オニカサゴご機嫌イマイチで良型不発

9月3日(土)、三崎港の角田丸からオニカサゴに行ってきた。
腰を痛めてからそろそろ一ヶ月、先週、半日LTアジでようやく釣りに復活したものの、この一週間は調子は低迷気味。なかなか完治に至らずイライラする日々である。回復を見込んで、ちょっと強気なオニカサゴを予約したのはいいが、今ひとつ自信無しの弱腰。オモリ150号と言ってもコマセを振るわけじゃないし、巻き上げは電動だから何とかなるだろう、ダメなら寝てればいいのだと言い聞かせる。とは言ったものの、釣りに行くとなると否応にも気合が入り、前日にサバとサンマで自製タンザクを仕込むほどの熱心さはいったい何処から来るのか?我ながら感心する次第である。(笑)竿もD社のFireBaron120−210を新調し、電動リールのPEは3年以上巻き替えてなかったので、最近評判のWX8の4号にリニューアルして道具もバッチリ。気になる台風14号は南海上を西に進み、来週には北向きに進路を変え西日本に接近する予報。台風の影響で南房の波浪予報は2〜3mと出ているが、風が無さそうなのでどうだか・・・あまり船が揺れるようだと腰の方も一日持つか不安である。

午前4時、いつものように佐Tさんが迎えに来てくださり、いざ三崎港へと向かった。途中コンビニで飲食料や氷を調達して、5時少し前、まだ薄暗い港に到着した。おはようございます!お待ちしてました!と、いつもに無い明るい女性の声(船長ゴメンナサイ、笑)に出迎えられ、アレッ!と少し面食らった我々一行。今日は雑誌の取材か何かあるのかな?と思ったところ、お手伝いで船に乗り込むらしい。なるほど〜、将来、大船宿角田丸の女将さんになるのかどうか、今の時点ではまだ謎に包まれたままなのであった。(笑)左舷ミヨシに佐Tさん、胴の間に件のお手伝いの女性(仮称=A子さんとしておきましょう、お名前聞かなかったのですみません。)、そして腰を気遣って頂き、私は艫に入れて頂くことになった。ありがとうございます!右舷にはミヨシにU山さんが一人、総勢4名が本日の鬼退治メンバーである。U山さんは鶴見新明丸がオニ乗合を出していた頃からの大ベテランである。速攻で準備も整い、5時10分に出船。三崎港東口から沖に出ると心配したウネリは大したことなくひとまず安心。スパンカ下で佐Tさんと雑談しながら、約50分の航行で洲崎沖に到着。しばし船を流して潮の流れを読む船長。そして6時ジャスト、船を停止させると投入のアナウンスとなった。


朝日が美しい。だいぶ日の出が遅くなりましたね。新調のFireBaron120−210、空で巻き上げ中。

南の微風、晴れ。海上は2、3m程の周波の長いウネリがあるがベタ凪。潮色は澄み。最初は水深94mからの流しである。第一投、50mほど仕掛けが落下したところ全員がサバに仕掛けを止められる。仕掛け沈まね〜よ!参ったな〜。ゴマサバのダブルだったが水面で1本落ちて、1本回収。サバタン用にキープする。オレンジ色のタコベイトを装着していたが、これを外して第2投目。97m程度糸が出て無事着底。仕掛けは素直に立って潮は殆ど動いていない。PEを巻き替えて電動リールの設定をしていなかったが、以前よりカウンターの誤差が少なくなったようで結果オーライ。仕掛けが馴染んだ頃を見計らって誘いを開始すると、いきなり生体反応。目線まで誘い上げた竿先に微かな押さえ込みを感じたら、違和感を与えないようにゆっくり竿先を下げてオモリを底に着ける。2m程度糸を送ってやりテンビンを寝かすイメージ。10秒くらい食い込みの間を取ってから聞き誘いに入る。再度、目線の高さまで誘い上げたところ、穂持ちに乗る重みを確信。そのまま大きく合わせて、乗った〜!

