ヒラメ水温低下と潮動かずで大苦戦

1月9日(月)、長井の昇丸からヒラメに行ってきた。
昨年5月以来、久し振りのヒラメに出撃である。相模湾のヒラメ釣りはどちらかと言えば地味な存在だし、確かに魚影も薄いと思う。しかしその分、1枚当てたときの感激は言葉に表せないものがあるから、これもまた夢のある楽しい釣りなのである。潮が良い日にはカサゴ、メバルから青物まで高級外道が釣れるのもまた嬉しい。こちらは本場外房方面とは傾向が違うようで、いつも冬場はパッとしないのだが、12月頃から珍しくトップで3、4枚、大きいものでは4Kgオーバーが顔を出しているようで、年末年始に佐Tさんも連続で型を見るなど、そこそこ期待は持てそうな状況。今日も5時過ぎに佐Tさんが迎えに来て下さり、港へと向かった。6時前には到着したが、外はまだ真っ暗闇。女将さんの誘導で車を止めてしばし暇を潰す。出船予定の7時を目前にS野さんがまだ現れない。携帯電話も繋がらず、どうしたのか心配していたら、横須賀パーキングで仮眠したまま寝過ごしていたらしい。先に船に乗り込み、準備をしながら待つと7時半を回ってようやくメンバー全員が集合。釣り座は左舷ミヨシから店員M君、Y子ちゃん、S野さん。右舷ミヨシから佐Tさん、私、kim君の順に決まり、今日は6名の仕立船である。

予定より遅れて7時40分、親父船長の操舵で出船。航程10分、長井真沖の70m立ちから開始となった。天気予報に反して北東の風がビュービューと強く、曇り空。この風だと三崎港の角田丸からオニカサゴに出撃したTAKEさんの状況がかなり心配である。冷え込みも非常に厳しく、手や顔が痛いほどの朝となった。海上は多少グラグラするが、ナライなので釣りに支障は無い。潮色は澄み。船の生簀にはマイワシとシコイワシが半々程度とイワシメバルで使用する小さいシコイワシも混ざっている。マイワシを使うなら孫針仕掛けが良いと思うが、私は1本針でやりたいので、シコイワシを使うことにする。二流ししたところ船中生体反応が無く、船長は三戸輪沖の35mラインに船を進めた。ここに来て何やらアタリがあるもののこれは烏賊の仕業である。S野さんがエギをシャクってスミイカを乗せた。私にはアオリイカらしきグイングインという乗りもあるが、ヒラメ仕掛けなので上手く引っ掛からない。回収するとイワシの背中がえぐられたように噛み跡が残っている。今日は長潮で満潮が11時30分頃の予報だが、今のところまったくと言っていいほど潮は動いていない。下げに入って少し流れてくれればいいのだが・・・。


予報に反して北東風ビュービューで曇り空、とにかく寒いのだ〜。

9時前、初めての魚信だが弱々しい。じっくり食わせて慎重に乗せると何かヒット。回収すると案の定のエソだった。ヒラメ釣りでは定番外道だが、主にマエソ、オキエソ、アカエソの3種類が釣れるようで、これはマエソ。蒲鉾の材料などになるそうだが、後の調理が面倒なので放流することにした。本当に潮が悪い日にはエソも食わないなんて日もあるから、まだ救いようがあるかもしれないけど、エソが掛かると必ずハリスに傷が付くので厄介な面もある。針を結び直して再投入するが、たまに烏賊に引っ張られるだけで魚が全然当たらない。今日は烏賊がけっこう居るようなので、エギを持ってくれば良かったな〜と思ったが後の祭り。考えてみれば、この時期はアオリも乗るし、そろそろ乗っ込みの特大ヤリイカも釣れる季節なのを思い出した。ヒラメ仕掛けの上部にトトスッテでも出しておけば面白いかもしれない。いつも釣行前は忘れていて、船に乗ってから思い出すのである。潮が動かないので船長は細かい移動を繰り返し、モグラ叩き作戦で徐々に南下していくのであった。


ちょっとお洒落に赤いハンドルに換えたのはいいのだが・・・。船中初魚はマエソ(見た目45cmくらいかな)。

ここは小網代湾の真沖、水深27m前後。10時30分、左舷ミヨシの店員M君に何かヒット。これは30cm級のマトウダイ。船中、初めてお持ち帰りの魚が釣れた。船長曰く、今季はホウボウとマトウダイの湧きが良いらしく、大きなホウボウが網に100Kgくらい入ることもあるそうだ。私にも何やらアタリが出たが、どう考えてもヒラメのアタリではない。船長に尋ねると水温は15.5度。年末年始に上がった水温が再び冷え込んできたせいか、魚が当たっても活性が弱く、簡単に食い込むような勢いは感じられない。右舷艫のkim君にもマトウダイがヒット。少し魚っ気が出てきたようだから真剣にやろう。生簀からシコイワシを3、4尾補充し、気を入れ直して再投入する。11時10分、何度かのタナ切り後、ドン!と何かに引っ張られた。初信にそれなりの重みを感じたので小魚じゃない。ヒラメならその後の引き込みがありそうだが、潮が動かないので居食い状態だ。こちらから少しテンションを掛けてやるとまだモワモワと気配はあるが、食い込んだかどうかの判断が付かない。もう一度送り込み間を取ってから徐々にテンションを掛けていくとグッグッーと竿に重みが乗った。

