まだちょっと早い金田湾のシロギス

4月9日(土)、久比里の巳之助丸からシロギスに行ってきた。
昨年末に荒川屋の大会に参加し、その翌週は根岸丸から出撃、落ちギスとは思えない活発なアタリを堪能してすっかり満足。それっきりシロギス釣りは3ヶ月以上のブランクを空けてしまったが、もう桜満開の季節。3月後半から久比里三店でも順次シロギスが始まり、今日お邪魔する巳之助丸もアマダイが好調だったのと、水温上昇が遅れているとのことで、例年より遅い4月1週目の開幕となった。先週カサゴ船に乗ったとき、駐車場のお姉さんから「あんた何やってんのよ!シロギスもう始まってんのよ!」と怒られたのもあり(笑)、まだ時期は早そうだが、そろそろ様子を見に行くかという気になった次第である。今日は会社の仲間も来るかと思ったが、釣況を懸念してか濱生丸のエビメバルに出撃するそうで、今日は久々の単独釣行となった。

京急でいつもの6時20分に到着するとびっくり。いつもは空いているはずのシロギス船はとうに4隅が埋まり、受付の札番号はもう8番、今日は珍しくお客が多いようだ。このところの陽気に誘われて冬眠していたシロギスファンが一斉に目を覚ましたのだろうか?どうやら先客はグループのようで、私はとりあえず右舷ミヨシ2番に荷物を下ろした。受付と買い物を済まして戻ると、先客がミヨシに2人入るとのことなので、右舷艫2番に移動することにした。大艫のおじいちゃんは何度かお顔を合わせたことがあるが、お名前が思い出せない。巳之助丸の名だたる名人を名字だけの敬称略で呼んでいらっしゃったので、相当な方に違いない。雰囲気は和気あいあいと出船までの間、私の和竿が話題になったりと和やかな時を過ごすのであった。カワハギ船も今日は比較的お客が集まり12名前後。K山さんT中さんコンビにH木名人、Y本名人の姿も、カサゴ船には昭ちゃん名人の姿も見える。


いざ出船、平作川の桜並木も満開で春真っ只中。

我がシロギス船は最終的に左右7名づつの14人が集まり、8時少し前に出船となった。航程15分ほどで下浦沖の定置網の手前に到着。8時20分、開始の合図が出た。北東の弱風で薄曇り、海上は凪、潮色は澄んでいる。シロギス道具は久し振りなので最初は軽く投げて様子を見る。水深は20m前後だろう。今日は大潮で干潮が11時過ぎの予報。潮が速いことを予想していたが、現在のところ動きが殆ど無く、若干右舷が払い出しの感じ。まったく読めないものである。1投、2投と何もアタリが無い。周りではポツンポツンとシロギスが姿を現すが、どう考えてもこれは厳しいぞ!という展開にいきなり直面だ。さ〜てどうしようかな〜。活性が低い時は叩いたり誘い上げたりがまったく通用しないここのシロギス、船が動かないので、できるだけ遠投して、手前に地味にスライドさせてくると、ようやく初めてのアタリが出て初物をゲット。開始から既に15分以上経っていた。

同じような形で繰り返し攻めていくと、ようやく2投に1回くらいはアタリが出るようになった。ところがオモリを引きずるような誘いやオモリが着底したままの待ちでは殆ど当たらず、オモリを20cmくらい浮かせたまま、ゆっくり手前にスライドさせるような釣り方の方が好感触。オモリの重さで竿先が曲がっている状態からククッと押さえ込むようなアタリが出るが、そのまま食い込みを待ってオモリが着底してしまうとサヨナラ。前アタリが出たら少し聞き上げ気味に乗せていかないと、投げている分タナが下がってしまい針掛かりしない。難しい〜!最初の一流しは1時間弱、と言っても殆ど動いていないが、何とかツ抜けを果たして11尾。上手く行って50〜60尾ペースかな〜と思ったが、時間が経つに連れてアタリはさらに渋くなる。元々ペースに乗ったとも言えないが、明らかなペースダウンなのであった。(笑)10時、無風ベタ凪である。流れも無く池状態。空も雲が晴れてきて青空となる。ポカポカ陽気に上着を脱いでシャツの袖を捲り上げる。


ベタ凪の金田湾。大艫のおじいちゃんは流石いぶし銀の釣技。

こちらはアタリが出ずにどうにもならない状態だったが、大艫のおじいちゃんが2本竿で、置き竿の方にマメにアタリが出て数を稼いでいる。船が動かないのに船下の置き竿の方に食うんだから不思議である。この時点では私よりおじいちゃんの方が10尾以上釣っていただろう。左隣のお兄さんが市販の弓形テンビンで手前祭りが多かったので、私の自作テンビンを「よかったら試してみて!」とお渡ししてみた。この方も色々な釣りをされるそうだが、先週、シロギス船に乗って状況良くなかったのでリベンジのようだ。それにしても今日の食いじゃ辛いよね〜。シロギスの型を見たのは随分時間が経ってからだった。だんだん眠くなってきて、私も置き竿でコーヒーを飲んだり、飯を食べたり暇を潰す。船長〜!そろそろどっか移動しようよ!何か状況の変化が無いと本当に寝てしまいそうである。

