低水温期のカサゴ釣りを侮るべからず

2月25日(土)、久比里の巳之助丸からカサゴに行ってきた。
毎年、何をやっても厳しいこの季節、軟体系や深場系に走りたい今日この頃、皆さま如何お過ごしでしょうか?私はと言えば烏賊にはまったく相手にされず(笑)、深場も入門してみたいけど、持ち合わせのリールでは水深とパワーに不安あり。それに、いっぱい釣れたら電車じゃ帰宅困難(釣ってから心配しろ!)だから、誰か相棒が居ないと出撃する勇気も湧かない。と言いつつ既に仕掛けは作ってあるから自分で笑える。2月も後半に入り、地上は三寒四温とだいぶ春の気配を感じるようになったが、このところ東京湾から相模湾に掛けて冷たい濁り潮に覆われてしまい、海の中は大寒波の襲来といった様相。アマダイも1回やっておきたいけど、この潮じゃ気が進まないし、困ったな〜。と言うことで、思い付いたのが久比里出船のカサゴ乗合。カサゴは何時でも出撃できるように仕掛けの準備はしてあったし、澄み潮より濁りを好む釣り物ゆえ、低水温期とは言ってもおかずくらいはゲットできるだろうという安易な考え。(笑)今週はコレに決定!

京急の一番の特急に乗り、船宿には6時20分頃に到着。カサゴの23号船は三隅が埋まっていて、立てられている竿も多いから今日はちょっと混みそうな予感。運良く左舷ミヨシが空いていたので荷物を降ろした。受付の時、最近始めた根魚五目のことを女将さんに聞いてみると、オモリは150号、船宿仕掛けはMISAKIの胴付き3本または5本針仕掛け。餌はサバの切り身が支給されるとのこと。水深は150m前後らしい。アジの状況が良くなるまでの一時的な釣り物なので、平常のビシアジのお客さんが同じ道具立てでできるように配慮されているのだろう。実は今日の釣り物の選択肢に根魚五目も考えはしたのだが、仕掛けなど細かいことが分からず、前日が定休日だったので電話するのを遠慮した関係もあった。水深200m以内だったら4号300mのリールでもできるし、状況を見て今度挑戦してみようかな〜。ホント最近は食味優先ですよね!(笑)さて、我がカサゴ船は予想通り時間が経つに連れてお客さんが集まり、右舷10名、左舷9名と盛況。明日の天気予報が悪いせいもあるのだろう。


右舷10名、左舷9名と盛況。平作川の桜並木、後一ヶ月で桜の季節。

一方、激渋のカワハギ船はそれでも10名前後、この釣れない時期に敢えてカワハギに挑戦する釣り師の意気込みには頭が下がる。しかし、以前は私もやっていた一人だから気持ちはよく分かるのだ。(笑)他、根魚船が7、8名、アマダイ船が4、5名なので、やはりこの時期、お手軽にお土産になりそうなカサゴ乗合がダントツの人気のようだ。定刻8時、功一船長の操舵で出船。久里浜港でスパンカを上げると航程5分、真沖のアシカ島の南東側でスローダウン。位置調整をして8時20分、開始の合図が出た。北東の風やや強く、薄曇り。海上は波が1m前後で多少グラグラする程度。潮色は案の定の濁りである。最初は水深15m前後の浅みから投入。1m前後の起伏の激しいポイントで底立ちを取るのが忙しい。1投目、ゆっくりした聞き上げに飛びついて来たのが23cm級の良型。そして2投目で18cm級と出足好調。やっぱりカサゴは裏切らないよね〜と安心しそうになったところ、アタリが続かなくなる。何だか様子がおかしいな〜。その後、小さいアタリが出ても針に掛けられず釣果は伸び悩み。

30分で4尾ほど上げて、その後、アシカ島の北側、水深20〜25mを探索するも生体反応が極めて少ない。周りのお客さんもポツ〜ンポツ〜ンのペースで好調に数を伸ばしている人は居ない模様。今日は中潮で干潮が9時半、満潮が14時半頃の予報。朝一番の当たり方はそんなに活性が低い感じはしなかったのだが、上げ潮の時間に入ってアタリの出方が急に渋くなったような気がする。10時、高速で10分程北上したのは観音崎沖の水深30m。ここは岬の真沖で走水や猿島も見える位置、カサゴ狙いと思われる僚船が何隻か操業中である。潮の濁りはこちらの方が濃く、場所が場所だけに潮も速い。上っ面だけ東から西に流れ、底が付いて来ない感じの竿先が重たい流れである。再開1投目で小型が顔を出したけど、その後はアタリ少なく、たまに当たっても食い込ませられない。聞き上げでモタレが出て、そのまま聞くとククッと来て餌を放してしまう。逆に送り気味にすると根に持って行かれてしまい回収できない。実に難しい釣りである。水深25mまで駆け上がると潮回りのパターンで攻めるが、1時間半の間、細かいアタリを物にできず釣果ゼロ。

11時30分、少し上っ側が落ち着いて左舷突っ込みの艫流し。急にアタリが良くなってポンポンポンと3尾ゲット。しかし、いずれも12〜15cmの小型。どんな釣りも同じで、カサゴも潮が気に入らないと良型ほど口を使わないように思う。しばらくは前方に仕掛けを投げ込んでも、2、3回誘うと船下に入り込む。そうなると釣り難いし、混雑船では下手に糸を出すとお祭りの原因になるので、我慢しないですぐに回収。餌のチェックをして再投入。初心者が勘違いしがちなのは、抱え込みの潮になったら仕掛けが手前に流されているのではなく、船が向こうに流れて仕掛けを追い越しているので、入れ替えを早くして対応するのがセオリー。逆に払い出しの時は船が流れて仕掛けから遠ざかっているので、糸を出さないで引っ張ってくれば、仕掛けはどんどん手前に移動する。どっちが釣り易いかは程度問題だしケースバイケースだけど、人数の多い場合は、得てして抱え込みの方が新しいポイントに自分の仕掛けを入れやすい分、有利になることもありそうだ。ただ、アマダイ釣りで払い出しの舷ばかり好調なんてこともあるから、実は払い出しの方が自然に誘いが掛かったり、見えない仕掛けが海底でどうなっているのか?経験を積んで想像するしかない。


