小さな泳がせ釣り、春の風物詩イワシメバル

2月13日(火)、佐島の海楽園からイワシメバルに行ってきた。
例年通り2月1日、相模湾では早春の風物詩であるイワシメバルが解禁。さて調子はどんなもんか?と情報をチェックするが、竿頭一桁台という日が多く釣況は芳しくない。この冬は暖冬やら黒潮の接岸やらで例年に比べて水温が高めで推移、暑い季節は暑く、寒い季節は寒くないと地上はもとより海の中も季節感がボケ気味なのかもしれない。それはそれとして、この時季一度はやりたくなるイワシメバル、今回はKOBIさんのご予定に合わせて一ヶ月程前から計画しての釣行となった。烏賊飯さんにお迎え頂き、今朝は逗葉新道経由で5時20分頃に船宿に到着。早めに行ってミヨシ寄りの席を確保するつもりだったが、平日にも関わらずミヨシ席は左右2、3枚づつの札が抜けていた。この釣れてないのに、しかも平日だと言うのにさすが人気の釣り物だけあってお客さんの出足は早いのであった。仕方ないので、我々は左右のトモから5席を確保することにした。イワシメバルは船長がエンジンで突っ込みながらポイントをトレースすることが多く、餌の生簀も前方にあることから、ミヨシ有利が定説なのだが今日はどうだろうか。


艀(はしけ)で船に渡って準備開始。/いざ出船。

6時にはメンバー全員が揃い談笑。釣りともなれば皆さん朝からテンションは高い。6時半を回ると鶴蒔店長の合図で艀(はしけ)に乗船、湾内に停泊する本船に乗り移る。釣り座はジャンケンで左舷トモから私、ITAMASAさん、KOBIさん、右舷トモからマッチョシゲさん、烏賊飯さんの順。準備も整い定刻7時、乗客12名を乗せて出船となったが、エンジンの回転数も上がらぬまま小田和湾内の水深5.5mからいきなり開始のアナウンスである。北東の弱風で晴れ、海上は良い凪、潮色は澄んで海底の様子がよく見える。各釣り座には海水が供給されるが、大きな樽に餌のシコイワシを、小さなバケツに釣ったメバルを入れるよう船長からの指示である。海水に触れるとナマ温かく、やはり水温は高めなのだろう。若潮で干潮が8時過ぎ、満潮が12時20分頃の予報だが、タイドグラフによると干満差は殆ど無い。釣りを開始するとまったく潮は動いておらず、船長はエンジンでミヨシ突っ込み。想定の範囲内だが潮先(・・・と言うよりこの場合、新しい場所に突っ込んで行く側)のミヨシ寄りのお客さんにメバルがまったく釣れないのはどういうことか、活性が高いはずの朝一からこの調子じゃ状況は本当に厳しいかもしれない。


8〜10cmの小型の活きシコイワシが餌。/水深が浅いので、海底が丸見えです。

たまに生体反応があるものの餌の食われ方から十中八九は定番外道のオハグロベラ。一方、メバルに似たアタリで割と針掛かりし易く、一瞬喜ばしておいて一気にガッカリさせられるのが、これも定番外道のアナハゼ。イワシに食い付くアナハゼはデカくて立派だが迷わず放流。7時35分、ちょうどKOBIさんが様子を見に来られた時、それっぽいアタリ。慎重に送り込んで食い込ませ、次第にテンション掛けながら聞きアワセに入ると、ゴツゴツゴツと小気味良い引き込みが竿の胴に伝わる。水深が浅いのでリールを数回巻くと海面に魚影が浮かび上がった。無事抜き上げたのは、ちょっと小さいけど背中が真っ黒でお腹が緑金色に輝く本命メバルであった。慎重にやり過ぎて針が見えないくらい飲み込まれてしまったので、ハリスを切って直接クーラーに仕舞うことにした。厳しい状況下、型は小さいけれど早めに型を見られてとりあえずヨッシャ!である。気が付くと舳先が東を向いて風はビュービュー。完全なナライなので波は立たないが、竿が振られる程の風速となった。今日ってそんな予報だっけ?基本的にミヨシ突っ込みは変わらないが、風でトモに押されたりエンジンで戻したり、舵を左右に捻って抱え込んだり払い出したりは船長の意図的な操船によるものである。


マッチョシゲさん、初物ゲット!/岸から近いこんな浅場が中心でした。

水深6、7mでは海底の様子がはっきり見て取れるが、真っ白に見える部分は砂地なので、自分の足元が白い場合はメバルのアタリは望み薄、黒く見える場所や海草が茂っている場所に入れば期待である。海草はカジメが主体だと思われ、仕掛けを2m前後持ち上げた位置でちょうど海草の葉に針が触れるらしく、上手くやらないと引っ掛けたり、餌を取られたりしてしまう。またカジメとは別種で海面まで長く伸びる海草が所々株になって生えていて、注意しながらマメに入れ替えないと仕掛けがいくらあっても足りなくなりそうだ。のんびり気分と言いつつ油断できない釣りだが、澄み潮の真昼間にメバルを狙うのだからそういうポイントに積極的&タイトに仕掛けを入れていかないと簡単には食って来ないのだろう。8時40分、右舷のマッチョシゲさんにメバルがヒット、すると左舷でもKOBIさん、ITAMASAさんにアタリ。そうこうするうちに私にもアタリ。たまたまピンポイントに固まっていたようで、皆さん数尾づつ釣り上げ、私も3尾連続ゲットしたところでサービスタイムは呆気なく終了。残念ながら右舷2番の烏賊飯さんにだけ型が回らず微妙にヤバイ雰囲気。お隣のマッチョシゲさんマジックは効果絶大?(笑)


