初心に返って久比里からカワハギ釣り

9月28日(日)、久比里の巳之助丸からカワハギに行ってきた。
すっかり涼しくなり秋の深まりを感じる今日この頃、短パン&サンダルの季節が終わってしまうのは少し寂しいけど、涼しくなればなったでやりたい釣りは盛り沢山。これからの季節、何と言ってもカワハギ釣りが熱くなる。穂先に表れるあの微妙な変化、針掛かりすると一転して強烈に竿を叩き込む豪快な釣り味。以前は年間通じて釣行したこの種目も、最近は軟体系やコマセ系の釣行が増えるに伴い、10ヶ月近くもご無沙汰してしまった。今年のカワハギは夏から好調で、浅場で良型主体に数も出ていたようだが、ここに来てシーズン本番、各船宿が本格的に出船し始めた途端、東京湾側は速潮だったり濁り潮が被ったりで潮況安定せず、やや苦戦気味のようだ。このところ、久比里船も数は控えめなようだが、まだコッパが落ちてきていない分、良型が多いとの情報で、実際はどうだろうか。今週末は我が家の料理人が不在のため、『あまり数釣れない釣り』という条件に加え、タイミング良く8月から作っていた和竿が先日ようやく完成。本当は半年くらいは寝かせておいた方が漆のためには良いのだけど、まぁいいや!使っちまえ!ということで、今週は初心に返って、自分が船釣りに毎週通うきっかけともなった久比里出船のカワハギ釣りに久し振りに出掛けてみることにした。

いつもの時間に到着したが、今日はお客の出足が早く、21号船はパッと見、すでに20人超、近付く気がしない。もう1隻は16号船で、こちらは5、6名居られるが、左舷はトモとミヨシに1名づつだったので、左舷ミヨシ2番に荷物を下ろし、受付を済ませると札は既に32番。今日は大きな釣り会の例会のようで、大型の23号船と20号船が貸切、ざっと40名様の団体だ。幹事さんもこの人数纏めるのは大変でしょう。やがて乗合も大混雑となるや17号船も配船されて乗合は3杯出しに。この辺の采配が毎度のことながら流石!仕立も含めれば5隻全船カワハギで乗客数は100名を超す。恐るべし久比里のカワハギ船である。本船は左右9名づつの18名で落ち着いてくれて、定刻8時、初めてお世話になる船長の操舵で出船となった。前日に手頃な粒を2Kg程剥いて来たので、出船までの1時間40分余り、退屈な時間を覚悟していたのだが、お隣のミヨシ一番のお客さんが私の和竿に興味を持って下さり、色々とお話をさせて頂くうち、竿作りに関しても造詣が深く居られて、マニアックなお話も弾み、出船まで楽しい時間を過ごすことができた。毎年この時期よくあるパターンなのだが、2杯出しの場合は竹岡沖と剣崎沖に分かれて様子を見るようで、今日は21号船が竹岡沖に向かい、他4船は剣崎沖に向けた。8時30分、本船は剣崎間口港の沖合いやや北寄りで旋回すると早速開始の合図となった。


出来立てホヤホヤの和竿です/大盛況で乗合船3杯出し。

北北東の風やや強く曇り、水色は澄み。濁りが抜けていてホッとしたが、海上は思った以上にバッドコンディション。グラグラしてちょっと釣り難い。しかも潮が速い!今日は大潮の初日で、干潮が9時半頃の予報。釣りを始めると下げ潮ぶっ飛びのトモ流し。水深は20〜23mと浅いが、オモリ25号だとエンジンで船を戻す度に道糸がトモ方向にぶっ飛んでしまい戻って来ない。仕掛けを底でキープできても、ベラ類が物凄い活性で10秒と持たず。そんな中、ミヨシ一番のお隣さんが早くも23cm級を上げ、すぐにトモ寄りで1枚、右舷でも1枚、どれも計ったように同級。三流しめ、ベラは多少は大人しい感じだが、まだ十分過ぎるほど煩い。8時50分、私にようやくソレと分かるアタリ。いや〜お久し振り!私も23cm級の初物をゲット。いい引きしました!最初、中層メインに探っていたが、まったくダメなので、底釣りでベラに食われながらカワハギのアタリを出すしか無さそうだ。潮が速いので弛ませ系の釣りは糸が出過ぎてしまい、オマツリの原因になるのでNG。オモリはやや浮かし気味に、底に着けては小さく誘うような釣り方でなるべく糸を立てて釣る。それでも斜めになり過ぎたら巻き落としでリセット。活性はそこそこあって型が良い分、食いにさえ来てくれれば、本アタリを出すまでさほど苦労はしない。次の流しはぶっ込みで少し沖目に振り込んで叩いたら、いきなりドドドンと来て20cm超の一荷でビックリ。2枚で引きを相殺してしまいブルブルとデカイササノハみたいな引きだった。

