観音崎沖のアジ、良型揃いでおかずバッチリ

4月8日(日)、新山下の黒川本家からビシアジに行ってきた。
前回は3月3日、同船宿からOKAZUさんと出撃したが、アジ様ご機嫌斜めで帰り際にやっとスイッチ入るも時間切れ、二人ともお刺身程度の釣果に終わった。せっかく出撃するのなら、家族で1本づつ塩焼きか煮付け&お刺身2日分&アジ茶漬け&アジフライ&欲を言えば何枚か干物も作りたい・・・要は食いたいから行く訳で、食材的に満足できるかが重要なのである。ところが、時期的な面もあってなかなか思い通り問屋が卸してくれないのが現実。あれから早一ヶ月が過ぎ、OKAZUさんと一緒にリベンジを!と思ってタイミングを窺っていたのだが、御仁も腰の具合が重症らしく何だか浮かばないお返事。そんじゃぁ一人で行ってくるか!と食いたいが上回って単独釣行決定である。さて、最近のアジ様のご様子はと言うと、やはりその後も好不調あって、ここ2、3日の情報からしてもあまり期待は持てそうにない。27、8cmクラスならツ抜け目標が現実的な線かもしれない。最低、お刺身分確保を目標にしておこう。アジ釣りに関しては混雑でもしない限り釣り座はどこでもよいのだが、せっかく早めに目が覚めたので始発電車に乗ってみた。元町・中華街駅下車徒歩約5分、5時35分頃に船宿に到着すると店は開いているけど誰も居ないようだ。とりあえず釣り座を確保してしまおう。


最初は前回使用した『クリーンビシ130S』をセットしたが、今日は目が詰まって上手く出ませんでした。

やおら右舷トモに荷物を降ろし、誰か来るまで店で待機することに。つり情報誌を読みながら暇を潰していると、20分くらいして一人のお客さんが現れた。おたくは?って聞かれたので、客ですけど!って答えると、じゃなくて何釣るの?アジです・・・朝からボケをかましてしまったが、これで出船決定!と初対面のおじさんと二人で喜んだ。と言うのも乗客1名だと出船してもらえないらしいのだ。この船宿街でこの時期ここしかアジやっていないので、船出ないのはかなり困る。とりあえずこれで一安心、心置きなく準備ができるぞ!6時を回ると女将さんが出てきたので、早速会計を済ませて買い物に行くことにした。そのお客さんは左舷のトモに入られ、しばらく2人きりだったが、7時近くになってからポツポツお客さんが来られて左右2名づつの4名になった。今日は初めてお目に掛かる上乗りさんも乗船し、7時25分、待ちに待った出船。横浜港を出ると風も穏やか、飛沫を被ることも無いので、釣り座に横たわってしばし仮眠。暑くも無く寒くも無く最高の釣り日和。ウトウトと第二海堡を過ぎた辺りで急にスローダウン、今日はずいぶん手前で止まったな・・・8時13分、慌てて仕掛けを繋いだり餌を付けたりコマセを詰めたりしているうちに開始のアナウンス。

北東の風で曇多目の晴、風は弱いが東っ気のため多少チャプチャプした海上。位置的には走水沖(第二海堡の南側で第三海堡の東側)で、水深は40m。潮色は薄濁りでアジには良さそうに見える。潮周りは中潮の最終日で14時頃まで下げる予報、この海域は比較的潮の動きがタイドグラフ通り上下に流れるが、この時間すでに下げ潮が速めに効いているのが分かる。同じ立ちを2回流し、次に55mまで落としたが生体反応が無い。船長は30分程度で見切りを付け、一気に観音崎沖まで走った。9時に再開すると、こちらは水深78〜80m。さすが潮流は本格的でこれぞ観音崎という流れ。湾奥の濁り潮が直接降りてきている感じで、こちらの方が濁りが強い。流れに対してエンジンで前進して船を止めているため、道糸はトモ方向に45度以上の角度で流される。この潮で混雑船じゃ仕掛け下ろす度にオマツリしそうだが、こういう時は空いていると本当に助かる。仕掛けの消費量やロスタイムはもとよりストレスがだいぶ違うはずだ。エンジン流しによる船の前後動に合わせながらマメにタナを取り直さないとすぐに底に着いたり浮き過ぎたりする。これまでこういう潮は何度と無く経験しているが、正確にコントロールするのは難しく、同時にコマセの出具合もイメージしなければならないので難易度は高い。これぞ本格ビシアジ、相応のテクニックを要する釣りだ。


