうこうしているうちにまた潮が淀んでしまい、船が動かなくなる。仕掛けも真っ直ぐ垂れているのだろう、今度はガンゾウビラメのアタリばっかりだ。オキアミの頭だけ取っていく細かいアタリもあるが、正体が分からない。周りを見ているとたまに名前の分からない10cmくらいの『???ハナダイ』とかその手の魚が上がるから、このアタリはその類なのかもしれない。

13時30分、左隣のお客さんが竿を畳んでしまったが、その直後、船長から「3時頃までやるから頑張ってみて!」と時間延長のアナウンス。今日は乗客多いわ魚食わないわだから、少しでもお土産を釣らせたいという船長のご好意、何とかまともなサイズを1本上げたいところである。左隣のお客さんは再び道具を出す気も無いらしく「頑張って〜!」と周りの釣りを観戦だ。残業タイムも潮がまるで行かず、気配まったく無し。たぶん船中追加ゼロで14時55分、「それじゃ片付けだ!」と納竿のアナウンスとなった。あ〜疲れた。今日は60号のオモリでいつもより軽いのに、やたら重く感じた一日であった。朝1投目の本命を譲って頂かなかったら限りなくボーズに近い結果。自分の針だけ食っていたのなら気分も違うだろうけど、ああいうのはちょっとね。今日はゴールデンタイムもハイライトも何も無しだった。帰りに女将さんが20人も乗ったの何年振りかしらって言うほど、アマダイ船にこんな人数乗ったら結果はこんなもんである。今日の出撃は超裏目だったが、ボーズが多い中、2本だから上出来ということにしておこう。ここ2回、多希志丸相性悪いけど(笑)近いうちに再挑戦だ!


本日の釣果、アマダイ2本(34cmと26cm)、アカボラ(ヒメコダイ)、カナド、ヒメジ、ガンゾウビラメ。ガンゾウがこんなに釣れるようじゃダメですね。

【船宿HPコメント】
2月12日 江ノ島沖 水深60〜80m前後
アマダイ 26cm〜33cm 0〜6尾 オモリ60号。片天秤仕掛。
その他イトヨリ、コチ。連休中日の今日はいつもよりもたくさんのお客様にお越し頂き有難う御座いました。しかし、今日に限って潮流れも終日なかったせいか?はたまたアマちゃんもお客さん方のプレッシャーを感じて照れてしまったのか?魚の食いも型もいつもよりもチョッピリ控えめな一日でしたよ。連休最後の明日もはりきって行きましょう!

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