松輪瀬の乗っ込みマダイ、水温低下で撃沈

4月14日(金)、三崎港の角田丸からマダイに行ってきた。
三浦半島はマダイの本場、松輪瀬もそろそろ乗っ込み気配濃厚で、数こそ大釣りは見ないけど、4Kgオーバーの大鯛もかなりの頻度で上がり始めている。中でもちょうど一週間前、成銀丸で上がった9.4Kgは圧巻だった。今日はマダイ名手佐Tさんとご一緒に釣行。佐Tさんも今季3.2Kgを頭に既に5、6枚の釣果を上げているから流石である。先週は悪運尽きたか(笑)、イナダ1本の釣果だったそうだが、今日は第二金曜日で松輪港のほとんどの船宿が定休日ということもあり、以前から計画していた平日釣行、一日頑張って行きましょう!4時35分、いつものように佐Tさんが迎えに来てくださり、三崎港へと向かった。夜半まで降った雨も上がり、心配は風だけである。5時30分、港に到着すると早くも船長のお姿が。おはようございます!早速、荷物を下ろして準備に取り掛かった。夜が明けると北東風がヒューヒューと少し風が出てきたようだが、この程度なら大丈夫だろう。

6時、もう一名のHIROSEさんが到着し、右舷艫へ。HIROSEさんと言えば、昨年ちょうどこのメンバーでマダイをやる予定が北東強風で出船中止になって以来の組み合わせ。今日は皆でリベンジと行きたいところである。我々2名はオモテに別れ私が左舷に、佐Tさんが右舷に釣り座を構えた。準備も整い、協定時刻の6時30分を待って出船。三崎から毘沙門辺りまでは風裏だったが、江奈湾辺りに差し掛かると東っ気の風当たりが強くなり、次第にドタンバタンと飛沫を上げての航行となった。7時、松輪瀬の沖側のポイントにできた船団に合流。冒頭でも述べたように今日は第二金曜日とあって、船数は20隻前後といつもより少ない。しかも仕立船と思われる中小型の釣り船の割合が高い。船長は船団の先頭に回るとポイントを見極めて停止。さあ投入のアナウンスである。マダイと言えば朝の一投目で当たる確率が高いこともあり、気合を入れての投入。・・・のはずだったが、いきなりの手前祭り発生で一歩遅れての投入。今日はハリス12mで統一。デッキに伸ばしてあったハリスが風のせいで拠れて絡み易い。


最初は松輪瀬の沖側のポイント。船団は20隻前後と少ない。

北東の風、曇り。海上は1m前後、深いときで1.5m程度の波で多少グラグラするけど釣りに支障は無い。1投目は海面からの指示ダナが告げられたが、船長は魚探を見ながら、ベタ底反応だから次の投入から各自で底からタナを取ってもよいと言う。どうやら反応は底付近に固まったまま、コマセを振ってもまったく浮いてこないとのことである。水深は45、6m。潮色は薄濁り。今日は大潮で干潮が11時過ぎの予報。流れは海面だけ下げているが、底がまったく動いていないのが釣っていて分かる。昨日は俄かに水温が14度台まで上がったせいか、マダイのご機嫌も良く、大型交じりでよく口を使ったそうだが、今日は水温が急に1、2度低下してしまったらしく、活性はそうとう低そう。開始早々苦戦を予感させる展開となった。産卵を控えたマダイは普段より警戒心が強く、コマセカゴで底を叩いただけで散ってしまうと言われ、釣り方もそれなりに気を遣わないと悪条件の中、型を見るのは難しいと思われる。底付近で派手にビシを動かさないよう、投入時は底に近づいたらサミングしながら着底。コマセもそっと5、6m巻き上げてから最初の一振りだ。

開始1時間を経過したが、未だ生体反応は皆無。唯一の魚は回収時にくっついてた10cmくらいのチビオニ1匹。状況は思った以上に厳しいようだ。先週辺りから水温は13、4度の低めで推移しているが、この低水温での1度、2度の変化は魚にとって相当なダメージになるのだろう。こんな状況で釣りをしていると乗っ込みなんてだいぶ先の話に思えてしまうのだが、これまた釣りの読めないところで、0.5〜1度上昇しただけで、いきなり活性が上がって良型マダイが船上乱舞なんていうこともあるだろうし、裏目に出るとまったく口を使わないなんてこともあるだろう。こういう時は何時どこで当たるか分からないので、飽きずに入れ替えと誘いを繰り返すしか手段は無い。今日のコマセはオキアミとアミの混合。これは小網代の丸十丸で何度か経験している方法。オキアミはMサイズとLサイズを両方用意して下さっている。オキアミブロックは付け餌としても十分使用できる質の良いものである。定番であるL80号のサニービシを使用しているが、下はオキアミが引っ掛かりながら出る程度、上は全開にし、コマセワークを2回行って残るか残らないかに調整している。


