洲崎沖のオニカサゴ、条件最悪でまた悪戦苦闘

1月22日(日)、三崎港の角田丸からオニカサゴに行ってきた。
今日は約3ヶ月半振りに鬼退治に参戦である。南房総洲崎沖はシケ日も多く、予約を入れても出船中止だったり、なかなか出漁機会に恵まれなかった。特に今季は強い冬型の気圧配置になるケースが多く、気象庁の暖冬予報はまんまと180度転換。北東や西の強風の日が多く、当然海も大シケばかり。週末釣り師の我々にとって釣行予定日が都合よく凪に当たる確率は極めて低いのである(ような気がする)。さて、昨日土曜日は1月としては珍しく関東南部〜北東部では本格的な雪となった。この雪をもたらした南海上の低気圧は今朝には遥か東に抜けた模様だが、一時的に強い冬型となるため、またまた招かざる強風が懸念されるのであった。前夜船長と連絡を取った時点では、洲崎沖は北北東の風が15m前後と強い状況だったが、時間の問題で凪ると踏んでオニカサゴにGOサインが出た。とは言え一抹の不安もあり、一応アマダイに変更になっても対応できるよう仕掛けは両方準備した。

朝、4時50分、いつものように佐Tさんが迎えに来て下さり、いざ三崎港へと向かった。横浜の自宅周辺は夜まで降り続いた雪が全然溶けずに凍結していたが、幹線道路や高速道路は殆どが除雪と凍結防止処理がされていて走行に問題は無かった。そして三浦縦貫道を降りると、こちらは海に近いせいか、まったくと言っていいほど雪は残っておらず、無事、集合時間の6時には港に到着した。まだ暗い船上で出船準備をしている船長にご挨拶をして荷物を降ろす。今日は総勢5名とのことで、右舷に3名さんが、左舷ミヨシに佐Tさん、艫に私が入ることになった。準備も整い、定刻6時30分に出船。この時間、洲崎沖では依然15m前後の風が吹いているようだが、ダメなら戻ればいいからということで、船長は南東方向に船を向けた。三崎から剣崎沖までは何の問題も無い海況だったが、航路を過ぎた辺りからちょっと嫌なウネリが出始め、やはりこちらの方が風当たりが強く、今日もタフな釣りになりそうだ。


北北東の風14m。今日もまたシケ海での釣り。

7時20分、現場に到着したが、昨日から勢い衰えず吹きっ放しのため、気持ち良いほどの出来上がり具合である。今日もまた波浪ワークだよ〜。(泣)早く止まないかな〜。100%読めていた状況ではあったが、旋回時に横から水を汲み上げるような海じゃ、今日も立って居られず座ったままの釣りである。船長にこの前(19日)のアマダイの時よりマシでしょ?って聞かれて、全然いいっすよ!って強気に答えたが、実際は殆ど同じかちょっと悪いかもしれない。メラメラと目線より高い波に襲われながら第1投。スムーズに落ちるはずが道糸が弛んだまま。アレ?と思ったら仕掛けが強風に煽られ、針が船の後縁に引っ掛かってしまった。竿を振っても外れず手も届かない。ドタバタ揺れる船上で玉網を取り出し、力任せに突っついたらようやく外れた。もう一度餌を付け直し、やっと投入。ヤレヤレ。最初のトラブルと言い鼻水がダラダラ勝手になびいているところと言い、前回のアマダイと同じような展開だ。(笑)

最初は93mからの流しである。北北東の風14mで晴れ。海上は2〜3mの波とウネリ。ただ、潮色はすこぶる良好なコバルトブルー、水温も15、6度ありそうだ。今日は確か小潮の2日目で満潮が9時30分頃の予報。上げ潮がトロトロ効いているようで、船は波に逆らってミヨシ突っ込みだろうか。流れと風が反対なのでなおさら海が悪い。角田丸のオニカサゴは従来オモリ150号だったが、12月に入って80号に変更。ライトになって今回が初めての乗船だが、今日は試しにアマダイ用の竿(ファイアバロン30−240)を使用することにした。一流し目、右舷ミヨシのお客さんがカンコを上げたかと思ったら、その後、良型のオニカサゴも上げたらしい。前回のアマダイと同じで海底は活性があるみたいだけど、如何せんこの海じゃ道具のコントロールもままならない。気安く立ち歩くこともできず、小便も我慢しているほどだし、釣れたと聞いても見に行く気がしない。徐々に落ち込んで水深120mくらいまで来たところで潮回り。

細かいアタリはけっこうあって、回収すると餌をやられているけど、微妙な操作ができないので全然掛けられない。8時ジャスト、誘い上げから落とし込んで、タナを切って待っていると前方に払い出した道糸からズンズンというアタリが伝わった。慎重に竿を下げたらウネリのタイミングよくオモリが底に着いた。道糸を送り込んで仕掛けを跳ね上げないようにして食い込ます。10秒くらい間を取ってからゆっくり竿を起こすと頭上まで持ち上げたところで確かな手応え。リールを思い切り巻き込んでから、竿を起こし直してアワセるとゴンゴンと手元に引きが伝わる。たぶんこれはイズカサゴだと思う。船の上下動でテンションが変わるので、負荷が掛かり過ぎないように竿の角度と電動のレバーで調整しながら巻き上げる。テンビンを回収すると海中にぼんやり薄オレンジの影が見えた。先針に食っていたのは30cmのイズカサゴ。口にガッチリ掛かっていたので、そのまま一気に抜き上げ、とりあえず1本ゲットである。

