松輪瀬の乗っ込みマダイに今年も挑戦

5月4日(水)、剣崎間口港の尚二郎丸からマダイに行ってきた。
GW真っ只中の4日、Yサンスイの店員M君らが仕立船でマダイに出撃するとのことで、私も仲間に入れて頂くことになった。これまでマダイ乗合に2回ほど乗船したことがあるが、今だ釣果無し。どんな釣りもろくに授業料を納めず釣ろうというのは虫のいい話で、ことマダイやヒラメ釣りは小物の数釣りとは訳が違うから、そんなことはなおさら当たり前である。しかし乗っ込み本番のこの時期、6人で仕立船となれば、何だか釣れそうな気がしてくるのも、これまた当たり前なのだ。今日のメンバーは店員M君、佐Tさん、岡Bさん、TAKIさん、店員M君の友達?のY子ちゃん、そして私の6名。5時前には間口港の駐車場に全員集合。準備を整えてから船に乗り込んだ。船は定員13名の小型船で、右舷ミヨシから佐Tさん、店員M君、Y子ちゃん。左舷ミヨシから私、TAKIさん、岡Bさんの順で並ぶことになった。

コンテナにたっぷり盛られたクラッシュドアイスを船長はスコップで各自のクーラーに十分過ぎるほど入れてくれる。この時期のマダイは乗っ込み期とあって、相当高いタナまで上がって餌を摂るらしく、タナは海面からビシまでの距離で指示が出されるとのこと。仕掛けは全員ハリス4号6mで統一となった。底からタナを取るケースでは各自のビシがドスンドスンと毎回海底を叩くので、船下の魚を散らせたり警戒心を強めたりする影響が考えられるが、海面からの指示であればそれが無い。そして上目のタナに的を絞り、コマセで上ずってくる活性の高い魚を相手にするという、乗っ込み期の神経質なマダイを釣るには理に適った釣り方だと思われる。上からのタナ指示は以前1回経験があるのでイメージは付くが、季節も違うし今回はどうなるだろう。このところ朝方に食いが集中する傾向があると聞いているので、序盤戦で何とか型を見たいものである。


出船前。今日の道具はD社のファイアーデュークM310とS社の旧型1000H。

5時20分に出船。港の真沖に何十隻もの僚船が一線に並び待機。エンジン回すから後ろに避難しているよう船長のアナウンス。そして5時30分、スタートラインに立った船は合図とともに一斉にエンジン全開。松輪瀬に向けて争うように滑走する船団は見ているだけでも壮観、加速度で体にGが掛かりワクワク気分も最高潮である。船は10分程度走ってスローダウン、既に投入の合図が出ている船も見えるが、まだ船団は固まっていない。5時40分、本船も開始の合図である。南南東の弱風で晴れ、海上は凪、潮色は薄濁りか。タナは海面から23mと船長のアナウンス。ハリスの半分をプラスした26mでリールのクラッチを入れ、コマセを大きく一振り、23mまで巻き上げもう一振りしてハリスが馴染むのを待つ。30秒ほど経過しても反応が無い。竿をゆっくり2m程度持ち上げて一旦停止、そこからゆっくり付け餌を落とし込むように徐々に指示ダナまで下げる。そして下げ切って3秒も経たない次の瞬間、竿先にゴンゴンゴン!と早くもアタリの到来だ!


あっという間に大船団。

一昨日、成銀丸から出撃して3枚を仕留めた佐Tさんからの事前アドバイスによると、誘った方がアタリは出るのだが、食い込みが悪いらしく、最初のアタリは我慢して胴に入るまで待った方が良いとのこと。良いアタリが出るとどうしても条件反射で手が動いてしまいがちだが、ここは我慢だ。少し様子を見ていると、今度はグングングンと段を付けた引き込みに変った。これは頂きだ!ゆっくり竿を起こすが、緩めに設定したドラグも滑ること無く巻き上げは可能、大したサイズでは無さそうだ。しかしながら巻き上げ中の伸し方が限りなくタイっぽい。昔、堤防のクロダイ釣りをやっていた頃、5〜600gのクロダイを掛けて、糸を送ることも無く竿でいなしながら取り込んだ感触によく似ている。反対の佐Tさんに知らせようと振り向くが、なんと佐Tさんもやり取り中、1投目で同時ヒットのようだ。船長が私の横に玉網を置いてまた操舵室に戻る。どうやら右舷大艫でもヒットしたらしい。

回収したビシをコマセ桶に置く。ハリスを手繰る最中も浅場で掛けたせいか魚は元気で下へ下へと突っ込みを見せる。そして自ら玉網に納めたのは36cm700gの本命マダイだった。針はガッチリ口の脇に貫通しており、型は少々小振りだったが、深場から上がってきて間もないと思われる綺麗なマダイである。まさか1投目で食うとは思っていなかっただけに、こんなに早く対面できて無意識にも顔がほころんでしまう。そして一歩遅れて右舷ミヨシの佐Tさんが取り込んだのは一回り大きい1Kg級、右舷大艫のY子ちゃんは私と同級。1投目でなんと3枚同時ヒットと幸先の良いスタートとなった。Y子ちゃんは店員M君が釣り方を教えている最中に食っちゃったらしい。何ともラッキーな話だが、店員M君からすれば朝一の時合を逃してしまいアンラッキーだったかな?その後、周りを見回すと大船団。現実は厳しいもので、船が固まってからは本船もまったくアタリ無しである。


