松輪のナミノコメバル初体験

2月5日(日)、剣崎松輪港の瀬戸丸からメバルに行ってきた。
東京湾、相模湾で2月解禁のクロメバル。相模湾では活きイワシ(5〜7cmの小型のシコイワシ)を使ったいわゆるイワシメバルが初春の風物詩。私も何度か経験させて頂き、その繊細さと豪快さを兼ね備えた釣趣には何とも言えぬ楽しさを感じる。ちなみに昨年は餌のシコイワシが大き過ぎたためか、今ひとつ盛り上がりに欠けた感じだが、今年はベストサイズの餌を確保している船宿が多いと聞いているので、ファンの皆さまにとっては朗報であろう。さて、今日はKOBIさんが転勤前の最後の釣行ということで、有志6名が集まり剣崎松輪港は瀬戸丸から解禁直後のメバル釣行と相成った。ここ松輪のメバル釣りは活きイワシではなく、ナミノコ(注)という小魚の死餌で釣るらしい。私はこれまで経験が無いのだが、KOBIさんのお話によると仕掛けも釣り方もイワシメバルとほぼ同じということだ。イワシメバルならぬ初体験のナミノコメバル、結果はどうなるか分からないが、最低でもツ抜け目標に頑張りたい。

5時20分、OKAZUさんと烏賊飯さんが迎えに来て下さり、いざ松輪港へ。6時20分頃到着し店で待機すると、963さん、続いてKOBIさんとITAMASAさんのご到着で、本日のメンバーは全員集合。しばし談笑の後、受付を済ませて船に乗り込むことにした。釣り座は抽選の結果、左舷ミヨシから963さん、烏賊飯さん、私。右舷ミヨシからITAMASAさん、KOBIさん、OKAZUさんの順である。他に2名ほど問い合わせがあったようだが、結局は我々6名での貸し切り状態となった。餌のナミノコを数十匹づつ受け取る。なるほど、これがナミノコね、意外と平べったくて小さなお魚。全長4、5cmですかね〜。乾燥させると良くないとのことで、容器に海水を浸して保管する。その他、烏賊飯さんが活きドジョウを準備してくださり、各自10尾ほどお裾分けを頂いたので、状況を見て併用してみたいと思う。烏賊飯さん、ありがとうございます!さあ準備も整い、7時30分、親父船長の操舵で出船となった。


さて乗船、各自準備に取り掛かります。OKAZUさん、出船前に岸壁でおかず狙いは流石!

江奈湾を出ると取舵方向に低速で船を進める船長。航程5分で到着したのは剣崎の灯台下。剣崎灯台はいつも遠目に見慣れているけど、こんな磯際で釣りをするのは初めてかもしれない。船首を返して7時35分、早速投入のアナウンスとなった。北北東の風やや強く晴れ。潮色は明るめの薄濁り。この潮色は水温低いんだよね〜、メバルにはどうなんだろう?海上は風とは逆に沖から1〜1.5mのウネリが入り想定外。船体がゴロンゴロンと落ち着かない。水深15m前後の根の中だが、起伏の激しさに加えてウネリもあり、竿がベナベナだから、底立ちがなかなか取り難い。今日の仕掛けは幹糸1.5号の胴付き2本針。枝間はオモリから60cm、110cmとし、道糸の先に繋いだフロロカーボン3号3mの先糸を上の枝素の接続部に小型スナップで取り付けている。先糸を長めに付けているのは食い込み云々より、竿が長い分、糸絡みを防止したい意図が強い。ハリスは1号55cm、針は金龍のマス針8号を使用している。ナミノコは下手な餌着けだと水中で回転してしまい具合が悪い。口から針を入れたら、目の後の頭の堅い部分から針先を出して、真っ直ぐになるようにする。


支給されるのはナミノコという小魚、コレ餌着けがキモです。いざ出船、何だか変なウネリがあるけど・・・。

【注】
ナミノコっていうのは学名?『ナミノハナ』っていうトウゴロウイワシ科の小魚の俗称なんです。松輪では活餌使用が不可なんで、この小魚(体長5cmくらい)の冷凍物をクロメバルの餌として使っているんです。夜間に剣崎の磯周りに小船を浮かべて、照明に集まってきたところを網ですくって採るとか聞きました。イケスに入れても死んじゃうので活餌としては使えないらしいです。ナミノコなんて知らないですよね。私も何年か前から瀬戸丸でこの餌を使い始めてから、初めて知りました。外道で釣れるような魚でもないですしね。松輪では、このナミノコとドジョウを併用するのですが、メバルの食いは活イワシと遜色ないように思います。(by KOBIさん)