その後、細かいアタリをいくつかヒットさせて、中小型のフサカサゴを数尾ゲットしたが、9時を回ると満潮が近いようで、潮が全然動かなくなってしまった。今日は支給のサバタンと自前のサンマを併用しているが、小型のフサカサゴなどはサンマの食いつきが良いみたいだ。タンザクが短めなので、食い込みが早いのもあるだろう。ちなみに針はビシ針16号をペンチで広げた物、そしてそれとほぼ同形のシマアジ(オキアミ用)16号も使用。大型にターゲットを絞るか、ある程度おかず稼ぎも狙うかで、針や餌の種類、大きさが変わってくると思うが、私の場合、どちらにも対応できそうな頃合でこんな物を使用している。仕掛けはハリス6号2mの2本針である。大型も釣りたいけどお土産も小まめにゲットしたい、こんなことを考えてる釣り人に貴重な大鬼が食ってくれるのだろうか?本当の鬼師が聞いたらアプローチからして否定されちゃいそうだ。(笑)さて実釣の方だが、潮が動かなくなってからは小型のアタリも遠くなってしまった。10時、下げの時間帯に入って気持ち程度海が直ってきた感じもするが、状況は大して変わらない。


佐Tさん、良型1.1Kg。170m立ちではヒオドシも。

10時、佐Tさんにヒット。竿の曲がり方からして良型の気配。ちょっとデカそうだよ!とご本人。無事、玉網に納まったのは1.1Kgの良型だった。いいな〜!同じ餌使っているはずなんだけどな。(笑)とか思っていたら、その直後、私にも良さそうなアタリ。十中八九は良型のイズカサゴだろうと思えたが、ウネリで船が持ち上がってしまい、とっさに竿を真下に下げたけど、それでも仕掛けが跳ね上がってしまいサヨナラ。悔しいので、思わず船長に言いに行ってしまった。(涙)そうでなくても難しいのに、この状況でコントロールするのは私には至難の技なのであった。その後、潮が無いので、船長は最深170mまでを探るが、オモリ80号で道糸が真っ直ぐ立つ状況。ここで竿を曲げたのはまたしても右舷ミヨシのお客さん。これもキロオーバーの良型だったらしい。私の方は微妙な重さの変化だけで何かを乗せた。引きが全然無いが空でも無さそう。上がってきたのは22cm級のヒオドシだった。初めて釣ったけど、水深が深いと普段見慣れない魚が釣れるから面白い。

水深150m付近でまた佐Tさんに大物。電動リールが止まるほど水の抵抗が強いみたいだが、生体反応もあるらしく、途中手巻きで応戦。時間を掛けてやっと浮かしたのは、なんじゃそりゃ?バレーボールでも釣ったのかと思ったが、どう見ても生物、いや鰭があるから魚に違いない。水を吸って真ん丸になっているが、ミズフグでもない。船上、この魚知っている人がおらず、後で調べるため生簀で泳がせておくことになった。しかし、いろんなモン釣りますね〜。(笑)お昼近くになってようやく海上が落ち着く気配が見えてきた。しつこい風だったな〜。相変わらず潮は動かないままで、水深80m台から150m台まで幅広く流すが、私には小魚のアタリだけ。13時を回り、またしても右舷ミヨシのお客さん。お祭りしながら無事取り込まれたのは今日一となる1.45Kgのオニカサゴ。話によると今日の当たり餌はサケの切り身だったらしい。良型は全部コレで仕留めたみたいだ。う〜ん、持ってこなかったぜ!(笑)それを聞いて、先日の釣り雑誌にもサケが良かったような記事があったことを思い出した。



佐Tさんが釣り上げた珍魚。水産試験場の方によるとフサアンコウとのこと。大変珍しいそうです。水を吸い込んで膨らんでいますが、船の生簀で泳がせているうちに縮みました。

オニカサゴは日によって当たり餌があるんだろうけど、一回の釣行で多種の餌を準備するのは金も掛かるし難しい。でも、皆さん自分の特餌や実績のある餌、信じる餌など色々あるんだろうな〜。私は経験が乏しいので何とも言えないけど、普段使われない餌を試したりもこの釣りの面白さでしょうね。さて実釣の方だが、13時10分、ついに最後の一流しのアナウンス。休憩していた右舷艫のお客さんが起き上がって仕掛けを降ろすと一発で何かヒット。取り込まれたのは1.7Kgのカンコ。うらやまし〜ぜ!私も寝てれば良かったかな〜。(笑)そんなこんなで、定刻13時30分を迎え納竿。終わってみれば良型取ってないの私だけみたい。あ〜あっと。帰りはすっかり凪た海上が恨めしい。最初からこんな海だったらな〜。シケ海は運動になるけど、気を使うし怖いし釣り難いし、疲れます。港まで航程50分、佐Tさんとのんびり談笑しながらの帰港である。船着場には船長が連絡した水産試験場の職員の方が例の珍魚を確認するため来られていた。話によるとフサアンコウというお魚で、かなり珍しいそうだ。水産試験場で調査してから油壺マリンパークに寄贈されるそうである。


本日の竿頭の方。お見事!1.45Kg頭に良型を5本揃えました。


本日の釣果、イズカサゴ 1尾(30cm)、フサカサゴ 8尾(15〜22cm)、ヒオドシ 2尾(20〜23cm)。

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