11時、舳先が南を向いて、海上は少しそよそよしてきた。この風が気持ちいいの何の!睡魔に拍車をかけるのであった。竿を上げて本当に寝てしまおうかと思った。定置網の南側に移動後、上げ潮に入ったか少しばかり潮の動きが出てきたが、潮向きは下げ方向のトロトロでミヨシ流しだ。状況の変化に賭けて真面目に釣りを再開すると良型がガツン!ここで20cmオーバーが数本出たが、相変らずアタリの間を埋められない。12時で24尾、何とか最低目標の30尾は確保したいところだが、この状況じゃ保障は無い。潮向きが徐々に変り、沖から海岸に突っ込む上げの本潮となった。これはいいかも!ゆったりとした抱え込みなので、速め高めの誘いも試してみるが、速い誘いに乗るのはピンギスとトラギスだけ。細かいのが増えてしまったが12時40分にようやく最低目標の30尾に到達。

ところがこの後が最悪。潮色が少し明るくなってきたかと思ったら、今度は何をやってもトラギスのオンパレード。引きは良いのだが、シロギスに比べると品が無い。一発でガツン!食いもガツガツ引きもガツガツなのだ。カワハギ釣りでも邪魔者だし、アマダイ釣りではもってのほか、水深100m前後でも同じサイズがガツガツだ。どこにでも居て何でもガツガツ食ってくるトラギスは本当に邪魔物である。食べて美味しい魚だが、好きになれないのでいつもはあまり持ち帰らない。今日はシロギスが少ないので、大きいヤツだけバケツに入れることにした。13時50分、ようやく本命シロギスのアタリ。気が付くと30尾目を釣ってから1時間10分。何てこった!これだけ当たらないシロギス釣りは久し振りのこと、去年のこの時期のこの場所以来である。(笑)朝の30分で中の瀬にしておけば良かったかな〜と思ったが、まあ想定通りの展開と言えばそれまでである。


30cm級のナマコ。皆さん奮闘するもアタリの方は・・・。

終盤に入り、再び定置網の北側に移動。朝の場所より少し北寄りで今日始めてのポイントである。南の風が少し強まり海上が適度に波立つ。14時30分、アタリが出ないので、こうなったらダメモトで自分の一番好きな釣り方で攻めてみようと思い、派手に叩いた後、思い切りシャクリ上げて高めの空中戦なのだ。何とこれが正解。ウッソ〜!1回目から誘い上げの頂点でピンギスがフッともたれる。そのまま乗せて巻きアワセで1尾追加。これは!と思い、同じ戦法で攻めまくる。これまで考えられない程の高く速い誘いで次から次へとアタリが連続。何だよ、魚上ずってたんだな〜。掛けられないアタリも挟んで最後の最後で絶好調。竿先を海面まで巻き込んで頭上11時の角度まで思い切りシャクると、途中か上げきって止めたところでアタリが出る。20cmオーバーも2尾追加。これで当たってくれれば楽しいことこの上無い。昔、シロギス入門の時に角田船長から一番最初に教えられたのがこの釣り方なのだから・・・。

隣のおじいちゃんは目が点、既に竿を畳んでしまった左舷のお客さんも変な釣り方をしているヤツが居ると思ったのか見物に来た。終了10分前、これまでの抱え込みの潮が無くなるまでの間、この釣り方で全開バリバリ。最後の10分は潮が払い出しに変り、この釣り方はまったく通用しなくなってしまったが、約20分の短い間、最高に楽しい瞬間だった。最後までトラギスの邪魔もあり、手返しがイマイチ上がらなかったが、約20分のゴールデンタイムに10尾追加で、最終的には42尾という成績に終わった。最後の釣り方が一日通用すれば本当に楽しいのだが・・・なかなかそう上手くは行かないものである。それにしても一か八かのヤケクソ作戦が的中し、初心に帰る大切さを再認識させられた次第である。

大艫のおじいちゃんも同数で42尾。竿頭は何方か確認できなかったが47尾とのことだった。別船カワハギ船は潮が澄んでいたので良かったのでは?と思ったが、トップはY本名人他もう一名がともに6枚、K山さん、T中さんは仲良く2枚づつとのこと。何と1枚目のアタリが出たのが11時過ぎだったらしい。痺れますな〜。(笑)こんな状況を見ると私がカワハギに挑戦できるのはまだまだ先かもしれない。今年はなかなか水温が上昇せず、苦戦続きのカワハギだ。シロギスも開幕はしたものの、まだ数が居ないようで如何せんアタリが少な過ぎる。魚の活性も低く難しい釣りとなったが、最後の20分間、あの釣りができれば言うこと無し。あの時間が今日の全てと言っても過言では無いほど集中した釣りだった。いや〜楽しかった!次回はもう少し水温が上がってから挑戦かな?また行きますよ〜シロギス釣り。(今日もK山さん風に締めてみました。笑)


本日の釣果、シロギス 12〜23cm 42尾。(20cmオーバーは7本、細かいのも多かったです。)外道にメゴチ4尾、ヒメジ、ガンゾウビラメ。トラギスは多数釣れましたが良型だけ持ち帰りました。

【船宿HPコメント】
白ぎす・・下浦沖、潮;薄濁り、水温;15度
今日は下浦沖10〜15mの根周りを流しました。若干潮の流れが悪かったですが、魚の活性は良かったです。良型中心にポツポツと食いました。まだアタリが小さい時期なのでバラシも多かったですね。これからも水温の上昇と共に白ぎすの活性が上がって来るのが楽しみですね!今日のトップは川崎市のN村さんで47匹でした。(美佐男)

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