苦戦承知も楽しかったカワハギ釣り

7月3日(日)、久比里の巳之助丸からカワハギに行ってきた。
今年のカワハギは水温上昇の春〜初夏にかけて一向に盛り上がらず、K山さんの釣行記もなかなか景気の良い話が聞かれない。漁師さん情報を聞いても定置網に入るカワハギが例年より少ないらしいし、先が思いやられる昨今である。今日お世話になる巳之助丸では、金曜日にK山さんが5枚、土曜日にはY本さんが5枚と名人クラスでこの釣果。久比里三店、皆似たり寄ったりの釣果で、厳しい状況なのは疑う余地も無かろう。前回は5月中旬に三崎の角田丸から城ヶ島に釣行。このときは潮色は良かったが、水温低下の15度台で食い渋り真っ最中だった。それから一月半、あの『タナハギ』のモタ〜、クイッ、クイッ、ズドドドド〜ン!が忘れられず、目下絶好調のシロギスには目を瞑り、厳しい状況を承知の上で、自分自身でカワハギの様子を見に行こうという気になった。

いつもの時間に到着すると、なんとカワハギ船は私が一番乗り。最近の釣況を反映してか寂しいやら嬉しいやら、秋から冬の混雑を考えると信じられない状況である。今日は北東風で上げ潮の予報なので、定石で言えばミヨシに入るべきだが、乗客が少なそうなので、敢えて左の艫に入り、釣り座で角度を使える方を優先した。一方、隣のカサゴ船は片舷13名程度の満船状態。ビシアジ船も同様、最近は洲崎沖の深場狙いなので、お祭り騒ぎが大変そうである。しばらくすると右舷にポツポツ3名のお客が現れ、我が左舷にも3人組みが加わった。結局、カワハギ船は左舷4名、右舷3名で都合7名の乗客となり、少しホッとするのであった。今朝は桶に1杯半のアサリを50分程掛けて剥き終えたが、今日のアサリの粒は最高で、事前に準備せずに正解だった。さ〜て、これでアタリがあれば言うこと無しなのだが・・・。


受付でコレ頂きました。今日のアサリの粒は最高です。

7時54分、浩喜船長の操舵で出船。久里浜港でスパンカを上げる船長に声を掛けると、竹岡沖でやるそうだ。少し波気のある海上、飛沫を避けて艫のキャビンの裏に非難する。右舷艫のお客さんは初対面だが気さくな人で、アサリを剥いている最中も私の釣り座でずっと話をしていた。どうやら最近の状況をチェックしていないらしいので、私の知る情報をお伝えし、お互い目標5枚で頑張りましょう!ということになった。航行中の波の色から見ると、思ったより潮色は悪くない。これなら少しは食いそうな気がしてくる。15分ほど走り、航路の緑ブイ、赤ブイを過ぎ、もう一つ先のブイを通過した地点でスローダウンし、山立てに入る。8時20分、ブレーキが掛かると同時に開始のアナウンスとなった。水深24m、まずはオモリが着底したら、すかさずタナを1〜1.5m切って誘いに入る。

北北東の風やや強く、曇り。海上は多少チャプチャプしているが、まずまずの凪である。潮色は薄濁り。風は冷たく、半袖・短パンでは肌寒い陽気である。今日は若潮後の中潮初日、干潮が9時前でその後は最後まで上げ潮の予報。この時間、既に潮は上げ方向で、初っ端からミヨシ流しとなった。1投目、タナ前後をゆっくり誘って様子を見ていると、細かいアタリが出たがヒットせず。回収すると、餌が3つともやられているが、アサリのベロは残ってきた。何かな?カワハギじゃないな〜。2投目、今度は僅かな押さえ込みを察知して、少し穂先を下げ気味にテンションを変えずに着いていくと、ゴゴゴン!と針掛かりして食い上げ。そのまま巻き上げに入るが、引きがちょっと違うかな?と半信半疑。海面に浮上したのは20cm級の可愛いカゴカキダイだった。これが食うんなら、底潮は澄んでるのかもしれないな〜。

