洲崎沖のオニカサゴに初挑戦

7月17日(日)、三崎港の角田丸からオニカサゴに行ってきた。
オニカサゴという魚、これまでアマダイ釣りの外道で30cm級を釣ったことがあるだけで、専門に狙うのは今回が初めて。以前からやってみたい種目だったので、今日は釣行チャンスに恵まれてワクワク気分、目覚まし無しで3時に起床である。私はこの一週間、夏期休暇で釣り三昧。先週の土曜日から、上手いことシケを避け、一日置きに釣行すること今日が5日目の千秋楽。先週から最終日の本日の釣りが決まらず、どうしようかな〜と思案していたところ、角田丸の予約が空いているのに目を付けた。釣り物は角田丸の看板釣り物と言っても過言ではないオニカサゴに心が傾くが、この釣りは初めてだし、海況も読めないので、なかなか決心が付かない。で、佐Tさんに話を持ちかけたら、運良くお付き合い頂けることになり、それじゃやってみましょう!ということに。早速、船長に連絡してみると、出船OKのお返事を頂いた。ヨッシャ!こうなったらやるぞ!とモチベーション急上昇なのであった。

早速、船長から電話で仕掛けなど色々教えて頂き、準備を整えた。専門の道具を持っていないので、まずは手持ちのビシアジ竿を物色し、一番先調子のディーオ100−180を選択。電動リールは1000Hしかないので、これを使用。仕掛けはオモリ150号、全長2mの片テン2本針。ハリス7号にムツ針17号で作成した。餌は支給されるが、一昨日のイサキ釣行で釣れたゴマサバの皮で作った新鮮なサバタンを持参。予備餌として、前回の角田丸のシロギス船で釣れたギンアナゴ(シロアナゴ)の短冊、前から外道で釣れる度に冷凍保存してあったイイダコも持参することにした。ここ数日、梅雨前線が東北地方に掛かって、ほとんど消えかけている状況。梅雨明けも秒読み段階だと思われるが、何せこの気圧配置は風向きが良くない。予報はやはり南風だが、等圧線の間隔が開いているので、大崩れは無いだろう。それより問題なのはここ数日発生している濃霧で、最悪場所まで行けないことも想定し、LT五目の道具も持参するよう船長から連絡を受けた。

朝4時に佐Tさんが迎えに来てくださり、一路三崎港へと向かった。集合時間の5時少し前に到着すると、出船準備中の角田船長。凪だから行くよ!と心強い言葉に早速荷物を下ろし、乗船準備に取り掛かるが、もし現場が濃霧で引き返すことになったら困るので、念のためLT用の道具も船に積み込むことにした。今日のメンバーは、かの有名人Dエルのカブさんともう一名は常連のK口さん、そして佐Tさんと私の4名である。船長の指示で、右舷ミヨシにK口さん、艫にカブさん、左舷ミヨシに佐Tさん、艫に私の順で釣り座を構えることにした。5時10分、出船である。三崎東口から沖に出ると、フワフワと南風があり、下げ潮とぶつかり逆波立って海が悪い。胴の間から後は飛沫を被るので、ミヨシに移動し、佐Tさんと雑談しながらの航行である。ドッタンバッタン揺れる船にお尻を強打し打撲。同じ姿勢で座っていると、また同じ所を強打。痛って〜な〜畜生!かと言って、立っていられるような状況でも無い。


専用竿を持っていないので、ディーオ100−180と1000Hのコンビ。ムツ針17号に自作サバタン。タコベイトは任意で、写真は着ける順序が逆でした。先にタコベイトを着けるのが正解です。

船は50分程走ったところでスローダウン、場所ですから餌を着けて準備しておいてください!と船長のアナウンスだが、曇っていて洲崎がどっちの方向だか分からない。ここはどこ?外海のど真ん中といった感じだ。さて、6時5分、投入の合図である。南の弱風、曇り、潮は薄濁りだが色は良い。海上はウネリが1〜1.5mあるが、場所が場所だけにまずまずのコンディション。今日は若潮後の中潮初日、確か干潮が7時半頃、その後上げに入る予報だったと思う。水深は90mプラスマイナス5mといったところ。1投目からアタリが出て、これは外道のヒメ。体調の半分以上あるサバタンに食い付いた。竿先を海面に向けて底を取り、目線の高さまでゆっくり誘って、仕掛けを浮かせ、餌を海底より少し上をたなびかせるようなイメージで誘って、ゆっくり落とし込む。アタリがちょくちょくあるのだが、小さくて上手く取れない。ククッと穂先に変化が出たり、聞き誘いにクッと押さえ込まれたりするのだが、その後の引き込みが無いまま餌を離してしまう。