即座に電動のスイッチを入れ、ダメ押しでアワセを入れる。型は大したこと無いが、時折見せるゴツゴツした引きはたぶんオニカサゴだろう。テンビンを回収すると、海中にボンヤリ見える薄オレンジの影。やりました!いきなり本命ゲット。25cm級の小型だが、まずは型を見られて一安心である。その後、しばらくやって同級を追加し、2尾としたが、今日は食い込み方が滅法渋いのだ。ゆっくり誘い上げると、微かな押さえ込みがあるけど、その後が難易度A、否トリプルAだ。テンションを掛けたまま待っていても絶対に食い込まない。前回、教えて頂いたように、ゆっくりオモリを着底させ、様子を見てから2回目の誘い上げに入るのだが、もう居なくなっているか、張った瞬間、グッという引きで餌だけ取られてしまう。テンションを掛けても抜いても食い込まず、食わせ方がまったく分からないド素人状態。船長曰く、深場のカワハギのような釣りだよ!とのことだが、これじゃカワハギより掛ける率は低いかもしれない。ウネリがある分、仕掛けのコントロールが難しく、前回と違って先針に掛かる確率が高いのもそんな海況が影響しているのかもしれない。


遥か彼方に薄っすら洲崎が見える。皆さんアタリの割りに船上に魚上がらず。

ちなみにこれまでの2尾はサンマの腹身で食わせた。サバタンに比べてサンマの方が餌を取られる確立が高いが、魚の反応は早いような気がする。どっちがいいのだか・・・。周りの皆さんもアタリはしょっちゅうあるようだが、なかなか魚が船上に上がらない状況が続きイライラモード。8時を回って少し下げ潮が動き出したようだ。正直なもので急にアタリの出方が良くなって、右舷ミヨシのU山さんに30cmオーバー。佐Tさん、A子さんにも針掛かりし始めた。今日は全部落とすまいと船長が走り回ってタモ入れだ。私も小さいアタリでやっと掛けたのはフサカサゴ。そしてこれまで以上に確かな生体反応に緊張して糸を送り込み、2回目の聞き合わせでガッチリ乗せて30cm級をゲット。期待の大型はなかなか顔を出してくれないが、30cmくらいあるとアタリも小型とは違った重量感があるし、食い込ませるのは比較的楽である。餌だけ取られたり、なかなか針まで食い込まない渋〜いアタリは恐らくフサカサゴや外道のヒメの場合が多いのかもしれない。船長はだいたい水深83〜86mを中心にけっこう厳しい根の中を攻めており、油断すると根掛かりも発生。ウネリで無意識に上下するので、底を取っては誘いの繰り返しで、糸の出し入れも今日は激しい。

大潮の2日目で干潮が10時40分頃の予報だが、10時を回り、下げ潮が少し速めに通し始めた。右舷ミヨシ突っ込みのためか、U山さんが頻繁にアタリを出している模様だが、こちらからは見えない。私は相変らずアタリはあれどもヒットせずのジレンマ。やっとの思いで20cm級のフサカサゴをヒットさせるが、この魚は大きくならない種類だし、大変美味しい魚なので大事にキープ。苦戦しながらも、後半戦に入り、バケツの底がようやくオレンジ色に染まりつつある。ちょっと良いアタリにドキッとして、糸を送り込むと回収のアナウンス。皆さん巻き上げに入っているが、ここは我慢。そろそろいいかな?弛ませた道糸を巻き取って聞き上げると、穂持ちがグッと押さえ込まれ、その瞬間ウリャ〜!思い切って合わせるとドス〜ン!おっとっと〜電動リールが止まるほどの抵抗に竿を溜める。底を離すと伸さないからこれはサメじゃないぜ。ミズフグの可能性はあるけど、分からないぞ!オニのようなゴツゴツした引きは無く、重いけど割りと素直に上がってくる。カンコかな?あと20m、ウネリで船が持ち上がった瞬間、テンションが掛かり過ぎてしまいズポッ!抜けちゃった〜!(涙)回収すると針のフトコロが歯で擦れたようにオレンジ針の塗装が少し剥げていた。何だったんだろう?


