沖の瀬五目、本命不在もおかずはそこそこ

3月27日(土)、三崎港のえいあん丸から沖の瀬のコマセ五目に行ってきた。
先週も狙いを定めたかのように土日に渡って大シケ、結果的にこの一ヶ月、土曜日は全て大雨か大風となった。そして連休最後の月曜日、低気圧は東海上に遠ざかったものの、吹き返しの強風とウネリ残り、底荒れ&大混雑と見て釣行は見送ることにした。後で話を聞いたところ、案の定、2日間足止めを喰らった釣り人たちがドッと押し寄せ、おまけに海中は魚もイカも活性が上がらなかったそうだ。ようやくこの土曜日は好天が期待できそうだが、日曜日には早くも下り坂との予報である。さて本日の釣行、最近ぜんぜん魚持って帰っていないので、たまには釣った魚が食べたい!という思いで、I澤さん企画の沖の瀬コマセ五目に参加してみることにした。釣り物の看板に『沖の瀬』と場所を特定している理由は、頭の中に『カ・イ・ワ・リ』の4文字があるからに他ならない。だがしかし、事前予約のリクエスト船のため、実際問題としては当日が沖の瀬まで行ける天候かどうかが最初の関門、次に現場の潮流、水色などのコンディション、そして船長の腕と勘?と言った様々な要素が上手く噛み合って、しかも好時合にお魚の目の前で魅惑的な誘いをした人だけが笑うことができる、いわゆる幻的なターゲットでもある。良型となれば強烈な引きに相応のやり取りを必要とし、アジの仲間だけあって口切れによるバラシも多く相手としてはかなり手強い。狙って釣るのが難しいこのお魚、一応本命には挙げておくけど、釣れたら超ラッキー!釣れなくてもともと、保険で沖メバル&アカイサキでおかず稼ぎといったところに落ち着くのがひとつのパターンであろう。いつもの電車でI澤さんと合流して現場に向かった。本日は久々に好天の土曜日とあって、京急の車内も一際釣り人の多さが目立つ。三浦海岸駅で下車すると、よっかつ船長の送迎車には6名の釣り人、いつものおとうさん他、見慣れたお顔の常連さんばかりだ。今日は人数も揃ったし沖の瀬まで走るので赤い方の船を使うそうだ。それは有り難い。右舷トモにI澤さん、ミヨシに私、真ん中に親子連れの3名が入り、左舷はミヨシのおとうさん他2名で計8名の乗客である。あるはずの場所に氷が無いので再度確認すると、何かの手違いで作っていなかったそうでナンテこった!オニカサゴならまだしも五目釣りで氷が無いのは致命的にもなりかねないので、出船間近になって近所のコンビニまで買いに行って来た。アミコマセもカチンカチンのコンクリート状態で大丈夫か?まさかコマセ融けるまで釣りお預けとかないよね?(笑)いつもながらのおっとりした空気の中、定刻8時を少し回ったところで出船となった。三崎西口から出ると城ヶ島西側に掛けて早くもマルイカの大船団が形成され、旋回している船が少ないのでなんだか釣れてそうな雰囲気、いいな〜。(結果、トップ束近い爆釣だったようですね。)本船はマルイカ船団の外側を回って南下。この天候なら問題無く沖の瀬に行けそうだが・・・。城ヶ島沖辺りでは北東の風が強めに吹いていたが、南下するに従って風速は落ちてきたようだ。その代わり、だんだん船が妙な上下動をし始め、風が無い割りになんか様子が変だなぁ。


