中の瀬のシロギス一日潮尻で苦戦

4月17日(日)、新山下の渡辺釣船店からシロギスに行ってきた。
昨日はKOBIさんたちが根岸丸から出撃したそうで、お話によると難しそうでもあり、アタリもそこそこありの様子で、何だか楽しそうだな〜と。今週末は特に釣り物を決めていなかったので、先週に続いてシロギスをやってみようという気になった。朝、久比里に行くつもりで家を出たが、駅まで歩いているうちに先週の当たらない釣りを思い出して悩み始めた。そして突如横浜駅を通過して元町・中華街に足を運んだ。向かったのは新山下の渡辺釣船店。昨年の10月以来、宮地船長に会ってないし、来週末からマゴチが開幕するのでシロギス船は今週が最終週。今日がラストチャンスという思いもあった。5時40分頃船宿に到着すると宮地船長、シゲ船長を始めいつもの面々が・・・「ご無沙汰してました!」と挨拶をして早速船に乗り込んだ。

今日は南風で一日下げ潮の予報なので左のミヨシを狙っていたが、さすがにミヨシはどちらも1、2名づつの先客有り。右の大艫が空いていたので迷ったが、ミヨシはどちらも名人だし、乗船者数の予想も立たなかったので、4隅の方が無難かと思い、半ば仕方なく右舷大艫に荷物を下ろした。船長は(私のことを)来ないかな〜とずっと思っていてくれて、沖でも他の船に乗ってないか見ていたらしいが、「今年、シロギスずっとやってなかったんですよ!」と私。最近の状況を伺うとこのところ釣果にムラがあるので、中の瀬、2カイホ、小柴を様子を見ながらローテーションしているとのこと。ここ数日は潮が動かないので、潮先に入らないと厳しいとの話だ。「最低20尾釣らないと許さないからね!」とプレッシャーを掛けられ、20行かなかったら夜メバル乗船の刑に処されることになった。(笑)

参考のため、来週から始まるマゴチの餌の話など色々伺った後、受付や買い物を済ませ準備を始めることにした。6時を回ってもお客さんは殆ど増えないが、この船宿の特徴として出船ギリギリにドッと客が押し寄せる傾向があるからまだ油断できない。(笑)やはり駅から近いということで、家族連れやアベックが出船間際に来店することが多いのである。我々のように毎週通っているような釣り人は釣り座の確保もあり、できるだけ早く到着しようとするが、一般のお客さんはそんなこと気にしなければ間に合いさえすればいいのだ。案の定、6時30分を回ると次から次へとお客が現れ、あれよあれよと言う間に右舷8名、左舷7名の15人に達し、とりあえず4隅に入っておいてホッとするのであった。出船10分前、船長は手際よく人数分のアオイソを桶に入れ分けて配給。そして7時、流石、定刻に1分も遅れることなく出船となった。


いざ出船、ベイブイッジを抜けて沖に出る。場所は中の瀬Aブイの手前。

横浜港を出ると南南東に進み、中の瀬へと向かう。海上は凪だが、停泊している船の向きと煙突の煙の向きで風向きが南であることが分かる。やっぱり、これで順当に下げたら右舷艫は潮のどん尻じゃん!(笑)船長の「潮先に入らないと厳しい」という言葉が当たらなければ良いのだが・・・今から不安である。7時25分、中の瀬のBブイを南下しAブイの手前でスローダウン、船首を南に向けてビタっと停止すると早速開始のアナウンスとなった。南南東の弱風、晴れ。海上は凪で潮色は濁り。小潮の最終日で朝方上げ一杯からその後一日下げの予報。水深は約20m強である。最初は軽く投げて、私の定番の誘いで様子を見る。1投目で叩きから誘い上げの途中でモタレを感じ、そのまま巻きアワセ。14cm級の小型だが難なく初物をゲット。

南西方向にゆっくりした潮の動きがあるが、潮が効いているという程でもない。糸のふけ方からすると、少し二枚潮掛かっている感じもする。南風なので、やっぱり完全に潮尻。1投目でアタリが出たもののその後はバッタリ。こりゃマズイぞ!何をやってもアタリが出ない。たまに当たるのはこの時期、中の瀬で定番外道のパックンチョ1号(イトヒキハゼ)、パックンチョ2号(ニラミアマダイ)、メゴチ、そして何より厄介なのが赤クラゲだ。毎年、水温上昇と共に木更津、中の瀬界隈で赤クラゲが大発生するが、今年もそんな季節になったようだ。赤クラゲは仕掛け回収中に絡みつき、タオルを使わないと素手ではなかなか取れないし、毒性があるのか手に小さい傷などがあると痛みも出る。シロギスを掛けても、巻き上げ中に赤クラゲにぶつかってバレることもある。とにかくそんな厄介者なのだ。

参ったな〜アタリが出ないぞ!最初の流しは約1時間でたったの4尾。右舷ミヨシのN田名人は投げれば当たるような入れ食いシーンもあり、潮先と潮尻の差以外に考えられない状況に攻略法も思いつかない。それが証拠に潮回り後、1投目は必ずアタリが出る。こりゃノルマ20尾は厳しいな〜、諦めて夜メバルに乗るかな。(笑)たまに抜けてきた魚が当たっても、違う誘いで掛かったりでパターンなんか何にも無い。1尾釣るとまたダンマリ、忘れた頃にまた1尾、そんな展開でペースに乗れない時間が続く。隣の釣り人も同じような調子でお互いに数が一向に増えない。9時を回ってようやくツ抜け、フ〜ッ、あと2倍釣らなきゃ!(笑)そんな状況を他所にミヨシのN田名人が様子を見に来た。「全然アタリ出ませんよ〜!」と言う私に対して「けっこう釣ってるでしょ!」とあっさりかわされる。(笑)