竿を立てて巻き上げに入るとけっこう良い引きだし、そこそこ重量もありそうだが、明らかにヒラメの引きでは無い。ちょっと竿を叩き過ぎるのでホウボウじゃないかな?慎重に浮かせると薄オレンジの影、佐Tさんに救って頂いたのは予想的中、良型のホウボウだった。後で測ったら43cm、800g。これは良いお土産である。冬場の良型ホウボウは脂が乗って絶品なのだ。kim君に記念撮影して頂いてから、生簀で泳がせておくことにした。その後、しばらくはマトウダイやホウボウが船中ポツポツ上がってお土産稼ぎタイムだったが、短い時合いが過ぎると再び生体反応が遠くなる。釣り座が右舷胴の間なので、船長としょっちゅう会話をする機会があり、イワシメバル、カワハギ、シロギス釣りなどの話で参考になることも多い。前日のシロギス仕立は良型揃いで好調だったらしく、頭で48尾。22、3cm級主体で最大27cmまで出たそうだ。ヒラメもずっと調子良く、このところアブレが無かった模様。良い日には良型主体に頭で5枚、全員ヒットなんてこともあったそうだが、今日は船長も顔色が冴えない様子。こりゃ参ったな〜と言いつつ今度は船を北にずらしながら、三戸輪沖〜朝一でやった近辺の65m、そして長井沖の20m立ちへと小移動を繰り返す。


本日、唯一の見せ場はホウボウ。(写真 By kim君、ありがとう!)

風も止み、日も差して、ようやくポカポカして気持ちの良い海上。13時過ぎると何やら怪しいアタリの連続だが、なかなか食い込まない。上げるとイワシの3分の2くらいまで歯形が付いてくるが何だろう?隣のkim君もやられている様子。これヒラメっぽく無いよね〜。そんな中、また烏賊の乗りも混ざって、騙しだまし上げても水深半ばまで来ると放してしまう。引きはグイングインとアオリっぽい感じ。するとミヨシの佐Tさんの仕掛けに烏賊が乗ったみたいだ。電動で巻き上げても外れないくらいだから、これはちゃんと掛かってそうだ。そして水面に現れたのがビックリ仰天、胴長50cm以上ありそうな巨大ヤリイカ。玉網で救って無事ゲットである。この時期、こんな浅いところにコレが居るんだよね〜。かと思えば水深150m以深で好調だったりするから、まったく烏賊の生態は謎である。船長に聞いてもどういう移動をしているのか分からないそうだ。先程から掛からないアタリが続いていたが、左舷のY子ちゃんがエソ、そして隣のkim君もエソを上げたから正体はコイツなのかな?それにしても食いが渋い。いつもは強欲なエソがこんな当たり方をするようだから魚の活性が低いとしか言いようが無い。


小網代沖で生体反応出始めるが・・・潮まったく動かず。

その後、生簀のシコイワシが品切れになってしまい、孫針仕掛けにチェンジしてマイワシを付けての釣りになったが、特に魚らしい魚は当たらないまま、15時過ぎまで粘ったところで道具を畳むことになった。帰りに船長が申し訳無さそうに謝っていたが、やってみないと分からないのはどんな釣りも同じ。特にヒラメ釣りともなれば、今日食ったから明日食うとは限らないし、逆に突然食い出したり、船長と言えども予想が付かない釣りだから、こんな日があって当たり前なのだ(と言い聞かせる)。こういう釣りは回数やらないと良い日に当たりませんからね。下船後は例によって船長のご自宅で食事をご馳走になってから精算。暖かいうどん、ホラ貝の刺身、ホウボウのてんぷら、お漬物などを頂いて、皆さんお腹一杯で三々五々帰路に着いたのであった。今日は一日中まったく潮が流れず、水温も落ち込んだ後だったので、外道も含めて魚の活性は極めて低かったが、またちょっとした加減で活性が上がれば、ドスンドスンと竿が入る日もあることでしょう。ヒラメ釣りで6人乗って全員型を見るような恵まれた日は滅多に無いかもしれませんが、是非また挑戦しましょうね!またよろしくお願いしま〜す。


本日の釣果、ホウボウ(43cm)。他にマエソ1本は放流。


ちなみに側面と裏面はこんな感じです。よく見ると羽は生えてるし、足も生えてるし不思議なお魚ですよね〜。

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