期待裏切らず、腰越沖の良型カサゴ狙い

3月21日(水)、腰越港の孝太郎丸からカサゴに行ってきた。
日頃、雑誌やインターネットで情報を見ていると、色々と気になる情報が目に入ってくるものである。そんな中、密かに興味を抱いていたのが腰越港孝太郎丸のカサゴ釣り。3月上旬からアマダイに代わって出船中の乗合船で、腰越港では唯一この釣り物の看板を揚げている船宿である。日々釣果情報を見ていると、ツ抜けする日は少なく、正直言って釣れているとは言い難い状況。ところがここで釣らせるカサゴの型が良いのにはビックリ。それはHPの写真を見たら一目瞭然、なるほど普通のカサゴ釣りで1、2尾混ざるかどうかというサイズがメインだから数は出なくて当たり前だ。カサゴと言えば成長が遅い魚として知られ、場荒れするほど釣れるサイズが小型化するというのが定説だが、今どき、あんな良型を10尾も揃えられたなら、それは相当価値のある釣りだと思う。少なくともチビカサゴ50尾取る釣りとは違った面白さがありそうだし、型狙いなら一発大物の期待も膨らもうというものだ。知らなかっただけと言われればそれまでだが、乗合船でこんな釣りをさせる船宿があることが、自分にとってはけっこう新鮮に映った。これは一度様子を見に行くしかない!と思いつつ日が経ってしまい、本日ようやく出撃である。

始発電車で6時15分頃、腰越漁港に到着。孝太郎丸の受付所は奥から2番目、HPのプリントで¥1,000割引して頂き船に向かった。カサゴ乗合は右舷トモに先客が1名だけ。よく見るとこのお客さん、毎週HPでお顔を拝見する常連さん。場所はどこでも取り放題だが、こちらでのカサゴ釣りは初めてなので、常連さんの釣り方を参考にさせてもらえるよう、同じ右舷のミヨシ寄りに荷物を降ろすことにした。たぶんその方が船長からも糸が見易いだろう。もう一船はマダイ乗合で乗客は6名。今日は祝日だというのに全体的にお客さんは少なめの様子。釣る側からすれば有難いことである。船長が餌を配ってくれたが、これを見てビックリ。サバタンは身が全部付いている状態なので、これは好きなようにカットすればいいけど、もう一種類がシコイワシの塩漬け。しかもヒラメ釣りで使うような15、6cmはあるデカイシコイワシだ。まさかこれは切ったりしないで、そのまま使うのだろう。確かにこの餌で釣れるカサゴならデカそうだ。今日はyaccoさんもホームの森健丸からスルメに出撃のようで、こちらからピンク色のお姿が見えるが、出船準備に慌しそうなので、大漁を祈願しつつご挨拶は遠慮しておくことにした。さあ準備も整い6時50分に出船である。


もう一杯はマダイ乗合、乗客6名/こちらは常連さんと私だけ。

港を出てスパンカを上げると船は取り舵方向。江ノ島沖じゃないんだな〜。10分ほど走ってスローダウンしたのが稲村ヶ崎の少し手前。細かく旋回しているので根の上にピンポイントで着けるのだろう。7時10分、場所が決まると開始のアナウンス。北東の風やや強く薄曇り。風がけっこう強いがナライなので海上は凪、潮色は澄み気味の薄濁りといったところ。最初は水深26mからの流しである。オモリの指定は20号で東京湾標準の30号より軽め。仕掛けは幹糸3号、ハリス2号の胴付2本針。餌は上下ともサバタンで始めてみた。最初はアタリ無く3分程度ですぐに移動。ほぼ同じ水深で再開するとブルブルブルとアタリが出て何やらヒット。上げてみると12cm程度の小さなオキメバルだった。次投でも同じくコイツのアタリ。それを見て船長はすぐに移動。その後、だいたい稲村ヶ崎沖からやや腰越寄りの水深25〜30mを中心に細かい移動を繰り返す。しばらくするとトモの常連さんが竿を大きく曲げて巻き上げ中。抜き上げたのは25cmオーバーの良型カサゴ。コレだよ!こんな良型はそう簡単には見られませんよ。無意識のうちにも鼻息が荒くなる。するとヒットしたのはまた常連さん。いいな〜!こっちは生体反応何にも無し。オ〜これもデカイ!優に25cmを超える良型。