序盤戦はアシカ島周り、中盤戦以降は観音崎沖で粘る。

朝方は前回オニカサゴをやったときの残りの餌で、型狙い用に少し大きめの餌を使用していたが、食い込みが悪くなってからは、餌の幅や長さ、色などを色々試しながら、一番アタリが出て食い込みの良い形を試行錯誤である。色々試していると、厚さは元々サバの身を削ぎ落としペラペラにしたものを使っているが、吸い込みが早いと思って短めにするよりは長めの方がアタリが出やすい感じ。むしろ幅を細くカットした方が食い込みが良さそうだ。他にタチウオの腹身(去年の11月に釣ったタチウオを下ろした時の切れ端)や3枚に下ろしたシコイワシなどでもアタリは出たが、シコイワシは身持ちが悪く、当たっても餌だけ失敬されることが多かった。サバタンの色は腹の白い部分のタンザクをメバル用に上針に着けておいたら、メバルが2尾ヒットした。船上、他にメバルを釣り上げた人は自分の知る限り確認できなかったので、これは作戦成功かもしれない。カサゴに関してはサバの背中からお腹に掛けての青白グラデュエーションが一番良さそうな気がする。ちなみに仕掛けは自分の定番仕掛け。幹糸3号の胴付3本針。枝間は下から20cm、60cm、60cmで、枝素は2号35cm、針はヒネリ無しの金ムツ12号を使用。

さて、実釣の方だが、12時で13尾となったものの、食いは相変わらずで、アタリ自体が遠い。夏になれば同じポイントで入れアタリに近い状態も多いが、このアタリの少なさと渋さは低水温の賜物であろう。(笑)12時半頃からまた1時間近く釣果ゼロの時間帯を挟み、14時でメバルを入れてようやく20尾。この時間、風は東に回り、潮は下げ潮の右舷突っ込みの艫流し。先程までとは打って変わって払い出しがキツイが、ミヨシの利点を生かし、足元に投入した仕掛けを舳先方向に流して、時間を稼ぎながら広い範囲を探る。根掛かりもせずオモリがゴロゴロ転がっているところを見ると底潮も順調に行っているようである。船の流れに任せて仕掛けを引いてしまうと速過ぎるので、糸を出しながら止めたり引いたりをコントロール。この潮だと誘い上げではまったくアタリが出ない。どういう訳だかオモリが底に着いた状態の中針に一番アタリが多い。魚から見て餌がどういう状態に映っているのだろうか?釣りは何をやっても奥が深いのだ。このまま掛けられないアタリを何度も挟みつつ4尾を追加し、メバル込みで24尾としたところ、定刻の15時を迎え、本日の釣りは納竿となった。

2月にカサゴをやったのは今回が始めてだったけど、さすがのカサゴも食い渋る低水温で、一日、本当に難しい釣りだった。とは言ってもこの時期24尾も釣れる釣りはそうそう無いはずだから、逆に有り難い釣りとも言えるし、夏場の入れ食いも楽しい反面、これくらい渋いカサゴ釣りっていうのも釣技や釣趣の面で、かなり面白い釣りであることを実感させられた次第である。久比里のカサゴ釣りはドジョウカサゴという看板で、出船前にサバの切り身と各自6匹の活きドジョウが支給される。(無くなれば追加できます。)出船時に船長から上針にドジョウを着けて下針にサバタンを着けるように指示が出る。初め上針にドジョウを着けていたがアナハゼ1尾のみ。カサゴは殆ど下針と中針にしか食わなかったし、途中から3本針すべてサバタンにしてしまった。今思えば、下針にドジョウを着けてみたり、食いが渋いのでハリスを長くしてみるとか、打つ手は残されていたが、現場では気が付かなかった。今日は一日風も止まずに真冬に逆戻りしたような寒い海上、激渋カサゴと対峙しつつ、あれこれ考えさせられ、心中なかなか熱い釣りだった。下船後、女将さんが甘酒を用意して迎えてくださり、気持ちまで温まって帰路に着いた次第である。


本日の釣果、カサゴ 22尾(12〜24cm)、メバル 2尾(18〜19.5cm)。20cmオーバーが4尾。その他、チビオニが7、8尾、巨大アナハゼが1尾釣れましたが放流。今日も小さいカサゴが混じりましたが、浮き袋が膨んでしまいリリースしても海底に戻れないので、持ち帰って美味しく食べさせて頂きます!

【船宿HPコメント】
ドジョウかさご(25日)・・久里浜沖、潮、薄濁り、水温12度
今日も久里浜沖20〜30mラインを中心に流しました。今日はお客さんもまとまって来てくれて、若干割り当てが少なくなってしまいましたが、それでも船中ではポツポツ良型主体に食いました。一投目には浅場も試してみましたら、何匹か顔を見る事が出来ました。これからが楽しみですね。♪本日の竿頭は横浜市の小峰さんが24匹でした。外道にメバルも食いましたよ。今の時期はアタリが小さいので、合わせやすい先調子の竿がお勧めです♪(功一)

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