8時40分、2流し目。タナ狙いにすぐ反応。カワハギが浮いているときはアタリはすぐに出るものだ。このアタリは間違いない。穂先のモタレに慎重に着いて行くとクイ、クイっときてゴゴゴン!とヒット。20cm級の初物を取り込み、とりあえずヨッシャ!である。まずは型を見ないとね。そして連荘とは行かないが、9時頃に同じく空中戦で、もう1枚ゲットして2枚。この調子で行けば、ツ抜けも夢ではないんだけどな〜と欲を出し始めた途端、上げ潮に入って、見る見るうちに潮が濁り始めてしまった。マジかよ〜。この潮色は危険信号である。10時を回り、案の定、この1時間、カワハギからはノーシグナル。その後、タナ狙いはかすりもしなくなり生体反応は皆無。諦めて地底主体の釣りにチェンジして、たまに上の様子を見ることにした。

カサゴのご機嫌が良くなり続けて5尾ゲット。カワハギとカサゴは好む潮色が相反しているので、カサゴが元気になっちゃうような潮色ではお手上げである。10時30分、下針にトラギスが着いたのが分かっていたが、そのまま誘いを繰り返す。仕掛けがスパンカ下まで回り込んだので、回収しようと思った途端、ドスン!と穂先を叩かれた。穂先は押さえ込まれたまま戻らず、かと言って引き込みも無く、半信半疑だったが、そのまま乗せ気味に合わせると、そこから一転、強烈な引きにビックリ。途中、巻き上げる手を止められる程の引き込みにヒヤヒヤのやり取り。これは間違いなく尺クラスだと思う。慎重にやるが、穂先を海面まで叩き込まれた直後、食い上げて緩んだか、重みが抜けてしまった。やっちゃった〜!デカイのバラシちゃったよ〜!消沈しながら回収すると、仕掛けは何ともなっていなかったので、外れてしまったようだ。う〜ん、ちょっと二枚潮っぽかったしな〜、残念!


大貫寄りの浅場。金谷沖に移動中。

これを最後にとにかくアタリが出ない。たまに当たるのはトラギスばっかし。11時、大貫観音がはっきり見える場所まで北上し、ここは水深12m前後の浅場。こちらも濁りがキツく、落としてすぐに反応が出るような食いは無い。何度か触りは感じたが、カワハギかどうか分かるまでのアタリでは無かった。この浅場でガツンと当たってくれると興奮モノなんだけどな〜。30分程やったが結果出ず、また朝の25m立ちに移動。ここも型が出ないまま12時、今度は金谷沖に南下。水深20m前後のツブ根が点在する砂地。ここは根掛かりも無いので、できるだけ前方に投げて、道糸を斜めにした状態で、遅めの叩きとゆっくりした弛ませ気味の誘い。かつてはこれで大型を連釣したこともある型狙い釣法(と自分で勝手に思っている)。12時45分、前方に入っている道糸に対して、竿は上向きに角度を約90度取った状態からドン!と重みのあるアタリにドキッ。待ってました!上手いこと食い込んでくれて、3時間45分振りのジャストヒット。

そして次投、同じ角度に仕掛けを入れて、揺さぶっている最中に変化が出たので、そのまま即アワセ。これもガッチリ針掛かりで、立て続けに4枚目。居るところに入ればこんなもんである。水温も20度を超えて、魚自体の活性は悪くない。問題は魚の密度が薄いのと潮の濁りだと思うので、やはり鼻っ面に入ればあっさり食うことがこれで実証される。気が付くと、先程より少し濁りが取れたような気がしないでもない。もしかしたら終盤戦に一山あるかも?と期待しながら釣り続ける。相変わらずタナでは反応が出ない。タナ狙いで入れアタリになるようなときは、地底でやっていて、気が付かないうちに餌を取られるような時である。地底でやっていても餌がきれいに残ってくるから上も期待が薄い。今日の目標まであと1枚。あと2時間で釣れるかな〜?下手すればボーズも食らうこの時期のカワハギ釣りだから油断はできないのである。