なかなか当たりませ〜ん。徐々にバラけ始めるマダイ船団。

今日は若潮で干潮が8時30分頃の予報。現在のところ下げ潮だが、我が左舷は気持ち払い出しとなり潮尻に回っている模様。アタリが無いまま時は刻々と経過し、数回の移動を繰り返しながら、指示ダナ21〜25mの範囲を攻める。7時台に佐Tさんと、隣のTAKIさんに1Kg級のメジナが上がり、少し状況の変化に期待したがそれっきり。また船上は沈黙の時間が経過する。僚船も状況芳しくないと見えて、船団は徐々にバラケ気味となる。本線も少し筋を変えて、指示ダナ38mと今までよりも少し深場に移動。そして最初に沈黙を打ち破ったのはなんと右舷大艫のY子ちゃん。9時10分、置き竿にしたまま携帯電話でお話中に竿がガタガタドスンと来たらしい。上がったのは優に1Kgオーバーのマダイ。うらやましいな〜!

これで負けちゃいかんと周りも少し気合が入ったが、次に竿を曲げたのはその10分後、またも右舷の佐Tさんだ。なかなか良い引きを見せていたが、百戦錬磨の佐Tさん、まったく危なげないやり取り。余裕の笑顔で取り込んだのは本日最大となる1.5Kgオーバーのマダイだった。お腹がパンパンのオスのマダイで、計量すればもっとあるかもしれない。これで右舷はミヨシと艫で2枚づつ、胴の間の店員M君は鳴かず飛ばずで、どうして真ん中飛ばすかな〜?と苦笑だ。上げっ端の潮変りで食ったのか一瞬で2枚出たが、その後はまた沈黙の船上。上げ潮に入っても流れは右舷突っ込みのまま、ここに来て多少艫流し気味かもしれない。一方の左舷は朝一に私が釣っただけで他はかすりもせず苦戦状態が続くのであった。


佐Tさん2枚目となる1.5Kg級。Y子ちゃんも2枚ゲットで笑顔。

10時を回ると南南西の風がそよそよと少し波立ってきたが、これくらいの方が食いそうな気もするので、一発に賭けて集中して釣りを続ける。コマセカゴはサニービシのL80号を使用しているが、朝の内は上は全開、下を1cmくらい開けて、投入後、初回のタナ取りまでに半分以上のコマセが出るように調整し、短時間勝負で早めに入れ替えを行っていた。この時間、既に朝のゴールデンタイムは過ぎ、全体にアタリも遠い時間帯。佐Tさんのアドバイスもあり、サニービシの下は全閉とし、置き竿にしたときに船の上下動で上の放出口から何粒かづつポロポロと出るようなイメージに調整してみた。Y子ちゃんや佐Tさんの2枚目はいずれも置き竿。コマセを長持ちさせるようカゴの放出口を調整し、置き竿でのんびり構える釣り方が有効な状況だったのかもしれない。経験が少ない釣りだけに、今日もまた一つ勉強になった。

11時前から風が強まり、徐々に波が高くなってきた。ちょっと置き竿では厳しい状況と思い再び手持ちに変更。ちょうどその頃、船下にアジの群れが寄ったらしく、ポツポツとアタリが出始めた。指示ダナは同じく38mから40mである。私も27、8cmの美味しそうなアジを2本ゲットで、僅かながらお土産をプラスアルファである。最近食べていなかっただけに嬉しい外道だ。全員1、2本釣ったところ、もう少し欲しかったが、そんな時合も長くは続かず、今度はシコイワシのお出まし。コイツは付いてるかどうかがはっきり分からずかなり厄介だ。ちょっと違和感を感じたらすぐに回収。そんな時は大概シコイワシがくっ着いてくる。風は強まる一方で、風波に加えて沖からのウネリも入り始めた。終盤はまた浅場に戻り、指示ダナ25〜28mを攻めるも本命の反応は無いまま、12時25分に納竿のアナウンスとなった。結果は6名で5枚(2・2・1・0・0・0)である。

今日はマダイ乗船3回目にして初マダイゲットと相成ったが、朝の1投目だけというのが、正直なところどうにも納得行かずである。6人で型を見たのは3人だけなので、贅沢を言ってはいけないが、これだけでは物足りないやら確信が持てないやら。ゼロと1枚では大きな違いがあるが、1枚と2枚もそれに相当するほど意味が違うというのが実感。要はこの釣りに納めた授業料がまだまだ足りないということか、今後やっていく中で様々な状況に直面し、何かしらの手応えを掴んでいくしか無いだろう。ともあれ今日は初めて型を見たわけだから、それだけで素直に喜ぶことにしよう!お土産にTAKIさんからメジナ、佐Tさんからアジを1本頂き、何気にクーラーの中は賑やかとなり、食べる方がまた楽しみである。これにサバやヒラソーダ、イシダイなんかが混ざったら完璧なんだけどな〜。(笑)それはまたのお楽しみということで。今日は皆さんお疲れ様でした。結果は明暗分かれちゃいましたが、また出撃の際にはよろしくお願いします!


本日の釣果、マダイ 36cm 700g とマアジ 27、8cmを2本。1Kg級のメジナはTAKIさんから、アジ1本は佐Tさんからの頂き物です。ありがと〜!

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