城ヶ島沖は朝からマルイカ大船団/久し振りの週末好天、予定通り沖の瀬に行けそうです。

8時50分、場所に到着。依然カチンカチンのアミコマセを船長がけれん棒で強引に粉砕。流石、若い!パワーが違うわ。砕けてしまえばこっちのもの、この先融かすのはそんなに苦労はしない。8時57分、水深92mからスタート。北東の弱風で晴れ、よく見ると南東方向からピッチの短いウネリが入り船体はローリング。沖で吹いてるのかな?こちらミヨシ席は1.5m前後の上下動に振り子のような横揺れが加わり、つかまらないと歩けないほど。水色は真っ青でビシが15mくらい見えるが、これはコマセシャクリ的にはどうなんでしょうか?周りのお客さんを見ると、メバル狙いで魚皮サビキの上にプラカゴ着けてる人も居れば、アマダイ仕掛けにオキアミ餌で底付近を狙ってる人も居るし、コマセマダイ方式でコマセ振ってタナ切って置き竿の人も居たりで皆さんスタイルはマチマチ。私はアミコマセと聞いたらシャクリしか頭に浮かばないので、片テンビンにYO−ZURI製80号のアンドンビシ、クッション30cmを介して、ハリス2号全長2.8mの4本針、針はチヌ針1号の空針で、最初は様子見で先端だけSサイズのオキアミを着け、他3本にはイカタン。実はコレ、2年前に作ってから何回再冷凍したものか。(笑)竿は所持している中では『Aグリップネライ210』、コレが80号のシャクリ釣りにはドンピシャ。最初の流しは外道も当たらずに回収。2流しめは水深76m。ここでようやく生体反応が出たが、案の定のヒメ。やっぱり君居るのか、お呼びでないのでさっさとお帰り頂く。次の投入もシャクった竿の穂先が戻りきる前に押さえ込まれ、またしてもヒメ。そして次もヒメ、またもやヒメ、またまたヒメ、それもダブル、ダブル、時にトリプルと気がつけばヒメの猛攻。ただ釣れるだけならまだしも、巻き上げ中に回転するので、仕掛けが毎回チリチリになってしまい復旧に手間取り、交換を余儀なくされることもしばしば。懸念していた事態が早くも現実化。着底後、2m巻き上げてから1シャクリ50〜70cmの幅で、3〜5mで食ってくるのがヒメかササノハベラ。その層を通過すると今度は殆ど生体反応が無い。試しにウィリー仕掛けに交換してみても、若干餌より反応が遅い傾向はあるが大差は無いようだ。もったいないので潮回りの間に元の餌釣り仕掛けに戻す。この水深やるときの税金だと思って、しばらく我慢するしか無いだろう。今日は若潮後の中潮初日で実釣時間一杯ちょうど上げ潮の予報だが、この時間どっちに流れているのやら、道糸はキレイに立つのでさほど動きは無いものと思われる。周りにはつり幸、忠彦丸×2、ともにLTウィリー五目船、他、数隻コマセ釣りと思われる船が操業中だが、様子が分かるほど距離は近くない。かれこれヒメ30尾にササノハベラ10尾は釣ったと思うが、依然クーラーは空っぽのまま。10時20分、シャクって止めて、やや待ち時間長めでグンッ!と突っ込む今日イチのアタリ。こりゃちょっと良さそう!と思った瞬間アレ?居なくなっちゃった。回収すると先針がチモトから切れていた。何だろう?その後、頭の中でもしやカイワリだった?グルグル思っていたけど、よく考えたらハリス2号、重さも乗せずに瞬殺されるはずが無い。確か始め頃にミズフグ釣ってた人居たよな、そっか、コレもきっとフグに違い無い。夢が無いけどそう思えば納得が行くというもの。


大ドモにI澤さん、真ん中に親子連れ3名、ちょっと離れて私/これが本日のハイライト!