支給餌はサバとシコイワシの塩漬け/港を出ると取り舵方向へ。

今日は中潮の初日で12時過ぎが干潮の予報。今のところ東から西にトロトロ動いていて悪くない潮だ。少し間が空き、次にヒットしたのはまたまた常連さん。マジ〜!これもデカイ。カンコじゃないの?と思うような濃いオレンジ色をした貫禄のあるカサゴである。なるほどよく見ると食ってるのはシコイワシの方で、ハリスの長さがちょっと長めに見える。その場で新しいハリスを結んで、少し長めに取ってみることに。シコイワシの塩漬けは口が開かないようにアゴ掛けにして海底に送り込む。オモリが底に着いて少しタナを切った瞬間、ゴゴゴゴ〜ン!と勝手に穂先をひったくるアタリ。これは間違いない。大事に巻き上げ、無事抜き上げたのは、常連さんの釣り上げたカサゴに比べるとだいぶ小振りだが20cmのカサゴだった。餌替えたら一発だもんな〜、恐るべしシコイワシ。オニカサゴ釣りでもシコイワシはよく当たるけど、やっぱりカサゴ系には特餌なのか、改めてその威力を実感させられた。それ以降は上針にサバタン、下針にシコイワシで決定。なるほどサバタンとシコイワシが同量くらい支給されたのは最初からそうしろ!っていう意味だったのね。その後、常連さんはポツンポツンと良型をゲット、途中三連荘も見せてたぶんツ抜け、私はせっかく当たっても餌だけ取られてしまったりで数伸びず、この辺が場数の違いでしょう。それでも10時までに5尾、全部20cmオーバーの型揃いで期待を裏切らない。


写真左より由比ヶ浜〜材木座〜逗子マリーナ〜小坪/底潮止まって5尾で足踏み状態。

船長は細かく流し替えて、ブッコミで型が出ないと2、3分で移動というペース。10時を回るとだいぶ風が収まってきたが、同時に底潮も止まってしまった感じ。なかなか上手く行かないものである。常連さんも私も極端にアタリが少なくなってしまった。さっきまでは潮があったので、シコイワシが底を引きずるか少し漂うイメージで、ハリスを長く取った分を計算してタナを切り、あまり動かし過ぎない方がアタリが多いように思えたが、ここに来てそれがまったく通用しなくなった。誘い方にアクションを付けたり、大きめに誘ったりしてみるがアタリは出ない。11時頃、いきなり穂先が絞り込まれ、枝針のサバタンに食い付いたのが23cm級のカサゴでこれまた良型。久し振りの生体反応だった。根掛かりで枝素が切れたので、そのまま1本針でやっていたのだが、こんなこともあるから修復しておいて正解だった。風がそよそよ東に回り船はトモ流しに。海上はベタ凪。潮が上っかわだけなので、頻繁に入れ替えないと仕掛けだけ置いてけぼりで釣り難い。お昼を過ぎるとさらに回って舳先は南向き。潮向きは変わらないので、右舷抱え込みとなるが、やはり底がぜんぜん付いて来ず釣り難い。少し浅みの20m線に移動すると何やら入れアタリ。シコイワシの頭だけ残ってきたり、アタリ方が激しい割りにまったく針に掛からない。

試しに下針にサバタンを着けて下ろしたら一発でヒット。なんと正体は12cm程度のチビオニだった。コイツの仕業か!自分よりはるかに大きい餌にガツガツ食い付くのだから凄い食欲である。連続2尾釣ったところで船長は再び水深26mに移動。13時半、何やらモゾモゾしたような違和感。聞き合わせ気味に乗せるといきなり穂先が絞り込まれた。おっとっと、ちょっといいかもよ!海面に浮上したのは24cmの良型メバルだった。上針の白いサバタンに食い付いてきた。カサゴとメバルはそれぞれの釣りでお互いに定番外道だが、どちらも高級魚で嬉しい外道だ。その後、アタリは得られず13時50分、この流しで終了とのアナウンスだったが、定刻の2分前にもう一回流し替えてくださり、少し回った14時5分に納竿となった。結局、11時以降は本命ゲットならずのまま終了。私はカサゴ6尾とメバル1尾の釣果。流石、常連さんはカサゴ13尾で良型ばかり揃えた。最大は28cmで20cm未満のカサゴは釣れませんでした。船長にお伺いしたらカサゴはもうしばらくは続けるそうで、これから食いの良い日もあるとのこと。今日は小型も出なかったけど大型も出なかった、30cm級も珍しくないとのお話だった。実際にやってみて期待通りの型揃い、いつもそうとは限らないにしてもこれなら十分立派。作戦を練って、もう一度挑戦してみたい釣りである。


本日の釣果、カサゴ 6尾(20〜25cm)、メバル(24cm)。

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