パックンチョ2号ことニラミアマダイとハゼ系のコモチジャコ。

10時40分、執念の20尾目をゲット。いや〜長い道のりだった。シロギスもけっこう細かいのが居て、カツン!で終わったり、掛けられないアタリも少しはあったけど許容範囲。アタリはかなりの確立で掛けてきたがこの数字である。20尾目の後、アタリゼロのまま定刻11時に納竿のアナウンスとなった。船長に数を聞かれ「ピッタリノルマです!」と言うと「え?40?」とからかわれた。ガビ〜ン!午後もこんなだったらどうしようも無いな〜、午後船キャンセルして帰っちゃおうかな。(笑)さあ、一旦港に引き返して作戦を考え直さないと!とは思ったものの、港に到着するや否や昼飯食って熟睡なのであった。N田名人が午前で降りられたのだが、ミヨシ寄りは別の常連さんがそこに入られた。左舷の2番が空いたけどどうしようかな〜、まあいいか!面倒臭いので午後もこのまま撃沈することにしよう。(笑)ちなみに午前船のトップはN田名人で42尾とのことだった。

12時30分、午後船の出船である。乗客は半分くらい入れ替わったが、人数は午前と同じ。沖に出ると南風が強まり、走行中大きく飛沫を被り始めた。荷物を纏めてキャビンに避難である。1.5m程度の波が出てきたが、これくらいの方が状況変化を期待するには歓迎かもしれない。13時、中の瀬の午前と同じ辺りでスローダウン。さあ、第2ラウンドの開始である。開始1投目は最大のチャンス。案の定、難なくアタリが出て午後の初物ゲット。相変らずの潮尻なので、少し違う筋に投入できないかあれこれ試すと、艫から真後ろに遠投して船に引っ張らせながら誘いを織り込むとアタリが出て、ピン混じりでちょっと細かいのが主体だが、プチ入れ食いとなり30分程であっさりツ抜け。午後はこのパターンか?と思ったのも束の間、上げても下げても送っても引っ張っても叩いても止めてもパックンチョばっかり、また元のシロギスノーアタリの世界に突入である。


乗客15名。一日ミヨシ流しで艫寄りは皆さん苦戦。

少し波が高いのでミヨシで取りこぼしてくれれば魚抜けてくるかなとも思ったが、そこは流石のツワモノ揃い、何事もないかのように快調に釣果を伸ばすミヨシ方面。気持ち左舷突っ込み気味かと思ったら、船長曰く「左食ってるよ!一荷もあったよ!」だって、ガチョ〜ン!そんな調子で相変らず釣果は伸びず、15時で16尾となったところ、「はい上げて〜、移動します!」のアナウンス。小柴沖に移動しそうだとピンと来た。ヨッシャ!何でもいいから状況変化が欲しい、これは小柴沖に期待するしかない。約10分掛けて小柴沖の17、8m立ちに移動し再開。移動後船下直撃作戦が的中し、1投目で20cmオーバーの太ギスをゲット。やっぱりこっちの方が型が良さそうだ。3、4投に1回くらいシロギスのアタリが出てポツポツ稼ぐが、ペースというには程遠い状況。

ここでは誘い上げでガツンもあり、叩いて停止させたらゴゴゴゴと持って行くパターンもありこれは気持ちいい。風が南西で流れが少し東を向いているせいで、我が右舷が横流しの払い出し気味となったので、少しは拾える展開だ。艫から真後ろに投げると仕掛けが徐々に右舷側に回るので、その間に誘いを入れてアタリを出す、これが今のところベストな作戦のようで、ちょっと型は落ちたが、3尾連釣も出た。底潮が効いてきたか仕掛着底後の馴染みで引っ張って行くような活性のある食いもあり、最後の最後になって(個人的には)ようやくシロギス釣りらしいモードに入ったかもしれない。一瞬凪ぎかけた海上だが、また少し風が強まる。そして定刻の16時30分、納竿のアナウンスとなった。小柴沖では今日イチの23.5cmもゲットして、1時間強で11尾を確保することができた。余計ではないが、今日一日の中では一番まともな釣りとなった。

結果、午前20尾、午後27尾で計47尾で終了。午後はトップが30尾だったらしいので、潮尻で我慢していた割りには、最後の小柴沖が効いたかそこそこの線まで持って行けたのではないかと思う。今日は家を出発してから方向転換してしまったが、船長や常連さんにも会えたし、色々勉強になった一日だった。シロギス釣りとして数は不満だったけど、厳しい状況であれこれ考えて釣るのも釣りの楽しみ。とは言っても今日は潮の先と尻で極端に傾向が分かれる一日だったと思う。朝、船長が言っていた通りの展開になってしまった。木更津、中の瀬の赤クラゲが多い釣りは閉口だが、数釣りの最盛期はこれからなので、是非また挑戦してみたい。来週から渡辺釣船店でもマゴチ船が開幕なので、こちらも楽しみ。今年は初期のカイホ、大貫の一日船の内に是非とも乗船してみたいと思う。


本日の釣果、シロギス 12〜23.5cm 47尾(午前20尾+午後27尾)。中の瀬は17、8cm級主体に午後からは小型が目立ちました。小柴沖に移動後、20cm前後主体に最大23.5cmと一回り良型が釣れました。

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