11時20分、タナの取り直しでビシを下ろそうとしたら何かに食い上げられてモワモワ。そのまま巻き上げ始めると仕掛けが張った辺りでグングンと重さが乗った。そんなに引かないけどヒメとは別格だ。ウネリに合わせて調整しながら大事に巻き上げ、ゆっくり回転しながら上がって来たのはチカメキントキ。やっとお持ち帰りが釣れたよ。しかしこのキントキってお魚、ウロコ取るのが難儀で、普通に包丁でやると家の中飛びまくって後が大変だし包丁も一発で切れなくなる。そう言えば数年前、S大さんと南房乙浜港からキントキ乗合に行って入れ食いだったっけ、懐かしいなぁ。あの時は数が多かったから途中でウロコ取るの断念したけど、どなたか良い方法ご存知の方いらしたら教えてください。この流し、ちょっと魚っ気が出てきて、お隣でアカイサキが上がると、その直後、私にもちょっと良いアタリで本日初メバル。24cm級でまずまずの型。この調子でメバルの食いでも上がらないかと期待したが、その後はポッツンと単発で追加したのみ。場所がピンポイントなのかな、アタリが2度続かないもんね。相変わらず普通のタナで仕掛け止めちゃうと先にヒメが着いちゃうので、最初3mくらい巻き上げたら、少し速めにシャクり上げちゃって、アタリ少なくても上めで辛抱した方が良さそうな感じ。12時10分、水深82m、やはり少し高めにシャクってビシが底上8mの位置で少し待つと本日最大のアタリ。これは動きが変だからメバルだったら数着いてそうだな。急がず大事に大事に巻き上げると、何だこりゃ?ビシの下に魚影がいくつあるの?釣り座の下手から順に手繰り上げると上からメバル、メバル、アカイサキ、アカイサキのパーフェクト。しかも一番上のメバルは今日イチのサイズ。アタリが続かない割りに一発良い場所に嵌るとこんなにまとめて食って来るんだねぇ。おかげで少しはボリューム感出てきたよ。ちなみに餌はオールイカタン。後は最低でもメバルをツ抜けしたいところだけど、なかなか・・・。左舷のおとうさんもこの流しで初メバルをゲットしたようで、船中、多少は行き渡ったかな?今日は午後から南西風の予報、お昼を境に船首が南向きに変わったので、そろそろ風が来ちゃうかな?と思ったが、のらりくらりと無風状態が続いてくれて、次第にウネリも収まってきた。釣り易くなったのはいいけど、どうにもこうにも暖簾に腕押し状態が続く。シャクリやタナも色々やって探り続けるけど、パターンに嵌らないので正解に辿り着けない。忘れた頃にオキメバルとサクラダイがポツンと食って来るだけ。水深は浅いところで60m台半ば、沖の瀬もこんな浅い場所があるんだね、きっと時期になったらイサキが食う場所だろう。水深の関係かヒメが減った代わりにベラ率が上がってしまい、コイツは針を飲み込んだら外れないので違う意味で厄介。それにしても良い魚が釣れません。結局、その後もメバルとサクラダイを少し追加しただけで特にイベントは起こらず14時43分に終了。結果、メバルは7尾止まりで持ち帰りは計14尾。幻の本命は何処へ行ったやら。皆さん似たような釣果でメバル数匹+α?目立った釣果はI澤さんの良型ウマヅラくらいですか。釣り的には物足りない内容に終わり、おかず程度の釣果とはホントこういうことでしょうね。僚船は終始浅めのポイントでメバル中心に好漁だったとか、まぁ本船の場合、本命は幻の魚だったってことで片付けましょう。(笑)


本日の釣果、沖メバル(トゴットメバル)7尾(20〜25cm)、チカメキントキ 1尾(30cm)、アカイサキ 2尾(28、29cm)、サクラダイ 4尾の持ち帰り。他、ヒメ、ササノハベラ多数は放流。


沖メバルの刺身、脂はありませんが心地よいコリコリ感とメバル本来の香りがあります/右はサクラダイの刺身とアカイサキの焼き霜。サクラダイはほのかに脂が乗って、甘味と歯応えとバランス良く、お味はこの中でNO.1です。アカボラとか○○ハナダイなど、ハタ科の小魚は美味しいものが多いですね。アカイサキもハタ科ですが、身自体の旨みは薄いので、このように皮岸の旨みを生かした料理法が良いです。


沖メバルの香草オイル焼き、油を足して加熱すると旨みが際立ちます、焼いたプチトマトの甘酸っぱい香りが相性抜群/右は定番キントキの煮付け、思ったより脂があってモノが良かったです。これならもっと釣れても大歓迎!


アカイサキの霜皮造り、やっぱりこの魚は皮付きがいいです。もともと旨みの濃いお魚ではないので、皮岸にあるほのかな旨みを生かすことと、何と言ってもコリコリ硬めの食感がこのお魚の持ち味ですので、あえて少し厚めに切って食感を楽しみました。お皿に盛るとアカボラにソックリですね。/右はメバルの中骨で採った出汁でとき玉子スープです。相変わらず出汁はフル活用です。

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