オニカサゴというとカサゴのイメージがあるので、アタリが出たら次に引き込みが来て乗せるという先入観があったのだが、これが大間違い。首を傾げる私に船長の実技指導が始まった。アタリが出たら、ゆっくり竿先を下げ、そっと置くような感じでオモリをベタ底まで下ろし、さらに道糸を送り込んでテンビンを完全に寝かせてやる。少し食わせる間を取ってから再度、竿先を海面に向けて底を取り、そこからゆっくり聞き誘い。ここで重みが乗ったら大きく合わせて針掛かりさせるとのこと。へ〜!そうやって釣るのか〜。これまでアタリが出たら糸をフカせるなんて釣りをしたことが無いので、目から鱗である。何回か実技指導を受けている内に、20cm台後半の初物をゲットすることができた。ホントだわ、これで掛かるんだ〜。その後もウネリで勝手に持ち上がってしまったり、オモリをドスンと底に着けてしまいロストしたアタリも多いが、同じ戦法で2回目の聞き誘いで重さが竿に乗る。なるほど、こうやるんだ〜。


この方は有名なDエルのカブさん。40cm級の連発はお見事。

私と佐Tさんがアタリだけで苦戦している間、右舷艫のカブさんは40cm級を連発。カブさんはライトタックルオニカサゴとのことで、オモリ60号に軟調の竿で楽しまれているが、流石の一言である。次から次へと立派なオニカサゴを釣り上げ圧巻だ。せっかく来たんだからこういうの釣りたいよな〜と戦闘意欲を掻き立てられる。序盤戦、なかなか釣り方に慣れないものの、船長の指導のお蔭で、小型が何尾か釣れた。釣れるカサゴはいわゆるイズカサゴをメインにフサカサゴ、コクチフサカサゴなど数種類。釣りではこれらを総称してオニカサゴと言っている。小型のフサカサゴなども貴重な魚故、リリースした方が良いか船長に確認し、許可を頂いて持ち帰ることにした。唐揚げなどにして美味しいとの事、また今晩も酒が進んでしまいそうだ。(笑)7時を回るとそろそろ潮止まりなのか、潮流は淀んで、アタリが遠くなってきた。やっぱり根魚も潮には敏感なようで、速過ぎるのも困るけど、止まると口を使わなくなるようだ。


佐Tさん、このやりとりはサメでした。でも良型のオニゲットで笑顔。

8時、やっと来ました。佐Tさんに30cm級の本命。佐Tさんも私と同じで、アタリはあるけど???だったようだが、船長の指導で徐々にコツが掴めてきたようだ。まだ前半だから、デカイの狙いましょうね!今日は潮が緩いので、船長は少し厳しい根の中を攻めている模様。徐々に駆け上がる流しでは、けっこう根掛かりも多く、仕掛けの消耗も激しい。枝素や先素が痛んだり、ミズフグに切られたような場合には、ハリスと針を持参しているので、その場で仕掛けを修理して対応する。8時30分、目線まで聞き誘いをすると、途中でグッと止めるようなモタレを感じたので、そのままオモリをそっと下ろしてテンビンを寝かせる。5、6秒、食う間を取ってから、再度の聞き誘いで重みがズンと乗った。そのまま竿を起こし、リールを再度巻き込んでからアワセを入れて完全に針に掛ける。これはちょっといい手応えだ。電動リールを遅過ぎず、速過ぎずで巻き上げると、途中で断続的にゴゴン!ゴゴン!と首を振る。テンビンを回収するとオレンジ色の影でヨッシャ!船長の差し出す玉網に収まったのは、本日自己最大の35cmのオニカサゴ。早くも満足の型を手にしてニッコリ。