潮は左舷突っ込みの艫流しに変わった。そして13時15分、先程と同じ釣り方で、ドン!と力強いアタリ。これは頂きだ!穂先の動きに集中し、心の中でウリャ〜!と乗っけてズッシリヒット。暴れ方がけっこう激しかったので、唇1枚かもしれないと思い、慎重にやり取りする。そして海面から一気に抜き上げたのは、本日の自己最大となる24cm。案の定、唇に掛かっていたが、引っ張っても切れない程度の深さでバラさずに済んだ。これで目標達成、バンザ〜イ!その後、抱え込みで良い感じの潮の流れがあるが、アタリは続かず。14時を回って、久しぶりにタナで生体反応をキャッチ。たぶんカワハギだと思うが、連続2回掛け損なってしまいヤキモキ、気を落ち付かせて餌を着け直す。クッと穂先にわずかな変化が出た後、ちょっとしたモタレがあり、アワセ所を伺っているうちにガココン!と激しいアタリで針を振り外されてしまった。もうちょっと早く合わせちゃっていいのかな?

1.5m程上でまたアタリが出た。今度こそ三度目の正直。少しづつ穂先を下げながら、下を向かせようとすると穂先の動きで着いて来ているのが分かる。そして次の瞬間ポワ〜ンと糸がフケて、その糸が動いている。ヨッシャ!そのまま大きく竿を立てるとドドドド〜ン!と機関銃の様に竿は叩かれ重みが乗る。すかさず巻き上げに入るが、これもデカそうだ。尺あるかどうかは分からないけど、上げれば今日一は間違いない・・・と余計なことを考えた瞬間、フッと重さが抜けてしまった。あ〜あ、またデカイのバラシちゃったよ〜。何やってんだかね〜。悔し〜!てな調子で、これはこれでカワハギ釣りの醍醐味?これがあるから興奮するんだよね〜。全部釣れちゃったら面白さ半減だもん。(負け惜しみ、笑)14時を回り、タナを狙い続けるとサバの群れに当たったらしく、3投続けてサバ。カワハギの和竿をシングルハンドで船下に伸されてる姿に船長の目は点。サバを抜き上げたら爆笑。船中私だけタナバッチリ。(笑)

気を取り直して、次のアタリを求めて攻め続けるも、何度かそれらしき触りがあったのみでヒットせず。何時しか地底はトラギスの絨毯と化した15時ジャスト、定刻となり今日の釣りは終了。やれやれ、とりあえず目標の5枚は達成。ちなみに右舷大艫のお客さんは2枚、左舷の3人組みも2、3枚づつ釣ったのかな?後から聞いたら、この3人組み、ビシアジのお客だったそうで、乗り切れないのでカワハギに回されたそうです。お気の毒様でした。帰りにアジを10本ばかり貰えてお土産にはなりましたね。しかし、潮色がもうちょっと良くなればもっとアタリが出そうだけど、今日の潮じゃカワハギやるには濁り過ぎ。この条件じゃ仕掛け入れる前から厳しいです。釣れるカワハギは殆どが20cmオーバーだし、大型のドスンもあるので、潮が良くなれば期待できるのではないでしょうか。今日は厳しい状況に敢えて挑戦してみたが、渋いなりにもカワハギ釣りはやっぱり面白かった。でも同船者で10枚以上釣る人が居たらとても平常心では居られなかったことでしょう。(笑)


本日の釣果、カワハギ 5枚(20〜24cm)、カサゴ5尾(16〜22cm、1尾放流)、ゴマサバ3本(37cm、2尾放流)。その他、トラギス多数、ベラ少々、カゴカキダイなどが釣れましたが放流しました。

【船宿HPコメント】
皮はぎ・・竹岡沖、潮:薄濁り、水温:21度
今日も終日竹岡沖を流しました。時間がたつにつれ潮の濁りが濃くなってしまい、又空も曇りだったので、皮はぎの夜釣り状態になってしまいアタリが遠くなってしまいました。しかし今日のお客さん(ビギナーの女性も含み)皆さん最後まで諦めず頑張ってくれたので全員ゲットの1〜5枚の釣果でした。今日のトップは、港北区の小峰さんでした。

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