2本針にナミノコを着けて、オモリが1mくらい底を切る感じで釣っていると、開始5分経過でドドン!とアタリ。向こうアワセになるようそのまま待っているとゴンゴンゴ〜ンと軟調のイワシメバル竿が胴まで引き込まれた。そのまま引きを味わいながら慎重に巻き上げ、18cm級の初物を手にした。赤み掛かった茶金色の美しい魚体である。これは幸先良しかと思ったのだが、アタリが全然続かず、船長は細かい流し換えを行い、根をピンポイントで攻めて行く。船長曰く、食いが渋いからちょっと外れると当たらないとのことである。灯台の南〜東面に回るうちに船中パタパタと本命が上がり始め、ようやくメバル釣りらしくなってきたかと思ったが、上げ潮でミヨシ突っ込みのせいか、ミヨシ側からアタリが出始めても艫の私までアタリが回ってこないことがしばしば。おいおい頼むよ〜!後で963さんに聞くところによると、朝方はドジョウが良かったそうだ。私は手がかじかんでドジョウを着けられなかったから、ナミノコでやっていたのが悪かったかな。(笑)

今日は小潮の2日目で満潮が9時前の予報。その後下げ潮となる。潮変わりで艫流しになってくれることを個人的には願いたいところだが(笑)、この辺りの流れはまったく読めないのが常である。8時40分、船長が魚探を見て、今日一の反応が出てるそうだ。すると一時間振りのアタリ。これは良い突っ込みで24cm級の納得サイズのメバルだった。ところがやっぱり後が無い。ホント今日はアタリが少ないな〜。1尾/hペースだわ。潮は多少濁りが入って悪くなさ気なんだけど、ちょっと色が明るいかな。天気も晴れちゃったし、この変なウネリも食い渋りの原因かもしれない。しかもここに来て潮が動かなくなってしまったようだから見通し危うしである。しばらくの時間、当たってもベラやアナハゼばかり。ズズンと来て掛からず、ナミノコの頭だけ残って来るのはたぶんベラの仕業だろう。流し換えての1投目で誰も型を見ないと、すぐに回収の合図となり、船長は小刻みに場所をずらしてくれるが、解禁直後ということも考えると予想以上に厳しい展開である。


序盤戦は剣崎灯台下、水深15m前後から。

船長は剣崎の北側、大浦海岸の沖に船を回した。水深20m中心に最深25mの流しで、OKAZUさんに30cm超のホウボウがヒット。さすがOKAZUさん、今日は下針に持参のサンマの身餌を着けておかず狙いだったようだが、見事的中である。私もアタリが無いので、持参したシコイワシの半身(オニカサゴが流れて余った分の塩漬け)を下針に着けるとすぐに何やらヒット。引きで大体想像が付いたが、案の定、私にもホウボウが来た。OKAZUさんより2回り小さいけど、これも良いお土産である。その後、上針のナミノコ餌にホウボウが飛びついて来て同級をもう1本追加。やったぜ!このサイズなら2本あると家族的には有り難いのだ。それにしてもホウボウってそんな上まで餌を追うのかな?それか根の上に着いていた魚だったのか・・・不思議である。深みの流しもホウボウやベラのアタリは出たけど、メバルの反応は相変わらず思わしくなく、今度は思い切って間口港前の水深7mの浅みに移動。しかしここも不発。これだけアタリが出ないと船長も大変だと思う。

10時40分、灯台の東沖20m付近で2時間振りにメバルのアタリ。追い食いを狙うような状況じゃないし、狙ったわけでもないのだが、下針に大きめのドジョウを着けていたので、少し送り気味に食い込ませたら、もう1回ドドンと強烈なアタリに見舞われ、竿が絞り込まれた。コレちょっと良さそうだよ!と言っても誰も聞いていない。(笑)この渋い日にバラしでもしたらショックが相当大きいので、大事に大事に巻き上げる。すると水面に焦げ茶の影が2つ。この食わないのにいきなり一荷だもんね!そのまま竿で釣り座の横に抜き上げると、20cmオーバーの良型が2尾。良い引きだったな〜。こんな引きがしょっちゅう味わえたらホント楽しいはずなんだけどね〜。ピンポイントに仕掛けが入ると同じ場所に何匹か居るから、こういうこともあるのだろう。これまでの経験でも食いの良し悪しはともかく、メバル釣りで一荷というのは意外と多いような気がするけど気のせいだろうか。