朝一は第二海堡の南で第三海堡の東に当たる走水沖から/今日はグレ針6号に自前の赤タン。

ビシが底に着いてしまったので、タナを切り直そうと巻き上げたところ何やら生体反応。グイグイと段を付けて絞られた次の瞬間、予想を上回る重量感で一気に伸され、3号ハリスを一瞬で飛ばされた。回収すると一番上の枝ハリスの結び目から切れていた。引き込み方から想像するにたぶん鯛だろう、それもかなりの大物だったと思う。一瞬のことだったので、ドラグの調整も間に合わず、やり取り以前の段階で終わってしまった。重いビシを背負っている分、仕掛けに掛かる負担が大きいというのもあるかもしれない。思い出すと悔しいが、コマセを振っても滑らない程度に締めていたので対応が間に合わなかった。場所が場所だけにそういう一発も頭に入れておくべきだったとしか言いようがないが、いずれにしても結果論。ちなみに今日の仕掛けはハリス3号にグレ針6号(金)の3本針。アジのサイズもなかなかで、たまに混ざるサバがデカイらしいので、今日は最初から太目の仕掛けで臨んでいる。餌は青イソが支給されるが、自前の赤タンを使用。数日前、魚屋さんで売れ残ったイカの糸造り(輸入物のモンゴウイカ)を見つけたので購入。100円引きで245円也。食紅で染めて塩漬けしただけ。10回分は余裕でありそうなので、小分けにして冷凍保存しておいた。

8時10分、海水循環ポンプが作動。どうやら左舷ミヨシで初物が上がったらしい。それじゃ気合入れますか〜!すると早速私にもアタリ。潮が速いので無理はできない。ゆっくりめで慎重に巻き上げる。途中の突っ込みは竿の角度でいなしながら対応。水深があるので巻き上げに時間が掛かるが、気持ちが逸って巻き急ぎはNG。ここは我慢。ようやくビシを回収すると先針に良型のアジ。玉網で救おうかと思ったが、上顎の良いところに針掛かりしているのが見えたので、タイミングを計って一気に抜き上げた。いきなり今日一となる33cmをゲット!激流に揉まれた当地のアジは幅も厚みもあって惚れ惚れする体型である。前述の通り、この激流でのコマセワークとタナ取りは難しいが、何度かに分けて徐々に手前に寄せつつ、3、4回の切り直しでだいぶ安定する。ビシは前回ヤマシタの130Sを使用したが、今日はこれだと目が詰まってダメ。同じ船宿でもミンチの粗さが毎回同じとは限らないので、やはり目の粗め細かめの2種類は必要だ。今日は粗めの方(パームビシの全体の形と大きさが細く小さくなるようにバラして編み直したもの)を使用。底から2m前後でチョンチョンと軽く出して3〜4mの間が食いダナ。待ち時間は長めで、その間も潮流でポロポロとこぼれるイメージ。