その10分後、今度は先程より強い手応えで、本物のようで違うようでもあり何だか分からない。もしオニだったらデカそうだ。船中サメが何本か上がっていたので疑いもあったが、サメにしては伸さないし、素直に上がってくるから何だろう?半信半疑のままテンビンを回収すると茶灰色の長い影。やっぱりサメかよ〜!サメにしては引きが地味だったんだけどな〜残念!口から針が見えていたので、取り込んで外すことにした。これは3Kgくらいありそうだな〜。一応、記念撮影してから放流してあげた。上げ潮に入って、海は徐々に平に良い凪になった。薄日も差して蒸し暑さも上昇。シャツを1枚脱いで、Tシャツ1枚になる。アタリが出てからの掛け方に少しは慣れてきたか、疑わしきサワリやモタレは全てアタリであることを前提に、指導して頂いたイメージで対応すると、根掛かりのことも多かったが、小型のフサカサゴなども針掛かりさせることができるようになってきて、ポツポツとバケツの中は華やかな彩りになってきた。


招かざる外道、サメとミズフグ。

釣り難いほどの潮ではないが、左舷が抱え込みに入ることが多いので、なるべく糸を立てるように、水深の半分巻き上げてから落とし直したり、仕掛けを回収して餌のチェックをしてから再投入して応戦する。餌の種類を幾つか試してみたところ、ギンアナゴで2尾釣れたが、イイダコはアタリ無し。やっぱりサバタンが一番安定しているように思える。一昨日、邪魔者だったゴマサバは、身の部分は『そぼろ』にしたり、『グラタン』にしたりでお腹に収まった。魚を下ろす際、かみさんに頼んで皮を厚めに引いてもらい、保存しておいてもらった。それを昨日、長さ10cm、幅1.5cm程度に切り、身を削いで薄く加工して準備したのだが、少しは役に立ったようだ。こういう仕込み作業も釣りを想像しながら、なかなか楽しいものである。さて、実釣の方だが、朝ほどは頻繁なアタリは得られないものの、カブさんがまたまた良型をゲットしたり、佐Tさんもサメと格闘しながら本命も着実にゲット、K口さんは死角なので状況が確認できないが、まずまずの模様だ。私も期待の大型は出ないが、相変らず掛けられないアタリを交えながらポツポツである。

12時20分、船長からラスト10分のコールである。最後に逆転ホームランを狙い、一際大き目のサバタンを着けて誘いに集中。すると運良くゴゴッというはっきり分かる生体反応。教えて頂いたパターンで上手く針掛かりに持ち込むことができた。取り込むとこれも30cm前後のオニカサゴ。最後に1尾追加で、これで小さいのも入れれば合計12尾と満足の釣果。ラスト1投はサメに捕まり、振り払ったら針が外れてくれたので、そのまま回収し、本日の釣りは納竿と相成った。道具を片付け、凪の海上を帰航である。初挑戦のオニカサゴ、楽しかったな〜。最初、特に当たってから掛けるまでのプロセスがイメージとまったく違ったので面食らったが、船長の指導のお蔭で、初めてなのに十分お土産になりました。この釣りはなかなか奥が深いぞ!帰りの車中で佐Tさんも次回へのやる気満々のご様子。是非、また挑戦してみましょう!ご乗船の皆様、角田船長、今日はお世話になり、ありがとうございました。またよろしくお願い致します。私は一回やっただけで竿が欲しくなっちゃいましたよ。どうしてくれるんだ〜!(笑)

PS.
今週は一日置きに5回も釣りに行って、流石に終盤は疲れが溜まりましたが、釣りに行かない日はと言うと、同じように一日置きに釣行記を書きましたので、こちらも疲れましたよ〜。(笑)さ〜て来週は何やろうかな〜また鬼退治かな?(笑)


本日の釣果、オニカサゴ 12尾(内訳 : イズカサゴ 23〜35cm 7尾、フサカサゴ、コクチフサカサゴ 16〜23cm 5尾)、トゴットメバル 1尾(23cm)。その他の外道としてはヒメ、ホシザメ?、ミズフグなどが釣れました。

ホーム目次前のページ次のページ