東に回って、大浦沖〜間口沖の7〜25mのピンポイント攻撃。

それにしても今日は寒いのである。最低気温が氷点下の予報だったが、我が左舷は日当たりが悪いのもあって、いつまでたっても手がかじかんで動かない。針だけ結び変えようと思ってもできそうに無いので、ハリスごと交換。やせ我慢しないで手袋持って来れば良かったと思ったけど大して変わらないかな?たまに誰かに声を掛けても口がまともに動かず、ろれつが回らない。暦の上では立春を過ぎたはずだけど、なかなか春を感じる海にならないよね〜。夏場のTシャツ、短パン姿での釣りが遠い昔のように懐かしい今日この頃、記録的な寒波もこれだけ来ればもういいでしょ、早いとこ防寒ともおさらばしたいものである。さて、船長は剣崎南面に船を回し、灯台下〜江奈湾前〜毘沙門へと小まめに移動しながらモグラ叩きである。船中ポツリポツリあったアタリもお昼に近づくとまったく音沙汰が無くなり、今日はこのまま終わってしまうのか?本当にそうなりそうな気配が濃厚になってきた。左舷はお昼で963さん6尾、烏賊飯さん4尾、私4尾という成績。

お昼を過ぎると風は東に回ったが、潮は剣崎南岸に沿って東に抜けているので、相変わらずのミヨシ突っ込み。一日中強弱はあったけど要はずっと上げ潮。こっちはホント、潮の流れが読めません。13時10分、ミヨシの963さんの竿が絞り込まれ、久々に良型メバルとご対面。すると私にも2時間半振りとなるアタリ。これは確実にメバルだろう。取り込んだのは少々小振りだけど赤茶色の綺麗なメバル。二人ともナミノコで当たったので、それに気付いた烏賊飯さんも速攻でドジョウからナミノコにチェンジ。そして963さんがまた竿を曲げた。引きが強いのを見て、玉網居るか?と船長。隣の烏賊飯さんが自分の竿を持ったまま玉網を取りに移動すると、その烏賊飯さんにも強烈なアタリ。船上の横移動が効果的な誘いになったのかな?(笑)左舷同時ヒットでお二人とも良型を一荷で取り込んだ。今日一の盛り上がりに私も指を銜えて見ているわけには行かん!と気合を入れるが、全然アタリ無し。するとまた963さん、烏賊飯さんが竿を曲げる。うっそ〜!

もしかして、仕掛けが絡んでるかもしれないと思って回収してみても、全然OK牧場。そしてようやく待望のアタリである。大事に巻き上げると途中の引き込みが無いから怪しいなと思ったら、案の定のカサゴ。カサゴ狙いでサンマを着けているOKAZUさんには申し訳ないけど、今はお呼びでないのだ。次のアタリは巨大なアナハゼ。そしてまたカサゴ。おっかしいな〜。これは何かが違うに決まっているが、何が違うか全然分からない。963さんは弛ませから聞き上げで掛けているように見えるが、タナを切っている私になんでカサゴばかり食うんでしょうね?(笑)メバルは結局、963さん、烏賊飯さんが良型主体なのに比べて、私は中小型を3尾だけ追加。推測するにメバルは沢山いるんだろうけど、潮先の方で活性のある魚が先に食っちゃって、潮尻でアタリが出るほどの食いがないんでしょうね〜。だから違う魚が当たったり、メバルが来ても型が小さいんでしょう・・・と勝手な理由を付けて納得することにしよう。(笑)

終盤に訪れたゴールデンタイムもそう長くは続かず、14時前には再び小康状態となり、そのまま14時23分、納竿の時刻を迎えたのであった。右舷の様子は死角で全然見えなかったけど、艫のOKAZUさんが前の方でまた釣れた!また釣れた!と言っていたので、そのペースなら2、30尾は釣っていそうだな〜と思ったが、実際はそこまでは無かったようで、竿頭は左舷ミヨシの963さんで13尾、烏賊飯さんが9尾、私が7尾。右舷のITAMASAさんとKOBIさんが11尾、OKAZUさんが5尾(ずっとサンマでやってたからでしょ!笑)という結果となった。終盤の食いが一日あれば相当楽しい釣りになったはずだが、なかなか上手く行きませんよね〜。一方、羽田からエビメバルに出撃したシロギスさん、TAKEさん御一行も「モエビの桶の水が凍って、エサも釣果も冷凍エビメバルだよ〜ん」とのご報告。解禁初日から模様が良かった佐島を始め、相模湾側も今日は低調な成績だったようなので、メバルの潮じゃなかったということに片付けて、また次回に期待しましょう!今日は皆さまお疲れ様でした。


本日の釣果、メバル 7尾(17.5〜24.5cm)、写真はKOBIさんに頂いた2尾も合流。その他、カサゴ3尾(18〜20cm)、ホウボウ2本の持ち帰り。ササノハベラやアナハゼは放流しました。

【船宿HPコメント】
黒メバル船今日から出船しました。型も大型多く良い感じでした。数的にはまだまだですが,トップは13匹でした。黒メバルの時期は短いので是非期間限定の釣りを楽しんでみてください!明日からの釣果も楽しみにしいてください!

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