潮ぶっ飛びで道糸は45度以上?/ミヨシのお客さんも同じようなペースで釣り上げる。

アタリはどれも単発で続くことは無いが、まったく食わなくなるということも無く、船中、忘れた頃に誰かが釣り上げる。10時で3本、どれも良型だ。このサイズ主体だから、2本目以降は傍らに玉網をスタンバイし、大事に救って取り込むことにした。ミヨシのお客さんは私が赤タンで良型をポツポツ食わしているのを見てか、上乗りさんに赤タンないの?との声。知らなかったが赤タンも船に積んであるようだ。しばらくして、そのお客さんから赤タンの方が食うね〜!と言われてVサイン。確かにこの海域で青イソの方が明らかに良い日もあるが、平均すると赤タンの方が安定しているような気がする。逆に中の瀬など湾奥寄りでは青イソの方が良い日が多いような気がするが、気がするだけかもしれないので断言はしない。赤タンも大きさや形など好みがあると思うが、今日のサイズ主体なら5mm×10mm程度に細長く切って、端っこに薄く針を掛ける形が個人的には好み。少なくともサイコロ状の大き目で分厚い赤タンを外れ難いように厚く装着すると針のフトコロが甘くなってバラシの原因になると思う。さて、11時で6本と同じようなペース。今日は品物が良い分、アタリ1回の価値が大きい。11時30分、気持ち潮が緩んで、幾らか釣り易くなってきた感じ。ツ抜けして時計を見るとちょうど12時。

このアジ10本なら食材的にはなかなかのボリューム。でももうちょっと釣らないと開きまでは回らないかな?と結局、釣れたら釣れたで欲が出るというものだ。急速に潮が緩んで、道糸が難なく立つようになってきたが、アジのアタリは上向いて12時30分で14本。その間、1回だけ巻き上げ中に逃げられたが、今日はいつもより回収率が高いかもしれない。試しに使用しているグレ針6号は釣果14本中11本が上顎にガッチリ針掛かりし、ちょうど針のフトコロサイズが良いみたいで、上唇の隙間に針先が貫通、振り回しても外れそうにないほど見事な針掛かりには自己満足である。残り3本の内、1本は唇の斜め上でまあまあ良い場所に針掛かり、あと2本は玉網で救ったら外れてしまった。これをどう考えるか?実験回数が少ないので何とも言えないが、少なくとも悪いということは無さそう。潮が完全に止まってしまい、先程までの激流が嘘のようだ。道糸は垂直でコマセ振っても潮の抵抗がまったく無い。こうなっちゃうと食わないだろう。周りのお客さんも完全にアタリがストップ。まったく気配が無くなり、ポカポカ陽気に睡魔が襲う。13時を回ると船長は観音崎沖に見切りを付け走水沖へ。こちらも池のような海、南西微風に回り海上はベタ凪。


最後は再び走水沖、ここで嬉しいゲストの登場となった。

水深60mで数回流した後、朝一にやった40m立ち。ほんの少し西に潮が動いているようだが、止まっているも同然。米元丸のカサゴ・イシモチ船が近くで操業中だが、ここは根魚やタイも狙える場所。アジは絶望的と見て3本針には青イソを長いまま1本掛け、コマセは振らずに3m底を切って置き竿。するとミヨシのお客さんにアジが釣れてビックリしたが、どうやらアオアジだった模様。どうしようかな〜迷ったけどそのまま根魚狙い続行。一向に生体反応現れず、そろそろ片付けようかと思った14時45分、置き竿の穂先がガクン!今もしかして動いた?錯覚か?周りを見るが波も何も無いし、誰も巻き上げている様子も無い。もしかしたらもしかしちゃったかも・・・すると何かが針掛かりしたらしく本格的に竿が暴れ始めた。竿を手に取り、電動のレバーを倒したが、ちょっと動きが派手で危なっかしい。ここは手巻きで慎重にやり取り。カサゴにしちゃ走るし、イシモチにしちゃずっと暴れっぱなしだし、もしかして・・・ビシを手繰るとナント海面には・・・タイだ!タイだ〜!玉網に収まったのはマダイ。食べ頃サイズの綺麗なマダイである。最後の最後に高級おかずゲットで作戦大成功!しかし、よくこの潮で食ったな・・・という事で本日はこれにて納竿。結果、27〜33cmのマアジ14尾(うち9本が30cm超)、マダイ1枚(690g)でクーラーズッシリ、久々に満足の帰宅となりました。


本日の釣果、マアジ 14本(27〜33cm)、マダイ(690g)。

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