時間的には上げ潮に変わった10時前、急に潮が滅茶苦茶になってオマツリ頻発。二枚潮は二枚潮なのだが、どっちにどう動いてるのかまったく読めず、振り込む度、予測しない方向に持って行かれる。これじゃ船中誰とオマツリしてもおかしくない。オモリを30号に換えても焼け石に水、しばらくの間、オマツリとの格闘になってしまい、やや戦意喪失気味。10時半を回った頃、ようやく移動してくれて、到着したのは江奈湾の沖。地元江奈港の船は城ヶ島沖で大船団を作っている中、本船が江奈港の真ん前で操業するのも妙な感じだが、東京湾側の船は松輪船を除いて城ヶ島沖には入れない。さて、水深32mから再開したが外道も食わず、インターバル早めに流し換えて、25m立ちでようやくアタリが出始めた。ここは西から東への一本潮で、オマツリは殆ど無くなったが、やや速めなのでオモリは30号の方が釣り易い。相変わらず外道が元気な中、マメにやっているとカワハギのアタリが混ざるので集中力が要る。浮いてくれるとカワハギを選んで釣れるのだが、今日は底ベッタリで掛かって来るのも下針中心。徐々に西へ流し換えながら毘沙門沖へ。次第に風が強くなってしまい、たぶん10m超。風裏のこの場所にして船がグラグラ落ち着かない。流しの途中、まったく気配が無かったり、船中パラパラ出たりと、居る場所と居ない場所がはっきりしており、一人にアタリが続く程の数も居ないようで、拾い釣りペースのまま、お昼で8枚。その後の1時間は3枚追加し、13時で11枚。


タチウオの漁場は下浦沖に移った模様/間口港前→江奈港前→毘沙門沖→松輪瀬の水深20〜32m。

最低目標のツ抜けは達成したが、今日は平均サイズが良いので、コッパ交じりのツ抜けとはボリューム感が違う。僚船は一足先に松輪瀬に移動して模様が出ているのか、本船も移動となったが、低速航行にも関わらず頭から波を被り、慌ててカッパを着込んで舳先に非難。乗客多く船も揺れるわで、船室に入ることもできない。ヒェ〜ずぶ濡れだよ、酷いなまったく。ビショビショになりながらようやく辿り着いたのは松輪瀬の水深32m。こちらは諸に風表となり、上下動もより一層深い。かなり釣り難い中、再開となったが生体反応まったく無し。何度か入れ直して、やや浅めの水深27m、ようやく外道のアタリが出始め、何度かやり替えているうちにカワハギのアタリもキャッチ。この時間、二枚潮は直り、南西から北東に向けたやや速い潮で、形は右舷突っ込みのミヨシ流し。アタリ続かずしばらく我慢の時間だったが、14時を境に様相一変、急に気配濃厚スイッチON。パターンは叩きをきっちり入れたら、張らず緩めずのまま3〜5秒我慢、穂先に集中していると明らかな違和感。決して向こうからゴン!とは来ないが、このアタリで針を銜えているから、そのまま持ち上げるとズゴゴゴゴ〜ンである。船の上下動とエンジン流しの前後動があるので、アタリが出てもタイミングを合わせられなかったり、確信の無いタイミングで掛けてしまい、巻き上げ中に外れたり、アタリの割りにロスがけっこう多い。不思議なことにモードに入るとアタリは殆どカワハギで外道率は低下。これが凪だったらもっとペース上げられる時合なんだろうけど。

先程釣れた27cm級より数段強く、途中何度も手を止められた本日最大級は途中で外れてガックリ。悔しいからウマヅラかウスバハギだと思っておこう。アタリを出すまでは至って好調なのだが、その後が思うようにコントロールできない。そうこうするうち時間も大詰め、14時50分の潮回りで血抜きした魚をクーラーに移したら17枚。残り10分で3枚か、アタリは出るから下手こかなきゃ釣れそうな枚数だけど・・・よーし、目標20枚だ!絶対20枚釣るぞ!そして再開することポンポンと2枚連荘で簡単に19枚、その後、2回連続で空振り。クッソ〜、船が動き過ぎてアタリが出ても食い込むまで着いて行けないよ。残り2分だ。これが最後かな?餌を入念に着けて投入。着底してしっかり叩いて、張らず緩めずのテンションをキープ。すると奴は現れた。フカフカフカッと穂先に微妙な変化。そのまま竿を持ち上げるとズドドドド〜ン!コレだよ。波があるし潮も速いので、途中、カワハギが横になった時に掛かる水の抵抗は大きく、なるべくテンションを変えないように大事に且つ速めに巻き上げ、無事20枚目を船に上げた。ヨッシャ目標達成だ!ガッチリ掛かって針を手で外せない。直後、あと1分くらいで上がります!とのアナウンス。帰りはかなり被りそうなので、一足お先に片付けて舳先に非難してよう。初使用の和竿はあの微妙なアタリも出て、良型の引きも柔軟に受け止め、お気に入りの竿になるかな?大事に使おっと。久し振りのカワハギ釣り、やっぱりこの釣りは面白い!


本日の釣果、カワハギ 20枚(17〜27cm、内20cm超が12枚)。他、キュウセン、ササノハベラ、イトベラ、トラギス、コクチフサカサゴ、カゴカキダイ、オキゴンベは放流。


翌日、良型1枚をお刺身で賞味。ほのかに脂が乗っていてマイウ〜!良い意味で裏切られました!
キモは6、7分目で、だいぶ入ってきてましたね。


【船宿HPコメント】
皮はぎ(28日)・・剣崎&竹岡沖、潮:濁り、水温:24度
今日も乗合2隻で出船出来たので竹岡と剣崎沖に別れました。竹岡沖は13m位の浅場で31cmの特大も混じり良型中心でしたが、割り当てが厳しく、アタリが遠いお客さんも居たので、後半は剣崎沖へ合流しました。こちらは沖のポイントを流しダブル混じりで良型揃いだったので船中平均に釣れました。トップは世田谷区のSさんとNさんが17枚、別船の剣崎沖は横浜市の込み根さんが20枚の好漁でした。(浩喜、功一)

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