今日は青龍竿と1000H。北東風が強まったり弱まったりの一日。

9時前、佐Tさんのニューロッド「ミヨシ・リミテッド40号」がバッドから絞り込まれた。食ったよ〜!と船長のアナウンス。ようやく到来したアタリにこちらも興奮気味に見守る。竿の動きからして間違いなくマダイだろう。なかなか型が良さそうで簡単には浮いてこない。しばらくやり取りしたところ、抜けちゃったよ〜!とご本人。結果は痛恨のすっぽ抜け。状況が状況なだけに痛いバラシであった。船長によると他船でもすっぽ抜け情報が多いようだ。それだけ食い込みが渋いとも言えるだろうし、ベタ底を狙っている分、浮かせて掛けるより、魚が食った瞬間、下に向けて反転しないのも掛かりが悪くなる原因だと推測する。後で聞いたところ、前アタリが出てからすぐに持って行くようなアタリじゃなかったので、少し送り気味にし、止めたところで竿に重みが乗った瞬間、こちらから掛けるような形でヒットさせたそうだ。やっぱり合わせちゃダメだな〜とのこと。ちょうどこの魚を掛ける直前、新しい針に結び直したところだったが、針が悪かったのかどうなのか?この針、一生使わないぞ!とご本人談。(笑)手応えからして2Kgはあったそうだが、本当に残念の一言。

その後、後が続かず、また沈黙の時間が続くのみ。しかし、元々外道が食わないとは聞いていたけど、本当にサバも食わなきゃアジも食わない、何にも食わない。ここまでアタリが無いと何でもいいからアタリが欲しくなってくるのが釣り人だが、サバが煩けりゃ煩いで文句を言うから毎度の事ながら釣り人というものは本当に我がままな生き物である。しかし、最後に笑うためには辛抱あるのみだ。コマセワークはかなり時間を掛けて、じっくり待っているけど、回収するとオキアミはそのままの状態できれいに残ってくる。流しの中で場所が少し変わると餌取りが居るようなので、やはり餌が残ってくるような場所にはマダイがウヨウヨ居るに違いないのだ。今日の潮周りは11時過ぎが底リだったから、上げの潮変わりに期待しよう。北東風は強まったり弱まったりを繰り返し、特段海が悪くなることもなく、この調子で行けば一日できそうだ。今朝は4月にしては冷え込んだが、この時間、薄日も差してきてだいぶ気温も上がり楽になってきた。それより昨日から風邪気味だったのだが、鼻風邪程度なら釣りをしているうちに治っても、今回はそう甘くもないみたい。なんだかボ〜っとしてきたぞ。


前日と当日の水温変化。時間で変わると思いますが参考まで。15度ラインが後退したのが分かりますね。

11時、船長は松輪瀬の手前側に大きくポイントを移動。この後、レスポンスが無いと見るやモグラ叩き作戦で、水深38〜63mの範囲を幅広く探っていく。指示ダナはハリス分〜ハリス分+2mの範囲で指示が出る。上げ潮の時間帯に入っても潮は海面だけ下げて、相変わらず底は動かないまま。生体反応無しのコマセワークで背中がパンパンに張ってしまい、風邪が本格化したか熱っぽくもある。こりゃヤバイかも。無意識のうちにも置き竿にする時間も増え始める。昨日の食いは何だったんだよ!最近のお決まり文句になりつつあるが、どうも私が釣行すると水温が下がって、烏賊も魚も急に活性が無くなる今日この頃。去年は夏場にカワハギ釣りをすると前日まで澄み潮だったのが嘘のように濁り潮に覆われ、自ら「濁り星人」と名乗っていたが、どうやら今年のトレンドとしては「冷やし星人」なのかもしれない。(笑)その後、船長は最後の最後まで可能性を求めて一生懸命船を回して下さったのだが、その甲斐も虚しく定刻13時30分を迎えるに至った。最近、黒潮の流路が沿岸から離れているせいか、水温の上昇が思わしくない状況だが、網には相当数のマダイが入るし、反応もバッチリあるそうなので、何かの拍子で食い出すことでしょう。次回に期待である。

【船宿HPコメント】
今日は朝から北〜北東の風がやや強く吹いてましたね〜。剣崎沖の潮は少し汚れがあり、流れもほとんど無く水温も若干下がり気味と条件が悪かったですね〜。反応はあるので水温、潮色が良くなればマダイの機嫌も良くなると思いますよ!今日は痛恨のバラシもあったのでお客様も本当に悔しがってましたよ!

ホーム目次前のページ次のページ