今年は絶対数が少ないようで、予想通りの苦戦状態。

9時を回ると上げ潮が効き始め風向きは南東、形的には左舷トモ流しとなり私が潮先。分かっちゃいるけど全然当たらない。そりゃそうだ、ミヨシ突っ込みでミヨシのお客さん全然釣れてなかったもん。(笑)時合とか潮がどうこうより、モグラ叩き作戦で細かくポイントを流す中、たまたまメバルの鼻っ面に餌が入った人にだけ食う。アタリさえ出れば食い込み自体はそんなに渋い感じでもないので、やはり居て食わないと言うより魚が居ない気がする。一説によれば水温の関係でメバルの産卵が例年より遅れて食い渋っているという話もあり、同じ佐島のつね丸は食いが悪いので今日で出船中止、ここ海楽園も餌確保の問題やら、釣れないと船長さんが参っちゃうのでいつまでできるか・・・とは店長談であった。船宿さんもメバル釣りに適したサイズのシコイワシを適量確保するだけでも相当なご苦労があるだろうし、いざお客さんが来ても肝心の魚が食わなければ、釣り船店としてもどうしようもないだろう。しかし、イワシメバルと言えば元々釣果優先の釣りではないことを差し引いても、年々数が釣れなくなってきているような気がするが、単なる思い過ごしならよいのだが・・・。

船長は徐々に秋谷方面に北上。水深は6m前後主体に深くて15mまで。海草が潮下に向かって斜めに棚引く様子が見えて良い感じだがメバルはお留守。お昼の時点で7尾。連日の釣果情報を見てもだいたいこんな感じの釣りだとは想像していたけど、いざやってみるとやっぱり暇である。再び佐島方面に戻る途中の12時30分、右舷のマッチョシゲさんに久々のメバルがヒット。私は敢えて大き目の餌を選んで入れ替えてみた。タナを切るとすかさずモゾモゾしたアタリ。少し送り込んでから聞きアワセに入ると一気に胴が絞り込まれ22cm級の良型をゲット。速攻で入れ替えるとタナを切った途端、カツン!と来たかと思ったらホワッと軽くなり食い上げのアタリ。ゆっくり持ち上げリールを巻き始めると今度はグイグイ伸されて一瞬ドラグが滑った。水面で横っ走りしながら浮いてきたのは本日自己最大となる24cmのメバルだった。やっぱりこれくらいのサイズになると一段と引きが強い。今日はハリス1号60cmでやっているが、この細仕掛けにこの引きの強さはまさにスリリング。それを軟調の竿で溜めるのがメバル釣りの真骨頂、この感触が味わえただけでも来た甲斐があった。


あ〜あ、マッチョシゲさん、KOBI師匠の竿を!/船宿の近くに座礁船、前に来た時は無かった?

次第に風は無風、舳先は南から西へ。日中になると今日もポカポカ陽気、敢えて薄手のカッパにしたというのに暑くて着ていられない程の陽気。相変わらず潮は上げ方向に効いており、場所によっては幾分濁りも入って悪くない感じだが、払い出しに向いてからは何故かベラとキタマクラの猛攻。最後になって本日初めてオモリごとガッチリ根掛かり、時間が無いのでどうしようかと思ったが、仕掛けを簡易的に修復し1本針にして入れ替えたら、また一発で根掛かり。大失敗!最後の10分でオモリ2個紛失とはトホホ〜だ。時計を見ると納竿の14時まで残り僅かなので、一足お先に道具を畳むことにした。最後、ツ抜け目標に頑張ったけど一歩届かず終了。結果、メバル9尾+カサゴ2尾。件の烏賊飯さんも午後の一瞬で2尾ゲットしてセーフ。(笑)頭の中をよぎるのは、浅場で掛け損なったメバルが反転して逃げていく姿と一気に根に入られてしまい手も足も出なかった強烈なアタリ。あれは悔しかったな〜!KOBIさんとこの状況だとメバルとカサゴでツ抜けがいいとこだと言ってましたがホントその通りの結果でしたね。今日は穏やかな海で一日和気あいあい楽しめたことに感謝しておきましょう。皆さん、お疲れ様でした。また次回よろしくお願いします!


本日の釣果、メバル 9尾(16〜24cm)、カサゴ 2尾(18〜20cm)。その他、アナハゼ3尾、オハグロベラ2尾は放流。

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