皆さん30cm級の中型をゲット。

そろそろ潮止まりの時間だが、潮は速めの下げ潮。オモリを底に着けてリールをフリーにすると糸がどんどん出て行く。潮回りで走る距離も長いから、けっこう広く流しているのかもしれない。GPS持ってくれば良かったかな〜。先程までぼんやり見えていた洲崎はガスが掛かって全く見えない。大海原のど真ん中、どっちがどうだかまったく分からずである。A子さんが置き竿で上手くアタリを出しているようなので、私もちょっと真似してみることに。と言っても、私は置き竿ではなく、手持ちのまま少しタナを切って余り動かさずに様子を見る。確かにアタリは出る。銜えて引っ張るようなアタリがズンと手に伝わるが、やはり魚が小さそうだし、ウネリで同じタナをキープできないので、そこから先、待っても送っても食い込みに至らない。たぶん最初のアタリの直後に違和感を与えてしまっているので、送り込んだ時点でもう離しているのだろう。今日はこんなパターンが何十回あったかな〜。アタリの大半は小型で、その小さいのも取ろうとすると至難の技なのである。それもそのはず、20cm前後の魚にムツ針17号は普通に考えるとデカ過ぎるよね〜。でも狙ってるのはこのサイズじゃないから仕方無いのでア〜ル。(笑)

潮が速くなってから少し濁りが入ってきたようだし、数日前から出たり入ったりしているという汚れが今日も浮遊し始め、道糸に粘り付く。この汚れが底の方まであるとしたら魚も食わないだろうな〜。朝方は煩かったサバも鳴りを潜めたきり出てこないし、今日はサメもフグも食わないもんね〜。オニカサゴも大型となれば潮が気に入らないと簡単には口を使わないだろう。得てして条件が悪いときは小型が目立つのはこの釣りも同じなのかもしれない。先ほどからタナを切った状態で余り動かさない釣り方を続けていたのだが、ズンズンとちょっと良いアタリに穂先が引っ張られた。今度こそ違和感を与えないように慎重に穂先を下げると、オモリが底に着いているのに引っ張られるほど大きなアタリが出たので、即アワセに入るとガッツリヒット!これはちょっといいかも。本命を確信して巻き上げると、上がったのは30cm級のオニカサゴでヨッシャ!その後、ヒメがちょっと煩いながらも、ミニサイズの一荷(これは放流)とフサカサゴを2尾ほど追加し、キープがちょうど10尾となったところ、12時30分、本日の釣りは納竿となった。

ミヨシの佐Tさん、U山さんも10〜13尾の釣果で、各々30cm級を何尾かゲット。今日はU山さんが一番型が揃ったようでしたね。A子さんが上げた5尾は私のクーラーに収めて頂き恐縮。快気祝いとのことでお言葉に甘えましたが、貴重で美味しい食材を本当にすみませんでした。お蔭でだいぶおかずが増え、数日は楽しめそうですよ!それにしても今日は難しかったな〜(って、まだ鬼退治二回目の初心者ですが、笑)。A子さんも、悔し〜!絶対釣ってやる〜!と叫んでいましたが、私も同じ心境でしたよ。狙いはもちろん大型ですが、小型のアタリがあれだけあると、掛けられずにホント悔しいですよね。フサカサゴは大型でも30cmに満たない小型種ですが、食べたら本カサゴより全然美味しいですよ。船長の仰るようにあれだけ掛けられないから、この魚は価値がある。臆病で口がきれいで潮に敏感。ますます大鬼に夢が膨らむ今日の釣りでした。嵌るの恐さで今年はマゴチ釣りを自粛してますが(笑)、オニカサゴも本当に奥が深く嵌る釣りですよ。いや〜楽しかったな〜。今日は約一ヶ月振りに外海での釣りでしたが、やっぱり海はいいぜ〜!またやりましょう、オニカサゴ!


本日の釣果、オニカサゴ 10尾(イズカサゴ 4尾 24〜30cm、フサカサゴ 6尾 18〜21cm)。その他、ゴマサバ少々、ヒメ多数でした。

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